目次
はじめに
この記事で伝えたいこと
幸せを感じたいなら、他人と比較していてはいけない
「世間的な幸せ」では、あなたは幸せを感じられないかもしれません
この記事の3つの要点
- 自分がどうなれば「幸せ」を感じられるか、理解していますか?
- 幸せの基準は、自分の内側に持たなければならない
- 「自由」は教えられるものじゃないから、生き方を見せて伝えるしかない
普通に楽しいエッセイなんですけど、「生き方」を学べる作品でもあります
この記事で取り上げる本
「神さまたちの遊ぶ庭」(宮下奈都/光文社)
自己紹介記事
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今も、それはあまり変わりません。食や旅には興味がないし、たくさんの人とワイワイ関わりたいということもないし、結婚願望もありません。
ただ子どもの頃は同時に、「世間的な幸せ」から外れちゃいけないんだろう、とも思っていました。それの何が良いのかよく分かっていなかったけれど、良い大学に行って良い会社に入って、結婚して子どもをもうけて家を買って、みたいなことを「幸せ」だと思わなきゃいけない、と考えていた気がします。
みなさんは、いかがでしょうか? そういう「世間的な幸せ」について、どう感じるでしょうか?
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今の私はもう、「世間的な幸せ」を諦めてもいいと思えるようになりました。周りの誰かがそれに「幸せ」を感じていても、私には関係ありません。そういう呪縛から逃れることができたのはよかった、と感じます。
だからと言って、どうだったら幸せなのかはよく分かんないってことが問題なんだけど
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「世間的な幸せ」が「自分の幸せ」と一致するなら、とても素晴らしいことでしょう。別にそれを否定したいわけではまったくありません。ただ中には、「世間的な幸せ」とズレてしまっていることに対して、自分を否定するような感情を抱いてしまう人もいるでしょう。それは、間違った落ち込み方だと私は感じます。
「幸せ」を感じられない場合、まず自分がどんな考えに囚われているのか理解してみることは大事でしょう。「世間的な幸せ」だけが正解だと感じてしまっていると、どんな風に生きても永遠に幸せにはたどり着けないと思います。
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宮下奈都は、幸せの基準を自分の内側に持っている
本書は、普通に読めば、突然短期間の移住生活が決まった一家のエピソードを収録したエッセイです。そういう作品として楽しく読んでもらえば何の問題もありません。
ただ私は、「幸せに生きるとはこういうことではないか」というロールモデルとして、宮下奈都とその一家を紹介したい気がします。
しあわせって、たぶんいくつも形があるんだろう。大きかったり、丸かったり、ぴかぴか光っていたり。いびつだったり、変わった色をしていたりするかもしれない。そういうのをそのまんまで楽しめるといいとつくづく思った
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宮下奈都は、自分の外側にある何かを基準にして「幸せ」を判断する人ではない、と感じます。基準は、彼女自身の内側にあるもので、端的に言えば、「自分が幸せだと思ったら幸せだ」という、まあ身も蓋もない表現になってしまいます。
ただ、こう感じることって、特に現代社会では難しいような気がします。なぜなら、比較対象を簡単に見つけ出せてしまう世の中だからです。
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インターネットやSNSの登場で、自分と同じような境遇の人がどんな生き方をしているのか、それまで以前よりも簡単に知ることができるようになりました。男か女か、結婚してるかしてないか、子どもがいるかいないか、仕事をしているかしていないか、などなど、様々な違いがあり、その違いごとに多様な生き方を探し出すことができます。
多様な生き方があるなら、比較対象もたくさんあるはずですが、多くの人はきっと、「自分と同じ境遇で、自分よりも幸せに見える人」の方が視界に入ってしまうだろうと思います。そしてそうなってしまえば、自分の人生がなんだか不幸に感じられてしまうでしょう。
こういうことが、意識しなくても視界に入ってきてしまう世の中です。そんな中では、誰かと比較せずに「幸せ」を感じることが難しくなってしまいます。
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昔からよく思ってたことだけど、学生時代にSNSがなくてホント良かったって思う
リア充には最強の武器だろうけど、非リア充には凶器って感じだよね
エッセイを読んでいると、宮下奈都はそういう葛藤から解放されている人のように感じられます。実際にどうかは分かりません。ただ、誰かと比べるのではなく、自分が目の前の日常を良いと思えるかどうかで、常に人生を判断しているのではないかと感じます。
そういう視点が貫かれているからこそ、宮下奈都のエッセイはただのエッセイで留まらず、読む人により深い何かを感じさせるのでしょう。
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親を見て、子どもは育つ
宮下奈都のエッセイを読んでいて感じることは、彼女の生き様は、子どもの教育という点でも非常に良い効果をもたらしているのではないか、ということです。
本書に限らず、宮下奈都のエッセイには三人の兄弟がよく登場します。そして彼らは、なんというか、とにかくのびのび過ごしているように感じられるのです。もちろん、実際の彼らの姿は分からないし、宮下奈都が良く見える側面しか描いていない可能性もゼロではありませんが、まあそんなことはないでしょう。
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宮下奈都の小説やエッセイを読んで強く感じることは、「考え方を押しつけることをとても嫌悪している人だろう」ということです。人には人の考えがあり、自分には自分の考えがある、という事実を非常に大事にしている人に感じられます。「正しい振る舞い」「やらなければならないこと」などは基本的に存在せず、他人に迷惑を掛けない限り言動は自由だ、というスタンスを強く感じるのです。
私も普段からそう思っているので、彼女のスタンスには強く共感します
何かやらされるとか、誰かに何かを強制するとか、嫌いだもんね
そして、そんな母親の姿に、子どもたちも影響を受けているのではないか、と感じます。
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「自由とは何か」を教えることは、とても難しいでしょう。自由にも様々なグラデーションがあって、時と場合によって基準や限度は変わってくるものです。
宮下奈都は、「自由とは与えられるものではなく、自分で作るものだ」というスタンスを、日々の生活の中で子どもたちに示しているような気がします。こういうことはなかなか面と向かって教えてもらうようなものではないし、でも教わらないで大人になってしまえば致命的な場面で大きな間違いを犯してしまう類のものでしょう。
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このエッセイだけからそう感じたわけではありませんが、宮下奈都の振る舞いは、「教育というのは、自分の生きざまを見せること」だと示していると感じます。そのことも、このエッセイがただのエッセイとしてだけではない価値を持つ部分だと感じるのです。
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本の内容紹介
ここで改めて本の内容を紹介します。
著:奈都, 宮下
¥660 (2021/06/30 21:44時点 | Amazon調べ)
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このエッセイは、宮下家の五人が、一年間限定で北海道のトムラウシの集落に引っ越し、生活をしたその記録です。
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彼女たちが生活する環境が、どんな場所かといえば、
なにしろ山の中である。いちばん近いスーパーまで、山道を下って三十七キロだという。ありえない。誰が晩のおかずの買い物をするのかしら。
小中学校は併置校で、現在の生徒は小中あわせて十人。小学生が九人、中学生はたったひとりだ。数少ない僻地五級の学校だそうで、校区はおよそ八〇〇〇〇㎢。山村留学制度があって、外からの児童生徒を受け入れているという。携帯は三社とも圏外。テレビは難視聴地域(特別豪雪地帯で、雪が降ると映らない)。
という感じです。思っている以上に不便、と言わざるを得ないでしょう。
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どうしてそんな場所に引っ越すことになったのでしょうか? それは、彼女の夫が希望したからです。大自然の中で暮らしたいという夫に、宮下奈都は「ありえない」と感じますが、普段無口な夫が二年分ぐらい喋って説得しようとします。
決め手になったのは子どもたちの反応でした。三人とも「行きたい」と言ったのです。宮下奈都は、これが本当のことだとは思えないと嘆きながらも、決まったこととして移住を受け入れます。
カムイミンタラ(神さまの遊ぶ庭)と呼ばれるほど美しい自然環境の中でどのような生活を送ったのかを、魅力的に描き出す作品です。
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本の感想
福井にいる時と変わらない
非常に面白いエッセイでした。先程も書いた通り、移住エッセイとして読んでメチャクチャ楽しめる作品です。三兄弟の言動は面白いし、「曲者ぞろい」と書かれている先生たちや、色んな事情でこの地にやってきたご近所さんたちとの日々の触れ合いに、とにかく爆笑させられるでしょう。
ただ、やはり本書は、宮下奈都や、その背中を見て育った子どもたちの「幸せ・生き方の基準」みたいなものを強く実感させられる作品で、そういう点からも興味の尽きないと感じます。
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宮下奈都は福井県に住んでいますが、この移住した一年間も、まるでずっとトムラウシに住んでいたかのようにあっさりと適応します。こういう移住を描くエッセイというのは普通、「今までの生活とこんなところが大変だった」というような描写が多くなされるでしょうが、そんな感じにはなりません。彼女が生活のどういう部分を切り取っていくのかも、読みどころでしょう。
住み続ける人へ想いを馳せる
一家は割とすんなり生活に馴染むのですが、宮下奈都はそんな生活の中で、「短期間しかいない自分たちの存在」について何度も思い巡らせます。
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印象的だった、こんな描写があります。
むすめに直接話しかけてこない子は、生まれたときからここで暮らしている牧場の子だった。友達になってもどうせ帰っちゃうんでしょう。そう思わないわけがないと思った。両手を広げて「友達になろう!」なんて、言えないに決まっている。申し訳ないことをしているのではないか、という気持ちが、私の中にはっきりと芽生えた瞬間だった。私たち家族は、勝手にやってきて、いつか勝手に去っていく。ずっとここにいる人たちの好意で受け入れてもらっているだけなのだ
本書の中で、こんな風にしんみりさせる描写は多くありません。というか、かなり少ないでしょう。でもだからこそ、時折スッと混ざり込んでいる繊細な描写にハッとさせられます。
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やはり親の背中を見て育った子どもです、三兄弟の一番下の妹が、こんな風に言う場面があります。
もう言わないで。帰るって考えないで暮らしたい。学校にも言わないで。帰るって思われたくない
一家は、トムラウシの地を離れがたくなってしまっていたのだけれども、様々なことを考えた結果、無理やり想いを引き剥がすようにしてこの地から引っ越すことに決めます。ただ、娘も、「帰ってしまう子」として扱われたくないと、その繊細な想いを母親に伝えます。
人生の中で出会いと別れは必然だとはいえ、一家の「好奇心だけでここに来てしまった」みたいな負い目が感情を増幅させ、余計別れが辛くなるというこの描写は、とても印象に残りました。
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著:奈都, 宮下
¥660 (2022/02/03 23:09時点 | Amazon調べ)
ポチップ
最後に
何度も書きますが、「面白いエッセイ」として読める作品で、特に三兄弟のやり取りは、爆笑したり感心させられたりと実に興味深いです。兄弟それぞれの性格もまったく違っていて、楽しい家族だなぁ、というほくほくした気分で読めるでしょう。
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ただ、大げさではなく私は、「生きるとはどういうことか」を考える作品としても読んでほしいと思っています。何か大きな思い違いをしていて、でもそのことに気づかずに袋小路に入ってしまっている人を救い出すような、そんな力を持ちうる作品だと思っています。
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【生きろ】「どう生き延びるか」と覚悟を決める考え方。西原理恵子が語る「カネ」だけじゃない人生訓:…
西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』は、決して「お金」の話だけではありません。「自分が望む生き方」を実現するための「闘い方」を伝授してくれると同時に、「しなくていい失敗を回避する考え方」も提示してくれます。学校や家庭ではなかなか学べない人生訓
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「相談に乗る」とは、「自分の意見を言う行為」ではない。相談者が”本当に悩んでいること”を的確に捉えて、「回答を与えるべき問いは何か?」を見抜くことが本質だ。『哲学の先生と人生の話をしよう』から、「相談をすること/受けること」について考える
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「コンビニのコピー機で並べない」せきしろ氏と、「フラッシュモブでの告白に恐怖する」又吉直樹氏が、おのれの「自意識過剰さ」を「可笑しさ」に変えるエッセイ『蕎麦湯が来ない』は、同じように「考えすぎてしまう人」には共感の嵐だと思います
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「これが答えだ」と安易に結論を出す自己啓発本が多い中で、山田ズーニー『おとなの進路教室』は「著者が寄り添って共に悩んでくれる」という稀有な本だ。決して分かりやすいわけではないからこそ読む価値があると言える、「これからの人生」を考えるための1冊
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ブロガーであるちきりんが、ブログに書いた記事を取捨選択し加筆修正した『ゆるく考えよう』は、「頑張ってしまう理由」や「欲望の正体」などを深堀りしながら、「世の中の当たり前から意識的に外れること」を指南する。思考を深め、自力で本質に行き着くための参考にも
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勤務していた会社の都合で、町が1つ丸々無くなるという経験をし、住居を持たないノマド生活へと舵を切った女性を描く映画『ノマドランド』を通じて、人生の大きな変化に立ち向かう気力を持てるのか、我々はどう生きていくべきか、などについて考える
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どうしても辿り着きたい場所があっても、そのあまりの遠さに目が眩んでしまうこともあるでしょう。そんな人に向けて、「才能がない」という言葉に逃げずに前進する勇気と、「仕事をする上で大事なスタンス」について『羊と鋼の森』をベースに書いていきます
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どう生きるべきか・どうしたらいい【本・映画の感想】 | ルシルナ
どんな人生を歩みたいか、多くの人が考えながら生きていると思います。私は自分自身も穏やかに、そして周囲の人や社会にとっても何か貢献できたらいいなと、思っています。…
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