目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
監督:ブラディ・コーベット, プロデュース:ブラディ・コーベット, プロデュース:トレヴァー・マシューズ, プロデュース:ニック・ゴードン, プロデュース:ブライアン・ヤング, プロデュース:アンドリュー・モリソン, プロデュース:アンドリュー・ローレン, プロデュース:D.J.グッゲンハイム, Writer:ブラディ・コーベット, Writer:モナ・ファストボールド, 出演:エイドリアン・ブロディ, 出演:フェリシティ・ジョーンズ, 出演:ガイ・ピアース, 出演:ジョー・アルウィン, 出演:ラフィー・キャシディ, 出演:ステイシー・マーティン, 出演:イザック・デ・バンコレ, 出演:アレッサンドロ・ニヴォラ
¥2,500 (2025/07/29 23:34時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 215分にも及ぶ本作では、表向き大した物語は描かれないのだが、底流ではずっと「不寛容」に焦点が当てられている
- 絶望と幸運の紆余曲折の果てに、主人公のラースローはある資産家のパトロンを得て飛躍し始める
- 5年以上も離れ離れで過ごしていた夫婦がついに再会を果たすも、2人は時代に引き裂かれてしまう
彼ほどの人物でもこれほど苦労させられたのだとすれば、同時代のユダヤ人はもっと大変だっただろうと想像させる物語でもある
自己紹介記事
あわせて読みたい
ルシルナの入り口的記事をまとめました(プロフィールやオススメの記事)
当ブログ「ルシルナ」では、本と映画の感想を書いています。そしてこの記事では、「管理者・犀川後藤のプロフィール」や「オススメの本・映画のまとめ記事」、あるいは「オススメ記事の紹介」などについてまとめました。ブログ内を周遊する参考にして下さい。
あわせて読みたい
【全作品読了・視聴済】私が「読んできた本」「観てきた映画」を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が『読んできた本』『観てきた映画』を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非本・映画選びの参考にして下さい。
どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
ある建築家の壮大な人生を描き出す映画『ブルータリスト』は、ホロコーストを生き延びたユダヤ人に対する“不寛容”を丁寧に描き出す
215分間淡々と展開し続けるだけの物語なのに、建築家のその壮大な人生に圧倒されてしまった
本作『ブルータリスト』は元々観ようと思っていた作品なのだが、公開直前に公開館などを調べていて驚いた。上映時間が215分となっていたからだ。ざっと3時間半である。配信で観るならともかく、劇場で観るにはなかなか気合が必要な映画と言えるだろう。
あわせて読みたい
【実話】映画『アウシュビッツ・レポート』が描き出す驚愕の史実。世界はいかにホロコーストを知ったのか?
映画『アウシュヴィッツ・レポート』は、アウシュビッツ強制収容所から抜け出し、詳細な記録と共にホロコーストの実態を世界に明らかにした実話を基にした作品。2人が持ち出した「アウシュビッツ・レポート」こそが、ホロコーストについて世界が知るきっかけだったのであり、そんな史実をまったく知らなかったことにも驚かされた
そしてもう1つ、私が鑑賞前の時点では理解していなかった点に触れておこうと思う。私は何となく、本作では「実在の人物が扱われている」のだと思い込んでいた。特に理由はない。そんなわけで、劇場で小冊子を受け取った時も特に疑問に思わなかったのだ。その小冊子は、本作の主人公である建築家ラースロー・トートの来歴をまとめたものだった。そして私は、「実在の人物なんだから、そりゃあこんな小冊子だって作れるよね」みたいに思いながら受け取ったのである。
ただ、その小冊子を読んでいる時、裏面の最後に小さく、「※本書の内容は一部を除きすべて架空の内容です。」と書かれていることに気づいた。そこで私はようやく、「そうか、ラースロー・トートは実在の人物じゃないんだな」と理解したのである。まあ、だからどうということもない話なのだが、個人的には「実話を基にした物語」である方が好みだったりもするので、「そうか違うのか」と感じたというわけだ。
さて私は本作を観て、215分もあるのに飽きさせない、実に壮大な物語だったことに驚かされた。
あわせて読みたい
【驚愕】これ以上の”サバイバル映画”は存在するか?火星にたった一人残された男の生存術と救出劇:『オ…
1人で火星に取り残された男のサバイバルと救出劇を、現実的な科学技術の範囲で描き出す驚異の映画『オデッセイ』。不可能を可能にするアイデアと勇気、自分や他人を信じ抜く気持ち、そして極限の状況でより困難な道を進む決断をする者たちの、想像を絶するドラマに胸打たれる
ただ、確かに「壮大」ではあるのだが、正直大した物語が描かれているわけではない。序盤こそ、「ホロコーストをギリギリ生き延びた主人公が、どうにかアメリカへと渡る」という歴史の重みを感じさせる展開だったが、それ以降は、「物語の規模」みたいな意味で言えばそこまでスケールは大きくないだろう。物語の骨子は、「ハンガリーでは新進気鋭だった建築家が、アメリカではしばらく不遇の時期を過ごすことになり、しかし様々な偶然と幸運によって、ある資産家の個人的なプロジェクトに関わるようになる」という感じで、別に凄まじくドラマチックなことが起こるわけでもない。
にも拘らず、本作にはかなり圧倒されてしまった。なかなか骨太の物語である。
「アメリカはホロコーストの生存者を”受け入れない”」という、主人公が感じ続けただろう視線について
あわせて読みたい
【感動】映画『ボストン1947』は、アメリカ駐留時代の朝鮮がマラソンで奇跡を起こした実話を描く
映画『ボストン1947』は、アメリカ軍駐留時代の朝鮮を舞台に、様々な困難を乗り越えながらボストンマラソン出場を目指す者たちの奮闘を描き出す物語。日本統治下で日本人としてメダルを授与された”国民の英雄”ソン・ギジョンを中心に、「東洋の小国の奇跡」と評された驚くべき成果を実現させた者たちの努力と葛藤の実話である
「大した物語が描かれているわけではない」と書いた通り、主人公がアメリカの地を踏んでからの紆余曲折の人生は正直なところ、物語として描くほどの何かがあるようには見えないんじゃないかと思う。ただそれは、あくまでも「表の物語」の話である。
本作ではその底流の部分に、ある感覚がずっと流れ続けているように私には感じられた。それが、「アメリカはホロコーストの生存者を”受け入れない”」である。そして、そんな物語を印象的に描き出そうとしたら、「こんな凄い人物でさえ受け入れられないのだ」と思わせる方が効果的だろう。だからこそ主人公は「ハンガリーで新進気鋭だった建築家」なのだろうし、そしてそんな人物の人生を215分も掛けて描き出したのだと思う。
ラースローが最初にそのことを強く実感したのは、早くにアメリカに移り住んでいたいとこのアティラとの関わりにおいてである。家具店を経営している彼はユダヤ人なのだが、妻に合わせる形でカトリックに改宗した。そして、命からがらアメリカに渡ったラースローは、まずは彼を頼ることにしたのである。建築家という経験を活かしながら家具店の仕事も手伝いつつ、店の一角に住まわせてもらって生活の基盤を作ろうと考えていたのだ。
しかし、そんな生活はある日突然終わってしまう。アティラから「もう協力出来ない」と突きつけられたからだ。表向きの理由は、「得意先の資産家を怒らせてしまったこと」である。ハリソンというその資産家の双子の息子・娘が、父親に内緒で書斎を作り変えるというサプライズを考えたのだが、結果としてこれがハリソンの逆鱗に触れてしまったのだ。そのためアティラは、その罪をラースローになすりつけるようにして彼を追い出したのである。
あわせて読みたい
【驚愕】映画『リアリティ』の衝撃。FBIによる、機密情報をリークした女性の尋問音源を完全再現(リアリ…
映画『リアリティ』は、恐らく過去類を見ないだろう構成の作品だ。なんと、「FBI捜査官が録音していた実際の音声データのやり取りを一言一句完全に再現した映画」なのである。「第2のスノーデン」とも評される”普通の女性”は、一体何故、国家に反旗を翻す”反逆者”になったのだろうか?
しかしより本質的な理由は、アティラの妻が関係している。ざっくり書くと、「彼女が『ラースローを受け入れたくない』と考えたために、彼は去らざるを得なくなった」のである。そしてそれは、妻の個人的な感覚というより、やはり「アメリカという国が、ユダヤ人の受け入れを拒んでいる」みたいに捉える方が自然だろうと思う。
ただ結果的には、ハリソンの書斎の仕事を請け負っていたことが、彼の人生を大きく変えることに繋がった。どんな経緯からそうなったのかは是非本編を観てほしいが、かなり不遇な生活を送っていたラースローに「蜘蛛の糸」が垂れてきたかのように、その境遇が一変するのである。
ハリソンは後々こんなことを語っていた。
多少なりとも権威を持つ者として、”時代の才能”を育てることは責務だと考えている。
あわせて読みたい
【驚愕】ベリングキャットの調査報道がプーチンを追い詰める。映画『ナワリヌイ』が示す暗殺未遂の真実
弁護士であり、登録者数640万人を超えるYouTuberでもあるアレクセイ・ナワリヌイは、プーチンに対抗して大統領選挙に出馬しようとしたせいで暗殺されかかった。その実行犯を特定する調査をベリングキャットと共に行った記録映画『ナワリヌイ』は、現実とは思えないあまりの衝撃に満ちている
「才能ある人物にチャンスを与え、飛躍のきっかけを与える」という役割にかなり自覚的だったというわけだ。そしてこのことからも分かるように、ハリソンはラースローのことをかなり高く評価しているのである。
また別の場面でのやり取りも興味深かったなと思う。ハリソンがラースローに「どうして建築をやる?」と質問した際に、彼は「何事もそれ自体は説明しない。立方体には本質的に、その構造以外の説明があるか?」と答えた後、さらに次のような話をしていた。
戦争は多くのものを破壊したが、私のプロジェクトの多くは残った。いずれ、戦争の惨禍が人々を辱めなくなった頃に、建築物が政治的刺激の代わりになってくれたら嬉しい。
なかなか含蓄のある言葉ではないだろうか。そしてこの返答に対してハリソンは、「実に詩的な回答だ」と感心していた。恐らく、本心だと思う。私の感触では、ハリソンの周囲にいる人間はハリソンほどラースローに関心を抱いていないようなのだが、ハリソンだけは「その才能に嫉妬する」と口に出すほど、ラースローという個人に強く興味を持っているのである。
あわせて読みたい
【狂気】バケモン・鶴瓶を映し出す映画。「おもしろいオッチャン」に潜む「異常さ」と「芸への情熱」:…
「俺が死ぬまで公開するな」という条件で撮影が許可された映画『バケモン』。コロナ禍で映画館が苦境に立たされなければ、公開はずっと先だっただろう。テレビで見るのとは違う「芸人・笑福亭鶴瓶」の凄みを、古典落語の名作と名高い「らくだ」の変遷と共に切り取る
そしてこの時彼は、「少なくともハリソンという人間には受け入れてもらえた」みたいな感覚になれたのではないかと思う。ハリソンの周りにいる者たちは、「どこの誰とも知れない人物が上流階級の世界に潜り込んでいること」に、何なら不快感すら抱いているように見えるのだが、ハリソンからの敬意・関心は本物である。そして、「こんな風に認めてもらえた」という事実は彼にとって、かなり誇らしいことだったに違いないと思う。
しかしそんな「蜜月」も、残念ながらずっと続くわけではなかった。しかも、かつて書斎の改装に関わった時と同じように、ラースロー自身にはまったく非の無い状況が、結果として彼を破滅に導くことになったのである。いや、「まったく非が無い」とも言えないか。ハリソンのプロジェクトは、個人発注のものとしてはなかなかの規模のものであり、だからこそ関わる人間も多い。そんな中でラースローは、自身の主張を押し通そうとかなり高圧的な振る舞いを続けていたのだ。それが災いした可能性も無くはない。とはいえ、仮にラースローがお行儀よくしていたところで、あんな「事故」が起こってしまえばどうにもならなかっただろうとは思うけれども。
そんなわけでラースローは、またしても「受け入れられた」という感覚を手放さなければならなくなってしまった。このように、「アメリカ」という分厚い壁に幾度も跳ね返される、そんな人生が描かれる作品なのだ。
あわせて読みたい
【妄執】チェス史上における天才ボビー・フィッシャーを描く映画。冷戦下の米ソ対立が盤上でも:映画『…
「500年に一度の天才」などと評され、一介のチェスプレーヤーでありながら世界的な名声を獲得するに至ったアメリカ人のボビー・フィッシャー。彼の生涯を描く映画『完全なるチェックメイト』から、今でも「伝説」と語り継がれる対局と、冷戦下ゆえの激動を知る
後に合流した妻エルジェーベトとの関係性の変化
また、「受け入れられたかどうか」みたいな描写は他にもあった。ラースローは、欧州に妻エルジェーベトを残したままアメリカにやってきたのだが、そんな彼女との関係性においてもこの話が絡んでくるのだ。
物語後半に、ラースローが欧州を脱出した時のことについて語る場面がある。彼が乗った船がアメリカに辿り着いたことはかなり幸運だったようで、そもそも出航さえ出来なかった船も多かったという。また、男女で収容所が別だったからだろう、ラースローは妻・姪と離れ離れにされており、同じタイミングで脱出することも叶わなかったのである。
さらに、戦後しばらくの間「アメリカを目指そうとするユダヤ人」がかなり多かったこと、そして姪には何らかの事情(結局詳しくは説明されなかった)があったことから、「姪を置いて妻だけがアメリカを目指す」みたいなことも出来なかった。2人でアメリカを目指すには2人の関係性を示すものを用意しなければならず、それもあってアメリカの地を踏むのにかなりの時間がかかってしまったのだ。
そしてその間に、2人の関係性は大きく変わってしまっていたのである。
あわせて読みたい
【助けて】映画『生きててごめんなさい』は、「共依存カップル」視点で生きづらい世の中を抉る物語(主…
映画『生きててごめんなさい』は、「ちょっと歪な共依存関係」を描きながら、ある種現代的な「生きづらさ」を抉り出す作品。出版社の編集部で働きながら小説の新人賞を目指す園田修一は何故、バイトを9度もクビになり、一日中ベッドの上で何もせずに過ごす同棲相手・清川莉奈を”必要とする”のか?
ラースローがハンガリーにいた頃の描写は本作中には存在しないので、2人が元々どんな夫婦だったのかは分からない。しかし、どうにかアメリカに辿り着いたラースローが、「エルジェーベトは生きてるぞ」とアティラから聞かされた時に大号泣していたことを考えると、お互いの存在を思いやる良い夫婦だったんじゃないかという気がする。しかし彼は、後に姪と共にアメリカにやってきた妻とどうにも上手く関われなくなっていくのだ。
さて、本作において観客はずっと「ラースローが辿ってきた苦労」を追うことになる。最初こそアティラのことを頼れはしたものの、その関係はすぐに破綻してしまい、ラースローは1人で生きていくしかなくなってしまう。そしてその後、紆余曲折あってようやく、建築家としての手腕を再び発揮できる状況にまで辿り着いていたのである。
そして妻と姪がやってきたのはそんな、「様々な苦労の末に、建築家としてのキャリアをどうにか再び重ねられそうだ」というタイミングだったのだ。ラースローの感覚で言えば恐らく、「相当しんどい思いをしてどうにかここまで来たのだから、なんとかやり遂げたい」みたいな感じだったんじゃないかと思う。
そしてそんなラースローにエルジェーベトは共感できなくなっていったのだと私は受け取った。
あわせて読みたい
【あらすじ】「愛されたい」「必要とされたい」はこんなに難しい。藤崎彩織が描く「ままならない関係性…
好きな人の隣にいたい。そんなシンプルな願いこそ、一番難しい。誰かの特別になるために「異性」であることを諦め、でも「異性」として見られないことに苦しさを覚えてしまう。藤崎彩織『ふたご』が描き出す、名前がつかない切実な関係性
私は別に、エルジェーベトを非難したいわけではない。このすれ違いは結局、「離れ離れになっていた間の『苦労』が違いすぎて、お互いの『苦労』が共有出来なくなってしまっただけ」だと思っているからだ。
ハンガリーにいた頃はたぶん、2人とも同じような苦労を重ねてきていて、だからこそ、どれだけ大変でも分かり合えたんじゃないかという気がする。しかし、慣れないアメリカの地で慣れない生き方をしてきたラースローと、事情を抱えた姪を守りつつ欧州をどうにか脱出しようと奮闘していたエルジェーベトとでは、「苦労」の性質があまりにも違いすぎた。そしてそんな異なる数年間を過ごしたが故に、2人の関係性は決定的に壊れてしまったのだろう。
言っても仕方ないことではあるが、もしラースローとエルジェーベトが同じタイミングでアメリカまで来られていれば、彼らは同じ苦労を重ねながら今も良い関係性のままでいられたのではないかと思う。しかし、結果として全然違う苦労を積み重ねてきたことで、「お互いがお互いを受け入れられない」という状態になってしまったんじゃないだろうか。
あわせて読みたい
【映画】『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 劇場版』で号泣し続けた私はTVアニメを観ていない
TVアニメは観ていない、というかその存在さえ知らず、物語や登場人物の設定も何も知らないまま観に行った映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 劇場版』に、私は大号泣した。「悪意のない物語」は基本的に好きではないが、この作品は驚くほど私に突き刺さった
そのことが、何だかとても淋しく感じられてしまったなと思う。
映画『ブルータリスト』のその他感想
ラースローは、アメリカでの辛い生活の苦痛から逃れるために、割と早い段階から薬物に手を出していた。そしてそのこともまた、彼の人生に暗い影を落としてしまう。しんどい日常をやり過ごすためには仕方ない選択だったのかもしれないが、「ハンガリーにずっといられればその才能を十全に発揮できただろう人物が薬物に冒されていく」というのは非常にもったいない気分にさせられた。
さらに、後半で描かれる姪のある決断は、ラースロー、エルジェーベトどちらにも大きな衝撃を与えるものであり、そのこともある種の「心労」に繋がっていったのだと思う。そしてそういう様々な状況がアメリカへと渡ったラースローの生活を蝕み、少しずつ土台を腐らせながら絶望が積み上がっていくみたいな人生だったのである。
あわせて読みたい
【勇敢】ユダヤ人を救った杉原千畝を描く映画。日本政府の方針に反しながら信念を貫いた男の生き様
日本政府の方針に逆らってまでユダヤ人のためにビザを発給し続けた外交官を描く映画『杉原千畝』。日本を良くしたいと考えてモスクワを夢見た青年は、何故キャリアを捨てる覚悟で「命のビザ」を発給したのか。困難な状況を前に、いかに決断するかを考えさせられる
物語の前半では特に、常にギリギリの状態に置かれながら、それでもどうにか人生を前進させようとして奮闘するラースローの姿にかなり惹きつけられるんじゃないかと思う。また、彼ほどの才能を持つ人物でもこれほどの苦労を経験したのだと理解できれば、同時代のユダヤ人たちがどれだけ苦労したのかも推し量れる気がする。表に見えている部分以外の様々な奥行きを感じさせる作品であり、そういう意味での重厚感みたいなものはかなり強く感じられた。
さて本作については、撮影に関して1点気になっていることがある。「あの建造物を実際に建てたのだろうか?」という点についてだ。ハリソンによる個人プロジェクトではなかなか壮大な建造物を造ることになっており、本作では後半、そんなメチャクチャデカい建造物を組み立てている様子がタイムラプス的な映像で挿入されるのである。まあ、普通に考えればCGだろう。しかし、特に予算の潤沢なアメリカの映画の場合、「CGかと思ったけど実は実写だった」みたいなことはよくあるし、だとすれば、実際に建てている可能性もゼロではないと思う。個人的には、「本当に建てていてほしいな」と願ってしまいたくもなる。
また、上映時間が3時間半もあるからだろう、途中休憩が設けられていた。映画館がそのように設定していたのではなく、本編中にちゃんと「休憩時間」が組み込まれているのだ。ラースローとエルジェーベトが結婚した際の記念写真をバックに「Intermission」と表示され、15分のカウントが始まるのである。休憩が用意されている映画は時々あるが、本編中に組み込まれているのはかなり珍しいように思う。ちなみに逆パターンだが、映画『RRR』では、本編中に「Intermission」の表示が出てくるにも拘らず、劇場側の判断だったのか、そのまま休憩なしで上映が続いたような記憶がある。色んなケースが存在するものだ。
あわせて読みたい
【驚異】映画『RRR』『バーフバリ』は「観るエナジードリンク」だ!これ程の作品にはなかなか出会えないぞ
2022年に劇場公開されるや、そのあまりの面白さから爆発的人気を博し、現在に至るまでロングラン上映が続いている『RRR』と、同監督作の『バーフバリ』は、大げさではなく「全人類にオススメ」と言える超絶的な傑作だ。まだ観ていない人がいるなら、是非観てほしい!
さらに、本作のエンドロールは斜めに移動していくスタイルであり、かなりインパクトがあったなと思う。少なくとも私は、そういうスタイルのエンドロールを初めて観た気がする。また、途中からまったく無音のまま文字がスクロールしていくのも凄く良かった。冒頭の自由の女神像の登場もインパクトが大きかったし、最初から最後まで印象的な映画だったなと思う。
監督:ブラディ・コーベット, プロデュース:ブラディ・コーベット, プロデュース:トレヴァー・マシューズ, プロデュース:ニック・ゴードン, プロデュース:ブライアン・ヤング, プロデュース:アンドリュー・モリソン, プロデュース:アンドリュー・ローレン, プロデュース:D.J.グッゲンハイム, Writer:ブラディ・コーベット, Writer:モナ・ファストボールド, 出演:エイドリアン・ブロディ, 出演:フェリシティ・ジョーンズ, 出演:ガイ・ピアース, 出演:ジョー・アルウィン, 出演:ラフィー・キャシディ, 出演:ステイシー・マーティン, 出演:イザック・デ・バンコレ, 出演:アレッサンドロ・ニヴォラ
¥2,500 (2025/07/29 23:36時点 | Amazon調べ)
ポチップ
あわせて読みたい
【全作品視聴済】私が観てきた映画(フィクション)を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が観てきた映画(フィクション)を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非映画選びの参考にして下さい。
最後に
本作は、米アカデミー賞で10部門にノミネートされ、3部門で受賞を果たしたそうだ。確かに、そういう評価を得るのも納得という感じの作品である。215分という長さはちょっとハードルの高さを感じさせるだろうが、是非挑戦してみてほしい。その壮大さに圧倒させられるだろう。
あわせて読みたい
Kindle本出版しました!『天才・アインシュタインの生涯・功績をベースに、簡単過ぎない面白科学雑学を…
Kindleで本を出版しました。タイトルは、『天才・アインシュタインの生涯・功績をベースに、簡単過ぎない面白科学雑学を分かりやすく書いた本:相対性理論も宇宙論も量子論も』です。科学や科学者に関する、文系の人でも読んでもらえる作品に仕上げました。そんな自著について紹介をしています。
次にオススメの記事
あわせて読みたい
【冷戦】”アメリカのビートルズ”と評された、「鉄のカーテンを超えた初のロックバンド」を襲った悲劇:…
映画『ブラッド・スウェット&ティアーズに何が起こったのか?』では、米ソ冷戦の最中に人気を博したロックバンド・BS&Tが辿った数奇な運命を描き出すドキュメンタリー映画である。当時は公表できなかった理由により「鉄のカーテン」の向こう側に行かざるを得なかった彼らは、何を見て、どんな不遇に直面させられたのか?
あわせて読みたい
【異様】映画『聖なるイチジクの種』は、イランで起こった実際の市民デモを背景にした驚愕の物語である
「家庭内で銃を紛失した」という設定しか知らずに観に行った映画『聖なるイチジクの種』は、「実際に起こった市民デモをベースに、イランという国家の狂気をあぶり出す作品」であり、思いがけず惹きつけられてしまった。「反政府的な作品」に関わった本作監督・役者・スタッフらが処罰されるなど、人生を賭けて生み出された映画でもある
あわせて読みたい
【父親】パキスタン本国では上映禁止の映画『ジョイランド』は、古い価値観に翻弄される家族を描く
映画『ジョイランド』は、本国パキスタンで一時上映禁止とされた作品だが、私たち日本人からすれば「どうして?」と感じるような内容だと思う。「(旧弊な)家族観を否定している」と受け取られたからだろうが、それにしたってやはり理不尽だ。そしてそんな「家族のややこしさ」には、現代日本を生きる我々も共感できるに違いない
あわせて読みたい
【真相?】映画『マミー』が描く和歌山毒物カレー事件・林眞須美の冤罪の可能性。超面白い!
世間を大騒ぎさせた「和歌山毒物カレー事件」の犯人とされた林眞須美死刑囚は無実かもしれない。映画『マミー』は、そんな可能性を示唆する作品だ。「目撃証言」と「ヒ素の鑑定」が詳細に検証し直され、さらに「保険金詐欺をやっていた」という夫の証言も相まって、証拠的にも感情的にも支持したくなるような驚きの仮説である
あわせて読みたい
【あらすじ】有村架純が保護司を演じた映画『前科者』が抉る、罪を犯した者を待つ「更生」という現実
映画『前科者』は、仮釈放中の元受刑者の更生を手助けするボランティアである「保護司」を中心に据えることで、「元犯罪者をどう受け入れるべきか」「保護司としての葛藤」などを絶妙に描き出す作品。個別の事件への処罰感情はともかく、「社会全体としていかに犯罪を減らしていくか」という観点を忘れるべきではないと私は思っている
あわせて読みたい
【狂気】群青いろ制作『雨降って、ジ・エンド。』は、主演の古川琴音が成立させている映画だ
映画『雨降って、ジ・エンド。』は、冒頭からしばらくの間「若い女性とオジサンのちょっと変わった関係」を描く物語なのですが、後半のある時点から「共感を一切排除する」かのごとき展開になる物語です。色んな意味で「普通なら成立し得ない物語」だと思うのですが、古川琴音の演技などのお陰で、絶妙な形で素敵な作品に仕上がっています
あわせて読みたい
【赦し】映画『過去負う者』が描く「元犯罪者の更生」から、社会による排除が再犯を生む現実を知る
映画『過去負う者』は、冒頭で「フィクション」だと明示されるにも拘らず、観ながら何度も「ドキュメンタリーだっけ?」と感じさせられるという、実に特異な体験をさせられた作品である。実在する「元犯罪者の更生を支援する団体」を舞台にした物語で、当然それは、私たち一般市民にも無関係ではない話なのだ
あわせて読みたい
【実話】映画『キリング・オブ・ケネス・チェンバレン』が描く、白人警官による黒人射殺事件
映画『キリング・オブ・ケネス・チェンバレン』は、2011年に起こった実際の事件を元にした作品である。何の罪もない黒人男性が、白人警官に射殺されてしまったのだ。5時22分から始まる状況をほぼリアルタイムで描き切る83分間の物語には、役者の凄まじい演技も含め、圧倒されてしまった
あわせて読みたい
【挑戦】映画『燃えあがる女性記者たち』が描く、インドカースト最下位・ダリットの女性による報道
映画『燃えあがる女性記者たち』は、インドで「カースト外の不可触民」として扱われるダリットの女性たちが立ち上げた新聞社「カバル・ラハリヤ」を取り上げる。自身の境遇に抗って、辛い状況にいる人の声を届けたり権力者を糾弾したりする彼女たちの奮闘ぶりが、インドの民主主義を変革させるかもしれない
あわせて読みたい
【あらすじ】映画『戦場のピアニスト』(ロマン・ポランスキー)が描く、ユダヤ人迫害の衝撃の実話
映画『戦場のピアニスト』の4Kリマスター版を観に行ったところ、上映後のトークイベントに主人公の息子が登壇したので驚いた。何せ私は、本作が「実話を基にしている」ことさえ知らなかったのである。だからその驚きもひとしおだった。ホロコーストの生存者である主人公の壮絶な人生を描き出す、不朽の名作だ
あわせて読みたい
【嫌悪】映画『ドライビング・バニー』が描く、人生やり直したい主人公(母親)のウザさと絶望
映画『ドライビング・バニー』は、主人公であるバニーのことが最後まで嫌いだったにも拘わらず、全体的にはとても素敵に感じられた珍しいタイプの作品だ。私は、「バニーのような人間が世の中に存在する」という事実に嫌悪感を抱いてしまうのだが、それでも、狂気的でぶっ飛んだラストシーンによって、作品全体の印象が大きく変わったと言える
あわせて読みたい
【現実】映画『私のはなし 部落のはなし』で初めて同和・部落問題を考えた。差別はいかに生まれ、続くのか
私はずっと、「部落差別なんてものが存在する意味が分からない」と感じてきたが、映画『私のはなし 部落のはなし』を観てようやく、「どうしてそんな差別が存在し得るのか」という歴史が何となく理解できた。非常に複雑で解決の難しい問題だが、まずは多くの人が正しく理解することが必要だと言えるだろう
あわせて読みたい
【助けて】映画『生きててごめんなさい』は、「共依存カップル」視点で生きづらい世の中を抉る物語(主…
映画『生きててごめんなさい』は、「ちょっと歪な共依存関係」を描きながら、ある種現代的な「生きづらさ」を抉り出す作品。出版社の編集部で働きながら小説の新人賞を目指す園田修一は何故、バイトを9度もクビになり、一日中ベッドの上で何もせずに過ごす同棲相手・清川莉奈を”必要とする”のか?
あわせて読みたい
【天才】映画『Winny』(松本優作監督)で知った、金子勇の凄さと著作権法侵害事件の真相(ビットコイン…
稀代の天才プログラマー・金子勇が著作権法違反で逮捕・起訴された実話を描き出す映画『Winny』は、「警察の凄まじい横暴」「不用意な天才と、テック系知識に明るい弁護士のタッグ」「Winnyが明らかにしたとんでもない真実」など、見どころは多い。「金子勇=サトシ・ナカモト」説についても触れる
あわせて読みたい
【実話】映画『グリーンブック』は我々に問う。当たり前の行動に「差別意識」が含まれていないか、と
黒人差別が遥かに苛烈だった時代のアメリカにおいて、黒人ピアニストと彼に雇われた白人ドライバーを描く映画『グリーンブック』は、観客に「あなたも同じような振る舞いをしていないか?」と突きつける作品だ。「差別」に限らず、「同時代の『当たり前』に従った行動」について考え直させる1作
あわせて読みたい
【居場所】菊地凛子主演映画『658km、陽子の旅』(熊切和嘉)は、引きこもりロードムービーの傑作
映画『658km、陽子の旅』は、主演の菊地凛子の存在感が圧倒的だった。夢破れて長年引きこもり続けている女性が、否応なしにヒッチハイクで弘前を目指さなければならなくなるロードムービーであり、他人や社会と関わることへの葛藤に塗れた主人公の変化が、とても「勇敢」なものに映る
あわせて読みたい
【あらすじ】蝦夷地の歴史と英雄・阿弖流為を描く高橋克彦の超大作小説『火怨』は全人類必読の超傑作
大げさではなく、「死ぬまでに絶対に読んでほしい1冊」としてお勧めしたい高橋克彦『火怨』は凄まじい小説だ。歴史が苦手で嫌いな私でも、上下1000ページの物語を一気読みだった。人間が人間として生きていく上で大事なものが詰まった、矜持と信念に溢れた物語に酔いしれてほしい
あわせて読みたい
【差別】映画『チェチェンへようこそ ゲイの粛清』の衝撃。プーチンが支持する国の蛮行・LGBT狩り
プーチン大統領の後ろ盾を得て独裁を維持しているチェチェン共和国。その国で「ゲイ狩り」と呼ぶしかない異常事態が継続している。映画『チェチェンへようこそ ゲイの粛清』は、そんな現実を命がけで映し出し、「現代版ホロコースト」に立ち向かう支援団体の奮闘も描く作品
あわせて読みたい
【実話】「ホロコーストの映画」を観て改めて、「有事だから仕方ない」と言い訳しない人間でありたいと…
ノルウェーの警察が、自国在住のユダヤ人をまとめて船に乗せアウシュビッツへと送った衝撃の実話を元にした映画『ホロコーストの罪人』では、「自分はそんな愚かではない」と楽観してはいられない現実が映し出される。このような悲劇は、現在に至るまで幾度も起こっているのだ
あわせて読みたい
【残念】日本の「難民受け入れ」の現実に衝撃。こんな「恥ずべき国」に生きているのだと絶望させられる…
日本の「難民認定率」が他の先進国と比べて異常に低いことは知っていた。しかし、日本の「難民」を取り巻く実状がこれほど酷いものだとはまったく知らなかった。日本で育った2人のクルド人難民に焦点を当てる映画『東京クルド』から、日本に住む「難民」の現実を知る
あわせて読みたい
【不正義】正しく行使されない権力こそ真の”悪”である。我々はその現実にどう立ち向かうべきだろうか:…
権力を持つ者のタガが外れてしまえば、市民は為す術がない。そんな状況に置かれた時、私たちにはどんな選択肢があるだろうか?白人警官が黒人を脅して殺害した、50年前の実際の事件をモチーフにした映画『デトロイト』から、「権力による不正義」の恐ろしさを知る
あわせて読みたい
【矛盾】その”誹謗中傷”は真っ当か?映画『万引き家族』から、日本社会の「善悪の判断基準」を考える
どんな理由があれ、法を犯した者は罰せられるべきだと思っている。しかしそれは、善悪の判断とは関係ない。映画『万引き家族』(是枝裕和監督)から、「国民の気分」によって「善悪」が決まる社会の是非と、「善悪の判断を保留する勇気」を持つ生き方について考える
あわせて読みたい
【考察】映画『ジョーカー』で知る。孤立無援の環境にこそ”悪”は偏在すると。個人の問題ではない
「バットマン」シリーズを観たことがない人間が、予備知識ゼロで映画『ジョーカー』を鑑賞。「悪」は「環境」に偏在し、誰もが「悪」に足を踏み入れ得ると改めて実感させられた。「個人」を断罪するだけでは社会から「悪」を減らせない現実について改めて考える
あわせて読みたい
【勇敢】”報道”は被害者を生む。私たちも同罪だ。”批判”による”正義の実現”は正義だろうか?:『リチャ…
「爆弾事件の被害を最小限に食い止めた英雄」が、メディアの勇み足のせいで「爆弾事件の犯人」と報じられてしまった実話を元にした映画『リチャード・ジュエル』から、「他人を公然と批判する行為」の是非と、「再発防止という名の正義」のあり方について考える
あわせて読みたい
【権利】衝撃のドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』は、「異質さを排除する社会」と「生きる権利」を問う
「ヤクザ」が排除された現在でも、「ヤクザが担ってきた機能」が不要になるわけじゃない。ではそれを、公権力が代替するのだろうか?実際の組事務所(東組清勇会)にカメラを持ち込むドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』が映し出す川口和秀・松山尚人・河野裕之の姿から、「基本的人権」のあり方について考えさせられた
あわせて読みたい
【告発】アメリカに”監視”される社会を暴露したスノーデンの苦悩と決断を映し出す映画:『スノーデン』…
NSA(アメリカ国家安全保障局)の最高機密にまでアクセスできたエドワード・スノーデンは、その機密情報を持ち出し内部告発を行った。「アメリカは世界中の通信を傍受している」と。『シチズンフォー』と『スノーデン』の2作品から、彼の告発内容とその葛藤を知る
あわせて読みたい
【絶望】「人生上手くいかない」と感じる時、彼を思い出してほしい。壮絶な過去を背負って生きる彼を:…
「北九州連続監禁殺人事件」という、マスコミも報道規制するほどの残虐事件。その「主犯の息子」として生きざるを得なかった男の壮絶な人生。「ザ・ノンフィクション」のプロデューサーが『人殺しの息子と呼ばれて』で改めて取り上げた「真摯な男」の生き様と覚悟
あわせて読みたい
【現実】生きる気力が持てない世の中で”働く”だけが人生か?「踊るホームレスたち」の物語:映画『ダン…
「ホームレスは怠けている」という見方は誤りだと思うし、「働かないことが悪」だとも私には思えない。振付師・アオキ裕キ主催のホームレスのダンスチームを追う映画『ダンシングホームレス』から、社会のレールを外れても許容される社会の在り方を希求する
あわせて読みたい
【リアル】社会の分断の仕組みを”ゾンビ”で学ぶ。「社会派ゾンビ映画」が対立の根源を抉り出す:映画『C…
まさか「ゾンビ映画」が、私たちが生きている現実をここまで活写するとは驚きだった。映画『CURED キュアード』をベースに、「見えない事実」がもたらす恐怖と、立場ごとに正しい主張をしながらも否応なしに「分断」が生まれてしまう状況について知る
あわせて読みたい
【権利】「難民だから支援すべき」じゃない。誰でも最低限の安全が確保できる世界であるべきだ:映画『…
難民申請中の少年が、国籍だけを理由にチェスの大会への出場でが危ぶまれる。そんな実際に起こった出来事を基にした『ファヒム パリが見た奇跡』は実に素晴らしい映画だが、賞賛すべきではない。「才能が無くても安全は担保されるべき」と考えるきっかけになる映画
あわせて読みたい
【情熱】「ルール」は守るため”だけ”に存在するのか?正義を実現するための「ルール」のあり方は?:映…
「ルールは守らなければならない」というのは大前提だが、常に例外は存在する。どれほど重度の自閉症患者でも断らない無許可の施設で、情熱を持って問題に対処する主人公を描く映画『スペシャルズ!』から、「ルールのあるべき姿」を考える
あわせて読みたい
【救い】耐えられない辛さの中でどう生きるか。短歌で弱者の味方を志すホームレス少女の生き様:『セー…
死にゆく母を眺め、施設で暴力を振るわれ、拾った新聞で文字を覚えたという壮絶な過去を持つ鳥居。『セーラー服の歌人 鳥居』は、そんな辛い境遇を背景に、辛さに震えているだろう誰かを救うために短歌を生み出し続ける生き方を描き出す。凄い人がいるものだ
あわせて読みたい
【挑戦】自閉症のイメージを変えるおすすめ本。知的障害と”思い込む”専門家に挑む母子の闘い:『自閉症…
専門家の思い込みを覆し、自閉症のイメージを激変させた少年・イド。知的障害だと思われていた少年は、母親を通じコミュニケーションが取れるようになり、その知性を証明した。『自閉症の僕が「ありがとう」を言えるまで』が突きつける驚きの真実
この記事を読んでくれた方にオススメのタグページ
ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
理不尽・ストレス・イライラする【本・映画の感想】 | ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
「理不尽だなー」と感じてしまうことはよくあります。クレームや怒りなど、悪意や無理解から責められることもあるでしょうし、多数派や常識的な考え方に合わせられないとい…
タグ一覧ページへのリンクも貼っておきます
ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
記事検索(カテゴリー・タグ一覧) | ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
コメント