目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:エドワード・スノーデン, 出演:ローラ・ポイトラス, 出演:グレン・グリーンウォルド, 出演:ウィリアム・ビニー, 出演:ユーウェン・マカスキル, 出演:ジェイコブ・アッペルバウム, 出演:ジェレミー・スケイヒル, 監督:ローラ・ポイトラス
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出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット, 出演:シャイリーン・ウッドリー, 出演:メリッサ・レオ, 出演:ザカリー・クイント, 出演:リス・エヴァンス, 出演:ニコラス・ケイジ, 監督:オリバー・ストーン, Writer:オリバー・ストーン, Writer:キーラン・フィッツジェラルド
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この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 電話、SNS、Gmailなどあらゆる通信はアメリカに収集されている
- スノーデンは、「情報を提供するから、是非を議論してほしい」というスタンスを貫いた
- 「安全」のために「自由」を手放すべき世界に我々は生きているのだろうか?
顔も名前も伏せずに、堂々とアメリカに喧嘩を吹っかけたスノーデンの「公益のための行動」が素晴らしい
自己紹介記事
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どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
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スノーデンはかつて、NSA(アメリカ国家安全保障局)というアメリカの諜報機関で働いていた人物で、そこから盗み出した極秘機密情報を世界中に暴露した。その実話を扱った2本の映画がほぼ同時期に公開され、この記事はその2作品を元にしている。
『シチズンフォー スノーデンの暴露』はドキュメンタリー映画だ。ローラ・ポイトラス監督が香港でスノーデンと接触し、彼の口から語られる衝撃の事実がカメラに記録されていく。スノーデン本人が諜報機関の現実を暴露しているため、緊迫感・臨場感がもの凄い。ドキュメンタリー映画が好きな私としては、その凄まじい現実に圧倒される内容だ。
その後、『スノーデン』を観た。こちらは、事実をベースにしたフィクションである。スノーデンがNSAに採用されてから、そこで何を見、どんな経験をし、どのような苦悩の末に機密情報の暴露という行為に至ったのかがドラマチックに描かれていく。
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そして、ドキュメンタリー映画が好きな私としては非常に珍しいが、この2作を比較して、『スノーデン』の方がより興味深いと感じた。それは、スノーデンが場面場面でどんな感情に支配されていたのかがリアルに伝わるからだろう。スノーデンが、個人としての人生ではなく公益を優先し、自分のすべてを抛ってまで暴露に踏み切るまでの苦悩には心を打たれた。
この記事では、この2作の映画をベースにスノーデンについて書いていく。
スノーデンは、
これはSFではない。現実です
「シチズンフォー スノーデンの暴露」(監督:ローラ・ポイトラス)
と語っている。まさにSF映画かスパイ映画であるかのような現実が描かれるのだ。我々はこんな世界に生きているのだと認識するべきだろう。
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また記事の書き方についてだが、フィクションである『スノーデン』での描写も、事実として扱っている。映画的な演出も多少は含まれているだろうが、物語の大枠は事実に基づいているはずという判断だ。
スノーデンが暴露した現実と、スノーデン自身について
私はスノーデンの映画を見て、パソコンのカメラ部分にガムテープを貼った。スノーデンが、「起動していないパソコンのカメラだけを立ち上げて室内を盗み見る技術」をアメリカの諜報機関が持っていると語っていたからだ。ガムテープを貼るというのが対策として有効かは分からないが、やらないよりもマシだろう。
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そう、スノーデンが明らかにしたことは、決して私たちの生活とは無関係ではない。というか、大いに関係していると言っていいだろう。
スノーデンの映画を観る前から、「アメリカがエシュロンというシステムで世界中の通信を傍受している」という事実は知っていた。しかし、「そんなこと知らなかった」という人も多いだろう。今この瞬間もアメリカは、世界中すべての場所で行われている電話などの通信をすべて収集しているのだ。
それだけではない。非公開にしているSNSなどのやり取りも、エックスキースコアというシステムで収集されている。映画で語られていたのではなくニュースで見た話だが、電源OFFになっていると見せかけて起動させていたスマートテレビで室内の音声を拾うというような技術も、実際に使用されているかどうかはともかくとして、既に開発されているというのだ。
つまり私たちは、対面での会話も、電話やオンライン上でのやり取りも、すべてアメリカに知られてしまっているということになる。
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それだけではない。スノーデンは日本で働いていたこともあるというが、その際にになんと、送電網やダムにトラップを仕掛けたと告白していたのだ。彼は、
もしも日本が同盟国でなくなったら、日本は終わりだ
「スノーデン」(監督:オリヴァー・ストーン)
と言っていた。日本がアメリカの敵だと認定されたら、それらのトラップが起動され、我々の生活に大規模な障害が生じる可能性がある、というわけだ。
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アメリカはこのような措置を、「テロの脅威に対抗するため」という理由で正当化している。9.11を再び起こさせない、というわけだ。しかし、だからといって彼らの行為を許容できるわけがないだろう。スノーデンも諜報機関でこの事実を知って大いに悩み、一度はCIAを退職してしまったほどである。
そんなスノーデンは、国家機密を世界中に暴露したことでアメリカ政府からスパイとして告訴された。パスポートを失効させられたことでモスクワの空港に40日間足止めされた後、現在は政治亡命者としてモスクワに住んでいる。
僕の暴露がどう評価されてもいい。しかし、ハワイでの恵まれた生活や高給、愛する人や家族など、僕はすべてを失いました。何のためにすべてを捨てると思いますか?
「スノーデン」(監督:オリヴァー・ストーン)
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というスノーデンの言葉は、とても重い。そう、彼には、暴露などせずに平穏に暮らす、という選択肢もあった。機密を暴露することで自身がどんな状況に置かれるかなどすべて分かっていただろう。しかしそれでも、公益のためにすべてを捨てる覚悟で暴露に踏み切ったのだ。
そんなスノーデンの決意には、凄まじいものを感じさせられる。
スノーデンと同じ立場に立たされた時、同じことができるだろうか?
スノーデンはローラ・ポイトラス監督を“暴露の場”として選び、映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』として公開された。スノーデンは偽名を使ってローラ・ポイトラス監督とやり取りを続け、NSA批判で知られるジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドを含めた3人が香港で落ち合う。そして盗み出した機密情報を明らかにし、グレン・グリーンウォルドが『ガーディアン』誌に記事を書き、その後『シチズンフォー』が公開される、という流れで内部告発が行われた。
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彼はカメラの前で何度も、「自分のことは気にしなくていい」という趣旨の発言をする。
成るようになるさ。リスクもよく知っていたし。
逮捕されるならされます。
公表すべき情報を公表できたのです。
僕に何があっても、報道を続けてください
「シチズンフォー スノーデンの暴露」(監督:ローラ・ポイトラス)
情報源である僕を守る必要はありません
「シチズンフォー スノーデンの暴露」(監督:ローラ・ポイトラス)
僕は、コソコソしたくないのです。する必要がない。
堂々と出る方が強力だと思う
「シチズンフォー スノーデンの暴露」(監督:ローラ・ポイトラス)
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もの凄い勇気だろう。実名で顔をさらして、アメリカに真っ向から喧嘩を吹っかけるというのだから。
もちろん、リスクは承知の上だ。
辛い状況ですよね。恋人の僕に、もう帰れないかも、と言われたんですから
「シチズンフォー スノーデンの暴露」(監督:ローラ・ポイトラス)
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これまでのような家族の絆は、保ち続けられないでしょう
「シチズンフォー スノーデンの暴露」(監督:ローラ・ポイトラス)
身近な人間に迷惑を掛けないように、彼は誰にも話をせずに行動に移したのだ。
スノーデンが、これから行う内部告発について熟慮していると分かる発言がある。
マスコミは人格に焦点を当てすぎます。論点をズラされるのが嫌なのです。
話の中心は僕じゃない。
このことを公にするためなら、何でもします
「シチズンフォー スノーデンの暴露」(監督:ローラ・ポイトラス)
確かに、内部告発に限る話ではないが、何らかの発信に対しては「誰が言ったか」という情報も付随してしまう。しかしスノーデンは、それによって論点が捻じ曲げられることを嫌った。「誰が言ったか」ではなく、「情報そのもの」に注目してほしかったのだ。
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だから、持ち出した情報についても、自ら流出させるやり方をしなかった。
僕は何を公表すべきか否かを決めたくはない。だから記者の方に見て欲しかった。
僕には確固たる意見がある。でも、僕の意見は外して、公益を優先したい
「シチズンフォー スノーデンの暴露」(監督:ローラ・ポイトラス)
このようにスノーデンは、自身の行為について冷静に客観的に捉えている。映画を観ながら、この点が印象的だった。「内部告発」の歴史の中でも最大級のインパクトを与えようとしている人物の振る舞いとは思えないほど落ち着いているように見えたからだ。
彼が成した行為そのものや、その落ち着いた様子などを含め、私には同じようには出来ないだろう、と感じさせられた。彼の暴露がアメリカや世界全体にどんな影響を与えたのか、あるいは与えなかったのかについて私は知らないが、彼の行為がどんな形でもいいからプラスの効果をもたらしたのだと思いたい。
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スノーデンは「正義」についてどう考えていたか
映画では、アメリカの諜報機関が「正義」についてどう考えているのかが語られる場面もあった。
スノーデンは、CIA時代の指導教官であるコービン・オブライアンと議論を交わす。スノーデンは、アメリカが世界中を「覗き見」している事実を指摘し、それは「正義」と言えるのかと問いただすが、コービンはこんな風に答えるのだ。
大多数の米国人は、自由よりも安全を望んでいる。
安全に遊びたかったら、“入場料”を払って当然だ
「スノーデン」(監督:オリヴァー・ストーン)
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このような「監視態勢」は、9.11のテロ後に強化された。コービンは言う。二度とあんなテロを起こしてはならない。そういう「安全」を自分たちは担っているのだし、その「安全」を享受したければ「自由を手放す」という代償はあって当然だ、と。
スノーデンは、すべての国民がそのことに納得しているわけではない、と反論する。というかそもそも、国民は「監視」されている事実など知らないのだから、納得などできるはずもない。しかしコービンは、たった1人にでも知られてしまえば敵も知ることになる、だから知らせるわけにはいかないのだ、と言って議論を打ち切ってしまうのだ。
さらにこんな風にも言う。
第二次世界大戦から60年。未だに第三次世界大戦は起こっていない。何故かわかるか? 我々が世界のために尽力してきたからだ
「スノーデン」(監督:オリヴァー・ストーン)
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本当にアメリカの諜報機関のお陰で第三次世界大戦が起こっていないのかは分からないが、彼らがそう信じていることは確かだろう。
コービンは、決して悪い人間なわけではない。例えば、スノーデンを含む、CIAに配属されたばかりの者たちに向かって、コービンがこんな風に言う場面がある。
また9.11が起きたら、君らの責任だ。
前回は私たちの責任だった。そう感じて生きるのは辛いぞ。
「スノーデン」(監督:オリヴァー・ストーン)
コービンはコービンなりに「正義」のために奮闘している。しかしその実現ための手段に、スノーデンは決して納得することが出来なかったのだ。
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そんなスノーデンの素晴らしかった点は、「自分の価値基準で『正義』を判断しなかったこと」だろう。
NSAの機密を暴露した動機について、スノーデンがこんな風に語る場面がある。
それより、国民に監視の是非を判断して欲しい
「スノーデン」(監督:オリヴァー・ストーン)
その上で、僕が間違っているのか世間が間違っているのか判断して欲しい
「スノーデン」(監督:オリヴァー・ストーン)
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スノーデンにとって重要だったのは、「アメリカの諜報機関がヤバいと主張すること」ではなく、「アメリカの諜報機関が行っている事実を伝えること」だ。このスタンスは評価されるべきだと感じる。
「機密情報を盗み出し暴露した」という彼の行為そのものは、どの立場から見るかによって受け取り方が変わるだろう。私は、スノーデンの行為を称賛するが、そう感じない人もいるだろうことは理解している。しかしそうだとしても、「情報は提示する、判断は委ねる」というアプローチを貫き通したスノーデンのスタンスは、どんな立場からも評価できるのではないかと思う。
議論を深める情報がなければ、僕らは迷子です
「スノーデン」(監督:オリヴァー・ストーン)
まさに彼は、議論を始めるための大前提となる情報を提示してくれたと言っていい。だからこそ私たちは、スノーデンがもたらした情報を元に、「これは『正義』と言えるのか」という議論をすべきなのだろう。結論を出すことではなく、議論を開始することこそが、スノーデンの望みのはずだからだ。
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自身の「正義観」だけで判断せず、使命感を持って「正義」の判断のための情報を提示したスノーデン。そんな情熱に溢れた彼の生き様に、強く打たれた。
映画では、スノーデンの葛藤も描かれる。当然だが、彼も迷いなく内部告発に踏み切れたわけではない。
自分の国を非難したくない
「スノーデン」(監督:オリヴァー・ストーン)
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ブッシュ大統領に対するデモが行われている最中、恋人と歩いているスノーデンはそう語る。
他人の命を背負う気持ちが君に分かるのか?
「スノーデン」(監督:オリヴァー・ストーン)
国を守るという使命感を持ち、諜報機関でテロと闘い続けていたスノーデンは、恋人にそう声を荒らげてしまう。
このように彼は、「自分が生まれ育った国を愛し、守りたいと考えている人物」だと言っていい。結果的にスパイとして告訴され、裏切り者の烙印を押されることになってしまったわけだが、スノーデン自身は、この内部告発がアメリカを良くすることに繋がるはずだ、と信じていただろう。
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私は、明日を心配せずに済む自由を手に入れたのです。
心の声に従ったから
「スノーデン」(監督:オリヴァー・ストーン)
モスクワにいるスノーデンは、そんな風に語る。内部告発のせいで、ロシアから1人では出国できない身分になってしまったわけだが、それでも彼は「自由」という言葉を使う。諜報機関で世界中ありとあらゆる情報にアクセスできた時には感じられなかった「自由」を、内部告発後の亡命先ロシアで感じるというのは皮肉な話ではないだろうか。
映画『スノーデン』『シチズンフォー』の内容紹介
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それぞれの映画の内容紹介をしておこう。
『シチズンフォー スノーデンの暴露』
2013年6月3日。監督ローラ・ポイトラス、英『ガーディアン』誌記者グレン・グリーンウォルドは、香港でスノーデンと会うことになっていた。
ローラ・ポイトラスはアメリカの監視対象者に指定されており、アメリカ合衆国を告発するにはうってつけだとスノーデンは考えた。そしてNSA在籍時から偽名でローラ・ポイトラスと連絡を取り、香港での邂逅に行き着いたのだ。
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スノーデンは、ブーズ・アレン社からNSAに出向しているという立場で、システム管理を任されていた。最高機密にまでアクセスできる権限を持っており、NSAがどんなやり方で何を行っているのかを知り抜いている。
スノーデンの暴露は驚くべきものだった。
NSAはアメリカのみならず世界中のあらゆる情報を収集している。すべてのデータ通信、無線通信はもちろんのこと、センサーがついていればアナログ通信まで傍受可能な監視プログラムを有しており、さらに世界中の政府や企業がこの監視プログラムに関わっているというのだ。
アメリカ政府は、グーグル・アップル・マイクロソフトなどインターネット関連企業のサーバーに直接侵入し、AT&Tは1日に3億2000万件もの通信データを提供している。NSAは1秒間に125GBというとんでもない容量の情報を収集し続けているのだ。
この監視プログラムについては前々から噂は存在したのだが、NSA長官のアレグザンダーがかつて公式に否定していた。しかしやはり事実だったのだと、スノーデンの暴露により明らかになったのである。
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このような監視プログラムが運用されるきっかけになったのは、9.11の同時多発テロだ。テロ後に制定されたいわゆる「愛国法」をを盾にして、アメリカ政府はテロや犯罪とは無関係としか思えない情報まで勝手に収集するようになっていった。
このような衝撃的な現実を、スノーデンが淡々と語っていくのである。
グレン・グリーンウォルドが記事を出して以降、この件に関してマスコミでの報道が加熱していく。あるマスコミに至っては、
史上最大の米国民への人権侵害
「シチズンフォー スノーデンの暴露」(監督:ローラ・ポイトラス)
と評しさえした。
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まさにスノーデンの暴露は、「自由という権利」に関する重大な問いを含んでいる。我々は、安全のために自由を手放さなければならない世界ににしかもう生きられないのか? それともそれは、国家権力の横暴に過ぎないのだろうか?
自分たちがどんな世界で生きているのかを考えさせられる作品だ。
『スノーデン』
『スノーデン』では、暴露に至るまでのスノーデンの来歴が描かれていく。
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スノーデンは、軍隊での過酷な訓練のせいで足を粉砕骨折してしまった。別の形で国に奉仕するよう示唆された彼は、CIAを志望する。スノーデンの趣味はインターネット。9.11が起こった後だったこともあり、その卓越した知識と手腕が買われたのだ。
「ザ・ヒル」という名の訓練校で学んだスノーデンは、抜群の成績を収めることになる。5時間以内に行うように命じられた課題をたった38分でこなしたことさえあったという。
その後スノーデンは、ジュネーブや日本など様々な国へと配属され職務をこなすが、知らなかった事実を様々に見聞きし心を痛める。アメリカが世界中の情報を傍受しているという事実を恋人のリンゼイに伝えたいと頭をよぎるが、しかしそんなことをすれば彼女を巻き込んでしまう。スノーデンは、自身の最大の悩みを恋人にさえ話すことができない辛さを抱えながら、自分の仕事がアメリカを守ることに繋がっているのだと信じて、体調を崩しながらもなんとか仕事を続けるのだ。
しかし少しずつスノーデンは、知ってしまった現実を許容できなくなっていく。そこで、アメリカが行っている行為の是非を世界中に問うために、内部告発を行うことを決意するのだが……。
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冒頭でも触れた通り、この映画で描かれている事実は、私たちの日常生活と直結するものだ。ツイッターやフェイスブックなどのSNSでのやり取り、電話やLINEなどでの通話は、すべてアメリカに収集されていると考えていいだろう。あなたがどんな言葉で検索しているのかも知られているし、もしかしたらパソコンやスマホのカメラ・マイクなどで盗撮・盗聴などもされているかもしれない。
インターネットで繋がった世界に生きるということは、そういうことだ。
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「『安全』のために『自由』が奪われる世界でいいのか?」というスノーデンの問いかけを、真剣に考えてみるべきだろう。自分には関係のない話だと思って放っておくと、いつか大きなしっぺ返しとなって降り掛かってくるかもしれない。
出演:エドワード・スノーデン, 出演:ローラ・ポイトラス, 出演:グレン・グリーンウォルド, 出演:ウィリアム・ビニー, 出演:ユーウェン・マカスキル, 出演:ジェイコブ・アッペルバウム, 出演:ジェレミー・スケイヒル, 監督:ローラ・ポイトラス
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出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット, 出演:シャイリーン・ウッドリー, 出演:メリッサ・レオ, 出演:ザカリー・クイント, 出演:リス・エヴァンス, 出演:ニコラス・ケイジ, 監督:オリバー・ストーン, Writer:オリバー・ストーン, Writer:キーラン・フィッツジェラルド
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【衝撃】匿名監督によるドキュメンタリー映画『理大囲城』は、香港デモ最大の衝撃である籠城戦の内部を映す
香港民主化デモにおける最大の衝撃を内側から描く映画『理大囲城』は、とんでもないドキュメンタリー映画だった。香港理工大学での13日間に渡る籠城戦のリアルを、デモ隊と共に残って撮影し続けた匿名監督たちによる映像は、ギリギリの判断を迫られる若者たちの壮絶な現実を映し出す
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ベトナム戦争に反対する若者たちによるデモと、その後開かれた裁判の実話を描く『シカゴ7裁判』はメチャクチャ面白い映画だった。無理筋の起訴を押し付けられる主席検事、常軌を逸した言動を繰り返す不適格な判事、そして一枚岩にはなれない被告人たち。魅力満載の1本だ
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ベネディクト・カンバーバッチが制作を熱望した衝撃の映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』は、アメリカの信じがたい実話を基にしている。「9.11の首謀者」として不当に拘束され続けた男を「救おうとする者」と「追い詰めようとする者」の奮闘が、「アメリカの闇」を暴き出す
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【執念】「桶川ストーカー事件」で警察とマスコミの怠慢を暴き、社会を動かした清水潔の凄まじい取材:…
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