【感想】映画『レオン』は、殺し屋マチルダを演じたナタリー・ポートマンがとにかく素晴らしい(監督:リュック・ベッソン 出演:ジャン・レノ、ゲイリー・オールドマン)

目次

はじめに

この記事で取り上げる映画

出演:ジャン・レノ, 出演:ゲイリー・オールドマン, 出演:ナタリー・ポートマン, 出演:ダニー・アイエロ, 出演:ピーター・アベル, 出演:マイケル・バダルコ, 監督:リュック・ベッソン, プロデュース:パトリス・ルドゥー, Writer:リュック・ベッソン
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いか

この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ

この記事で伝えたいこと

ナタリー・ポートマンの存在感にとにかく圧倒されてしまった

犀川後藤

13歳ながら圧巻の大人っぽさを醸し出すマチルダが素晴らしすぎました

この記事の3つの要点

  • 「撮影現場でナタリー・ポートマンがどのように扱われていたのか」は議論されるべきだが、それとは別に、「マチルダの行動原理」としては真っ当だと感じた
  • 「中年男性と13歳の間に”恋”は生まれ得るか」という無謀な設定をリアルに見せる両者の演技が素晴らしい
  • 全身から狂気が滲み出ているかのようなゲイリー・オールドマンの存在感も見事だった
犀川後藤

「名作」という評価ぐらいしか知らずに見に行きましたが、こんなに面白いのかと驚かされました

自己紹介記事

いか

どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください

「名作」という評価ぐらいしか知らずに観に行った映画『レオン』にはのけぞった。ナタリー・ポートマン演じる殺し屋マチルダがとにかく素敵すぎる

もの凄く素晴らしい作品でした。映画館でしか映画を観ない私は、昔の名作がリバイバル上映される時にはなるべく観るようにしているのですが、まさかこんなに面白い作品だとは思わず、とにかく驚かされました。

犀川後藤

まあ、観た後で調べて、色々問題視されてる部分もあるってことを知ったんだけど

いか

その話は避けて通れないよねぇ

「ナタリー・ポートマンの扱い」には問題があったかもしれないが、「マチルダの描き方」としては説得力を感じた

本作はとにかく、ナタリー・ポートマンが素晴らしすぎました。この点については、知り合いの女性も絶賛していたので、男女問わず、彼女には惚れ込んでしまうような何かがあるのだろうと思います。

ただその後、監督のリュック・ベッソンがセクハラで訴えられていることを知りました。また、本作『レオン』についても、「不適切な描写がある」と問題視されているようです。確かに、「不適切」と言われればその通りで、物議を醸す理由も分からないでもありません。そのため、「ナタリー・ポートマンがとても良かった」みたいなことは正直書きにくいのですが、しかしそのような事実を知ってもやはり、「ナタリー・ポートマンの凄さに圧倒された」という感覚は消えずにいます

犀川後藤

演技を含めた存在感が圧倒的だったもんなぁ

いか

もしもそれが「適切ではないやり方」で撮られていたとしたら、複雑な気分だよね

さて、まずはこの点について、私自身の考えを明確にしておこうと思います。

まず、「当時12,3歳だっただろうナタリー・ポートマンをどのように扱ったのか」についてはもちろん議論があるべきでしょう。そして、もし「『”当時”の”世間一般”の常識』に照らして適切ではない行為があった」のなら、何らかのアクション(処分なり処罰なり)があって然るべきだと思います。「”当時”の”世間一般”の常識」と書いたのは、「『”今”の常識』と比較するのは厳しい」という私個人の感覚と、「『当時の”映画業界”の常識』に照らすのは正しくないだろう」という判断からです。

いか

この辺りの感覚も、たぶん人それぞれ異なるだろうけどね

犀川後藤

何にせよ、「昔の行為」を「今の基準」で裁くのは、私には少し抵抗がある

一方で、「映画『レオン』という作品内における『マチルダの行動』」という捉え方をする場合、それは決して「不適切なもの」には思えないと私には感じられました。本作ではとにかく、冒頭からマチルダがかなり絶望的な事態に巻き込まれ、「頼れそうなのは、目の前にいる、よく知っているわけではない中年男性(レオン)だけ」という状況に置かれるのです。しかも、「この男性は、無条件に自分を助けてくれそうには思えない」という風にマチルダには見えています

そのような状況では、たとえ13歳の少女だとしても、「自分の持てる”武器”を駆使して気を惹くしかない」でしょう。作中におけるマチルダの振る舞いは基本的に、そのような「生存戦略」と捉えるべきで、そしてそれは、あのような状況に置かれた少女にとって決して理解不能な行動ではないと私には感じられます。さらに本作の展開を素直に信じるのであれば、「マチルダはレオンに恋心を抱くようになる」わけです。であれば余計、「気を惹くための努力をする」のは当然と言えるだろうと思います。

犀川後藤

まあ、「そんなことぐらいちゃんと理解してるよ」って話かもしれないけどさ

いか

ただちょっと、「ナタリー・ポートマン」と「マチルダ」が同列で扱われてる気がするよね

だから恐らく、この物語が小説やマンガ、アニメであれば問題はなかったはずです。それを「『12,3歳の少女』を起用した実写」で制作したから問題視されていると考えるのが妥当でしょう(ただこの辺りの感覚は、日本と欧米でも異なると思うので、実際のところは分かりません)。もちろん先程書いた通り、「ナタリー・ポートマンの扱い」に何か不適切な部分があったのなら、それは「良くないことだった」と捉えて何らかのアクションがあるべきです。しかしそれはそれとして、「マチルダの行動原理」としては妥当だったと私には感じられました。

しかし本当に、凄まじい物語を提示しようとしているなと思います。なにせ先述の通り、本作では「中年男性のレオンと13歳のマチルダの間に”恋”は生まれ得るか?」という展開になっていくからです。観客は、「これは”恋”と呼ばなければ理解しにくい関係だ」という感覚になっていくと思います。しかし理性的には、「中年男性と少女の間に”恋”など存在するはずがない」と感じているわけです。観ているとこのような相反する感覚が生まれるわけですが、当然、そのままでは「素晴らしい作品だった」という評価にはならないでしょう。そして「良い作品」と感じたのであれば、「彼らの間に”恋”が存在する」という事実をリアルなものとして受け取っていると捉えるのが自然だろうと思います。

犀川後藤

こういうことを男が言うのはなかなか勇気が要るんだけど

いか

「所詮男の妄想だ」みたいな受け取られ方になりかねないからねぇ

そしてとにかく、そんな風に感じさせるだけの演技をしているというのが、本作の凄さだと言えるでしょう。もちろん、レオンを演じたジャン・レノも良かったですが、やはりマチルダを演じたナタリー・ポートマンが圧倒的だったなと思います。

とにかくナタリー・ポートマンが凄まじかった

ここまでで私は、マチルダの年齢を「13歳」と表記してきましたが、それは鑑賞後に調べて分かったことです。映画を観ている時には、マチルダが何歳の設定なのか知りませんでした。彼女がタバコを吸っている場面があり、そこで年齢を問われて「18歳」と答えていたのが明らかに嘘だというのは分かります。しかし作中には、年齢をはっきり示唆するような場面はなかったはずです。なので後で調べて「13歳」だと知って驚きました

いか

まさか13歳とは思わなかったよね

犀川後藤

タバコ吸ってることを踏まえても、16歳ぐらいなのかなって考えてた気がする

設定年齢は分からなかったものの、マチルダがかなり大人びた存在であることは間違いありません。作中には、子どもらしくはしゃぐ場面もあり、そこでは子どもっぽさ全開なのですが、殺し屋としての訓練を受けている時などはかなり大人びた印象でした。普通、この両者のバランスを取るのは相当難しいと思うのですが、しかし同時に、本作『レオン』はそのバランスを絶妙に取り続けなければ成立し得ない作品でもあると言えます。

そしてそのかなり難しい均衡を、ナタリー・ポートマンが見事に演じていたというわけです。

いか

マチルダの「大人っぽさ」には驚かされるよね

犀川後藤

年齢的に中学生ってことだろうから、ちょっとびっくりする

私が特に印象深かったのは、「私が賭けに勝ったら……」とマチルダが口にする場面です。レオン(と観客)がマチルダのことを「子ども」だと思って見ていたら、どうしたって真剣さが感じられないシーンになってしまうと思います。しかしここでマチルダは、かなり「大人」の雰囲気を醸し出して、レオンを、そして観客をも圧倒するのです。

その後のレオンの行動は、「マチルダは本気だ」と理解していたからこそのものだろうし、とすれば、マチルダのことを「子ども」とは思っていなかったことの傍証にはなるでしょう。もちろん、「殺しの技術を教える」という決断に踏み込んだ時点で既に「子ども扱い」を止めていたと考えるのが妥当なのかもしれませんが、いずれにせよ、とても印象的な場面でした。

犀川後藤

ホント、何度も書くけど、ナタリー・ポートマンが凄まじいとしか言えない映画だった

いか

それ以外の感想が出てこなくなっちゃうよね

ナタリー・ポートマン以外も、もちろん素晴らしかった

さて、ナタリー・ポートマンが素晴らしいのは言うまでもありませんが、彼女が演じたマチルダとかなり難しい関係性に置かれることになるレオンを演じたジャン・レノもまた見事だったと思います。

何せレオンは、「幼い女の子」でしかないマチルダに「殺しの技術」を教えなければならない状況に陥るし、大人っぽいかと思ったら子どもっぽくもなるマチルダの相手をする必要もあるし、さらに愛の告白もされるのです。しかも、凄まじい年齢差がある中で、「マチルダと心が通じ合っている」みたいな状態をリアルに見せなければ説得力が生まれないわけで、その状況を成立させるのはメチャクチャ難しいだろうなと感じました。

犀川後藤

いわば「観客の脳を騙す」みたいなチャレンジをしないといけないわけだから、大変だったと思う

いか

「中年男性と少女の間に恋は芽生え得る」っていう”錯覚”を観客に与えないといけないからねぇ

そしてそんなかなりの難役を、ジャン・レノが見事に演じていると感じました。

あと、たぶん本作で初めて知った役者なのですが(私はあまりに役者の名前を知らないのです)、ゲイリー・オールドマンも実に良かったなと思います。なるべくネタバレをせずに記事を書きたいので、ゲイリー・オールドマンがどんな役で出てくるのかには触れませんが、しかし「まさか!」と思うような役柄で、その振る舞いとのギャップに驚かされました。とにかく全編に渡って「何をするか分からない」という雰囲気をガンガンに醸し出していて、その異常さが際立つ役柄を演じています。

いか

彼がいなければ、レオンもマチルダも追い詰められることはなかったんだけどねぇ

犀川後藤

そんなこと言ったら、物語が展開しなくなっちゃうけど

映画のラストは「やっぱりそうなるよなー」という展開であり、良くも悪くもないという感じでしたが、「なるほど、そんな風に脱出するのか」みたいな部分が結構面白く、ストーリー的にもかなり楽しめました。最後の最後まで、ハラハラさせられたなぁ。

出演:ジャン・レノ, 出演:ゲイリー・オールドマン, 出演:ナタリー・ポートマン, 出演:ダニー・アイエロ, 出演:ピーター・アベル, 出演:マイケル・バダルコ, 監督:リュック・ベッソン, プロデュース:パトリス・ルドゥー, Writer:リュック・ベッソン
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最後に

しかしホントに、何よりもナタリー・ポートマンがとにかく圧倒的すぎて、その存在感に驚かされてしまいました。

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