目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:宮沢りえ, 出演:杉咲 花, 出演:篠原ゆき子, 出演:駿河太郎, 出演:伊東 蒼, 出演:松坂桃李, 出演:オダギリジョー, Writer:中野量太, 監督:中野量太
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ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
今どこで観れるのか?
この記事で伝えたいこと
「テーマ」「映像美」「タイトル」がすべて完璧に混ざりあったラストが何より見事
この記事の3つの要点
- 「死」はもっとさらさらとした重みのないものであってほしいとずっと思っている
- 「血の繋がり」や「物理的な距離」を超えて「家族」になることができる
- あまりに間違っているが、あまりに美しいラストから「死」や「家族」を考え直す
「家族」にあまり興味が持てない私も、「こういう『家族』ならいいかも」と感じられた作品
自己紹介記事
ルシルナ
はじめまして | ルシルナ
ブログ「ルシルナ」の犀川後藤の自己紹介記事です。ここでは、「これまでのこと」「本のこと」「映画のこと」に分けて書いています。
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昔は、そんな自分のことを「ダメだ」と考えていました。誰かが死んで「悲しい」と思えないなんて、人としてマズイんじゃないか、と思っていたわけです。
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人の死に心が動かない理由には、色んな要素が絡んでいると思うので、何か1つ挙げることに意味はないでしょう。ただ確実に、「『私自身の死の際もそうであってほしい』と願っている」とは言えます。つまり、「私の死によって、感情が動かされてしまう人がいなければいい」と考えているのです。
私がとても嫌だなと感じるのは、「死」を尊重しているように見せて、実は「死」を遠ざけているだけの人です。「『死ぬ』なんて言うなよ」「『自分が死んだら』なんて話聞きたくない」みたいな言葉は、「『死』など考えられないほどあなたのことを大事に考えている」という意味として流通しているように思います。ただ、本当にそんな風に考えているのでしょうか? 私には、ただ「死」の話題を避けているようにしか見えません。
話題が「起こる確率の低いこと」であるならまだ理解できます。例えば、「戦争で人を殺す」というのは、少なくとも今の日本ではかなり起こる可能性が低い出来事でしょう。だから「そんな話したくない」と拒絶するのも自然だと思います。
ただ、「死」は誰にでも平等に訪れます。死なない人間はいませんし、死ぬ確率は100%です。そんな、「いつかは分からないけれど未来に確実に起こる出来事」の話題を避けることが、果たして「尊重」と言えるのか、私には疑問でしかありません。
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私はもっと、日常的に当たり前のように「死」の話題に触れる方が自然だと感じるし、その方が「尊重」という言葉に近づくような気がしています。
だから、自分から積極的に「死」の話はしないけど、「死」の話題が出てくればフラットに聞こうといつも意識してる
「会話に出すのはタブー」みたいな扱いになってしまうと、そのこと自体が息苦しさに繋がることもあるしね
さて、さらに穿った主張をしてみることにしましょう。
例えば、「葬儀をし、墓を立て、何周忌かで集まる」みたいな、当たり前のように行われている儀式は、私にはとても不自然なものに感じられます。もの凄く嫌な言い方をすれば、「そういう時だけ、言い訳のように故人を思い出せばいい」みたいなニュアンスを感じてしまうのです。
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あるいは、「誰かの『死』に直面して悲しみを表明すること」は、「それまでの自分の不実を帳消しにする」ような振る舞いに見えてしまいます。繰り返しになりますが、人間はいつか必ず死ぬのだから、「誰かが死んで悲しい」と感じてしまうなら、「その人がいつ死んでも後悔せずにいられるような関係性」をまずは目指すべきではないか、と感じてしまうのです。もちろん毎日一緒にいたって死んだら悲しいのかもしれないし、毎日一緒にいたくてもそれが叶わない人もいるのでしょうが、「その人との関係性をサボっていた自分自身を許すために泣いている」みたいな人も中にはいるのではないか思っています。
あー、嫌な話になってきましたね。さすがに不快に感じる方もいるかもしれません。ただ、かなり少数だろうとは思いますが、私の言っていることに共感できるという方もいるはずだと信じています。
こういうセンシティブな話は、敢えて口に出したりしないことが多いから、多少はいると信じてる
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別に、「誰かの死を悲しむことが間違いだ」などと言っているわけではありません。そうではなくて、「『死』を『感情を喚起させるもの』と捉えると、必然的に『特別なもの』だと感じられてしまう。そしてそれゆえに、『死』が『日常』から遠いものになってしまっているのではないか」と提起したいだけです。
私が思うこの映画の素晴らしさは、まさにこの点、つまり「『死』を日常の中に組み込んでいく振る舞い」にあります。特に、映画のラストはあまりにも素晴らしいと感じました。もちろん、同じことを現実でやれば様々な問題が生じることは分かっています。それでも、「『死』を日常の中に組み込むことを、家族が当たり前のように共有している」という部分にグッときてしまいました。
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その「死」が「家族」のものである場合、余計に「特別感」が出てしまい、そのことによって結果的に「死」は遠ざけられることになってしまうと私は考えています。果たしてそれは、本当に「唯一の正解」と言えるでしょうか? 「正解」であることを疑っているわけではありません。それもまた正解の1つだと認めた上で、別の正解は存在しないのか? と問いたいのです。
私は本当に、「死」というものは、もっとさらさらとしたした何かであってほしいと感じています。砂や水のように手のひらからどんどんとこぼれ落ちて、手のひらにはほんの僅かな痕跡しか残らないみたいな、そんな存在であってほしいと考えているのです。
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そういう感覚を共有できるような人と「家族」になることができたら、それはとても素晴らしいことのように思えます。
映画の内容紹介
銭湯「幸の湯」は、もう1年近く休業状態のままだ。理由は、夫の失踪。幸野双葉の夫・一浩が、ある日突然失踪してしまい、それ以来閉まったままなのだ。一人娘の安澄を育てる双葉は、パートで生計を立てながら持ち前のパワフルさでなんとか生活を続けている。高校生の安澄がどうやら学校でいじめられているらしいということも知っており、双葉は気弱な安澄になんとか「闘う勇気」を持ってもらおうと奮闘しているのだ。
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そんなある日のこと、双葉はパート先で倒れてしまい、運び込まれた病院でステージ4の末期がんと診断される。余命は、あと2ヶ月。あまりのことに言葉を失いそうになる双葉だが、立ち止まってはいられない。死ぬ前に、どうしてもやらなければならないことがあるのだ。
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あと2ヶ月の命だというのに、安澄の制服が紛失したり、鮎子が失踪したりと問題は山積みだ。それでも、今の状態のまま死ぬわけにはいかないと、双葉は「ある目的」を胸に、安澄と鮎子を旅行へと連れ出していき……。
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映画の感想
もの凄く良い映画でした。この記事の冒頭では「死」を軸にその理由に触れましたが、ここからは「家族」を軸に書いていくことにしましょう。
幸野家が、とにかく面白いのです。
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双葉は、「家族とはこういうものだ」を起点にしません。映画では、「幸野双葉の輪の中にいることが家族なのだ」みたいな”反転”が、まったく無理のない説得力で展開されるので、観る者は様々な場面で「家族ってなんなんだろう?」という問いにぶつかることになると思います。そして結局のところ、「この人と家族でいたい」という気持ちこそが「家族であることの本質」なのだと実感できるでしょう。
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細かくは触れませんが、もう随所で泣かされてしまいました。「伏線」が回収される場面も良いし、役者の演技も素晴らしいし、とにかくグッとくる場面が多すぎます。
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出演:宮沢りえ, 出演:杉咲 花, 出演:篠原ゆき子, 出演:駿河太郎, 出演:伊東 蒼, 出演:松坂桃李, 出演:オダギリジョー, Writer:中野量太, 監督:中野量太
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最後に
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とにかくこの映画は、あまりにも”異常”で”美しい”ラストが見事だと思います。しかも、この映画のタイトルがまさにドンピシャで、すべての要素が絡み合って「最高」に仕上がっている、とても素敵な映画だと感じました。
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【家族】映画『そして父になる』が問う「子どもの親である」、そして「親の子どもである」の意味とは?
「血の繋がり」だけが家族なのか?「将来の幸せ」を与えることが子育てなのか?実際に起こった「赤ちゃんの取り違え事件」に着想を得て、苦悩する家族を是枝裕和が描く映画『そして父になる』から、「家族とは何か?」「子育てや幸せとどう向き合うべきか?」を考える
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【おすすめ】濱口竜介監督の映画『親密さ』は、「映像」よりも「言葉」が前面に来る衝撃の4時間だった
専門学校の卒業制作として濱口竜介が撮った映画『親密さ』は、2時間10分の劇中劇を組み込んだ意欲作。「映像」でありながら「言葉の力」が前面に押し出される作品で、映画や劇中劇の随所で放たれる「言葉」に圧倒される。4時間と非常に長いが、観て良かった
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【傑作】濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』(原作:村上春樹)は「自然な不自然さ」が見事な作品
村上春樹の短編小説を原作にした映画『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)は、村上春樹の小説の雰囲気に似た「自然な不自然さ」を醸し出す。「不自然」でしかない世界をいかにして「自然」に見せているのか、そして「自然な不自然さ」は作品全体にどんな影響を与えているのか
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ネット記事を読まなければ絶対に観なかっただろう映画『若おかみは小学生!』は、基本的に子ども向け作品だと思うが、大人が観てもハマる。「大人の世界」でストレートに感情を表に出す主人公の小学生の振る舞いと成長に、否応なしに感動させられる
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どんな理由があれ、法を犯した者は罰せられるべきだと思っている。しかしそれは、善悪の判断とは関係ない。映画『万引き家族』(是枝裕和監督)から、「国民の気分」によって「善悪」が決まる社会の是非と、「善悪の判断を保留する勇気」を持つ生き方について考える
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「北九州連続監禁殺人事件」という、マスコミも報道規制するほどの残虐事件。その「主犯の息子」として生きざるを得なかった男の壮絶な人生。「ザ・ノンフィクション」のプロデューサーが『人殺しの息子と呼ばれて』で改めて取り上げた「真摯な男」の生き様と覚悟
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「ホームレスは怠けている」という見方は誤りだと思うし、「働かないことが悪」だとも私には思えない。振付師・アオキ裕キ主催のホームレスのダンスチームを追う映画『ダンシングホームレス』から、社会のレールを外れても許容される社会の在り方を希求する
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私は、「自分の正しさを疑わない人」が嫌いだ。そして、「正しさを他人に押し付ける人」が嫌いだ。「変わりたいと望む者の足を引っ張る人」が嫌いだ。全身刺青だらけのレイシストが人生をやり直す、実話を元にした映画『SKIN/スキン』から、再生について考える
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「自分の子どもなんだから、どんな風に育てたって勝手でしょ」という親の意見が正しいはずはないが、この言葉に反論することは難しい。虐待しようが生活能力が無かろうが、親は親だからだ。映画『MOTHER マザー』から、不正解しかない人生を考える
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「ヤクザ」を排除するだけでは「アンダーグラウンドの世界」は無くならないし、恐らく状況はより悪化しただけのはずだ。映画『ヤクザと家族』から、「悪は徹底的に叩きのめす」「悪じゃなければ何をしてもいい」という社会の風潮について考える。
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家族・夫婦【本・映画の感想】 | ルシルナ
子どもの頃から、家族との関わりには色々と苦労してきました。別に辛い扱いを受けていたわけではありませんが、「家族だから」という理由で様々な「当たり前」がまかり通っ…
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