目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:Lady Gaga, 出演:Adam Driver, 出演:Jared Leto, 出演:Jeremy Irons, 出演:Jack Huston, 出演:Salma Hayek, 出演:Al Pacino, 出演:Camille Cottin, 出演:Reeve Carney, Writer:Sara Gay Forden, Writer:Becky Johnston, Writer:Roberto Bentivegna, 監督:Ridley Scott, プロデュース:Kevin Ulrich, プロデュース:Megan Ellison, プロデュース:Aidan Elliott, プロデュース:Marco Valerio Pugini, プロデュース:Aaron L. Gilbert, プロデュース:Jason Cloth, プロデュース:Ridley Scott, プロデュース:Giannina Scott, プロデュース:Kevin J. Walsh, プロデュース:Mark Huffam
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ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
今どこで観れるのか?
この記事の3つの要点
- GUCCIのブランドを毀損させかねない映画の制作はなぜ許諾されたのか?
- 創業家一族が排除されたGUCCIにおける「ブランドの価値」とは一体何だろうか?
- アダム・ドライバー、レディー・ガガの存在感が見事にハマる作品
そもそも私は、「GUCCIで殺人事件が起こった」という事実さえ記憶していなかったので、驚きの連続だった
自己紹介記事
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はじめまして
ブログ「ルシルナ」の犀川後藤の自己紹介記事です。ここでは、「これまでのこと」「本のこと」「映画のこと」に分けて書いています。
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どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
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映画を観ながらずっと疑問に感じていたことがある。それは、「GUCCIの恥部を暴くような映画が、どうして制作できたのか?」ということだ。GUCCIなどのブランドは、それこそ「名前」で商売をしているのだから、そんなGUCCIの名を貶めるような映画制作に許諾が出るはずがない、と思っていた。事件発生当時、世界的に報じられただろうし、広く知られた事実なのだと思う。だとしても、「GUCCI家で『殺人事件』が起こった」という衝撃的な出来事が映画の中で描かれるのだ。事件は1995年に起きたものであり、既にその事実自体を忘れている人も多いだろう。わざわざ寝た子を起こすようなことをする必然性がGUCCIにあるとは考えにくい。
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映画は恐らく、GUCCIの実際の店舗で撮影しているだろうし、どう考えてもGUCCIの協力無しには制作できない作品だと思う。一方で、GUCCIが映画制作に許諾を出す動機などあるはずがないと思っていたので、映画を観ている間、この疑問がずっと頭の片隅に漂い続けた。
その答えは、映画を最後まで観れば理解できる。これは恐らく、世間一般的にそれなりに知られた事実だと思うので書いても問題はないだろう。現在のGUCCIには、創業家の人間は誰も関わっていないのだそうだ。このことを知って、ようやく疑問が氷解した。
つまり、現在GUCCIを運営する者にとっては、「かつてのGUCCIと今のGUCCIは違う」と改めて示すというメリットが存在するのである。そりゃあ、協力は惜しまないだろう。それこそ「名前」で商売する者だからこそ、「創業家が生み出したGUCCIとの決別」をアピールすることは価値があると言える。
映画の冒頭で、「実話に着想を得た物語」と表示される。初めこれを目にした時は、「GUCCIに配慮して、事実を改変した箇所がある」という意味に捉えていた。しかし、映画を最後まで観たことで考えが変わる。「実話に着想を得た物語」というのは、「否応なしに想像で補わざるを得ない」という事実を示しているのだと私は受け取った。
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あまり触れると作品のネタバレになってしまうのでぼかして書くが、メインで描かれる登場人物のほとんどが、「映画制作時点で『語れる状態』にはなかった」ということが分かる。何が起こったのか、語れる者がいないのだから、そこは想像で埋めるしかない、というわけだ。
映画を観た後でたまたま目にしたネット記事には、「この映画の内容に、GUCCI家は異議を唱えている」と書かれていた。しかし、その異議を唱えているGUCCI家の人間にしたところで、この映画で描かれる様々な状況をリアルタイムで目撃していたわけではないはずだ。つまり、「そのような描かれ方は気に食わない」とアピールしたいということでしかないだろう。
同じ記事の中には、監督のリドリー・スコットの言葉として、「原作本は優れているが、著者の意見が強く反映されているため、私なりの解釈をして制作した」とも書かれていた。どのみち「事実」を語れる者はいないのだから、結局は「解釈」の問題になってしまう。そして、この映画は「リドリー・スコットが解釈した物語」と捉えるべきというわけだ。この点は、映画を観る前に理解しておいてもいいかもしれないと思う。
創業家一族が経営に関わっていないという話から、私は「円谷プロ」のことを思い出した。特撮の神様と呼ばれた円谷英二が創業した「円谷プロ」は、既に円谷一族が誰も関係しない会社になっている。その顛末が描かれた『ウルトラマンが泣いている』(円谷英明/講談社)もなかなか衝撃的な作品だった。
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この映画を観ると、「同族経営」の難しさを実感させられる。しかし一方で、「ブランド」というものを考える際には、「同族経営」の方が分かりやすいようにも思う。
「ブランド」とは何によって規定されるのか?
私は、高級品であるかどうかに関係なく、「ブランド」というものにまったく関心がない。何か買う際に、「機能」「値段」「手に入れやすさ」などは考慮するが、「ブランド」を気にしたことはないはずだ。もちろん、機能や値段が同じであれば、自分が名前を知っている企業の方を選ぶだろうし、車や食品など「安全性」が重視される場合は、外国企業のものよりは日本企業のものを選ぶかもしれない。
私にとって「ブランド」とは、その程度の存在だ。だから、GUCCIのような「ハイブランド」の価値が、私には本質的に理解できない。そしてその理解出来なさは、「創業家が排除されたGUCCI」という現実を知ったことで、より鮮明に問いとして浮かんだ。
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一般的な製品であれば、「より良いモノをより安く提供する」とか、「値段は少し張るが持続可能なサイクルで生産から販売まで行う」などが「ブランドの価値」として設定されると思う。しかし、GUCCIなどの「ハイブランド」の場合、そのような分かりやすい価値はない。クオリティは高いのだろうが値段ももの凄く高いし、少なくとも一昔前にはSDGs的な観点も持っていなかったはずだ。
この場合、私に理解可能なのは、「創業者が作り上げた『何か』にこそブランドの価値がある」という発想だ。私自身はそこに価値を見出しはしないが、理解はできる。「創業者の理念やデザインを継承する」ということに「ブランドの価値」が存在するというのであれば、分かりやすい。
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さてその場合、「創業家が排斥されたGUCCIの価値」は一体どこにあると考えればいいのだろうか? 一体誰が、「これはGUCCIである」と宣言できるのだろうか? 映画を観て私は、この点に大いに疑問を抱いた。
映画の中で創業家一族のある人物が、
私が定義したものがGUCCIだ。
と口にする場面がある。彼は正直、創業家の中でも傍流も傍流であり、彼の立場でそう主張するのはなかなかの「暴論」だ。しかし、創業家一族がそう主張するからこそ成立する言葉でもあると思う。創業家一族以外の人物が、この主張を否定するのは難しいだろう。
創業家が関わらなくなったGUCCIにおいては、いかにして「これがGUCCIだ」という宣言がなされるのか。その点がとても気になった。結局のところ、「多くの人がイメージするGUCCIがGUCCIである」という方向に進むしかないのではないかと思う。しかしそうだとするなら、「じゃあ結局『ブランドの価値』ってなんなん?」という疑問がぶり返すだけだ。
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やはり「ブランド」というのは、私にとっては極めて謎めいた存在なのである。
映画の内容紹介
パトリツィア(レディー・ガガ)は、トラックの運送業で財を成した家の娘であり、普段は、トラックが並ぶ埃まみれの敷地内に建てられた事務所で父の手伝いをしている。ある日彼女はパーティーで、マウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)と出会う。しかし彼は、12時になるとそそくさと帰ってしまった。その後、街中で偶然彼を見つけたパトリツィアは、「私をデートに誘わないの?」とアピールし、2人は交際を始める。
マウリツィオは、父ロドルフォ・グッチから「お前にGUCCIのすべてをやる」と言われてきたが、彼はそんなことに関心を持てないでいた。パトリツィアと付き合い始めた彼は、彼女と平凡な生活を送りたいと望むようになり、結婚に猛反対する父の元を飛び出してしまう。そして、パトリツィアの家業である運送業の仕事を手伝いながら、弁護士を目指す生活をスタートさせたる。
しかしパトリツィアは、そんな生活で満足できる女ではない。彼女は、虎視眈々とチャンスを伺っていたのである。
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当時のGUCCIは、マウリツィオの父ロドルフォと、その兄アルド・グッチで株を50%ずつ保有していた。この2人でGUCCIのすべてを決めていたのだ。ロドルフォは保守的で、GUCCIの伝統を守ることにこそ価値があると考えるタイプだったが、アルドはNYを始めとした海外進出を積極的に推し進めるなど、GUCCIを世界的なブランドにすべく奮闘していた。
マウリツィオがGUCCIから離れている間に、父ロドルフォが死去し、それを機に、マウリツィオにとっては叔父にあたるアルドが彼に急接近する。アルドにも息子はいるのだが、親の目から見ても「バカで無能」であり、とてもGUCCIを任せられるような人物ではない。今後のGUCCIのことを考えて、甥のマウリツィオを取り込んでおきたかったのだ。
マウリツィオはやはり、GUCCIと関わりを持つことに逡巡していた。しかし、金と権力にとてつもない執着を持つパトリツィアがアルドと手を組み、マウリツィオをGUCCIに引き戻すことに成功するのである。
しかし、パトリツィアの野望は留まるところを知らない。今度はマウリツィオを動かして、彼をGUCCIに引き戻すことに尽力したアルドを排除しようと考えるのだが……。
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映画の感想
GUCCIについてはまったく何も知らなかったので、やはりマウリツィオの存在が一番印象的だった。とんでもない”家業”の元に生まれながら、GUCCIから離れて一般人として生活しようとしていた彼のスタンスは実に興味深い。これはGUCCIに限らず、様々な企業で起こり得ることだろう。創業家一族に連なる出生だとしても、自分のやりたいことや生きたい人生とズレていれば、定められた道を歩く必要などないからだ。しかしそうだとしても、「すべてが手に入る」と表現しても言い過ぎではないように思える「GUCCIを継ぐ」という選択を、これほどまでにあっさりと捨て去れる決断の潔さには非常に驚かされた。
彼はGUCCIに戻る前のある場面で、
今が一番幸せなのに、どうして変える必要がある?
と口にする。結果としてGUCCIに戻り、最悪の結末を迎えてしまうわけだが、マウリツィオは間違いなく、そんな悲劇的な形ではない人生を歩むことが出来たはずだ。そういう意味でのやりきれなさも感じさせられた。
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この映画は、私でも知っているくらい有名な俳優がたくさん出てくるのだが、やはりアダム・ドライバーは見事だと思う。なんだかんだ、アダム・ドライバーが出演する映画を観る機会が結構あるのだが、それぞれ全然違う役なのに、どの役もハマり役だと感じさせられる。ベネディクト・カンバーバッチと並んで、魅力的な俳優だと改めて実感させられた。
映画『ハウス・オブ・グッチ』は、30年間にも及ぶGUCCIの物語を描く作品であり、アダム・ドライバーは大学生役も演じている。調べてみると、映画公開時点での彼の年齢は38歳だそうだ。30代でも大学生として通用し得る雰囲気もなかなかのものだと思う。
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レディー・ガガの存在感もやはり圧巻だった。彼女が初めて主演した映画『アリー/スター誕生』は、映画そのものがあまり好みではなかったこともあり、彼女の演技についてもあまり覚えていないのだが、『ハウス・オブ・グッチ』での演技はとても印象が強い。家業である運送業の事務として働く姿には違和感を拭えなかったが、GUCCIと本格的に関わるようになってからの「ラグジュアリー感」みたいなものは、出そうと思って出せるようなものではないと思う。また、そんな「ラグジュアリー感」を醸し出しつつ、腹に一物抱えた、何を考えているのか分からない雰囲気も見事に出していた。彼女のお陰で、GUCCI家が翻弄されていく感じがとてもリアルに映し出されていたと思う。
個人的にお気に入りだったのは、「バカで無能」と扱われる、アルドの息子パオロだ。実際に自分の身近にいたらイライラしてしまうと思うが、傍から見ている分にはなかなか興味深い人物だと思う。
特に最高だったのは、「凡庸の頂点を極めたな」という辛辣な言葉を浴びせられるシーン。この場面で描こうとしたものが何なのか正しく理解できている自信はないが、少なくとも「パオロがもの凄く低く扱われていた」という事実は伝わってくる。マウリツィオとは大分タイプは違うものの、パオロもまた、生まれる環境がちょっと違っていれば、もう少し穏やかな人生を送れたのではないかと感じさせられた。
出演:Lady Gaga, 出演:Adam Driver, 出演:Jared Leto, 出演:Jeremy Irons, 出演:Jack Huston, 出演:Salma Hayek, 出演:Al Pacino, 出演:Camille Cottin, 出演:Reeve Carney, Writer:Sara Gay Forden, Writer:Becky Johnston, Writer:Roberto Bentivegna, 監督:Ridley Scott, プロデュース:Kevin Ulrich, プロデュース:Megan Ellison, プロデュース:Aidan Elliott, プロデュース:Marco Valerio Pugini, プロデュース:Aaron L. Gilbert, プロデュース:Jason Cloth, プロデュース:Ridley Scott, プロデュース:Giannina Scott, プロデュース:Kevin J. Walsh, プロデュース:Mark Huffam
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最後に
そもそも私は、「GUCCI内部で殺人事件が起こっていた」という事実を知らなかった。この映画の予告を見て初めて、「そんな出来事が起こっていたのか」と知ったぐらいだ。どうして知らないのだろうと不思議だったが、事件が起こった1995年は地下鉄サリン事件が起こった年だ。GUCCIの殺人事件は恐らく世界的に報じられたはずだが、日本では地下鉄サリン事件の衝撃にかき消されたのかもしれない。
とんでもない「強欲」が引き起こした殺人事件と、そこに至るまでの凄まじい権力闘争のリアルを是非体感してほしい。
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『スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか』では、自分が生徒に対して「権力」を持っているとは想像していなかったという教師が登場する。そしてこの「無自覚」は、学校以外の場でも起こりうる。特に男性は、読んで自分の振る舞いを見直すべきだ
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インドの高級ホテルで実際に起こったテロ事件を元にした映画『ホテル・ムンバイ』。恐ろしいほどの臨場感で、当時の恐怖を観客に体感させる映画であり、だからこそ余計に、「逃げる選択」もできたホテルスタッフたちが自らの意思で残り、宿泊を助けた事実に感銘を受ける
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私個人は、「ビジョンの達成」のためなら「ソフトな独裁」を許容する。しかし今の日本は、そもそも「ビジョン」などなく、「ソフトな独裁状態」だけが続いていると感じた。映画『新聞記者』をベースに、私たちがどれだけ絶望的な国に生きているのかを理解する
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強盗や立てこもり事件などにおいて、人質が犯人に好意・共感を抱いてしまう現象を「ストックホルム症候群」と呼ぶが、これにはモデルとなった実際の事件が存在する。映画『ストックホルムケース』から、犯人に協力してしまう人間の不可思議な心理について知る
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