目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:宮沢りえ, 出演:杉咲 花, 出演:篠原ゆき子, 出演:駿河太郎, 出演:伊東 蒼, 出演:松坂桃李, 出演:オダギリジョー, Writer:中野量太, 監督:中野量太
¥400 (2022/04/18 06:07時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
この記事で伝えたいこと
「テーマ」「映像美」「タイトル」がすべて完璧に混ざりあったラストが何より見事
この記事の3つの要点
- 「死」はもっとさらさらとした重みのないものであってほしいとずっと思っている
- 「血の繋がり」や「物理的な距離」を超えて「家族」になることができる
- あまりに間違っているが、あまりに美しいラストから「死」や「家族」を考え直す
「家族」にあまり興味が持てない私も、「こういう『家族』ならいいかも」と感じられた作品
自己紹介記事
あわせて読みたい
ルシルナの入り口的記事をまとめました(プロフィールやオススメの記事)
当ブログ「ルシルナ」では、本と映画の感想を書いています。そしてこの記事では、「管理者・犀川後藤のプロフィール」や「オススメの本・映画のまとめ記事」、あるいは「オススメ記事の紹介」などについてまとめました。ブログ内を周遊する参考にして下さい。
あわせて読みたい
【全作品読了・視聴済】私が「読んできた本」「観てきた映画」を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が『読んできた本』『観てきた映画』を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非本・映画選びの参考にして下さい。
どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
あわせて読みたい
Kindle本出版しました!「それってホントに『コミュ力』が高いって言えるの?」と疑問を感じている方に…
私は、「コミュ力が高い人」に関するよくある主張に、どうも違和感を覚えてしまうことが多くあります。そしてその一番大きな理由が、「『コミュ力が高い人』って、ただ『想像力がない』だけではないか?」と感じてしまう点にあると言っていいでしょう。出版したKindle本は、「ネガティブには見えないネガティブな人」(隠れネガティブ)を取り上げながら、「『コミュ力』って何だっけ?」と考え直してもらえる内容に仕上げたつもりです。
「家族」も「死」も、「よくある捉え方」から外れてみれば違う生き方が見えてくるのだと、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』を観て思う
あわせて読みたい
【絶望】人生どん底から生き方を変える。映画『シスター 夏のわかれ道』が描く中国人女性の葛藤と諦念
両親の死をきっかけに、「見知らぬ弟」を引き取らなければならなくなった女性を描く映画『シスター 夏のわかれ道』は、中国の特異な状況を背景にしつつ、誰もが抱き得る普遍的な葛藤が切り取られていく。現状を打破するために北京の大学院を目指す主人公は、一体どんな決断を下すのか。
もの凄く号泣させられた映画でした。自分でも、信じられないくらい。
泣ければ良い映画だ、なんて思ってるわけではありませんが、『湯を沸かすほどの熱い愛』はとにかく素晴らしい映画でした。
「死」はもっと、さらさらしたものであってほしい
私はこれまでずっと、誰かの「死」に感情が動いたり、心が乱れたりしたことがありません。大学時代の先輩や祖父母、あるいは少し前に父親も亡くしましたが、その度に、「自分の心の動かなさ」みたいなものに直面し、驚かされるのです。
あわせて読みたい
【感想】映画『すずめの戸締まり』(新海誠)は、東日本大震災後を生きる私達に「逃げ道」をくれる(松…
新海誠監督の『すずめの戸締まり』は、古代神話的な設定を現代のラブコメに組み込みながら、あまりに辛い現実を生きる人々に微かな「逃げ道」を指し示してくれる作品だと思う。テーマ自体は重いが、恋愛やコメディ要素とのバランスがとても良く、ロードムービー的な展開もとても魅力的
昔は、そんな自分のことを「ダメだ」と考えていました。誰かが死んで「悲しい」と思えないなんて、人としてマズイんじゃないか、と思っていたわけです。
私は基本的に「変わった人間」が好きで、普段関わる人にも普通から外れているタイプの人が多いけど、私みたいな人はあんまりいないんだよなぁ
ただどこかのタイミングで、「別にそれでもいんじゃないか」と思うようになりました。無理に悲しんだって仕方ありません。それに私は、「死」というものを軽んじているつもりもなかったので、「自分はこういう人間なんだ」と考えを切り替えたのです。
人の死に心が動かない理由には、色んな要素が絡んでいると思うので、何か1つ挙げることに意味はないでしょう。ただ確実に、「『私自身の死の際もそうであってほしい』と願っている」とは言えます。つまり、「私の死によって、感情が動かされてしまう人がいなければいい」と考えているのです。
あわせて読みたい
【映画】今泉力哉監督『ちひろさん』(有村架純)が描く、「濃い寂しさ」が溶け合う素敵な関係性
今泉力哉監督、有村架純主演の映画『ちひろさん』は、その圧倒的な「寂しさの共有」がとても心地よい作品です。色んな「寂しさ」を抱えた様々な人と関わる、「元風俗嬢」であることを公言し海辺の町の弁当屋で働く「ちひろさん」からは、同じような「寂しさ」を抱える人を惹き付ける力強さが感じられるでしょう
私がとても嫌だなと感じるのは、「死」を尊重しているように見せて、実は「死」を遠ざけているだけの人です。「『死ぬ』なんて言うなよ」「『自分が死んだら』なんて話聞きたくない」みたいな言葉は、「『死』など考えられないほどあなたのことを大事に考えている」という意味として流通しているように思います。ただ、本当にそんな風に考えているのでしょうか? 私には、ただ「死」の話題を避けているようにしか見えません。
話題が「起こる確率の低いこと」であるならまだ理解できます。例えば、「戦争で人を殺す」というのは、少なくとも今の日本ではかなり起こる可能性が低い出来事でしょう。だから「そんな話したくない」と拒絶するのも自然だと思います。
ただ、「死」は誰にでも平等に訪れます。死なない人間はいませんし、死ぬ確率は100%です。そんな、「いつかは分からないけれど未来に確実に起こる出来事」の話題を避けることが、果たして「尊重」と言えるのか、私には疑問でしかありません。
あわせて読みたい
【生き方】人生が虚しいなら映画『人生フルーツ』を見ると良い。素敵な老夫婦の尖った人生がここにある
社会派のドキュメンタリー映画に定評のある東海テレビが、「なんでもない老夫婦の日常」を映画にした『人生フルーツ』には、特に何が起こるわけでもないのに「観て良かった」と感じさせる強さがある。見た目は「お年寄り」だが中身はまったく古臭くない”穏やかに尖った夫婦”の人生とは?
私はもっと、日常的に当たり前のように「死」の話題に触れる方が自然だと感じるし、その方が「尊重」という言葉に近づくような気がしています。
だから、自分から積極的に「死」の話はしないけど、「死」の話題が出てくればフラットに聞こうといつも意識してる
「会話に出すのはタブー」みたいな扱いになってしまうと、そのこと自体が息苦しさに繋がることもあるしね
さて、さらに穿った主張をしてみることにしましょう。
例えば、「葬儀をし、墓を立て、何周忌かで集まる」みたいな、当たり前のように行われている儀式は、私にはとても不自然なものに感じられます。もの凄く嫌な言い方をすれば、「そういう時だけ、言い訳のように故人を思い出せばいい」みたいなニュアンスを感じてしまうのです。
あわせて読みたい
【あらすじ】家族ってめんどくさい……。それでも、あとから後悔せずに生きるために、今どう生きるか:小…
人が死んでも「悲しい」と感じられない男に共感できるか?(私はメチャクチャ共感してしまう) 西川美和の『永い言い訳』をベースに、「喪失の大きさを理解できない理由」と、「誰かに必要とされる生き方」について語る
あるいは、「誰かの『死』に直面して悲しみを表明すること」は、「それまでの自分の不実を帳消しにする」ような振る舞いに見えてしまいます。繰り返しになりますが、人間はいつか必ず死ぬのだから、「誰かが死んで悲しい」と感じてしまうなら、「その人がいつ死んでも後悔せずにいられるような関係性」をまずは目指すべきではないか、と感じてしまうのです。もちろん毎日一緒にいたって死んだら悲しいのかもしれないし、毎日一緒にいたくてもそれが叶わない人もいるのでしょうが、「その人との関係性をサボっていた自分自身を許すために泣いている」みたいな人も中にはいるのではないか思っています。
あー、嫌な話になってきましたね。さすがに不快に感じる方もいるかもしれません。ただ、かなり少数だろうとは思いますが、私の言っていることに共感できるという方もいるはずだと信じています。
こういうセンシティブな話は、敢えて口に出したりしないことが多いから、多少はいると信じてる
あわせて読みたい
【衝撃】壮絶な戦争映画。最愛の娘を「産んで後悔している」と呟く母らは、正義のために戦場に留まる:…
こんな映画、二度と存在し得ないのではないかと感じるほど衝撃を受けた『娘は戦場で生まれた』。母であり革命家でもあるジャーナリストは、爆撃の続くシリアの街を記録し続け、同じ街で娘を産み育てた。「知らなかった」で済ませていい現実じゃない。
別に、「誰かの死を悲しむことが間違いだ」などと言っているわけではありません。そうではなくて、「『死』を『感情を喚起させるもの』と捉えると、必然的に『特別なもの』だと感じられてしまう。そしてそれゆえに、『死』が『日常』から遠いものになってしまっているのではないか」と提起したいだけです。
私が思うこの映画の素晴らしさは、まさにこの点、つまり「『死』を日常の中に組み込んでいく振る舞い」にあります。特に、映画のラストはあまりにも素晴らしいと感じました。もちろん、同じことを現実でやれば様々な問題が生じることは分かっています。それでも、「『死』を日常の中に組み込むことを、家族が当たり前のように共有している」という部分にグッときてしまいました。
その「死」が「家族」のものである場合、余計に「特別感」が出てしまい、そのことによって結果的に「死」は遠ざけられることになってしまうと私は考えています。果たしてそれは、本当に「唯一の正解」と言えるでしょうか? 「正解」であることを疑っているわけではありません。それもまた正解の1つだと認めた上で、別の正解は存在しないのか? と問いたいのです。
私は本当に、「死」というものは、もっとさらさらとしたした何かであってほしいと感じています。砂や水のように手のひらからどんどんとこぼれ落ちて、手のひらにはほんの僅かな痕跡しか残らないみたいな、そんな存在であってほしいと考えているのです。
あわせて読みたい
【感想】人間関係って難しい。友達・恋人・家族になるよりも「あなた」のまま関わることに価値がある:…
誰かとの関係性には大抵、「友達」「恋人」「家族」のような名前がついてしまうし、そうなればその名前に縛られてしまいます。「名前がつかない関係性の奇跡」と「誰かを想う強い気持ちの表し方」について、『君の膵臓をたべたい』をベースに書いていきます
そういう感覚を共有できるような人と「家族」になることができたら、それはとても素晴らしいことのように思えます。
映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の内容紹介
銭湯「幸の湯」は、もう1年近く休業状態のままだ。理由は、夫の失踪。幸野双葉の夫・一浩が、ある日突然失踪してしまい、それ以来閉まったままなのだ。一人娘の安澄を育てる双葉は、パートで生計を立てながら持ち前のパワフルさでなんとか生活を続けている。高校生の安澄がどうやら学校でいじめられているらしいということも知っており、双葉は気弱な安澄になんとか「闘う勇気」を持ってもらおうと奮闘しているのだ。
そんなある日のこと、双葉はパート先で倒れてしまい、運び込まれた病院でステージ4の末期がんと診断される。余命は、あと2ヶ月。あまりのことに言葉を失いそうになる双葉だが、立ち止まってはいられない。死ぬ前に、どうしてもやらなければならないことがあるのだ。
あわせて読みたい
【感想】映画『朝が来る』が描く、「我が子を返して欲しい気持ち」を消せない特別養子縁組のリアル
「特別養子縁組」を軸に人々の葛藤を描く映画『朝が来る』は、決して「特別養子縁組」の話ではない。「『起こるだろうが、起こるはずがない』と思っていた状況」に直面せざるを得ない人々が、「すべての選択肢が不正解」という中でどんな決断を下すのかが問われる、非常に示唆に富む作品だ
双葉は決意し、探偵を雇う。一浩の居場所を突き止めてもらったのだ。そして双葉は強引に、一浩とその娘である鮎子との同居を決めてしまう。さらに、ずっと閉めたままだった銭湯の再開も宣言、みんな手伝ってもらうよと仕事を割り振っていくのである。
あと2ヶ月の命だというのに、安澄の制服が紛失したり、鮎子が失踪したりと問題は山積みだ。それでも、今の状態のまま死ぬわけにはいかないと、双葉は「ある目的」を胸に、安澄と鮎子を旅行へと連れ出していき……。
映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の感想
もの凄く良い映画でした。この記事の冒頭では「死」を軸にその理由に触れましたが、ここからは「家族」を軸に書いていくことにしましょう。
あわせて読みたい
【母娘】よしながふみ『愛すべき娘たち』で描かれる「女であることの呪い」に男の私には圧倒されるばかりだ
「女であること」は、「男であること」と比べて遥かに「窮屈さ」に満ちている。母として、娘として、妻として、働く者として、彼女たちは社会の中で常に闘いを強いられてきた。よしながふみ『愛すべき娘たち』は、そんな女性の「ややこしさ」を繊細に描き出すコミック
幸野家が、とにかく面白いのです。
幸野双葉という女性の凄さは、「関わる人間を皆『家族』にしてしまう」という点にあると言えるでしょう。それが、「血の繋がり」や「生活を共にした時間」を超越した「家族のまとまり」を生み出し、「家族」という概念を押し広げてくれる感じがありました。
狭い意味でしか「家族」って言葉を使えない人って、なんか寂しい人に見えちゃう
今の時代、「家族」って言葉は、「他人を排除する」ためのものになっちゃってる気もするしね
双葉の振る舞いを見れば誰もが、「この人の前では、『血の繋がり』も『物理的な距離』も関係ない」と思わされるでしょう。彼女には、そういう「何か」があるのです。
あわせて読みたい
【純愛】映画『ぼくのエリ』の衝撃。「生き延びるために必要なもの」を貪欲に求める狂気と悲哀、そして恋
名作と名高い映画『ぼくのエリ』は、「生き延びるために必要なもの」が「他者を滅ぼしてしまうこと」であるという絶望を抱えながら、それでも生きることを選ぶ者たちの葛藤が描かれる。「純愛」と呼んでいいのか悩んでしまう2人の関係性と、予想もつかない展開に、感動させられる
双葉は、「家族とはこういうものだ」を起点にしません。映画では、「幸野双葉の輪の中にいることが家族なのだ」みたいな”反転”が、まったく無理のない説得力で展開されるので、観る者は様々な場面で「家族ってなんなんだろう?」という問いにぶつかることになると思います。そして結局のところ、「この人と家族でいたい」という気持ちこそが「家族であることの本質」なのだと実感できるでしょう。
多くの人がそんな風に考えることで、「家族であること」の幻想がもっと崩れればいいと感じるし、「形を整えなければ家族にはなれない」なんていう強迫観念みたいなものから解放されてほしいとも思います。
あわせて読みたい
【闘争】映画『あのこと』が描く、中絶が禁止だった時代と、望まぬ妊娠における圧倒的な「男の不在」
中絶が禁止されていた1960年代のフランスを舞台にした映画『あのこと』は、「望まぬ妊娠」をしてしまった秀才の大学生が、「未来を諦めない」ために中絶を目指す姿が描かれる。さらに、誰にも言えずに孤独に奮闘する彼女の姿が「男の不在」を強調する物語でもあり、まさに男が観るべき作品だ
映画全体から、「死」や「家族」といったテーマが見え隠れする作品ではありますが、そんなことを考えずとも非常に楽しめるでしょう。特に、ミステリ作品ではないのに、様々な場面に「伏線」が張り巡らされ、それらが後々回収される展開は非常に面白いです。様々な場面で「ん?」という違和感が散りばめられており、しかしそれらにちゃんと理由があることが後々明らかになっていきます。しかもその伏線は、ミステリのような「驚かせる」役割ではなく、底流するテーマに繋がったり、あるいは感動を呼び起こしたりするのです。細部に渡って非常に上手い作品だと思います。
細かくは触れませんが、もう随所で泣かされてしまいました。「伏線」が回収される場面も良いし、役者の演技も素晴らしいし、とにかくグッとくる場面が多すぎます。
「死」や「家族」といった、「直球ど真ん中」のテーマを扱った作品で、正直私はそういう作品をあまり好きになれません。しかし『湯を沸かすほどの熱い愛』は、「直球ど真ん中」を描きながらも、私のようなひねくれ者も感動させる素晴らしい映画でした。
あわせて読みたい
【喪失】家族とうまくいかない人、そして、家族に幻想を抱いてしまう人。家族ってなんてめんどくさいの…
「福島中央テレビ開局50周年記念作品」である映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は、福島県に実在した映画館「朝日座」を舞台に、住民が抱く「希望(幻想)」が描かれる。震災・コロナによってありとあらゆるものが失われていく世の中で、私たちはどう生きるべきか
出演:宮沢りえ, 出演:杉咲 花, 出演:篠原ゆき子, 出演:駿河太郎, 出演:伊東 蒼, 出演:松坂桃李, 出演:オダギリジョー, Writer:中野量太, 監督:中野量太
¥400 (2022/04/18 06:10時点 | Amazon調べ)
ポチップ
あわせて読みたい
【全作品視聴済】私が観てきた映画(フィクション)を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が観てきた映画(フィクション)を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非映画選びの参考にして下さい。
最後に
あわせて読みたい
【選択】映画『サウンド・オブ・メタル』で難聴に陥るバンドマンは、「障害」と「健常」の境界で揺れる
ドラムを叩くバンドマンが聴力を失ってしまう――そんな厳しい現実に直面する主人公を描く映画『サウンド・オブ・メタル』では、「『健常者との生活』を選ぶか否か」という選択が突きつけられる。ある意味では健常者にも向けられているこの問いに、どう答えるべきだろうか
とにかくこの映画は、あまりにも”異常”で”美しい”ラストが見事だと思います。しかも、この映画のタイトルがまさにドンピシャで、すべての要素が絡み合って「最高」に仕上がっている、とても素敵な映画だと感じました。
あわせて読みたい
Kindle本出版しました!「それってホントに『コミュ力』が高いって言えるの?」と疑問を感じている方に…
私は、「コミュ力が高い人」に関するよくある主張に、どうも違和感を覚えてしまうことが多くあります。そしてその一番大きな理由が、「『コミュ力が高い人』って、ただ『想像力がない』だけではないか?」と感じてしまう点にあると言っていいでしょう。出版したKindle本は、「ネガティブには見えないネガティブな人」(隠れネガティブ)を取り上げながら、「『コミュ力』って何だっけ?」と考え直してもらえる内容に仕上げたつもりです。
次にオススメの記事
あわせて読みたい
【名演】映画『見はらし世代』(団塚唯我監督)凄いな。淡々としてるのに、なんか衝撃的に面白かった(…
映画『見はらし世代』は、物語的には「これといって何が起こるわけでもない」のだが、にも拘らず強く惹きつけられる作品で、凄く良いものを観たなという印象が強く残った。まずは「役者の演技」が圧倒的で、その上で「家族家族していない雰囲気」が絶妙に醸し出されているのが良かったなと思う。26歳の新鋭で、これからが楽しみだ
あわせて読みたい
【あらすじ】映画『愛されなくても別に』超良い!毒親からの歪な”愛”に翻弄される少女たちの葛藤(監督…
映画『愛されなくても別に』は、「クソみたいな親」に人生をぶち壊されている3人の少女の日常や葛藤をリアルに描きながら、様々な問いを突きつける作品だ。まったく違う理由で「他者を寄せ付けない雰囲気」を放つ宮田と江永の「出会い」と「その関係性の深化」が素敵で、「この2人だったらずっと観ていられる」と感じるほどだった
あわせて読みたい
【狂気】映画『ミッシング』(吉田恵輔監督)は「我が子の失踪」を起点に様々な「嫌な世界」を描く(主…
映画『ミッシング』は、「娘の失踪を機に壊れてしまった母親」を石原さとみが熱演する絶望的な物語である。事件を取材する地元局の記者の葛藤を通じて「『事実』とは何か」「『事実を報じる』ことの難しさ」が突きつけられ、さらに、マスコミを頼るしかない母親の苦悩と相まって状況が混沌とする。ホントに「嫌な世界」だなと思う
あわせて読みたい
【父親】パキスタン本国では上映禁止の映画『ジョイランド』は、古い価値観に翻弄される家族を描く
映画『ジョイランド』は、本国パキスタンで一時上映禁止とされた作品だが、私たち日本人からすれば「どうして?」と感じるような内容だと思う。「(旧弊な)家族観を否定している」と受け取られたからだろうが、それにしたってやはり理不尽だ。そしてそんな「家族のややこしさ」には、現代日本を生きる我々も共感できるに違いない
あわせて読みたい
【絶望】満員続出の映画『どうすればよかったか?』が描き出す、娘の統合失調症を認めない両親の不条理
たった4館から100館以上にまで上映館が拡大した話題の映画『どうすればよかったか?』を公開2日目に観に行った私は、「ドキュメンタリー映画がどうしてこれほど注目されているのだろうか?」と不思議に感じた。統合失調症を発症した姉を中心に家族を切り取る本作は、観る者に「自分だったらどうするか?」という問いを突きつける
あわせて読みたい
【実話】映画『ディア・ファミリー』は超良い話だし、大泉洋が演じた人物のモデル・筒井宣政は凄すぎる…
実話を基にした映画『ディア・ファミリー』では、個人が成したとは信じがたい偉業が描き出される。大泉洋が演じたのは、娘の病を治そうと全力で突き進んだ人物であり、そのモデルとなった筒井宣政は、17万人以上を救ったとされるIABPバルーンカテーテルの開発者なのだ。まったくホントに、凄まじい人物がいたものだと思う
あわせて読みたい
【あらすじ】映画『アンダーカレント』(今泉力哉)は、失踪をテーマに「分かり合えなさ」を描く
映画『アンダーカレント』において私は、恐らく多くの人が「受け入れがたい」と感じるだろう人物に共感させられてしまった。また本作は、「他者を理解すること」についての葛藤が深掘りされる作品でもある。そのため、私が普段から抱いている「『他者のホントウ』を知りたい」という感覚も強く刺激された
あわせて読みたい
【嫌悪】映画『ドライビング・バニー』が描く、人生やり直したい主人公(母親)のウザさと絶望
映画『ドライビング・バニー』は、主人公であるバニーのことが最後まで嫌いだったにも拘わらず、全体的にはとても素敵に感じられた珍しいタイプの作品だ。私は、「バニーのような人間が世の中に存在する」という事実に嫌悪感を抱いてしまうのだが、それでも、狂気的でぶっ飛んだラストシーンによって、作品全体の印象が大きく変わったと言える
あわせて読みたい
【絶望】人生どん底から生き方を変える。映画『シスター 夏のわかれ道』が描く中国人女性の葛藤と諦念
両親の死をきっかけに、「見知らぬ弟」を引き取らなければならなくなった女性を描く映画『シスター 夏のわかれ道』は、中国の特異な状況を背景にしつつ、誰もが抱き得る普遍的な葛藤が切り取られていく。現状を打破するために北京の大学院を目指す主人公は、一体どんな決断を下すのか。
あわせて読みたい
【助けて】映画『生きててごめんなさい』は、「共依存カップル」視点で生きづらい世の中を抉る物語(主…
映画『生きててごめんなさい』は、「ちょっと歪な共依存関係」を描きながら、ある種現代的な「生きづらさ」を抉り出す作品。出版社の編集部で働きながら小説の新人賞を目指す園田修一は何故、バイトを9度もクビになり、一日中ベッドの上で何もせずに過ごす同棲相手・清川莉奈を”必要とする”のか?
あわせて読みたい
【感想】是枝裕和監督映画『怪物』(坂元裕二脚本)が抉る、「『何もしないこと』が生む加害性」
坂元裕二脚本、是枝裕和監督の映画『怪物』は、3つの視点を通して描かれる「日常の何気ない光景」に、思いがけない「加害性」が潜んでいることを炙り出す物語だ。これは間違いなく、私たち自身に関わる話であり、むしろ「自分には関係ない」と考えている人こそが自覚すべき問題だと思う
あわせて読みたい
【あらすじ】大泉洋主演映画『月の満ち欠け』は「生まれ変わり」の可能性をリアルに描く超面白い作品
あなたは「生まれ変わり」を信じるだろうか? 私はまったく信じないが、その可能性を魅力的な要素を様々に散りばめて仄めかす映画『月の満ち欠け』を観れば、「生まれ変わり」の存在を信じていようがいまいが、「相手を想う気持ち」を強く抱く者たちの人間模様が素敵だと感じるだろう
あわせて読みたい
【感想】映画『朝が来る』が描く、「我が子を返して欲しい気持ち」を消せない特別養子縁組のリアル
「特別養子縁組」を軸に人々の葛藤を描く映画『朝が来る』は、決して「特別養子縁組」の話ではない。「『起こるだろうが、起こるはずがない』と思っていた状況」に直面せざるを得ない人々が、「すべての選択肢が不正解」という中でどんな決断を下すのかが問われる、非常に示唆に富む作品だ
あわせて読みたい
【考察】映画『哀愁しんでれら』から、「正しい」より「間違ってはいない」を選んでしまう人生を考える
「シンデレラストーリー」の「その後」を残酷に描き出す映画『哀愁しんでれら』は、「幸せになりたい」という気持ちが結果として「幸せ」を遠ざけてしまう現実を描き出す。「正しい/間違ってはいない」「幸せ/不幸せではない」を区別せずに行動した結果としての悲惨な結末
あわせて読みたい
【違和感】平田オリザ『わかりあえないことから』は「コミュニケーション苦手」問題を新たな視点で捉え…
「コミュニケーションが苦手」なのは、テクニックの問題ではない!?『わかりあえないことから』は、学校でのコミュニケーション教育に携わる演劇人・平田オリザが抱いた違和感を起点に、「コミュニケーション教育」が抱える問題と、私たち日本人が進むべき道を示す1冊
あわせて読みたい
【思考】森博嗣のおすすめエッセイ。「どう生きるかべきか」「生き方が分からない」と悩む人に勧めたい…
エッセイも多数出版している説家・森博嗣が、読者からの悩み相談を受けて執筆した『自分探しと楽しさについて』は、生きていく上で囚われてしまう漠然とした悩みを解消する力を持っている。どう生きるべきか悩んでしまう若者に特に読んでもらいたい1冊
あわせて読みたい
【選択】特異な疑似家族を描く韓国映画『声もなく』の、「家族とは?」の本質を考えさせる深淵さ
喋れない男が、誘拐した女の子をしばらく匿い、疑似家族のような関係を築く韓国映画『声もなく』は、「映画の中で描かれていない部分」が最も印象に残る作品だ。「誘拐犯」と「被害者」のあり得ない関係性に、不自然さをまったく抱かせない設定・展開の妙が見事な映画
あわせて読みたい
【母娘】よしながふみ『愛すべき娘たち』で描かれる「女であることの呪い」に男の私には圧倒されるばかりだ
「女であること」は、「男であること」と比べて遥かに「窮屈さ」に満ちている。母として、娘として、妻として、働く者として、彼女たちは社会の中で常に闘いを強いられてきた。よしながふみ『愛すべき娘たち』は、そんな女性の「ややこしさ」を繊細に描き出すコミック
あわせて読みたい
【喪失】家族とうまくいかない人、そして、家族に幻想を抱いてしまう人。家族ってなんてめんどくさいの…
「福島中央テレビ開局50周年記念作品」である映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は、福島県に実在した映画館「朝日座」を舞台に、住民が抱く「希望(幻想)」が描かれる。震災・コロナによってありとあらゆるものが失われていく世の中で、私たちはどう生きるべきか
あわせて読みたい
【驚異】「持続可能な社会」での「豊かな生活」とは?「くじら漁の村」で生きる人々を描く映画:『くじ…
手作りの舟に乗り、銛1本で巨大なクジラを仕留める生活を続けるインドネシアのラマレラ村。そこに住む人々を映し出した映画『くじらびと LAMAFA』は、私たちが普段感じられない種類の「豊かさ」を描き出す。「どう生きるか」を改めて考えさせられる作品だ
あわせて読みたい
【日常】「何もかも虚しい」という心のスキマを「異性」や「お金」で安易に埋めてしまうのは危険だ:映…
「どこにでもいる普通の女性」が「横領」に手を染める映画『紙の月』は、「日常の積み重ねが非日常に接続している」ことを否応なしに実感させる。「主人公の女性は自分とは違う」と考えたい観客の「祈り」は通じない。「梅澤梨花の物語」は「私たちの物語」でもあるのだ
あわせて読みたい
【認識】「固定観念」「思い込み」の外側に出るのは難しい。自分はどんな「へや」に囚われているのか:…
実際に起こった衝撃的な事件に着想を得て作られた映画『ルーム』は、フィクションだが、観客に「あなたも同じ状況にいるのではないか?」と突きつける力強さを持っている。「普通」「当たり前」という感覚に囚われて苦しむすべての人に、「何に気づけばいいか」を気づかせてくれる作品
あわせて読みたい
【生き方】人生が虚しいなら映画『人生フルーツ』を見ると良い。素敵な老夫婦の尖った人生がここにある
社会派のドキュメンタリー映画に定評のある東海テレビが、「なんでもない老夫婦の日常」を映画にした『人生フルーツ』には、特に何が起こるわけでもないのに「観て良かった」と感じさせる強さがある。見た目は「お年寄り」だが中身はまったく古臭くない”穏やかに尖った夫婦”の人生とは?
あわせて読みたい
【家族】映画『そして父になる』が問う「子どもの親である」、そして「親の子どもである」の意味とは?
「血の繋がり」だけが家族なのか?「将来の幸せ」を与えることが子育てなのか?実際に起こった「赤ちゃんの取り違え事件」に着想を得て、苦悩する家族を是枝裕和が描く映画『そして父になる』から、「家族とは何か?」「子育てや幸せとどう向き合うべきか?」を考える
あわせて読みたい
【矛盾】その”誹謗中傷”は真っ当か?映画『万引き家族』から、日本社会の「善悪の判断基準」を考える
どんな理由があれ、法を犯した者は罰せられるべきだと思っている。しかしそれは、善悪の判断とは関係ない。映画『万引き家族』(是枝裕和監督)から、「国民の気分」によって「善悪」が決まる社会の是非と、「善悪の判断を保留する勇気」を持つ生き方について考える
あわせて読みたい
【実話】障害者との接し方を考えさせる映画『こんな夜更けにバナナかよ』から”対等な関係”の大事さを知る
「障害者だから◯◯だ」という決まりきった捉え方をどうしてもしてしまいがちですが、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の主人公・鹿野靖明の生き様を知れば、少しは考え方が変わるかもしれません。筋ジストロフィーのまま病院・家族から離れて“自活”する決断をした驚異の人生
あわせて読みたい
【葛藤】子どもが抱く「家族を捨てたい気持ち」は、母親の「家族を守りたい気持ち」の終着点かもしれな…
家族のややこしさは、家族の数だけ存在する。そのややこしさを、「子どもを守るために母親が父親を殺す」という極限状況を設定することで包括的に描き出そうとする映画『ひとよ』。「暴力」と「殺人犯の子どもというレッテル」のどちらの方が耐え難いと感じるだろうか?
あわせて読みたい
【実話】「家族とうまくいかない現実」に正解はあるか?選択肢が無いと感じる時、何を”選ぶ”べきか?:…
「自分の子どもなんだから、どんな風に育てたって勝手でしょ」という親の意見が正しいはずはないが、この言葉に反論することは難しい。虐待しようが生活能力が無かろうが、親は親だからだ。映画『MOTHER マザー』から、不正解しかない人生を考える
あわせて読みたい
【誤り】「信じたいものを信じる」のは正しい?映画『星の子』から「信じること」の難しさを考える
どんな病気も治す「奇跡の水」の存在を私は信じないが、しかし何故「信じない」と言えるのか?「奇跡の水を信じる人」を軽々に非難すべきではないと私は考えているが、それは何故か?映画『星の子』から、「何かを信じること」の難しさについて知る
あわせて読みたい
【自由】幸せは比較してたら分からない。他人ではなく自分の中に「幸せの基準」を持つ生き方:『神さま…
「世間的な幸せ」を追うのではなく、自分がどうだったら「幸せ」だと感じられるのかを考えなければいけない。『神さまたちの遊ぶ庭』をベースに、他人と比較せずに「幸せ」の基準を自分の内側に持ち、その背中で子どもに「自由」を伝える生き方を学ぶ
あわせて読みたい
【異端】子育ては「期待しない」「普通から外れさせる」が大事。”劇薬”のような父親の教育論:『オーマ…
どんな親でも、子どもを幸せにしてあげたい、と考えるでしょう。しかしそのために、過保護になりすぎてしまっている、ということもあるかもしれません。『オーマイ・ゴッドファーザー』をベースに、子どもを豊かに、力強く生きさせるための”劇薬”を学ぶ
あわせて読みたい
【呪縛】「良い子」に囚われ人生苦しい。どう見られるかを抜け出し、なりたい自分を生きるために:『わ…
「良い子でいなきゃいけない」と感じ、本来の自分を押し隠したまま生きているという方、いるんじゃないかと思います。私も昔はそうでした。「良い子」の呪縛から逃れることは難しいですが、「なりたい自分」をどう生きればいいかを、『わたしを見つけて』をベースに書いていきます
あわせて読みたい
【あらすじ】家族ってめんどくさい……。それでも、あとから後悔せずに生きるために、今どう生きるか:小…
人が死んでも「悲しい」と感じられない男に共感できるか?(私はメチャクチャ共感してしまう) 西川美和の『永い言い訳』をベースに、「喪失の大きさを理解できない理由」と、「誰かに必要とされる生き方」について語る
ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
家族・夫婦【本・映画の感想】 | ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
子どもの頃から、家族との関わりには色々と苦労してきました。別に辛い扱いを受けていたわけではありませんが、「家族だから」という理由で様々な「当たり前」がまかり通っ…
ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
記事検索(カテゴリー・タグ一覧) | ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
コメント