目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:リウ・ツーチュアン, 出演:チェン・イェンフェイ, 出演:キム・ヒョンビン, 出演:リウ・グァンティン, 出演:ヤン・グイメイ, 監督:コー・チェンニエン
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ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 通学バスの中で暴行を受ける少女が状況の改善を望まないのは、「転校」を恐れているから
- 転校を恐れる最大の理由は「聴者の世界が辛い」から
- 「自分が我慢しさえすればすべてが丸く収まる」という判断のあまりの虚しさ
胸糞悪いとしか言いようがない物語をギリギリ成り立たせているのは、ベイベイ役の女優の可愛さだと思う
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衝撃的な映画だった。「実話を基にしている」という事実にももちろん驚かされたが、ろう学校で起こった事件が示す「残酷な現実」に、私を含めた健常者全員が身につまされるのではないかと思う。
そう、この映画は表向き「いじめ」や「性的虐待」を描く作品だが、真のテーマは「我々健常者の無自覚の悪意」なのだ。
それが背景にあるからこそ、映画のかなり早い段階で登場した、
一緒に私をいじめていいよ。
というセリフには、胸を抉られるような気持ちになった。こんな言葉を言わせているのは、私たちなのである。
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「いじめ」「性的虐待」は物語の「大前提」に過ぎないという衝撃の映画
映画の冒頭で、「実話を基にしているが、人名も地名もすべて架空である」と表記される。それ以上の言及はなかったので、どの程度事実に沿っているのか判断するのは難しいが、公式HPには「事件について綿密な調査を行い」とあるので、概ね事実に即していると判断していいのではないかと思う。
そしてそうだとするなら、あまりにも酷い。
その酷さは、ラストに至る展開で明らかになる事実によって一層強まる。しかしこの映画の場合、冒頭で提示される情報だけでも、十分すぎるほど残酷だ。
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いじめや性的虐待の存在が、この物語においては単なる「前提」に過ぎないのだから。
映画の早い段階で、以下のようなことが明示される。
- 主人公のベイベイが、先輩たちから性的虐待を受けており、多くの人がその事実を見て見ぬふりしている
- もう1人の主人公であり、転校生でもあるチャンは、ベイベイがいじめられていることに驚き、先生に報告する
- チャンが相談した教師は生徒の側に立てる人物であり、腰の重い学校の対応に嫌気が差して独自に調査を進めている
これだけでも既に、いじめや性的虐待が描かれる一般的な物語とは違うと感じるだろう。この映画では、いじめや性的虐待の事実がなかなか明らかにならないとか、事実が明るみに出た後で学校側が無理矢理もみ消そうとするみたいなことはないのである。もちろん、学校側は調査を積極的に行いたがらないが、しかし、それだけが理由で問題解決が遅れているのではない。
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最大の問題は、「いじめられているベイベイが、状況の改善を望んでいない」という点にあるのだ。
性的虐待の事案では、「恥ずかしいから」「周りから変な目で見られるから」などの理由で、被害者がその被害を訴えたがらないという状況ももちろん多々あるだろう。しかし、ベイベイが躊躇する理由はそういう類いのものではない。
彼女はとにかく、何よりも「転校」を恐れているのである。
いじめや性的虐待そのものを無くせるならもちろんそれが最善だが、実際はなかなか難しい。だから学校側としては、次善の策として「転校」という解決策を用意することになる。親身になってくれる教師以外は、この学校の対応はなかなか酷いのだが、一方で、「学校でのいじめや性的虐待を根絶することは難しいから、転校してもらうしかない」という考え方も理解できないわけではない。とりあえず環境を変えるというのが、ベイベイが置かれた状況における分かりやすい解決法だと私も思う。
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しかし、教師から「転校」という選択肢を提示されたベイベイは、それをはっきりと拒絶する。つまり、「転校するくらいなら、ここでいじめられていた方がマシ」という凄まじい判断をするのだ。彼女は、学校がこの問題に対処できないことも、この学校にいる限り酷い扱いを受け続けることも理解している。そしてそれらを分かった上で、「転校だけは絶対にしない」と決断するのである。
徹底的に「転校」を拒む理由は、「聴者の世界が辛い」から
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仲間はずれになるよ。
聴者の学校に戻りたいの?
ここを出たら、私はただのクズになる。
口も耳も不自由だから、友だちを作れない。
ベイベイは、悲壮な表情を浮かべながら、このように訴える。つまり、「聴者の世界で生きることが辛いから、酷い目に遭ってもこのろう学校に留まりたい」というのが彼女の切なる希望というわけだ。
映画では詳しく説明されなかったので推測でしかないが、恐らく台湾にはろう学校が多くはなく、今通っているろう学校から転校するとなると、ベイベイは聴者が通う普通の学校に通わなければならないのだと思う。「転校できるろう学校を探そう」みたいな展開にはならなかったので、周囲の人間もそのような状況を理解しているのだろう。
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つまりベイベイは、「日々性的虐待を受けるろう学校」か「聴者が通う普通の学校」かの2択が迫られる中、迷うことなく前者を選んでいるのである。
凄まじい判断だと感じないだろうか? まさにこれは、「私たち健常者が、障害を持つ者に対してどれだけ無意識に悪感情を向けているか」を如実に示す現実だと私は感じた。このような形で、健常者に対して刃を突きつける作品なのだ。
映画が始まってすぐ、こんなとんでもないシーンがあった。ベイベイはいつも、ろう学校までの通学バスの中で暴行されている。当然、他の生徒や運転手もその光景を目撃しているのだが、誰も何もしてくれない。そのことにも驚かされるが、さらに衝撃だったことがある。ベイベイはなんと、行きのバスの中で暴行してくる男たちと休み時間に笑顔でサッカーをしているのだ。
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転校生のチャンは、その状況が理解できず、「なんで一緒にサッカーできるの?」と聞く。するとベイベイは、
たまに酷いことをされるけど、いつもは優しいよ。
と答えるのだ。この時点ではまだ、ベイベイが「聴者の世界」を恐れていると示唆されてはいないので、そのこともあってなおさらベイベイの返答には驚かされてしまった。ベイベイは、自分を暴行する男たちを、普通に「友だち」と呼びさえする。先生がベイベイから話を聞こうとした際も、初めは「友だちを裏切れない」と、自分がされた行為を話すのを拒むのだ。
もちろん彼女にしても、自分が置かれている状況を許容できているわけではない。最終的には、泣きながら先生に窮状を訴えるのである。そしてその過程で、暴行が始まった当初、自ら女性教師に相談したことがあるという事実を明かす。しかしその女性教師は、
あなたは「嫌だ」と伝えたの? 「嫌だ」と伝えればあの子たちはしないわ。いい子だもの。
と取り合ってくれなかったのだ。ベイベイは、「誰も助けになってはくれない」と覚悟したのだろう。だからこそ、「たまに嫌なことをされるだけで、いつもは優しい『友だち』」と自分に言い聞かせながら、日々をやり過ごすことに決めたのだと思う。
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そして、そうまでしてろう学校に留まろうとするのは、「聴者の世界が辛い」からなのだ。あまりに辛すぎる現実ではないだろうか。
映画はほぼ全編「ろう者の世界」の物語として描かれるが、時折「聴者の世界」との接点も描かれる。例えば、ベイベイとチャンが映画館でデートする場面。ここではちょっとしたトラブルがあり、彼女は、
バカだと思われたよね。
と口にする。どうしても、「聴者からどう見られているか」という視点を捨てきれないのだ。
それはチャンも変わらない。彼がある件について母親と口論しているシーンでも似たような感覚になった。チャンと母親の関係についてはほぼ描かれないので、普段どのような関わり方をしているのか分からなかったが、彼が母親に、
母さんも、僕が他の人より知性が劣るって思ってるの?
と突きつける場面があるのだ。ベイベイほどではないのかもしれないが、チャン自身もやはり、「聴者の世界」に対する抵抗みたいなものを持っているのだろうと感じさせるシーンだった。
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映画で描かれるこのような「聴者との接点」は正直、「大したことではない」と受け取られる可能性もある。映画では、ベイベイが「聴者の世界」の何を恐れているのか、はっきりとは描かれない。そのようにしか受け取れないのが、聴者である私の限界だ。だからこそ、「『聴者の世界』よりも『性的虐待を受ける世界』を選択する」という決断に驚愕させられてしまう。
外の世界で孤独になる方が怖い。
彼女が口にする「孤独」は、私たちが割と安易に使ってしまう「孤独」とは意味が違う。何度でも繰り返すが、彼女が恐怖する「孤独」とは、「性的虐待」よりも遠ざけたいと考えるようなものなのだ。そしてその「孤独」に、私たちが加担しているのである。
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これが、この物語の本質的な特異さであり、私を含めた健常者が「自分には関係ない」と考えていい物語ではないのである。
「自分が我慢しさえすれば丸く収まる」と考えてしまう凄絶さ
ベイベイのあらゆる判断の根底には、「聴者の世界への恐怖」に加えて、「自分が我慢しさえすれば丸く収まる」という感覚もあるように感じられる。そして、そのような判断に触れる度に、私はとても苦しくなってしまう。
例えば、最近では「ヤングケアラー」という呼称でその存在が注目されるようになったが、様々な事情から家庭内で介護や家事全般を担わされている子どもが現代日本にはかなり多く存在する。「ヤングケアラー」たちは、誰に助けを求めたらいいか分からないのかもしれないし、そもそも「助けを求める」という発想すら持てないような人生を歩んできたのかもしれない。しかし一方で、やはり「自分が我慢しさえすれば丸く収まる」という感覚を持っているようにも感じられる。
それがなんであれ、子どもに重い何かを背負わせるのは大きな間違いだと思う。どんな理由があっても、子どもに「自分が我慢しさえすれば丸く収まる」なんて考えさせてはいけないはずだ。「ヤングケアラー」の場合、親が病気で働けなくないなど、「誰も悪くない」というケースもあると思うが、ベイベイのように、「大人の都合で状況が改善されない」というケースもあるだろう。そして、「大人の都合」が理由なのだとすれば、なおさら許しがたいと感じる。
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「自分が我慢しさえすれば丸く収まる」というベイベイのスタンスを如実に示す言葉が、冒頭で紹介した「一緒に私をいじめていいよ」だろう。これがどのような状況で発せられた言葉なのか説明したいと思う。
チャンは「先生に相談しよう」と持ちかけるのだが、彼女は首を縦に振らない。そこで彼は、ベイベイの気持ちを動かそうとこんな風に投げかける。
もし僕が彼らの仲間になれって言われたら?
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チャンはもちろん、仲間になるつもりなどない。しかしこう問いかけることで、ベイベイに「チャンにいじめられるのは嫌だ」と想像してもらい、それをきっかけに「先生に相談する」という彼自身の希望を達成したいと考えている。しかしベイベイの返答はあまりに予想外なものだった。それが、
一緒に私をいじめていいよ。
なのである。これほど悲しい返答があるだろうか? まさに「自分が我慢しさえすれば丸く収まる」という発想から出た言葉だろうし、さらにその根底には、「転校して聴者の世界に生きるよりはマシ」という感覚があるというわけだ。
凄まじいとしか言いようがなかった。
映画『無聲 The Silent Forest』の内容紹介
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チャンがその先生に巡り会えたのは偶然だった。電車で老人に財布をすられた彼は、追いかけて老人をボコボコにしているところを警官に止められる。警察署に連れて行かれるがまともにコミュニケーションが取れず、「財布をすられたんだ」と紙に書いて説明しても全然信じてもらえない。そこにやってきたのが、ろう学校の教師だというワン先生だ。彼は、警官に対して文句ばっかり言っているチャンの手話を違う意味に翻訳し、無事彼を解放させることに成功する。
ワン先生は、自身が勤めるろう学校にチャンを案内した。なんでもちょうど創立記念日だそうで、チャンもパーティーへの参加を認められる。そして、ベイベイというとびきり可愛い女の子に一目惚れした彼は、このろう学校への転校を決断したのだ。
すぐにベイベイと仲良くなれたチャンだったが、通学バスの中で彼女が暴行されている姿を目撃してしまった。どうにかしなければと彼は考えるのだが、ベイベイから「聴者の学校に戻りたいの?」と問い返されてしまう。先生には言わないでほしいというわけだ。
それでもやはり黙ってはいられなかったチャンは、ワン先生にすべて事情を説明した。すぐに行動を起こしたワン先生は、学内で他にも被害がないか調査を行い、127件という膨大な被害を確認する。主犯格も判明し、マスコミでも大きく報じられたのだが……。
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映画『無聲 The Silent Forest』の感想
とても苦しい物語だった。後で触れるが、ベイベイの笑顔が無ければなかなか耐えがたい物語だっただろう。これが実話だという事実に驚きを隠せない。
映画の前半はベイベイとチャンに焦点が当たるのだが、とても意外なことに、後半は別の人物に焦点が移っていく。その展開も、ベイベイが転校を拒んでいることに匹敵するぐらいの衝撃をもたらすのである。具体的には触れないが、結局「大人の都合」に子どもが振り回されているという現実は同じだ。とても胸糞悪い。
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なんで僕たちだけが苦しむの?
僕たちは悪くないのに。
と訴える。本当にその通りだと思う。社会の歪みはどうしたって弱者へと向かってしまうし、その現実に見て見ぬふりしている自分も同罪だと感じさせられた。嫌な社会に生きていると思う。
映画の中心はやはりベイベイであり、彼女の「優しさ」が発揮される場面では常に心が締め付けられる。もはや「優しさ」と呼んでいいのかさえ分からない振る舞いではあるのだが、ベイベイが「優しさ」を発揮すればするほど、ベイベイを取り巻く現実の「辛さ」が浮き彫りになってしまうのだ。
例えば、被害を表沙汰にしないでほしいとベイベイがワン先生に告げる場面。彼女はその理由を次のように説明する。
先生が祖父に怒られるのは嫌です。
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もちろんこれが本心なのかは分からない。しかしたとえ本心でなかったとしても、ベイベイの「優しさ」から発せられた言葉であることだけは間違いないだろう。言い方も見事だ。「先生が祖父に怒られちゃうでしょ」みたいに言えば、先生も「俺はそんなこと気にしない」という風に応じられる。しかし、ベイベイの主張は「私が嫌なんです」という言い方であり、そうである以上、先生は何も言い返せない。これは、「私なんかのために手を煩わせないでください」というベイベイなりの「優しさ」なのだと思うが、このような「優しさ」が描かれる度に悲しい気分になってしまう。
あと、この映画の重要なポイントとして、「ベイベイ役の女優チェン・イェンフェイがとても可愛い」という点を挙げられるだろう。まったくないとは言わないが、これは決して「可愛い女の子を見られて眼福」みたいな話ではない。重要なのは、「手話には表情が無い」という点だ。
基本的に「ろう者の世界」で展開されるこの物語は、全編手話でやり取りが行われる。手話を使う者であれば、手話からも「表情」を読み取ることができるかもしれないが、聴者の観客にはなかなかそれは難しい。つまり、映画で発せられる「セリフ」の「表情」が分からないということになる。
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だからこそ、ごく一般的な映画以上に、「役者の顔の表情」が重視されると言っていいと思う。
ベイベイの笑顔はとても可愛い。ほぼ全編に渡って胸糞悪い状況が描かれる映画であり、しかもセリフから表情を読み取ることが難しい中で、彼女の笑顔はある種の清涼剤のような効果を持っていると言っていい。ストーリーだけ捉えたら「辛さ」しか感じ取れない物語が、決して辛いだけのものになっていない最大の要因が、ベイベイの可愛さだと私は感じた。
さらに彼女の笑顔については、「これほど辛い状況に置かれているにも拘わらず、こんなにも笑顔を浮かべている」という捉え方も出来る。つまり、ベイベイの笑顔は一種の清涼剤であると同時に、逆説的な形で彼女の辛さをより際立たせる効果も持っているというわけだ。
このように、「ベイベイ役の女優が可愛い」という事実は、この映画をギリギリのところで成立させている大きな要因だと感じた。事実を事実として描き、社会にインパクトを与えることはとても重要なことだが、そのためにはまず多くの人に観てもらう必要がある。あまりに辛い現実を描きながら、「観たいと思わせる映画」として成立しているのは、ベイベイ役の女優の存在感あってのものだと思う。
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私はずっと、「部落差別なんてものが存在する意味が分からない」と感じてきたが、映画『私のはなし 部落のはなし』を観てようやく、「どうしてそんな差別が存在し得るのか」という歴史が何となく理解できた。非常に複雑で解決の難しい問題だが、まずは多くの人が正しく理解することが必要だと言えるだろう
出演:リウ・ツーチュアン, 出演:チェン・イェンフェイ, 出演:キム・ヒョンビン, 出演:リウ・グァンティン, 出演:ヤン・グイメイ, 監督:コー・チェンニエン
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「ろう学校での性的虐待」というニュースを目にしても、「酷いことをする奴がいるものだ」と受け取って終わってしまうかもしれない。しかしこの映画は、実際に起こった事件の背景に、私を含めた健常者が直視すべき問題が存在するのだと明白に示した。
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