目次
はじめに
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オススメ記事一覧(本・映画の感想・レビュー・解説)
本・映画の感想ブログ「ルシルナ」の中から、「読んでほしい記事」を一覧にしてまとめました。「ルシルナ」に初めて訪れてくれた方は、まずここから記事を選んでいただくのも良いでしょう。基本的には「オススメの本・映画」しか紹介していませんが、その中でも管理人が「記事内容もオススメ」と判断した記事をセレクトしています。
この記事で取り上げる映画
出演:大泉洋, 出演:高畑充希, 出演:三浦春馬, 出演:萩原聖人, 出演:渡辺真起子, 出演:宇野祥平, 出演:韓英恵, 出演:竜雷太, 出演:綾戸智恵, 出演:佐藤浩市, 出演:原田美枝子, Writer:橋本裕志, 監督:前田哲
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ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
この記事で伝えたいこと
「ボランティアと立場は対等」というスタンスを貫き通した鹿野の生き様に感動させられる
良い意味で「障害者」のイメージを打ち破ってくれる、破天荒な筋ジストロフィー患者
この記事の3つの要点
- 私が「ハゲたくない」と感じる理由から、「障害者」の捉えられ方について考える
- 延べ500人ものボランティアの手を借り、病院・親元から離れて暮らすという凄まじさ
- 「手助け”してあげている”」「手助け”してもらっている”」という感覚を排除した関係性の奇跡
大泉洋・高畑充希が実にハマリ役で、映画としてももの凄く素晴らしい作品です
自己紹介記事
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どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
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私は「健康なまま死にたい」といつも考えています。長生きできる必要はありません。とにかく、どんな理由であれ「身体が痛い」「身体を動かせない」「身体を動かすのが難しい」という状態になりたくないですし、なんとかそうなる前に死ねないかなぁ、と考えています。
誰だって病気や障害は嫌なものでしょうが、私は「身体がちゃんと動かなくなるくらいなら生きていたくないなぁ」と感じるくらい生きる気力に乏しいので、なおさらそういうものを避けたいと考えてしまいます。
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だからこそ、この映画の主人公・鹿野靖明が陥る難病「筋ジストロフィー」は私にとって恐怖でしかないですし、そんな状況にあってもなお、凄まじい生き様を発揮した鹿野に感服させられてしまいました。
「ハゲたくない」と考える理由
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それは、「かっこ悪いから」みたいな理由ではありません。もちろんそれも嫌だと感じますが、もっと強い理由があります。
それは、「ハゲている人は『腫れ物扱い』されるだろう」ということです。
外国ではどうなのか知りませんが、少なくとも日本では、ハゲている人に対して「ハゲていること」を話題にしてはいけない、みたいな風潮があると思います。触れてはいけない、気付いたとしても見て見ぬフリをしなければならない、みたいな雰囲気をどうしても感じてしまうのです。
私は、そんな風に見られることがとにかく嫌で仕方ありません。
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たとえハゲてしまったとしても、周りが「ハゲてきたね」「なんか良いハゲ方してるなぁ」みたいに普通に話題にしてくれるなら、別にそんなに嫌ではない気がします。ただ、絶対にそんな風にはならないでしょう。そしてそういう、「あなたのハゲには気付いていませんよ」「気付いてるけどなんとも思ってませんよ」みたいな空気を、どうしても感じたくないと考えてしまいます。
何故こんな話から始めたかと言えば、「障害者」に対しても同じような視線を向けがちだと感じるからです。
もちろんそれは私自身もたぶん同じでしょう。障害者に限らず、世の中の様々な人を出来るだけフラットに見ようと常に意識してはいますが、それでも、「腫れ物」的な視線を向けてしまうことはきっとあると思います。
「気持ち」はフラットにと思ってても、そうは受け取られない「言動」をしてしまうこともあるし
結局「言動」でしか判断されないから、「言動」が適切じゃないとその「フラットさ」も伝わらないからね
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さらに難しいのは「世間の声」です。例えば、「フラットに扱ってほしいと考えている障害者」に対して、「普通なら『障害者』に対してするだろう配慮」をしない言動を取った場合、厳しい「世間の声」が飛んできてしまうかもしれません。「バラエティ番組で笑いを取りたいと思っているアイドル」を「貶したり酷い扱いをしたりして笑いにする芸人」が、アイドルのファンから叩かれてしまう構図に近いでしょうか。本人同士は何の問題もないと考えているのに、関係ない第三者が割り込んできて事態をややこしくすることがあるわけです。
めんどくさい世の中だなと思います。
少なくとも今の日本社会では、「ハゲている人」や「障害者」は「腫れ物」的な扱いを避けられないでしょう。
恐らく鹿野も、そういう扱われ方を嫌ったのだと思います。
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しかしそんな不可能を可能にしたのが鹿野靖明という男であり、この映画はそんな彼の人生を描く物語なのです。
小学6年生の時に筋ジストロフィーと診断された鹿野は、20歳まで生きられないだろうと言われましたが、この映画の舞台である1994年時点で34歳、医師の予想を遥かに越えて長生きしていました。しかしその時点で既に、動かせるのは指先と口ぐらいで、1人では何もできない状態だったのです。
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しかし鹿野は、病院ではなく普通の生活がしたいと考え、まだ身体の機能がそこまで衰えていない時期に行動を起こします。車椅子に乗りながらたった1人で「自分を介助してくれるボランティア」を集め始めたのです。24時間常に誰かしらボランティアの手を借りながら、自宅で生活を送る態勢を整えました。
正直、ホントにこんな生活が成り立ってたのか疑いたくなるくらいのボランティアの規模だよね
延べ500人のボランティアが何らかの形で鹿野と関わっていたっていうんだから凄まじい
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命の責任は自分で持ちます。
そう言って、病院も親元も飛び出した鹿野ですが、口ばっかり達者で自分では何もできません。しかし彼は、卑屈に感じることもなく、「自分だって普通の生活を送っていいはずだ」と主張し、他人の迷惑を顧みずに自分の人生を楽しもうと日々奮闘します。
そのような鹿野のスタンスについては後で触れるとして、まず、鹿野がこのような”無謀な”生活を志向したその背景の1つについて触れましょう。
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彼は、母親のことを考えていたのです。この点についてはあまり具体的には触れない方がいいと思うので、ちょっと別の話をしようと思います。
著者名もタイトルも伏せますが、ある小説のラストに「痴漢は死ね」という言葉が出てきます。なかなか物騒な響きですが、その作品においては実は涙の場面なのです。
その小説を読まなければ絶対に理解できないのですが、この「痴漢は死ね」という言葉は、「あなたのことを大切に感じている」というメッセージなのです。
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では、映画の話に戻りましょう。
鹿野はある場面で、母親に「帰れ」と言います。これもまた、あまり良い響きには聞こえないでしょう。しかしやがて、この「帰れ」には、「あなたのことを大切に感じている」というメッセージが込められているのだ理解できるのです。
鹿野は「普通の生活がしたい」という動機を強く持っているし、それを原動力にして無謀な挑戦に足を踏み出したと言っていいでしょう。しかし実は「家族への想い」も見え隠れするというわけです。口うるさくてややこしい性格の鹿野ですが、それでも多くの人を惹きつけたのは、その芯にきちんと優しさがあると伝わるからだと思います。
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「障害を持っていてもお前たちとは対等だ」という鹿野のメッセージはとても勇敢でカッコいい
鹿野という男は、文句を言うはやかましいは人使いが荒いはで、ボランティアさえイライラさせてしまうめんどくさい性格をしています。正直、「うわぁ厄介だなぁ」と感じてしまう場面も多々ありました。
ただ、そういう印象を抱いてしまうのは、私たちが「障害者」に対してある種の偏見を抱いているからだ、とも感じさせられたのです。
「24時間テレビ」などが分かりやすいと思いますが、「障害者」は「善人」「良い人」という形でしか切り取られないことが多いでしょう。障害者にだって様々なタイプの人がいるはずなのに、どうしても私たちは「障害者」を「良い人」と捉えてしまいがちだし、たぶん性格もいいんだろうと考えてしまうと思います。だから、鹿野のような振る舞いを「イメージを裏切られた」みたいに捉えてしまい、悪い印象が増してしまうなんてことになるのでしょう。
そういう「善人」的な見られ方をされちゃうのは辛いよね
「健常者からの施しをありがたく感じろよ」みたいな押し付けに映ってるかもね
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傍若無人と判断されても仕方ない振る舞いは、鹿野にしてみればある意味で当然と言えるでしょう。命に期限があることが分かっているから躊躇なんかしている暇はないし、やりたいこと、思いついたことはすぐにでも実行したいと考えているからです。そもそも、筋ジストロフィーになったのは彼が悪いわけではありません。自分だって人生を楽しむ権利はあるはずだと考える鹿野の感覚は真っ当だと言えるでしょう。
生活を手助けしてもらっていることに対する感謝はあれど、「みんなに迷惑を掛けているんだからちょっとは自重しなければ」なんて配慮は必要ないとも考えています。そもそもボランティアは鹿野自身が集めてきたのだし、鹿野からすれば「ボランティアしたくて来てるんだろ?」という感覚でしょう。確かに、鹿野の介助に限らない話ですが、ボランティアする側だって何かしら自分なりのプラスを感じているはずです。とすれば、鹿野がボランティアたちと対等な気持ちでいるのも真っ当だと言っていいと思います。
もちろん、そんな鹿野の態度は、すべての人に受け入れられるわけではありません。興味を持ってボランティアにやってきたのに、すぐ辞めてしまう人も当然いるわけです。中には、「本当に困っている人のためにボランティアをやりたいと思ってきたけれど、鹿野さんは人生を楽しんでいるから」という理由でボランティアを辞めていく人もいます。
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そして鹿野は、それで別に問題ないと考えているのです。全員が自分を好きになってくれる必要はないし、ボランティアを通じて何かを得られると考える人だけが来ればいい。自分は言いたいことを言うし、やりたいことをやる。自分の責任なわけじゃない筋ジストロフィーのせいで、みんなより多くのことを諦めなきゃいけないのはおかしい。鹿野のそんなスタンスはとても真っ当に感じられますし、「障害を持つ人と対等に関わるというのはまさにこういうことなのだ」と実感させてくれもしました。
「障害者」という枠組みに囚われることを拒否し、あり得ないやり方でそこから飛び出した、何も出来ないのに口だけは達者という人間が、結果として500人以上のボランティアと関わったという話は、どこからどう聞いても凄まじさしか感じられません。そしてさらに、「障害者」だけではなく、何らかの形で「マイノリティ」として生きざるを得ないすべての人を勇気づける話でもあると感じました。
映画『こんな夜更けにバナナかよ』の内容紹介
安堂美咲は、鹿野のボランティアなどするつもりはなかった。
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鹿野が住むマンションにやってきたのには、理由がある。最近付き合い始めた医大生の彼氏が、”ボランティア”を理由にあまり会ってくれないからだ。そんなのは嘘で、浮気でもしているのではないか……と心配して、偵察にやってきただけなのである。
そこでは、大勢の女性が1人の男性の身体を洗っていた。その男性が鹿野だ。筋ジストロフィーで身体をほとんど動かせないが、口は達者でメチャクチャ元気な鹿野に、美咲はなんだか気に入られてしまう。そして、彼氏の二股を疑っただけなのに、鹿野のボランティアのシフトに勝手に組み込まれてしまうのだ。彼氏にもボランティアへの協力を頼まれ、嫌々ながら鹿野と関わることになってしまった。
それにしても鹿野は最悪だ。図々しいし尊大だし、イライラさせることばかり口にする。ある時さすがに頭に来て、「二度とこんなとこ来ない」と啖呵を切って飛び出してしまった。
その後紆余曲折があり、なんと彼氏以上に鹿野のボランティアに力を入れるようになった美咲は、徐々に鹿野の不思議な魅力に気付いていく。それがなんなのか、上手く捉えきれないまま、美咲はボランティアの中心メンバーになっていき……。
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出演:大泉洋, 出演:高畑充希, 出演:三浦春馬, 出演:萩原聖人, 出演:渡辺真起子, 出演:宇野祥平, 出演:韓英恵, 出演:竜雷太, 出演:綾戸智恵, 出演:佐藤浩市, 出演:原田美枝子, Writer:橋本裕志, 監督:前田哲
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最後に
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とにかく凄まじく良い映画でした。鹿野靖明役の大泉洋も、安堂美咲役の高畑充希も、もの凄くハマリ役という感じで、ドキュメンタリーではないのに物凄くリアルな作品だと思います。鹿野も美咲も、現実には存在しなさそうなキャラクターなのに、大泉洋・高畑充希が演じることで驚くような説得力が生まれていると感じました。
こういう話に触れる度、毎回感じることですが、マイノリティである誰もが鹿野のように生きるべき、などとは思っていません。誰もが、自分が生きたいと思える人生を歩めることが大事なのです。
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タイトルを伏せられた覆面本「文庫X」としても話題になった『殺人犯はそこにいる』。「北関東で起こったある事件の取材」が、「私たちが生きる社会の根底を揺るがす信じがたい事実」を焙り出すことになった衝撃の展開。まさか「司法が真犯人を野放しにする」なんてことが実際に起こるとは。大げさではなく、全国民必読の1冊だと思う
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私は学生時代ずっと国語の授業が嫌いでしたが、それは「作品の解釈には正解がある」という決めつけが受け入れ難かったからです。しかし、詩人・渡邊十絲子の『今を生きるための現代詩』を読んで、詩に限らずどんな作品も、「解釈など不要」「理解できなければ分からないままでいい」と思えるようになりました
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映画『夜間もやってる保育園』によると、夜間保育も行う無認可の「ベビーホテル」は全国に1749ヶ所あるのに対し、「認可夜間保育園」は全国にたった80ヶ所しかないそうだ。また「保育園に預けるなんて可哀想」という「家族幻想」も、子育てする親を苦しめている現実を描く
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「元々持ってた価値観とは違う考えに触れ、それを理解したいと思う場面」でしか「考える」という行為は発動しないと著者は言う。つまり我々は普段、まったく考えていないのだ。『14歳からの哲学』をベースに、「考えること」と自由・孤独・人生との関係を知る
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「映画」というメディアを構成する要素は多々あるはずだが、濱口竜介監督作『偶然と想像』は、「脚本」と「役者」だけで狂気・感動・爆笑を生み出してしまう驚異の作品だ。まったく異なる3話オムニバス作品で、どの話も「ずっと観ていられる」と感じるほど素敵だった
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村上春樹の短編小説を原作にした映画『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)は、村上春樹の小説の雰囲気に似た「自然な不自然さ」を醸し出す。「不自然」でしかない世界をいかにして「自然」に見せているのか、そして「自然な不自然さ」は作品全体にどんな影響を与えているのか
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先進国では数少なくなった「死刑存置国」である日本。社会が人間の命を奪うことを許容する制度は、果たして矛盾なく存在し得るのだろうか?死刑確定囚と対話する教誨師を主人公に、死刑制度の実状をあぶり出す映画『教誨師』から、死刑という現実を理解する
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「生理は語ることすらタブー」という、21世紀とは思えない偏見が残るインドで、灰や汚れた布を使って経血を処理する妻のために「安価な生理用ナプキン」の開発に挑んだ実在の人物をモデルにした映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』から、「どう生きたいか」を考える
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家族のややこしさは、家族の数だけ存在する。そのややこしさを、「子どもを守るために母親が父親を殺す」という極限状況を設定することで包括的に描き出そうとする映画『ひとよ』。「暴力」と「殺人犯の子どもというレッテル」のどちらの方が耐え難いと感じるだろうか?
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「共感」が強すぎる世の中では、自然と「想像力」が失われてしまう。そうならないようにと意識して踏ん張らなければ、他人の価値観を正しく認めることができない人間になってしまうだろう。映画『ミセス・ノイズィ』から、多様な価値観を排除しない生き方を考える
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【素顔】「ヨコハマメリー史」から「伊勢佐木町史」を知れる映画。謎の女性が町の歴史に刻んだものとは…
横浜で長らく目撃されていた白塗りの女性は、ある時から姿を消した。彼女の存在を欠いた伊勢佐木町という街は、大きく変わってしまったと語る者もいる。映画『ヨコハマメリー』から、ある種のアイコンとして存在した女性の生き様や彼女と関わった者たちの歴史、そして彼女の”素顔”を知る
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【差別】「女性の権利」とは闘争の歴史だ。ハリウッドを支えるスタントウーマンたちの苦悩と挑戦:『ス…
男性以上に危険で高度な技術を要するのに、男性優位な映画業界で低く評価されたままの女性スタントたちを描く映画『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』。女性スタントの圧倒的な努力・技術と、その奮闘の歴史を知る。
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【幻想】心の傷を癒やすことの”難しさ”、寄り添い続けるために必要な”弱さ”と”冷たさ”:映画『心の傷を…
「優しいかどうか」が重要な要素として語られる場面が多いと感じるが、私は「優しさ」そのものにはさしたる意味はないと考えている。映画『心の傷を癒すということ 劇場版』から、「献身」と「優しさ」の違いと、誰かに寄り添うために必要な「弱さ」を理解する
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【実話】正論を振りかざす人が”強い”社会は窮屈だ。映画『すばらしき世界』が描く「正解の曖昧さ」
「SNSなどでの炎上を回避する」という気持ちから「正論を言うに留めよう」という態度がナチュラルになりつつある社会には、全員が全員の首を締め付け合っているような窮屈さを感じてしまう。西川美和『すばらしき世界』から、善悪の境界の曖昧さを体感する
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【誠実】地下鉄サリン事件の被害者が荒木浩に密着。「贖罪」とは何かを考えさせる衝撃の映画:『AGANAI…
私には、「謝罪すること」が「誠実」だという感覚がない。むしろ映画『AGANAI 地下鉄サリン事件と私』では、「謝罪しない誠実さ」が描かれる。被害者側と加害者側の対話から、「謝罪」「贖罪」の意味と、信じているものを諦めさせることの難しさについて書く
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【再生】ヤクザの現実を切り取る映画『ヤクザと家族』から、我々が生きる社会の”今”を知る
「ヤクザ」を排除するだけでは「アンダーグラウンドの世界」は無くならないし、恐らく状況はより悪化しただけのはずだ。映画『ヤクザと家族』から、「悪は徹底的に叩きのめす」「悪じゃなければ何をしてもいい」という社会の風潮について考える。
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【感想】映画『窮鼠はチーズの夢を見る』を異性愛者の男性(私)はこう観た。原作も読んだ上での考察
私は「腐男子」というわけでは決してないのですが、周りにいる腐女子の方に教えを請いながら、多少BL作品に触れたことがあります。その中でもダントツに素晴らしかったのが、水城せとな『窮鼠はチーズの夢を見る』です。その映画と原作の感想、そして私なりの考察について書いていきます
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【対話】刑務所内を撮影した衝撃の映画。「罰則」ではなく「更生」を目指す環境から罪と罰を学ぶ:映画…
2008年に開設された新たな刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」で行われる「TC」というプログラム。「罰則」ではなく「対話」によって「加害者であることを受け入れる」過程を、刑務所内にカメラを入れて撮影した『プリズン・サークル』で知る。
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【救い】耐えられない辛さの中でどう生きるか。短歌で弱者の味方を志すホームレス少女の生き様:『セー…
死にゆく母を眺め、施設で暴力を振るわれ、拾った新聞で文字を覚えたという壮絶な過去を持つ鳥居。『セーラー服の歌人 鳥居』は、そんな辛い境遇を背景に、辛さに震えているだろう誰かを救うために短歌を生み出し続ける生き方を描き出す。凄い人がいるものだ
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【挑戦】自閉症のイメージを変えるおすすめ本。知的障害と”思い込む”専門家に挑む母子の闘い:『自閉症…
専門家の思い込みを覆し、自閉症のイメージを激変させた少年・イド。知的障害だと思われていた少年は、母親を通じコミュニケーションが取れるようになり、その知性を証明した。『自閉症の僕が「ありがとう」を言えるまで』が突きつける驚きの真実
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【絶望】子供を犯罪者にしないために。「異常者」で片付けられない、希望を見いだせない若者の現実:『…
2人を殺し、7人に重傷を負わせた金川真大に同情の余地はない。しかし、この事件を取材した記者も、私も、彼が殺人に至った背景・動機については理解できてしまう部分がある。『死刑のための殺人』をベースに、「どうしようもないつまらなさ」と共に生きる現代を知る
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【爆笑】「だるい」「何もしたくない」なら、「自分は負け組」と納得して穏やかに生きよう:『負ける技…
勝利は敗北の始まり」という感覚は、多くの人が理解できると思います。日本では特に、目立てば目立つほど足を引っ張られてしまいます。だったら、そもそも「勝つ」ことに意味などないのでは?『負ける技術』をベースに、ほどほどの生き方を学びます
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【異端】子育てがうまくいかないと悩む方へ。9歳で大学入学の天才児に学ぶ「すべきでないこと」:『ぼく…
12歳で数学の未解決問題を解いた天才児は、3歳の時に「16歳で靴紐が結べるようになったらラッキー」と宣告されていた。専門家の意見に逆らって、重度の自閉症児の才能をどう開花させたのかを、『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』から学ぶ
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【衝撃】森達也『A3』が指摘。地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教は社会を激変させた
「オウム真理教は特別だ、という理由で作られた”例外”が、いつの間にか社会の”前提”になっている」これが、森達也『A3』の主張の要点だ。異常な状態で続けられた麻原彰晃の裁判を傍聴したことをきっかけに、社会の”異様な”変質の正体を理解する。
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【無知】メディアの問題の本質は?「報道の限界」と「情報の受け取り方」を独裁政治の現実から知る:『…
メディアは確かに「事実」を報じている。しかし、報道に乗らない情報まで含めなければ、本当の意味で世の中を理解することは難しいと、『こうして世界は誤解する』は教えてくれる。アラブ諸国での取材の現実から、報道の「限界」と「受け取り方」を学ぶ
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【あらすじ】「愛されたい」「必要とされたい」はこんなに難しい。藤崎彩織が描く「ままならない関係性…
好きな人の隣にいたい。そんなシンプルな願いこそ、一番難しい。誰かの特別になるために「異性」であることを諦め、でも「異性」として見られないことに苦しさを覚えてしまう。藤崎彩織『ふたご』が描き出す、名前がつかない切実な関係性
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【感想】世の中と足並みがそろわないのは「正常が異常」だから?自分の「正常」を守るために:『コンビ…
30代になっても未婚でコンビニアルバイトの古倉さんは、普通から外れたおかしな人、と見られてしまいます。しかし、本当でしょうか?『コンビニ人間』をベースに、多数派の人たちの方が人生を自ら選択していないのではないかと指摘する。
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【加虐】メディアの役割とは?森達也『A』が提示した「事実を報じる限界」と「思考停止社会」
オウム真理教の内部に潜入した、森達也のドキュメンタリー映画『A』は衝撃を与えた。しかしそれは、宗教団体ではなく、社会の方を切り取った作品だった。思考することを止めた社会の加虐性と、客観的な事実など切り取れないという現実について書く
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【恐怖】SNSの危険性と子供の守り方を、ドキュメンタリー映画『SNS 少女たちの10日間』で学ぶ
実際にチェコの警察を動かした衝撃のドキュメンタリー映画『SNS 少女たちの10日間』は、少女の「寂しさ」に付け込むおっさんどもの醜悪さに満ちあふれている。「WEBの利用制限」だけでは子どもを守りきれない現実を、リアルなものとして実感すべき
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【衝撃】壮絶な戦争映画。最愛の娘を「産んで後悔している」と呟く母らは、正義のために戦場に留まる:…
こんな映画、二度と存在し得ないのではないかと感じるほど衝撃を受けた『娘は戦場で生まれた』。母であり革命家でもあるジャーナリストは、爆撃の続くシリアの街を記録し続け、同じ街で娘を産み育てた。「知らなかった」で済ませていい現実じゃない。
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「こじらせ」って感覚は、伝わらない人には全然伝わりません。だからこそ余計に、自分が感じている「生きづらさ」が理解されないことにもどかしさを覚えます。AVライターに行き着いた著者の『女子をこじらせて』をベースに、ややこしさを抱えた仲間の生き方を知る
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【肯定】社会不適合者こそ非凡。学校・世の中に馴染めなかった異才たちの過去から”才能”の本質を知る:…
「みんなと同じ」に馴染めないと「社会不適合」と判断され、排除されてしまうことが多いでしょう。しかし『非属の才能』では、「どこにも属せない感覚」にこそ才能の源泉があると主張します。常識に違和感を覚えてしまう人を救う本から、同調圧力に屈しない生き方を学ぶ
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【考察】世の中は理不尽だ。平凡な奴らがのさばる中で、”特別な私の美しい世界”を守る生き方:『オーダ…
自分以外は凡人、と考える主人公の少女はとてもイタい。しかし、世間の価値観と折り合わないなら、自分の美しい世界を守るために闘うしかない。中二病の少女が奮闘する『オーダーメイド殺人クラブ』をベースに、理解されない世界をどう生きるかについて考察する
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【覚悟】人生しんどい。その場の”空気”から敢えて外れる3人の中学生の処世術から生き方を学ぶ:『私を知…
空気を読んで摩擦を減らす方が、集団の中では大体穏やかにいられます。この記事では、様々な理由からそんな選択をしない/できない、『私を知らないで』に登場する中学生の生き方から、厳しい現実といかにして向き合うかというスタンスを学びます
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39歳で餓死した男性は、何故誰にも助けを求めなかったのか?異常な視聴率を叩き出した、NHK「クローズアップ現代」の特集を元に書かれた『助けてと言えない』をベースに、「自己責任社会」の厳しさと、若者が置かれている現実について書く。
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【呪縛】「良い子」に囚われ人生苦しい。どう見られるかを抜け出し、なりたい自分を生きるために:『わ…
「良い子でいなきゃいけない」と感じ、本来の自分を押し隠したまま生きているという方、いるんじゃないかと思います。私も昔はそうでした。「良い子」の呪縛から逃れることは難しいですが、「なりたい自分」をどう生きればいいかを、『わたしを見つけて』をベースに書いていきます
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【救い】自殺を否定しない「笑える自殺本」。「自殺したい」ってもっと気軽に言える社会がいい:『自殺…
生きることがしんどくて、自殺してしまいたくなる気持ちを、私はとても理解できます。しかし世の中的には、「死にたい」と口にすることはなかなか憚られるでしょう。「自殺を決して悪いと思わない」という著者が、「死」をもっと気楽に話せるようにと贈る、「笑える自殺本」
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【感想】人間関係って難しい。友達・恋人・家族になるよりも「あなた」のまま関わることに価値がある:…
誰かとの関係性には大抵、「友達」「恋人」「家族」のような名前がついてしまうし、そうなればその名前に縛られてしまいます。「名前がつかない関係性の奇跡」と「誰かを想う強い気持ちの表し方」について、『君の膵臓をたべたい』をベースに書いていきます
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【葛藤】部活で後悔しないために。今やりたいことをやりきって、過去を振り返らないための全力:『風に…
勉強の方が、部活動より重要な理由なんて無い。どれだけ止められても「全力で打ち込みたい」という気持ちを抑えきれないものに出会える人生の方が、これからの激動の未来を生き延びられるはずと信じて突き進んでほしい。部活小説『風に恋う』をベースに書いていく
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私は、安楽死が合法化されてほしいと思っている。そのためには、人間には「死ぬ権利」があると合意されなければならないだろう。安楽死は時折話題になるが、なかなか議論が深まらない。『安楽死を遂げた日本人』をベースに、安楽死の現状を理解する
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子どもの頃、周りと馴染めない感覚がとても強くて苦労しました。ただし、「普通」から意識的に外れる決断をしたことで、自分が持っている価値観を言葉で下支えすることができたとも感じています。「普通」に馴染めず、自分がダメだと感じてしまう人へ。
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三権分立の一翼を担う裁判所のことを、私たちはよく知らない。元エリート裁判官・瀬木比呂志と事件記者・清水潔の対談本『裁判所の正体』をベースに、「裁判所による統制」と「権力との癒着」について書く。「中世レベル」とさえ言われる日本の司法制度の現実は、「裁判になんか関わることない」という人も無視できないはずだ
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生きていると、「常識的な考え方」に囚われたり、「普通」「当たり前」を無自覚で強要してくる人に出会ったりします。そういう価値観に合わせられない時、自分が間違っている、劣っていると感じがちですが、そういう中で一歩踏み出す勇気を得るための考え方です
ルシルナ
どう生きるべきか・どうしたらいい【本・映画の感想】 | ルシルナ
どんな人生を歩みたいか、多くの人が考えながら生きていると思います。私は自分自身も穏やかに、そして周囲の人や社会にとっても何か貢献できたらいいなと、思っています。…
ルシルナ
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ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
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