目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:篠原ゆき子, 出演:大高洋子, 出演:長尾卓磨, 出演:新津ちせ, 出演:宮崎太一, 出演:米本来輝, 監督:天野千尋, プロデュース:井出清美, プロデュース:植村泰之, Writer:天野千尋
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ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
この記事で伝えたいこと
「ムカつく人」を理解できないのは、自分の「想像力の欠如」が原因かもしれない
当たり前ですが、誰かを「間違っている」と判断する側が常に「正しい」わけではありません
この記事の3つの要点
- 私は「想像力を失ってしまったらお終い」と思っている
- 「共感」が強すぎると、他人への「想像力」が自然と欠落していく
- 「正しい」「間違っている」という言葉は慎重に使う必要がある
私は、「どんな人にもその人なりの理屈がある」と意識的に考えるようにしています
自己紹介記事
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「想像力」を失いたくない
私はいつも、「想像力を無くしたら人間としてお終いだよなぁ」と思って生きています。誰とも関わらずに孤独に生きていくのならともかく、社会の中で他人と関わって生きていくことを選ぶならば、他人への想像力だけは捨ててはいけないよなぁ、と。
だから可能な限り、「相手には相手の理屈が必ずあるのだ」と考えるようにしています。
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もちろんするんだけど、「でも相手にも事情があるかも」って立ち止まるようにはしてる
もちろんこれは、かなり難しいことだと日々実感しています。自分の理屈に照らし合わせて「どう考えてもおかしいよなぁ」と思うことに遭遇すると、やはり「なんだコイツ」と感じてしまうし、あまりに考え方が違う人の場合、「何かあるんだとしても、相手の事情が想像できない」という状態に陥ってしまうのです。
また、「目の前にいる人と、どこで価値観が衝突するか」は、自分が「当たり前だ」と感じていることを話すまで表面化しないことも多いと思います。
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例えば、「結婚したら自分の両親と同居するのが当然」と考えている男性がいるとして、その人にとってはその考えがあまりにも当たり前であるが故に、女性がプロポーズを受け入れた後で揉めるかもしれません。
「その人が、何を『当たり前』と感じているか」というのは、「差異が浮き彫りになる状況」が現れない限り気づかないことが多く、だからこそその違和感は常に唐突に現れることになります。「そんな価値観の人だとは思わなかった」という反応になってしまうということです。
ホントに、普通の会話をしてる中で、唐突に相手の変な考え方を知って「えっ!」みたいになることはあるよね
些細な話だけど、昔、「子どもの名付け本に書いてあること」を「中国4000年の歴史」だと思ってる人がいたなぁ
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私が期せずして良かったと感じるのは、本を読んだり映画を観たりしていたことです。別にそういう意識があったわけではありませんが、結果として「世の中には多種多様な価値観が存在する」と認識することができました。その効用に気づいてからは、意識的に、「今の自分の価値観とは合わないかもしれないもの」にも手を伸ばすようにしています。「想像力」を失わないようにするためです。
「共感」が強すぎる世界
さて話は変わりますが、今の時代は「共感」の価値がとても強いと感じます。というか、「共感の価値が強い」という意識さえ持っている人は少ないかもしれません。というのも、「自分が心地よいと感じる情報」だけを選び取れる時代だからです。
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好きなことをツイートする人をフォローする、好みの写真をアップする人をフォローする、自分が知りたい情報を登録してフィルタリングする……などなど、「欲しい情報」だけを手に入れることが出来ます。現代人の多くは、「自分の周りに好ましい情報しかない」という世界を生きているのではないでしょうか。
そして私は、そのことをとても怖いと感じます。何故ならそれは、「想像力」を遠ざける行為に感じられるからです。
私は、「自分の好きなものを徹底的に突き詰めるオタク」を心底羨ましく感じているんですけど、同時にそうなりたくない怖さもあるのよ
「好きなものだけ」に狭まってしまうことへの本能的な恐怖感みたいなのは、昔から結構強いよね
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「共感」そのものは何も悪くありません。ただ、「共感」が強くなることで、「共感できないもの」がどんどんと排除されてしまうことが怖いと思います。
恐ろしいのは、「排除している」という意識さえ持てないことです。「この情報には共感できないから排除する」と意識的にやっているならまだしも、今の時代は、関心の持たれない情報はただ届かないだけなので、「共感できないもの」を「排除している」という感覚が持てません。
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「排除している」という感覚がなければ、「自分は正しく情報を集めている」と思い込んでしまうでしょう。「私は別に情報を排除してない。だから、自分のところには色んな情報が届いているはず」と無意識の内に感じてしまうということです。実際には、かなり偏った情報にしか接していないのに、世の中の情報に一通り触れているような気分になれる、というのが今の時代と言えるでしょう。
そしてだからこそ、「炎上」が起こるのだと私は思っています。
今の時代、私を含めた世の中のほとんどの人は、かなり偏った価値観・情報にしか触れていません。しかし一方で、「自分は情報を排除していないから、様々な情報が届いているはずだし、それを日々目にしている自分は、公正な判断ができる」と本人は考えているでしょう。だからこそ、「偏った価値観・情報を基に、相手を批判する」という行為が生まれることになると私は考えています。
これはまさに、「想像力の欠如」と言っていいでしょう。
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世の中の多数意見を反映した「炎上(真っ当な批判)」もあると思うけどね
私もそのことは否定しないけど、でも大体の「炎上」は、文句言っている側の想像力が足りないだけだと思ってる
「共感」は、これからもますますその強さを増していくだろうと思います。そして、社会がそうなればなるほど、「想像力」は失われていくでしょう。
今までは「世代間ギャップ」と呼ばれていたような価値観のズレが、今は同世代間でも顕著に見られるようになっていると思います。価値観が多様になることそのものは望ましいと思っていますが、それぞれの価値観が離れ小島のように点在しているだけでお互いの理解や交流が無いのであれば、せっかくの多様性も意味がないでしょう。そして私たちは、まっしぐらにそういう社会へ突き進んでいると感じています。
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「間違っている」という言葉の難しさ
この映画では、状況をかなり極端に描き出すことによって対立や差異を浮き彫りにし、分かりやすい物語に仕上げています。しかしだからと言って、分かりやすすぎるわけでもありません。
映画の中である人物がこんなことを言います。
私、正しく生きてるわよね。世の中の方が、間違ってるのよね
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この発言をする人物は、冒頭の印象からガラッとイメージが変わります。しかしだからといってこの人物が「間違っていない」「正しい」というわけではありません。なかなかにややこしい人物で、だからこそ「実際にいそうな雰囲気」を強く感じます。
私は、「物事は分かりにくくて当然」と考えていますが、今はどうもそれが当たり前だと思われていないように感じます。
我々は「情報が多すぎる世の中」に生きており、だからこそ、一昔前と比べて「分かりやすさ」が求められがちです。「共感」が強くなったのも、「情報が多すぎて選べない」からという理由が背景にあるだろうし、多すぎる中から発信した情報に気づいてもらうために、「分かりやすさ」を前面に押し出すケースが多くなってしまうでしょう。
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だから「白か黒か」「0か100か」「正しいか間違っているか」という情報が蔓延してしまうことになります。
いつの時代も様々なデマが出回るものですが、「科学的知識を要する情報」においても同様で、この文章を書いている現在の時点では、コロナワクチンへの様々なデマがネット上に出回っているようです。
「科学的知識を要する情報」にデマが出回るのはある意味当然ではあります。何故なら科学者は「白か黒か」という判断をしないからです。
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真っ当な科学者であれば、「100%正しい/間違っている」という言い方はしません。それこそが科学的な態度だからです。しかしだからこそ、「100%正しい/間違っている」というデマに負けてしまいます。特に現代では、そういう傾向が強いと言えるでしょう。
科学的知識に絡んだデマを見聞きする度に、「みんなもう少し科学リテラシーを持った方がいい」っていつも思う
「100%安全、と言えないなら危険だ」みたいな主張をしている人を見かけると、クラクラするよね
私はなるべく、「絶対」「間違っている」「正しい」という言葉を安易に使わないようにしています。それらは、可能性を狭める言葉だと思うからです。使う場合も、「◯◯だとしたら間違っている/正しい」という風に条件をつけるようにしています。そういう風に意識しておかないと、それこそどんどん「間違った人間」になってしまう、という恐怖が私にはあるのです。
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そして、「世の中はわかりにくい」ということを、これからも様々な形で実感していくつもりでいます。
この映画で描かれる「状況」は多少現実感を逸脱しているかもしれないけれど、実際に起こりうることでしょう。映画を見た人がどんな感想を抱くのか分かりませんが、「なるほど、どんな状況に対しても、初見とは違う見方ができるのかもしれない」と感じられるのではないかと私は思っています。
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真紀はある日、謎の音を耳にする。それは、隣の家のおばさん(若田美和子)がベランダで布団をバシバシと叩く音だった。まだ朝の6時前。子育てと執筆で追い詰められている真紀は、この”騒音”にさらにイライラを募らせる。
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映画『ミセス・ノイズィ』の感想
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この記事の中ではあれこれと書きましたが、基本的には「ドタバタコメディ」という感じの作品で、ぶっ飛んだキャラとぶっ飛んだ展開を楽しむ映画として観るのがいいと思います。後半になると、その怒涛のテンションに圧倒されるような展開になっていって、「うわー、むちゃくちゃだけど、でも現代っぽいし、ありえないわけでもないよな」なんて思いながら楽しんで観ていました。
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そして、そういう「面白い映画」としてだけではなく、「想像力ってやっぱり大事だな」と感じさせられる映画でもあります。「朝6時に大きな音で布団をはたくおばさん」を正当化する理屈などなかなかパッと思いつかないかもしれませんが、映画を観ると、「なるほど、上手い設定を考えたなぁ」と感じるでしょう。確かにこれは、「あり得ると言えばあり得る話」という感じがします。
この映画の展開は、「真紀が小説家だったから」こそ成り立つものですが、誰もが映画を観ながら、「自分がこのおばさんの隣に住んでいたらどうするだろうか」と考えてしまうでしょう。
まあやっぱり、文句は言いたくなっちゃうだろうけどね
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出演:篠原ゆき子, 出演:大高洋子, 出演:長尾卓磨, 出演:新津ちせ, 出演:宮崎太一, 出演:米本来輝, Writer:天野千尋, 監督:天野千尋, プロデュース:井出清美, プロデュース:植村泰之
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甘い考えかもしれませんが、私は「全員が少しずつ想像力を持ち寄れば、世界は大きく変わる」と考えています。一つ一つはほんの僅かな変化でも、それが幾重にも重なれば驚くような変化になると思っているのです。
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制御不能の飛行機をハドソン川に不時着させ、乗員乗客155名全員の命を救った英雄はその後、「わざと機体を沈め損害を与えたのではないか」と疑われてしまう。映画『ハドソン川の奇跡』から、「正しさ」の難しさと、「『正しさ』の枠組み」の重要性を知る
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【死】映画『湯を沸かすほどの熱い愛』に号泣。「家族とは?」を問う物語と、タイトル通りのラストが見事
「死は特別なもの」と捉えてしまうが故に「日常感」が失われ、普段の生活から「排除」されているように感じてしまうのは私だけではないはずだ。『湯を沸かすほどの熱い愛』は、「死を日常に組み込む」ことを当たり前に許容する「家族」が、「家族」の枠組みを問い直す映画である
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「80人の命を救うために、1人の少女の命を奪わなければならない」としたら、あなたはその決断を下せるだろうか?会議室で展開される現代の戦争を描く映画『アイ・イン・ザ・スカイ』から、「誤った問い」に答えを出さなければならない極限状況での葛藤を理解する
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【生き方】人生が虚しいなら映画『人生フルーツ』を見ると良い。素敵な老夫婦の尖った人生がここにある
社会派のドキュメンタリー映画に定評のある東海テレビが、「なんでもない老夫婦の日常」を映画にした『人生フルーツ』には、特に何が起こるわけでもないのに「観て良かった」と感じさせる強さがある。見た目は「お年寄り」だが中身はまったく古臭くない”穏やかに尖った夫婦”の人生とは?
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【差別】才ある者の能力を正しく引き出す者こそ最も有能であり、偏見から能力を評価できない者は無能だ…
「偏見・差別ゆえに、他人の能力を活かせない人間」を、私は無能だと感じる。そういう人は、現代社会の中にも結構いるでしょう。ソ連との有人宇宙飛行競争中のNASAで働く黒人女性を描く映画『ドリーム』から、偏見・差別のない社会への道筋を考える
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【考察】アニメ映画『虐殺器官』は、「便利さが無関心を生む現実」をリアルに描く”無関心ではいられない…
便利すぎる世の中に生きていると、「この便利さはどのように生み出されているのか」を想像しなくなる。そしてその「無関心」は、世界を確実に悪化させてしまう。伊藤計劃の小説を原作とするアニメ映画『虐殺器官』から、「無関心という残虐さ」と「想像することの大事さ」を知る
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【考察】生きづらい性格は変わらないから仮面を被るしかないし、仮面を被るとリア充だと思われる:『勝…
「リア充感」が滲み出ているのに「生きづらさ」を感じてしまう人に、私はこれまでたくさん会ってきた。見た目では「生きづらさ」は伝わらない。24年間「リアル彼氏」なし、「脳内彼氏」との妄想の中に生き続ける主人公を描く映画『勝手にふるえてろ』から「こじらせ」を知る
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【正義】「正しさとは何か」を考えさせる映画『スリー・ビルボード』は、正しさの対立を絶妙に描く
「正しい」と主張するためには「正しさの基準」が必要だが、それでも「規制されていないことなら何でもしていいのか」は問題になる。3枚の立て看板というアナログなツールを使って現代のネット社会の現実をあぶり出す映画『スリー・ビルボード』から、「『正しさ』の難しさ」を考える
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【幻想】日本での子育ては無理ゲーだ。現実解としての「夜間保育園」の実状と親の想いを描く映画:『夜…
映画『夜間もやってる保育園』によると、夜間保育も行う無認可の「ベビーホテル」は全国に1749ヶ所あるのに対し、「認可夜間保育園」は全国にたった80ヶ所しかないそうだ。また「保育園に預けるなんて可哀想」という「家族幻想」も、子育てする親を苦しめている現実を描く
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「心地いい情報」だけに浸り、「知るべきことを知らなくても恥ずかしくない世の中」を生きてしまっている私たちは、世界で何が起こっているのかあまりに知らない。「光州事件」を描く映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』から、世界の見方を考える
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【あらすじ】濱口竜介監督『偶然と想像』は、「脚本」と「役者」のみで成り立つ凄まじい映画。天才だと思う
「映画」というメディアを構成する要素は多々あるはずだが、濱口竜介監督作『偶然と想像』は、「脚本」と「役者」だけで狂気・感動・爆笑を生み出してしまう驚異の作品だ。まったく異なる3話オムニバス作品で、どの話も「ずっと観ていられる」と感じるほど素敵だった
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【傑作】濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』(原作:村上春樹)は「自然な不自然さ」が見事な作品
村上春樹の短編小説を原作にした映画『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)は、村上春樹の小説の雰囲気に似た「自然な不自然さ」を醸し出す。「不自然」でしかない世界をいかにして「自然」に見せているのか、そして「自然な不自然さ」は作品全体にどんな影響を与えているのか
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【矛盾】その”誹謗中傷”は真っ当か?映画『万引き家族』から、日本社会の「善悪の判断基準」を考える
どんな理由があれ、法を犯した者は罰せられるべきだと思っている。しかしそれは、善悪の判断とは関係ない。映画『万引き家族』(是枝裕和監督)から、「国民の気分」によって「善悪」が決まる社会の是非と、「善悪の判断を保留する勇気」を持つ生き方について考える
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【驚愕】正義は、人間の尊厳を奪わずに貫かれるべきだ。独裁政権を打倒した韓国の民衆の奮闘を描く映画…
たった30年前の韓国で、これほど恐ろしい出来事が起こっていたとは。「正義の実現」のために苛烈な「スパイ狩り」を行う秘密警察の横暴をきっかけに民主化運動が激化し、独裁政権が打倒された史実を描く『1987、ある闘いの真実』から、「正義」について考える
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【矛盾】死刑囚を「教誨師」視点で描く映画。理解が及ばない”死刑という現実”が突きつけられる
先進国では数少なくなった「死刑存置国」である日本。社会が人間の命を奪うことを許容する制度は、果たして矛盾なく存在し得るのだろうか?死刑確定囚と対話する教誨師を主人公に、死刑制度の実状をあぶり出す映画『教誨師』から、死刑という現実を理解する
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【実話】障害者との接し方を考えさせる映画『こんな夜更けにバナナかよ』から”対等な関係”の大事さを知る
「障害者だから◯◯だ」という決まりきった捉え方をどうしてもしてしまいがちですが、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の主人公・鹿野靖明の生き様を知れば、少しは考え方が変わるかもしれません。筋ジストロフィーのまま病院・家族から離れて“自活”する決断をした驚異の人生
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【葛藤】子どもが抱く「家族を捨てたい気持ち」は、母親の「家族を守りたい気持ち」の終着点かもしれな…
家族のややこしさは、家族の数だけ存在する。そのややこしさを、「子どもを守るために母親が父親を殺す」という極限状況を設定することで包括的に描き出そうとする映画『ひとよ』。「暴力」と「殺人犯の子どもというレッテル」のどちらの方が耐え難いと感じるだろうか?
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パッと見の印象は「よくある学園モノ」でしかなかったので、『殺さない彼と死なない彼女』を観て驚かされた。ステレオタイプで記号的なキャラクターが、感情が無いとしか思えないロボット的な言動をする物語なのに、メチャクチャ面白かった。設定も展開も斬新で面白い
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美醜で判断されがちな”ルッキズム”の世の中に刃を突きつける小説『自画像』。私自身は、「キレイな人もキレイな人なりの大変さを抱えている」と感じながら生きているつもりだが、やはりその辛さは理解されにくい。私も男性であり、ルッキズムに加担してないとはとても言えない
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『スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか』では、自分が生徒に対して「権力」を持っているとは想像していなかったという教師が登場する。そしてこの「無自覚」は、学校以外の場でも起こりうる。特に男性は、読んで自分の振る舞いを見直すべきだ
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戦争写真として最も有名なロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」には、「本当に銃撃された瞬間を撮影したものか?」という真贋問題が長く議論されてきた。『キャパの十字架』は、そんな有名な謎に沢木耕太郎が挑み、予想だにしなかった結論を導き出すノンフィクション。「思いがけない解釈」に驚かされるだろう
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ブロガーであるちきりんが、ブログに書いた記事を取捨選択し加筆修正した『ゆるく考えよう』は、「頑張ってしまう理由」や「欲望の正体」などを深堀りしながら、「世の中の当たり前から意識的に外れること」を指南する。思考を深め、自力で本質に行き着くための参考にも
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「ホームレスは怠けている」という見方は誤りだと思うし、「働かないことが悪」だとも私には思えない。振付師・アオキ裕キ主催のホームレスのダンスチームを追う映画『ダンシングホームレス』から、社会のレールを外れても許容される社会の在り方を希求する
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