【食&芸術】死んでも車を運転したくない人間の香川うどん巡り& 豊島アート巡りの旅ルート(山越うどん・なかむらうどん・がもううどんなど計15軒巡り、19杯食べました)

目次

はじめに

この記事で伝えたいこと

写真100枚以上、3万5000字もある記事になりました。時間に余裕のある方だけお付き合い下さい

犀川後藤

「どういうルートで移動したか」や「退店時間」なども細かく書いているので、うどん巡りをしたい方には参考になる情報が含まれているだろうと思います

この記事の3つの要点

  • 最も多くのうどん店を巡った金曜日は、1日で体重が2.5kgも増えました
  • アート作品が多数存在する豊島の旅も、とても興味深いものになりました
  • うどんもアートも良かったですが、個人的には何よりも「友人に会えたこと」が一番良かったです
犀川後藤

「山越うどん」「なかむらうどん」「がもううどん」「うどんバカ一代」などの超有名店も巡っているので、そこへのルートなども参考にしてみて下さい

自己紹介記事

いか

どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください

香川のうどんと豊島のアートにまみれた3日間の旅路を詳細に記録しました

2024年5月16日(木)の深夜から5月19日(日)に掛けて、香川のうどん巡りと、瀬戸内海にある豊島のアート巡りをして回りました。普段旅行記など書いたりしませんが(というかそもそも、旅行にあまり行きませんが)、今回は書いてみたいと思います。まずはその辺りの理由から。

タイトルにも書いた通り、私は、運転免許証は持っていますが、車の運転自体はまったくしたくありません。さて一方で、香川のうどん巡りは、「名店・有名店」ほどかなり辺鄙な場所にあるので、「車移動」でなければ厳しいです。

ただ、やはり死んでも車の運転をしたくない私は、「公共交通機関等を使って、どうにかあらゆるうどん屋を巡るルート」を凄まじい時間を使って調べ倒しました。恐らく、計画立案に50時間以上は掛かったはずです。なので、そうやって作った計画は、もしかしたら誰かの役に立つ可能性があるんじゃないかと思っています。

そんなわけで、「何時に店に着いたのか」「その時点でどれぐらいの行列だったのか」「電車・バス・自転車・タクシーをどう駆使して移動したのか」などについて、事細かに書いてみることにしたというわけです。

ちなみに、全体像を把握していただくために、使ったお金の概要を先に書いておくことにしましょう。

  • 香川・東京の往復の移動 37350円(新幹線34030円、JR快速マリンライナー3320円)
  • 宿 10205円(カプセルホテル5805円、民泊4400円)
  • 香川県内の移動 9514円(電車4837円、タクシー2690円、バス代300円、LUUP550円、レンタサイクル200円)
  • 豊島まで&豊島内の移動 3700円(船2700円、レンタサイクル1000円)
  • 食事 9178円(うどん7580円、骨付鳥1598円)

うどんだけで7500円以上も使ったかー」という感じですね。それでは、日ごとにその詳細を書いていこうと思います。

2024年5月16日(木)

仕事を終え、一旦家に戻って旅行用のバッグに替えてから、新幹線で高松へと向かいました

19:21東京駅→(JR新幹線のぞみ85号19番線)→22:38岡山駅 22:46→(JR快速マリンライナー71号8番線)→23:41高松駅

犀川後藤

新幹線に乗るのが久しぶりだったから、車内に全日警の警備員がいたことに驚いたわ

いか

あと、高松駅で降りた時にメチャクチャ寒くて、長袖持ってくれば良かったって思ったよね

香川のローカル電車「ことでん(高松琴平電気鉄道)」は既に終電が過ぎ、レンタサイクルの貸出も終わってていたので、初めてLUUPの電動キックボードを使ってみました。また、高松市内には深夜営業しているうどん店があるのですが、仕事終えて何も食べずに高松に向かったので、まずはそこを目指すことにします。

【うどん店】うどん職人さぬき麺之介(一般店)

(一般店)という表記については後で説明します。

00:08着 00:26退店 かけうどん(温)490円

注文したうどんは、特に記載がない限り「1玉(小)」です。

まずは「さぬき麺之介」に行きました。居酒屋のような外観・内装で、夜営業しているだけあってお酒も頼めます。ここでは、とにかく寒かったこともあり、温かいかけうどんを注文しました(ここでもう少したくさん食べておけば良かったと後悔することになるのですが、それはまた後の話)。

つるつるした細い麺と透き通る出汁で、特段どうというわけでもないけれど美味しかったです。あと、接客をしていた女性店員の、あれは関西弁っていうのか、方言が凄く良くて、「遠くに旅に来たなぁ」という感じになれました。

いか

高松って讃岐弁だよね

犀川後藤

でもなんか、関西弁っぽいトーンだったんだよなぁ

【うどん店】鶴丸(未訪問) + 【うどん店】こんぴらうどん(未訪問)

徒歩移動に関する注意です。私は身長が182cmあるので、普通の人より歩幅は大きい方だと思います。なので、徒歩での移動時間に関してはその点を考慮して判断して下さい。

次に、「さぬき麺之介」から徒歩5分ぐらいのところにある「鶴丸」へと向かいました。ここは以前も行ったことがあり、カレーうどんが有名な店です。ただとても不幸なことに、臨時休業でした。

そこで、さらにそこからすぐ近くにあるはずの「こんぴらうどん ライオン通り店」へ向かいます。しかし残念ながら見つけられませんでした。この店も以前行ったことがあるはずで、「この辺にあった気がするなぁ」という辺りを歩いたし、グーグルマップも見ていたのですが、何故か見つからなかったんですよね。閉店してるのかなぁ

いか

しかもライオン通りは、夜のお姉さま方からの勧誘が凄まじくてね

犀川後藤

うろうろしてるとすぐ声掛けられるから、そそくさと逃げたわ

というわけで、高松入りしてすぐに3軒回る予定だったのですが、結局1軒しか行けないままカプセルホテル「ゴールデンタイム高松」へと向かうことになりました。「『さぬき麺之介』でもう少し食べておけば」と思ったのはそういう理由からです。

2024年5月17日(金)

うどん屋は朝早くから開いているところも多く、そのため、私が起きる時間も必然的に早くなります。この日は6:00に起き、まず風呂へ。そこで、体重計に乗りました。表示は58.5kg。これが1日でどこまで増えるでしょうか

いか

旅行期間中、17日(金)に最大軒数回る予定を組んでたから、どれぐらい増えるのか確かめようって感じだよね

犀川後藤

しかしホント、自分の「腹」を過信しすぎてたよなぁ

そんなわけで、6:30にカプセルホテルを出て、徒歩で「さか枝」へと向かいました

【うどん店】うどんさか枝(セルフ店)

6:45着 6:55退店 肉うどん530円

この日の最初の店は「さか枝」です。ここはかなりの有名店なので「しばらく並ぶだろうな」と思い、オープン時間の7:00よりもちょっと早めに着くイメージでカプセルホテルを出ました。そのお陰で6:45に着いたのですが、写真を見てもお分かりの通り、並んでいる人はいません。というのも、6:45の時点で既にオープンしていたからです。店内には15人ぐらいのお客さんがいました。

犀川後藤

たぶんだけど、これは「香川のうどん店あるある」なんだと思う

いか

恐らく、地元の常連さん用に、公表してる開店時間よりも前に開けてるんだろうね

さて、香川のうどん店には「セルフ店」と「一般店」とがあり、ざっくり、「自分が動いてうどんを受け取る」か「席で注文してうどんを持ってきてもらう」かの違いだと考えればいいでしょう。そして「セルフ店」の中でも「さか枝」は、香川のうどん店には時々ありますが、「自分で麺を湯通しする店」です。器に麺だけ入った状態で受け取り、それをラーメンを茹でるみたいな網の中に入れてお湯に通して温めます。それを水切りして、近くにあるスープを自分で入れて食べるというスタイルです。

ただ今回私は「肉うどん」を頼んだので、湯通しを自分ではやりませんでした(肉を入れてもらわないといけないので)。

もちもちの綺麗な麺で、汁は甘めです。というか、肉が甘いのかもしれません。美味しかったです。

【うどん店】山越うどん(セルフ店)

7:04瓦町駅→(ことでん琴平線 琴電琴平行)→7:39綾川駅<590円>
(当初予定していたルート)
7:19 or 7:34瓦町駅→(ことでん琴平線 琴電琴平行)→7:54 or 8:09綾川駅<590円>

さて、「さか枝」が7:00より前にオープンしていると想定していなかったこともあり、スタートから予定が狂っていきます元々は7:19か7:34発の電車で綾川駅に向かうつもりだったのですが、頑張れば7:04発に乗れそうだと思い、かなり急ぎ目で瓦町駅へと向かったところ、ギリギリで7:04発に乗れてしまいました

いか

元々は、雨が降った場合に乗る予定だった電車なんだよね

犀川後藤

雨の場合は「さか枝」に行くのを諦める予定だったからなぁ

ちなみに、この日はかなり頻繁に電車移動する予定だったので、「ことでん・JRくるり~んきっぷ」を買いました

これは、「ことでん」と「JR四国」の電車(バスは対象外)に一日乗り放題という券で、大人は2200円です。特定の駅の券売機等で買えるので、電車にたくさん乗る場合には買ってみたら良いかと思います。ちなみにこの一日乗車券は、ほとんどの駅で「券を駅員に見せる」スタイルです。JR高松駅だけは改札に入れるスタイルだったかな、確か。

さて、7:04瓦町駅発の電車に乗ると、とても良いタイミングで綾川駅発のバスに乗れます。で、雨の場合はこのバスに乗れないと厳しいので、「さか枝」には行かない予定を立てていたというわけです。

7:45綾川駅→(綾川町営バス 循環路線(左回り) 綾上支所前、綾川駅方面)→柳屋8:00<100円>
(当初予定していたルート)
綾川駅から徒歩 or 8:45綾川駅→(綾川町営バス 循環路線(左回り) 綾上支所前、綾川駅方面)→柳屋9:00<100円>

柳屋のバス停から山越うどんは徒歩20秒ぐらいでした。本当にすぐそこという感じです。なので、9:00オープンの「山越うどん」に、8:00に着いてしまいました。もちろん一番乗りです。誰も並んでいませんでした。

いか

まさかこんなに早く着けちゃうとはね

犀川後藤

この日はこれ以降も予定が巻き巻きで、やっぱり平日と休日で全然違うんだなって感じたわ

店の外には、「初めて来るお客さん向けの案内板」がとにかくあちこちにありました。人気店であることが窺えますね。

さすがに8:00から店頭に並ぶのも憚られ、と言っても周りは田んぼなどが広がる特に何があるわけでもない場所なので、ちょっと離れた場所に立っていました。8:20分頃から店の入口で待っていたら、8:25に2人組のお客さんがきて、開店直前の段階では10~15人並んでいたという感じです。

8:56開店 9:04退店 つめたいしょうゆ300円 + かまたまやま400円

この日は旅程の中で最も多くのうどんを食べる予定だったので、本当は1店で2杯も注文すべきではありません。ただ、やはり「山越うどん」は、今回訪れたうどん店の中でも格段にアクセスが悪い場所にあるので、「もう来られないかもしれないな」と思い、2杯注文することにしました

ちなみに、「山越うどん」では早速うどんの写真を撮り忘れました。これ以降も、度々こういうことがあります。普段まったく写真を撮らないので、うっかり忘れてしまうんですよね

しょうゆうどんの方は、噛み切るのにちょっと力がいるぐらい弾力のあるキリッとした麺です。一方のかまたまやま(「釜玉うどん」にすりおろした山芋が入っている)はとても柔らかい麺でした。その対比がとても面白かったです。「釜玉うどん」は食べたことがありますが、山芋入りというのは初めてで、よりまろやかになっている感じがしました。

犀川後藤

でも何だかんだ、シンプルなしょうゆうどんの方が印象に残ったなぁ

いか

やっぱり、弾力のある麺っていいよね

印象的だったのが、注文を受けるおばちゃんです。おばちゃんは、「注文を聞く」「茹で上がった麺に卵やら山芋やらを乗せる」というのを1人でやっていたのですが、それが凄まじいスピードで、私のうどんが出てきた時点で、私よりも5人ぐらい後のお客さんまで注文を聞いていたと思います。パッと見の印象では60~70代ぐらいの方だったと思うので、その年代の方にしては、捌き方がとにかく絶妙で、驚かされてしまいました

さて、食べ終わってすぐに店を出て、帰りは徒歩で綾川駅を目指しましたほぼ直進で駅まで行けるので、経路はとてもシンプルだと思います。以下は、その道中で撮った写真です。

かなりの速歩きで、9:28に駅に着きました。グーグルマップやナビタイムなどで調べると、「徒歩で30~40分掛かる」と出るので、私は大分速く歩いたかなと思います。

【うどん店】なかむらうどん(セルフ店)

9:39綾川駅→(ことでん琴平線 琴電琴平行)→9:48栗熊駅<270円>
(当初予定していたルート)
9:37柳屋→(綾川町営バス 循環路線(右回り) 綾川駅、綾上支所前方面)→9:52綾川駅<100円> or 9:58羽床上→(琴参バス 坂出綾川線 イオンモール綾川行)→10:03綾川駅<200円>
10:09綾川駅→(ことでん琴平線 琴電琴平行)→10:18栗熊駅<270円>

元々「山越うどん」で行列に並ぶと想定していたので、それも考慮した上で10:09綾川駅発の電車に乗る予定でいました。ただ、スケジュールがかなり巻き巻きになったので、1本前の電車に乗れたというわけです。

そして栗熊駅からは、今回のルートで唯一のタクシー移動となります。栗熊駅からバス移動も可能だったのですが、次に行く予定の「なかむらうどん」も行列必至の店という認識だったので、少しでも早く着いていたかったのです(結果として、そんな必要はなかったのですが)。あらかじめタクシー会社を調べ、「岩崎タクシー 0877-98-3121」に「栗熊駅に10:20」で予約しておきましたが、1本前の電車に乗れたこともあり、「もし可能なら早く来てもらえると助かります」と改めて連絡しました。

9:50栗熊駅→(タクシー)→10:07なかむらうどん<2690円>

犀川後藤

そういえば運転手さんから、「『なかむらうどん』に行くなら、栗熊駅から1つ先の岡田駅の方が近いと思う」って言われたわ

いか

元々栗熊駅からバスの予定だったから、それもあって栗熊駅発にしちゃったんだよね

ちなみに、「ことでん」の駅名は「栗熊駅」なのですが、栗熊駅に停まる「丸亀市コミュニティバス」のバス停名は「琴電栗熊駅」のようです。私は初め、「栗熊駅」と「琴電栗熊駅」の2つの駅が存在するのだと思って混乱しました(「ことでん」には「琴電屋島駅」みたいな名前の駅もあるので)。

さてその道中、タクシーの中で聞いた話が個人的に少し興味深かったです

「なかむらうどん」周辺のうどん店を調べている時に、「うどん一屋飯山店」も検索に引っかかったのですが、どうやらもう閉店しているようでした。ただ、どれだけ調べても「確実に閉店している」という情報が手に入らず、「もし万が一開いていたら行こうか」ぐらいに考えていたのです。

ただ運転手さんとの会話の中でたまたま、「『うどん一屋飯山店』は閉店していて、今は岩崎タクシーの倉庫になってるんですよ」という話になりました。というわけで、閉店していることは確実です。ちなみに、うどん巡りをしていることを伝えたら、運転手さんは「私の一推しは『がもううどん』です」と言っていました。私は翌日5/18(土)に行く予定でしたが、この「がもううどん」も超人気店です。

10:07着 10:15退店 肉うどん(平日限定)530円

さて、「なかむらうどん」には以前行ったことがあります。その時は確か土日のどちらかだったのですが、オープン時間の9:00ちょうどに着いた時点で既に100人ぐらい並んでいました。この店も、香川のうどん巡りでは必ずと言っていいほど名前が挙がる超有名店です。そんな記憶があったので、「『なかむらうどん』で多少は並ぶだろう」という想定で予定を組んでいました

いか

元々予定を考え始めた当初は、「丸亀駅からレンタサイクルで『なかむらうどん』に行く」想定で、その場合は着くのが12:00ぐらいになりそうだったんだよね

犀川後藤

「お昼時に着くから余計並ぶだろうなぁ」っていうイメージのままずっと調べてた感じ

しかし、タクシーの運転手さんの話を聞いて想像していた通り、私が着いた時には1人も並んでいませんでした平日の、しかもお昼時でもない時間から行列が出来ることはないそうです。「山越うどん」「なかむらうどん」、そして翌日行く「がもううどん」はもう、土日に混雑する「観光地」的な扱いになっていると考えればいいのでしょう。

いか

でも面白いのは、香川のうどん店は「地元の常連さん」からも支持されてるんだよね

犀川後藤

その両立は難しそうだけど、基本的に「地元の常連さんのために」って考えでやってるから成り立ってるんだろうなって思う

さて、「なかむらうどん」は「釜たまうどん」が有名な店のはずで、以前行った時も「釜たまうどん」を頼んだ記憶があります。ただ今回は平日に来られたので、せっかくならばと、平日限定の「肉うどん」を注文しました平たくて細めの麺で、食感はとても柔らかい感じです玉ねぎと肉がとても甘く、肉うどんというのは全国どこでも基本的にそういうものなのかもしれませんが、香川のうどん店の肉うどんは甘い肉が乗っているという印象になりました。しかしやっぱり、「釜玉うどん」も食べたかったなぁ。

【うどん店】純手打うどん よしや(セルフ店)

タクシーに乗っている時には見えなかった(見ていなかった)気がしますが、次の「純手打うどん よしや」まで歩いている時に小さな山が綺麗に見えました

飯野山(讃岐富士)という名前のようですね。登ったりもできるみたいです。余裕があるなら、腹ごなしに予定に組み込んでもいいかもしれません

10:28着 10:40退店 のり玉うどん(冷)620円

この後は、「なかむらうどん」から歩いて割とすぐのところにある「純手打うどん よしや」へ向かいます。ちなみにタクシーの中で、私が「よしや」と「一屋(いちや)」を言い間違えたことで、先程の「『うどん一屋飯山店』は閉店し、今は岩崎タクシーの倉庫になっている」という話が聞けたのでした。

この店も、テレビなどで取り上げられる有名店のようです。ただ、やはり平日のお昼前だからでしょう、並んでいる人はいませんでした。またこの店では、「機械を一切使用しない麺作り」を続けているそうです。これは香川のうどん店の中でもかなり珍しいとのこと。

犀川後藤

逆に、「大体のところは機械を使ってるんだ」ってことに驚いた部分もある

いか

考えてみれば当たり前かもだけど、だからこそ、こういうこだわりの店が貴重だよね

そんな「機械を使っていない」という麺ですが、その割に(という表現が正しいのかどうかもよく分かりませんが)とても綺麗な麺でした。また、麺が見えないぐらい載った海苔の香りが物凄く濃厚で、その上で半熟卵が全体をマイルドにしてくれています。ちなみに、ちょうど茹でているタイミングだったのか、うどんが出てくるまでに5分程掛かりました。

【うどん店】手打ちうどん 歩(未訪問) + 【うどん店】セルフうどんおかだ(セルフ店)

さて、実はもうこのぐらいの時点でお腹はパンパン、かなり限界に近づいていました。これも、スケジュールが凄まじく前倒しになったからだと言えます。そもそも予定より大分早く着いたし、さらに元々は「『なかむらうどん』と『純手打うどん よしや』では行列に並ぶ」と想定していたので、「並んでいる間にお腹も落ち着くだろう」と思っていたのです。それが、3時間半で4軒回り5杯食べるという形になったので、お腹がかなり厳しくなってしまいました

そんなわけで、当初の予定では「純手打うどん よしや」から歩いてすぐの「手打ちうどん 歩」に行くつもりだったのですが、腹具合を考えて来店を諦めたというわけです。

いか

あらかじめ各店のオススメメニューを調べて行ったけど、「歩」は「とり天ぶっかけ」だったんだよね

犀川後藤

だから、「今ここでとり天なんか食べてられない!」と思って行くのを諦めたって部分もある

というわけで、「手打ちうどん 歩」のすぐ傍にある「セルフうどんおかだ」へ向かいました。

さて、ここで少し「セルフうどんおかだ」について説明したいと思います。

私は元々、宇多津駅近くにある有名店「おか泉」に行く予定を立てていました。しかしその後色々と調べていく中で、「『セルフうどんおかだ』は、『おか泉』の工場併設店である」という情報を見つけます。それで「おか泉」は諦め、「なかむらうどん」から近い「セルフうどんおかだ」だけに行くことにしたというわけです。

また、同じく宇多津駅近くにある「中村うどん」にも行こうと思っていたのですが、こちらは金曜定休ということで、ルートに組み込めませんでした。ちなみに「中村うどん」は、「なかむらうどん」の故店主の弟さんがやっている店だそうです。

さてそんなわけで、宇多津駅周辺に行く必要がなくなりました。そしてそれもあって、「丸亀駅からレンタサイクルで『なかむらうどん』へ向かう」というルートでなくてもよくなり、それで「栗熊駅からタクシーで向かう」というルートに変えたというわけです。

ちなみに、この周辺には「長田in香の香」という超有名店があるのですが、こちらも、「ちょっと距離が離れている」「超行列店であり、ルートに組み込むと移動の予定が立てにくくなる」「以前一度行ったことがある」という理由で今回は諦めました

いか

この丸亀市周辺のうどん巡りルートは、相当考え直したよね

犀川後藤

それに、元々レンタサイクルで移動する予定だったから、「雨が降ったらどうするか」ってパターンもメチャクチャ考えなくちゃいけなくて大変だった

10:48着 11:00退店 ぶっかけおろし(冷)310円

というわけで話を戻しましょう。「セルフうどんおかだ」に到着です。ここも人気店のはずですが、やはり平日で、さらにまだ昼食の時間には早いからでしょうか、店外まで並んでいる人はいませんでした(店内には10人ほど注文待ちの人がいましたが)。

食べている途中で「写真撮り忘れた」と気付いたので、食べかけの写真です。お見苦しい

麺は柔らかめです。また、「ぶっかけうどん」というのがそういうものなのだと思いますが(正直、うどんに詳しいわけではないし、たくさん食べているわけでもありません)、かなり濃い目の出汁でした。自由に入れられる「大きなにぼし」みたいなトッピングもとても美味しかったです。

【うどん店】山下うどん(未訪問)

(当初予定していたルート)
セルフうどんおかだ→(タクシー)→山下うどん
12:31願誓寺→(丸亀市コミュニティバス 丸亀垂水線 丸亀港行)→12:45春日の辻 13:08→(丸亀市コミュニティバス レオマ宇多津線 NEWレオマワールド行)→13:39琴電栗熊駅<400円>

さて、元々の予定では「山下うどん」にも行くつもりでいました。「ぶっかけうどんの元祖」と呼ばれる店で、「なかむらうどん」周辺からはちょっと距離があります。自転車を借りるならそのままレンタサイクルで向かえば良かったわけですが、自転車を借りない予定に組み直したので、「どうやって『山下うどん』に行くか」を考えなければなりません。

調べていく中で、「岩崎タクシー飯山営業所が、『セルフうどんおかだ』から徒歩1分ほどのところにある」ことに気づきました。なので、「タクシーで『山下うどん』へ向かい、その後バスで栗熊駅に戻る」というルートを想定できたというわけです。

犀川後藤

営業所から直接タクシーに乗れるのかは、正直よく分からなかったんだけど

いか

普段全然タクシーに乗らないし、営業所に行くこともないからねぇ

ただ、想定できなかったのは私の「腹具合」の方です。この時点でもう「まったく食べられない」というぐらいお腹がいっぱいだったので、一旦休憩が必要だと判断しました。

【休憩】丸亀城

11:16高柳→(丸亀市コミュニティバス レオマ宇多津線 宇多津駅北口行)→11:40丸亀城前<200円>

さてこの後は、「高松市内に戻り、夕方ぐらいまでしかやっていない店をいくつか回る」という予定を立てていました。そのため、移動距離の短い栗熊駅から帰る予定にしていたのですが、相当時間に余裕が出来たので、丸亀駅から戻るルートでも全く問題ありません

そこで、丸亀駅近くにある丸亀城に行ってみることにしたというわけです。

全然知らなかったのですが、この丸亀城、一番高い場所に行くまでの道がとにかく急坂でした。なかなか凄まじかったです。

犀川後藤

城を訪れることってあんまりないから、これが普通なのかよく分からないけど

いか

今まで行ったことがあるのって、姫路城と竹田城ぐらいだよね

平日の昼間だからでしょうか、かなり高齢の方が多かったのですが、皆ちゃんと登っていました。健脚ですね。気持ち良い風が吹いていて、とても清々しい日中を過ごせました。ちなみに、この丸亀城訪問が、翌日の筋肉痛に繋がることになります。

個人的には、途中に井戸があったのが意外でした。確かに、籠城戦になったりでもしたら水の確保は重要になるでしょう。しかしそうだとしても、城中に井戸を掘るのは大変だっただろうなと感じました。ちなみに、「日本で一番深い井戸」と言われているそうです。

その後、商店街をすり抜けつつ丸亀駅へと向かい、丸亀駅前の美術館の入口に置かれているオブジェを見てから高松へと戻りました

【うどん店】松下製麺所(セルフ店)

13:08丸亀駅→(JR快速サンポート南風リレー号)→13:33高松駅<630円>
高松駅からはレンタサイクル(10分ほど)<200円>
(当初予定していたルート)
13:10高柳→(丸亀市コミュニティバス レオマ宇多津線 NEWレオマワールド行)→13:39琴電栗熊駅<200円>
13:55栗熊駅→(ことでん琴平線 高松築港行)→14:35栗林公園駅<630円>

14:10着 14:15退店 かけうどん(250円)

さて、13:33に高松駅に着いた後、栗林公園北口駅へ向かう電車に乗る予定でいたのですが、どうしてか乗れませんでした。ホームで待っていたはずなのに、いつの間にか出発時間を過ぎていたんですよねぇ。ホントに未だに、何があったのか全然分かりません。そんなわけで、高松駅で借りたレンタサイクルで移動しました。レンタサイクルは「HELLO CYCLING」アプリに登録することで使用でき、市内にいくつかあるポートで自由に貸出・返却が可能です。

犀川後藤

ちなみに、「栗林公園駅」と「栗林公園北口駅」は別の駅なので注意して下さい

いか

あと、「くりばやし」ではなく「りつりん」って読むのも難しいよね

さて、「松下製麺所」は「さか枝」と同じく、うどん玉だけもらい自分で湯通しするスタイルです。なので注文の際は「玉数」を伝えるだけ究極のシンプルスタイルと言えるでしょう。

麺は平べったくはなく丸っこくて、とても柔らかめです。そして、出汁が濃い感じがしました。「松下製麺所」は、市役所などもあるビジネス街からちょっと住宅街に入ったところにあり、値段もお手頃なので、恐らく日常使いしやすい店なのだと思います。また、私が来店した際には外国人女性も1人で来ていました。観光客なのか高松市内に住んでいる方なのかは分かりませんが。

【うどん店】讃岐うどん 上原屋本店(セルフ店)

14:20着 14:28退店 冷かけうどん(350円)

その後は、「松下製麺所」からかなり近くにある「讃岐うどん 上原屋本店」へと向かいました。この2店は閉店時間が15:00、15:30と割と早く、また日曜休みなので、私の旅程的にはどうしてもこの日に行っておきたかったお店です。

Squid

スケジュールを立てる時に、「営業時間の短さ」と「定休日」がかなり難しかったよね

犀川後藤

ホントに、車を使ったとしても、スケジュールを組むのは結構パズルな気がする

さて、ここではまたうどんの写真を撮り忘れました。かなり丸っこい麺で、そうめんをそのまま太くしたみたいな感じですつるつるしていてコシがありました出汁はかなり甘めだったと思います。

さてこの「讃岐うどん 上原屋本店」、ネットで調べると閉店時間は15:30なのですが、店頭に「しばらく14:30で閉店します」と書かれていました。事情はよく分かりません。

このように香川のうどん店は、開店時間・閉店時間ともにかなり流動的なので、その辺りは注意が必要でしょう。私は何も知らなかったのですが、本当にギリギリ来店できたのでとてもラッキーでした

さて、丸亀城で休憩したものの、やはり満腹感は続いており、「讃岐うどん 上原屋本店」の時点でもう限界を迎えていた感じです。しかし、どうせならあと1軒近くのうどん店を訪れてから休憩しようと思い、「ぶっかけうどん大円」を目指すことにしました。

【うどん店】ぶっかけうどん大円(一般店)

14:35着 14:45退店 ぶっかけ冷(340円)

ここでも、うどんの写真を撮り忘れました。

ここは店名にある通り「ぶっかけうどん」が有名な店のようです。平たくて縮れた太めの麺でした。ただ、これは私が「ぶっかけうどん」に向いていないと思ってもらいたいのですが、麺・出汁ともに「ぬるい」と感じるようなうどんで、正直なところあまり得意ではなかったです。

犀川後藤

やっぱり「かけ」「釜あげ(釜たま)」が良いなって改めて思ったわ

いか

そういう好みに気づけたのも良かったよね

さて、やはりもう食べられない状態になってしまったので、ここからまたしばらく休憩に入ることにします。

【休憩】古本屋「YOMS」 + 本屋「ルヌガンガ」

レンタサイクルの返却ポートが瓦町駅にもあるので、そのまま自転車で瓦町駅を目指し、近くにある本屋へ向かうことにしました。ちなみにその途中、こんな場所を見つけたのでご紹介

他にもこういう場所はあるのかもしれませんが、「1階に交番が入っているマンション」というのはかなり珍しい気がします

さて、まず向かったのは古本屋の「YOMS」。こじんまりとした店内には、様々なジャンルの本が並び、入口にはZINE的なものも置かれています。ここでは『銀河の片隅で科学夜話』(全卓樹/朝日出版社)を買いました。

著:全 卓樹
¥1,725 (2024/06/01 21:31時点 | Amazon調べ)

ここでは30円出すと、お店オリジナルの袋に入れてもらえます(お願いしました)。

続いては、「YOMS」のほぼ斜め向かいにある「ルヌガンガ」です。こちらは新刊書籍(古本ではない)を扱っています

セレクトショップという佇まいで、並んでいる本が結構好きな感じでした。翌日豊島で会う予定の友人にも、「たぶんこの店好きだと思う」と連絡してみたところ、やはりよく行くのだそうです。

ここでは『直島クロスワードパズル』という、直島の子供たちが作ったクロスワードパズルを買いました。

観光客に解けるわけない!」と書かれており、かなりマニアックな内容のようです。直島もいつか行ってみたいなぁ。

犀川後藤

ざっくりとしか目を通してないけど、「全然分からん」って感じだったわ

いか

こういうの、面白いよね

【うどん店】ざいごうどん 本家 わら家(一般店)

16:04瓦町駅→(ことでん志度線 琴電志度行)→16:21琴電屋島駅<270円>

正直、まだまだ全然お腹いっぱいだったのですが、無理やり自分を奮い立たせ、「ざいごうどん 本家 わら家」へと向かいました。ただ、最寄り駅に着いた時点でもまだ食べられそうになかったので、まずは店のすぐ近くにあった「屋島神社」に行ってみることに。

そしてその後、うどん店へと向かいます

16:45着 17:15退店 釜あげうどん(540円)

ここでもうどんの写真を撮り忘れました。今日はもう途中から「お腹がいっぱい過ぎる」という思考で埋められてしまって、写真を撮るところまで気が回らなかった感じです。お店は古民家風で、店内の照明は暗めに設定されていました。閉店時間が近いこともあるでしょうが、お客さんはそこまで多くありませんでした。

ざいごうどん 本家 わら家」は、とにかく釜あげうどんが有名な店で、大きな桶にうどんがいっぱい入った「家族でシェアするメニュー」もあります。注文からうどんが出てくるまでに15分ぐらい掛かったでしょうか。麺は細めでつるっとしっかりしていましたところてんを白くしたみたいな感じです出汁は濃いめで、個人的にはちょっとしょっぱいと感じました。もう少し薄い方が好きかもしれません。

犀川後藤

ここでは、私の視線の先に座っていたカップルが気になったんだよなぁ

いか

女性の方が、15cmぐらいの厚底に10cmぐらいの銀の爪で、古民家風の店内にそぐわなくてびっくりしたよね

【うどん店】うどん本陣山田家 讃岐本店(未訪問) + 【うどん店】うどん棒 高松本店(未訪問)

(当初予定していたルート)
琴電屋島駅→(ことでん琴平線 琴電志度行)→八栗駅<200円>
八栗駅→(ことでん志度線 瓦町行)→瓦町駅<360円>

本来その後は、八栗駅から徒歩で「うどん本陣山田家 讃岐本店」へ、そして瓦町駅から徒歩で「うどん棒 高松本店」へ行く予定だったのですが、とてもじゃないけどもう食べられる状態ではありません。というわけで、この日のうどん巡りはここで終え、カプセルホテルへと戻ることにしました。さすがに詰め込みすぎたなぁ。自分の「腹」を過信しすぎたのが敗因です。

【休憩】高松港周辺を散策 + しばし宿で休息

さて、ことでんで高松築港駅へと戻り、高松駅で先にお土産を見定めておこうと考えていたところ、駅にいたUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のスタッフに捕まりました。普段あまりこういう時に立ち止まらないんですけどね。マンスリーサポーターを募集していたので、1500円と少額ですが登録してみました。寄付的なことは機会がある時にちょいちょいしてたりするんで、まあいいかなと。どこかのタイミングで止めるかもしれませんが、とりあえず1年ぐらいは続けようかなと思っています

さて、元々あと2軒うどん巡りする予定でしたが、それをキャンセルしたので、高松駅に18時頃とかなり早い時間に着いてしまいました。夜の予定は正直あまり考えていなかったので(前日休みだった「鶴丸」に行く想定はしていましたが、さすがにもう食べられない)、高松港(駅からすぐです)の先端にある「せとしるべ」という灯台まで歩いてみることにします。

ちょうど夕日が沈むタイミングで、私の写真は稚拙ですが、なかなか綺麗な景色じゃないでしょうか。

あと、灯台に向かう途中で、「掃海艇なおしま」という海上自衛隊の船が停まっているのを見ました。

犀川後藤

自衛隊って結構ファンがいるイメージだから、周りにあんまり人がいなかったのはビックリだった

いか

熱心に写真を撮っている女性が1人いたぐらいだよね

その後カプセルホテルに戻り、大浴場へ。改めて体重計に乗ってみると、61.0kgになっていました。朝測った時と比べて2.5kg増です。「出した分」もあるので、1日でざっくり3kgぐらいうどんを食べたという感じでしょうか。さすがにキツかったです。その後旅行中に体重を測る機会はありませんでしたが、旅行を終えた翌日月曜の朝に自宅の体重計で測ったら60.0kgでした。

さて、これで今日は終わり……というわけではありません

【骨付鳥】一鶴

入店までに10分ほど待つ ひなどり + ビール 計1598円

香川と言えばもちろんうどんですが、実は骨付鳥も有名なのだそうです。私がネット調べた限りでは、高松市内には「一鶴」「寄鳥味鳥」「蘭丸」という骨付鳥の有名店があり(この3店はとても近くに密集しています)、さらに「初めて食べるならベーシックな『一鶴』がいいだろう」とも書かれていました。カプセルホテルから近かったこともあり、骨付鳥を食べようと計画していたのです。

さて、カプセルホテルに戻り風呂に入っている時点ではもちろん、とてもじゃないけど骨付鳥なんか食べられる状態ではありませんでした。ただ、「お腹いっぱいだし風呂も入ったし眠いなぁ」と思いつつ、横になってテレビを観ること2時間ほど。「よし、どうにか食べられそうだな」という感じになったので、「一鶴」に行くことに決めたというわけです。

犀川後藤

今後の旅程的に、このタイミングしか骨付鳥が食べられるチャンスはなかったんだよなぁ

いか

翌日は豊島に行くし、その次の日は大阪に行っちゃうからね

当然予約もせずに行ったのですが、「2~3人待っている方がいるので、空いたら電話します」と言われ、少しだけ店外をうろうろしていました。10分ほど待ったでしょうか。さらに、テーブルに座ってから注文した骨付鳥が出てくるまで20分ほど掛かりました。この辺りの話についてはちょっと後で触れたいと思います。

骨付鳥はとても美味しかったです。「骨付鳥」の名前の通り、骨に付いたまま切られていない肉がドーンと出てきました皮はパリパリで、しかし肉自体は柔らかく、味はとてもスパイシーです。ただとにかく食べづらく、正直、食べ方の正解がよく分かりませんでした。私は男なので、別にそのままガブリといけばいいのですが、これ、女性はどうするんでしょう? ナイフやフォーク、はさみなどは特になく(頼めば出てくるのかもしれませんが)、そのまま食らいつく以外に食べる手段がない気がしました。「デートとかでは使いにくそうだなぁ」と思ったんですけど、普通にカップルらしきお客さんもいたので、地元の人からしたら別に普通なのかもしれません

さて先程書いた通り、私は入店までに10分ほど待ったのですが、そんな私が案内されたのは4人掛けのテーブルでした。店内には「4人掛けとしてしか使えないテーブル」もいくつかあるのですが、他にも「2人掛けのテーブルを2つ繋げたテーブル」も複数あり、私が座ったのもそんなテーブルです。ざっと見たところ、他にも私のように、「2つのテーブルを繋げた4人掛けテーブルに1人で座っているお客さん」が何人かいました。そして私はシンプルに、「2人掛けのテーブルに分ければ、もっとお客さん入れられるだろう」と感じたのです。

その後、各テーブルに「会計の際はこの札をお持ち下さい」と書かれた札が置かれていることに気づきました。恐らく、「会計のシステム上、4人掛けを2人掛けに変更できない」ということなのでしょう。ただ、「そんなのどうにかなるだろう」と感じずにはいられませんでした

犀川後藤

70年以上続いてる店らしいけど、今までこういう指摘をした人はいなかったのかなぁ

いか

ホントに、どうしてこんな仕組みになっているのか謎だったよねぇ

また、フロアのスタッフだけで5~6人いて、個人的な感覚では「ちょっと多すぎでは?」とも感じました。それはその日一日、凄まじい数のお客さんを捌かざるを得ないうどん店のオペレーションを見てきたからこその実感とも言えるかもしれません。骨付鳥が来るまで暇だったので、なんとなく店員の動きを横目で見ていたのですが、何をしているのかよく分からない人もいました(「閉店間際でお客さんが少なかった」ということもあるのでしょうが)。別に不満があるというわけでは全然なく、「なんとも不思議な運営をしているお店だな」と感じたという話です。

というわけで、再びお腹いっぱいになり、そのまま帰って寝ました。翌日もまた、朝早いので。

2024年5月18日(土)(うどん巡り)

朝起きて、早速足に筋肉痛を感じました。やはり、前日の丸亀城がかなり効いているようです。

【うどん店】うどんバカ一代(セルフ店)

さてこの日は最初に、香川県のうどん店でも屈指の知名度を誇る「うどんバカ一代」に向かいました。店内には多数の芸能人のサインが並んでおり、ある意味では観光地的な存在とも言えると思います。

朝6:00オープンとかなり早くからやっており、特に土日は行列必至だと思ったので、早めに向かうことにしました。瓦町駅周辺に宿泊していれば、徒歩で向かえると思います。

6:08着 6:28注文 6:37退店 釜バターうどん530円 + かけうどん温330円

さて、店にはオープン直後に着いたのですが、その時点で既に30人は並んでいました。その後も、お客さんが店内にすいすいと吸い込まれていくものの、新たに並ぶお客さんも多く、行列が絶えることはありません。平日の朝だとどうなのか分かりませんが、私が行った日はとにかく、朝イチから行列が凄まじかったです。

犀川後藤

早朝の住宅街にあれだけ行列が出来てたのはかなり異様な光景だったわ

いか

有名店として知られる「山越うどん」「なかむらうどん」「がもううどん」は、周囲に田んぼが広がるような立地にあるからね

ここでは2杯注文してみました。この日は10:45発豊島行きの船に乗る予定にしており、あまりうどん巡りが出来ないからです。2杯食べる余裕ぐらいあるだろうと判断しました。

「うどんバカ一代」は、とにかく「釜バターうどん」が看板メニューです。そしてこれが衝撃的すぎる美味しさでした。本当にビックリしたなぁ。平たくて太い麺の上にバター・こしょうが載っており、さらにそこに生卵を自分で割り入れるのですが、「なんだこの美味さは!」という感じでした。こしょうがピリッとくるのですが、バターと卵によってまろやかになり、その上で濃厚さがガツンときます。行列店になるのが理解できる美味しさでした。

それもあって、「かけうどん」の方は正直、そこまでの印象はありません(もちろん美味しかったです)。私の認識では、「釜あげ系のうどん(茹でた麺を釜からあげてそのまま食べる)」と「かけうどん(茹でた麺を一度水で締める)」では「麺の固さ」に違いが出るはずで(「釜あげ系」の方が柔らかい)、「山越うどん」で食べ比べた時にはその違いが感じられました。ただ、「うどんバカ一代」の麺については、「釜バターうどん」と「かけうどん」で大きな違いは無かったという印象です。ちなみにですが、「かけうどん」の方に天かすとねぎを入れるのを忘れました。トッピングが無かったわけではありません

また、とにかく行列が凄まじく、さらに、前日訪れた「一鶴」とは異なり店内オペレーションが完成されすぎていることもあって、店内での移動はかなり困難です。開店はとても早いものの、お客さんの数と比べれば店内はかなり狭いので、大きな荷物を持っての来店は避けた方がいいかもしれません。

犀川後藤

さすがに私が行った時間はまだ、外国人のお客さんは並んでいなかった気がする

いか

でも、大荷物を持った外国人が並ぶこともありそうだよね

ちなみにお客さんの中に、荷物を座席に置いている人がいて、「よくもまあこんな激混みの店内で、席をさらに1つ専有するみたいな行為が出来るものだなぁ」と感じました。まあもしかしたら、「店内の動線を確保するために店員から指示があった」みたいな話なのかもしれませんが、どうなんだろう。

というわけで、私などが大々的に主張するまでもなく多くの人がご承知でしょうが、香川を訪れた際は、「うどんバカ一代」に立ち寄ってみることをオススメします

【うどん店】がもううどん(セルフ店)

6:55瓦町駅→(ことでん長尾線 高松築港行)→6:59高松築港駅 7:15高松駅→(JR予讃線 多度津行 4番ホーム)→7:40鴨川駅<630円>

さてここからは、超有名店である「がもううどん」を目指します。前日「なかむらうどん」へ向かうのに乗ったタクシーの運転手さんが、「私の一推しです」と言っていたのがこの「がもううどん」です。香川のうどん店を調べれば必ず名前が挙がる、超超有名店と言えるでしょう。

さて、「がもううどん」は8:30オープンのお店です。そのことを頭に入れつつ読んで下さい。

7:53着 8:10注文 8:18退店 かけうどん(2玉)+あげ 計400円

電車で行く場合、最寄り駅は鴨川駅なのですが、私と同じ電車に乗っていて鴨川駅で降りたのはたった3人だけでした。また、高松市内以外でのうどん巡りにおいてはほぼどこも同じでしたが、歩いている人はほとんど見当たりません。歩いても歩いても、歩行者は私だけという状況が各所で続きました。やはり、車以外でうどん巡りをする人などほとんどいないのでしょう。

さて、駅を出てからは、写真ような緑豊かな場所を通って「がもううどん」へと辿り着きました。着いたのは7:53。この時点で既に40人ほどは並んでいました。さらに驚くべきことに、この時点で既に「がもううどん」はオープンしていたのです。

とはいえ、これはある程度予想していたことでもあります。というのもネットで調べていた時点で、「開店時間よりも早く開いていることがある」という情報を見つけていたからです。しかしそれでも私は、「8時頃には開くんじゃないか」ぐらいの想定をしていたので、7:53の時点でオープンしていたことは驚かされました。

いか

やはり地元の人や常連客のために、公称の営業時間より早く開けてるんだろうね

犀川後藤

朝から警備員が車の案内をしてたぐらい駐車場に停まっている車も多かったけど、やはり「香川ナンバー」が多かった

何時から開いていたのかは分かりませんが、オープンからそう時間は経っていないのではないかと思いました。というのも、「がもううどん」は店内が狭く、うどんを受け取ったら屋外で食べるのが基本なのですが、私が着いた時点ではまだ、屋外で食べている人がそう多くはなかったからです。私が行った日は、7:45ぐらいに開いていたのかもしれません。

私が並んでからも、続々とお客さんがやってきますツーリングのライダーやベビーカーを押している親子など、とにかく様々な人がいました。会話を聞いていると、「香川在住で、他県の友人を誘ってやってきた」みたいな人もいたと思います。一方で、明らかに近所に住んでるんだろうみたいな人もいて、「観光地かつ地元に愛される店」という印象が強かったです。

「がもううどん」のメニューは基本的に「かけうどん」のみ。「玉数」と「温・冷」を伝え、さらにレジで「取りたいサイドメニュー」を申告して会計し、それから自分で出汁を入れるというスタイルです。とにかく、香川のうどん店の中でも凄まじくシンプルだと言えるのではないかと思います。

私はここでも、「うどんバカ一代」の時と同じ理屈で2玉注文しました。また、「『がもううどん』ではとにかく『あげ』を頼むべし」と書いている方が多かったので、それに従って「あげ」も追加します。うどん2玉で280円、あげが120円で400円という凄まじいリーズナブルさです。

まずはとにかく、あげの甘さが印象的でした。今回巡ったうどん店では、全体的に肉が甘い印象でしたが、あげも甘いのが標準なのかもしれません(ただ、今回の旅中、トッピングを頼んだのは「がもううどん」のみだったので比較は出来ないのですが)。

そして個人的には正直なところ、それ以外にはこれと言って特徴を感じませんでした。もちろん美味しかったのですが、ここまでの行列を生み、タクシー運転手に「一推し」と言わせるだけの理由はよく分からなかったという感じです。

犀川後藤

全然美味しいけど、メチャクチャ期待して行くと「ん?」ってなるかも

いか

少なくとも、「美味っ!」っていう衝撃は「釜バターうどん」の方が強かったよね

ただ、少し見方を変えると次のようにも考えられます。その説明のために、「うどんバカ一代」の「釜バターうどん」を比較しましょう

「釜バターうどん」は衝撃的な美味しさでしたが、正直なところ、「毎日食べたいか」と言われるとちょっと頷き難い気もします。「時々、『うわぁ、あれ食いてぇなぁ!』みたいに感じるような美味しさ」とでも言えばいいでしょうか。

一方、「がもううどん」の「かけうどん」は「毎日食べられるうどん」という感じがしました。ちょっとソースを見つけられなかったので社名は伏せますが、ある外食チェーンの社長が「美味しすぎないように作っている」と語っているのをテレビか何かで見た記憶があります。「美味しい」と「毎日食べたい」は少し違った感覚であり、そのチェーンでは、「『普通に美味い』ぐらいの味にして『毎日食べたい』と思ってもらえるように作っている」らしいのです。「がもううどん」のうどんを食べている時に、この話を思い出しました

そう考えるとやはり、「地元の人が毎日通いたくなる店」という立ち位置なのかもしれません。そしてだとすれば、それが「観光地的な超有名店」であることと両立している状況もまた素敵だなと感じました。

【うどん店】(坂出)山下うどん(セルフ店)

8:29着 8:41開店 8:57退店 冷やかけ250円

さて、次の「山下うどん」は、「がもううどん」を何時に退店出来るのか次第で行くかどうか決めようと思っていた店です。そして想定よりも大分早く「がもううどん」を出られたので、歩いて向かうことにしました

いか

ちなみに「山下うどん」っていうと、香川では善通寺にある「ぶっかけうどんの元祖」の店を指すことが多いみたいね

犀川後藤

だから私が行った店は、「坂出山下うどん」って区別して呼ばれることもあるみたい

この店は「がもううどん」とは異なり、8:30オープン予定なのに開きませんでした。私が着いた時点で既に10人ほど待っており、8:41の開店時点で25人ぐらいのお客さんが並んでいたと思います。こういう「開店時間が遅れるパターン」もあるものなんですね。

途中で撮り忘れに気づいたので食べかけです

さて、とても意外だったことに(と言ったら失礼かもしれませんが)、私は「がもううどん」より「山下うどん」の方が好きだなと感じました。「コシのある麺」や「すっきりしたスープ」などは他の店でも同じような感じなので、正直なところ、何が違ったのかを具体的には説明出来ません。ただ、「ここはまた行ってもいいなぁ」と感じられるぐらい、個人的にはお気に入りのお店になりました。ホントに、「行くかどうか微妙」ぐらいに考えていた店だったので、行って良かったなと思います。

ちなみにこの店は、香川のうどん店ではたまにあるみたいですが、「自己申告の後払い制」です。普通のセルフ店では、「うどん受け取り→支払い→食べる」という流れですが、「山下うどん」では「うどん受け取り→食べる→何を食べたか自己申告して支払い」という感じになります。ホント、普通では考えられないシステムですよね。

いか

「野菜の無人販売所」みたいな仕組みだよね

犀川後藤

「信頼」だけで成り立ってる、みたいな感じだよなぁ

その後は、徒歩で讃岐府中駅へと向かいました私にとっては全然歩ける距離でしたが、「かなり遠い」と感じる人の方が多いかもしれません

9:16讃岐府中駅→(JR予讃線)→9:34高松駅<330円>

さて、実はこれで、この日のうどん巡りは終了です。実はもう一軒、高松市内の「麺処 綿谷 高松店」に行こうかと思っていたのですが、ちょっと気力が無くなってしまったこともあり、このまま豊島行きの高速船に乗ることにしました。

2024年5月18日(土)(豊島巡り)

【移動】豊島行きの高速船

10:45高松港→(高速船)→11:35家浦港<1350円>

さて、船の出発時間まで大分時間があります。豊島では民泊で家飲みをさせてもらう予定だったので、まずはコンビニでつまみ・お菓子などの買い出しをしました(ウイスキーは前日の夜、カプセルホテル近くの酒屋で購入済みです)。

こうして準備を整えて、後は船を待つだけという状態になったのですが、実はこの船がちょっと厄介でして。

豊島に住んでいる友人からは元々、「高速船は先着順の乗船で、船内での現金支払いのみだから、早い内に並んでおいた方がいい」と言われていました。しかし、前日に高速船乗り場を一応下見した際に、「出航時間の20分前からチケットを販売します」と書かれていたのです。その時点でもう窓口にはスタッフはいなかったので問い合わせは出来ず、結局どうやって船に乗ればいいのかイマイチよく分からないまま待つことになりました。

犀川後藤

まあ、うどん巡りのルートを何度も作り直した結果、高松港には割と早く着けることになったから問題なかったんだけど

いか

元々は、高松港にギリギリの時間に戻る計画を立ててたから、「船にどう乗るか」は結構重要なポイントだったんだよね

結局、20分前にチケットが販売されまして、そのことを友人に話したら驚いていました。正直、日本人でもイマイチ状況を把握するのが難しいと思うので、外国人ならなおさらでしょう。私が乗った船は実は、豊島の家浦港に着く前に、外国人観光客が押し寄せる直島を経由するので、それもあって「もうちょっと分かりやすくした方がいいよなぁ」と感じました

ちなみに分かりにくいと言えば、「豊島」の読みも難しいですよね。私も、友人が住んでいなかったら、とてもじゃないけど「てしま」とは読めなかったと思います。船のチケットを買う際にも、私の前の人が受付の人に「“とよしま”行きのチケット1枚」と言っていましたが、訂正することもなくチケットを売っていました。頻繁にある間違いなのでしょう。

船着き場はこんな感じです。海の水はとても綺麗だと思いました。

船はこんな感じでした。あらかじめ友人から「小さくてビックリすると思う」と聞いていたので驚きはしませんでしたが、確かに小さな船だなと思います。旅客の定員は70名。外気にさらされる席もあり、気候が良い季節はいいですけど、冬とかメチャクチャ寒そうだよなぁ。

さて、50分ほどで家浦港に着きました

それから、予約したレンタサイクルを受け取りに向かいます。家浦港近くには2ヶ所自転車を借りられる場所があるのですが、港から近い方は予約が出来ません。そして私が豊島に着いた時点で、そこの自転車はすべて貸出中でした。まあ、一度に最大70名が島に来るなら、そうなるのも当然でしょう。ただ私は、「晴れの日は特に、自転車を借りるのは難しいので予約しておく方がいい」という情報を目にしていたので、港からちょっと離れた「NPO豊島PPプロジェクト」でレンタサイクルをあらかじめ予約しておきました。ちなみに、私が自転車を受け取った時には既に、「本日分はすべて予約でいっぱいです」と貼り紙がされていたと思います。

というわけで、豊島に行く際にはレンタサイクルを予約しておくのがオススメです。

犀川後藤

っていうか、電動レンタサイクルがなかったら、ちょっと移動はしんどいと思う

いか

バスはあるけど、豊島のパンフレットに「島民優先です」って書いてあるし、本数も少ないから、観光にはちょっと使いにくいよね

ここからの島内の移動は、特に記載がない限りすべてレンタサイクルです。

【アート】豊島美術館<1570円>

11:46 NPO豊島PPプロジェクト→12:01豊島美術館

これから紹介する豊島のアート作品に関する情報は、「豊島観光ナビ」でご覧いただけます。

それでは、予約必須の豊島美術館から豊島巡りのスタートです。

豊島美術館までの道はかなり急な登り坂で、電動のレンタサイクルでも結構大変という感じでした。途中、歩いている人も結構見かけましたが、恐らく自転車を借りられなかったのでしょう徒歩での移動はかなり大変だと思います。また、非常に天気が良く、道中の海が見える場所はまさに「絶景」という感じです。

豊島美術館ではまず、入場に少し手間取ってしまいました。オンラインでの予約が必須の美術館なので、「オンラインで予約済ならいいだろう」と思って展示の方へ歩き始めたら、どうも紙のチケットへの引き換えが必要だったみたいです。ちなみに「Do you speak English?」みたいに話しかけられましたあまりにも外国人が多いようで、どう見ても日本人だろう私にも英語で話しかけてきたというわけです。

犀川後藤

私が乗った船には、豊島で降りた外国人はいなかったと思うから、もっと早くに来てるんだろうなぁ

いか

「豊島がメインの旅行」みたいな感じなのかもしれないね

紙のチケットを受け取ったら、写真のような順路を進み、そのまま道なりに行くと「唯一の展示室」にたどり着きます内部は写真撮影不可なので、外観の写真を載せておきましょう。

ちなみに内部の写真は、公式サイトでご覧いただけます。

豊島美術館は、この「天井に穴が空いた巨大な白い宇宙船」みたいな展示室しかありません。展示室というか、この巨大な構造物そのものが展示物です。「内部に入ることが出来る展示物」と考えればいいでしょう。内藤礼というアーティストの作品です。

この展示物の内部に入る前のところにスタッフがいるので、鑑賞者は説明を受けてから中に入る形になります。私の前には8組ほど並んでいたのですが、その全員が外国人だったので、自分の順番が回ってきた時に、一応念のため「日本人です」とスタッフに伝えておきました。まあ、「分かってるよ」って感じの反応でしたけど。注意事項としては、「写真撮影禁止」「土足禁止」「音が響くので注意」「床に小皿があるから踏んだりして壊さないように」という感じです。

さて私は元々、豊島美術館には行かないつもりでした。最初は、土日の2日間で「うどん巡り」と「豊島での友人との飲み」を詰め込む予定だったからです。ただその後、やはり金曜も休みにしようと決め、それもあって豊島美術館に行けることになりました。友人からも、「タイミングが合えば美術館も見てほしい」と言われていたので、ちゃんとルートに組み込めて良かったです。

いやホント、メチャクチャ素敵な場所でした。

私は普段から、あまり頻繁にではありませんが、美術展などアート作品に触れられる場所に足を運ぶようにしています。ただやはり、アートを見ても「うーん、よく分からない」と感じてしまうことの方が多いです。私が今まで見た中では、「Chim↑Pom展」が唯一、アート作品を見て凄まじく思考が刺激された経験だと言えます。

犀川後藤

Chim↑Pom展はホント最高だったよなぁ

いか

あまりにも言葉が溢れすぎて、引用を含めた4万字ぐらいの記事を書いちゃったぐらいだもんね

しかし本当に、豊島美術館でこの展示物の内部に入った時、久々に思考がバキバキに刺激されました。というわけで、展示物内部で取った”メモ”を元に、その時に感じたことをバーっと書いてみたいと思います。ちなみに、チケット裏面の注意事項欄に書かれていたのですが(確か、スタッフからの直接の説明の際には言われなかった気がします)、「展示物内部では、インクの出るペンの使用は禁止」です。ご注意下さい。私はボールペンでメモを書いていたらスタッフに注意されてしまいました。そのスタッフが鉛筆を貸してくれようとしたのですが、「大丈夫です」と断り、その後は頭の中で記憶して、出てからバーっとメモしたという感じです。ちなみにその際も、「日本語大丈夫ですか?」と日本語で聞かれました

それでは私が感じたこと、考えたことを書いていきたいと思います。

まず、その外観から私は「洞穴みたいだな」と感じました。そして、天井に2つ空いている穴から光が射し込んでいることも相まって、全体的に「古代の宗教」みたいに感じられたのです。また、内部では皆、立ったり座ったり寝転んだりと思い思いの格好をしていました。ただ、皆が示し合わせたように「天井から射し込む光が床に円を描いている場所」を向いており、しかも皆裸足(私は靴下を履いていなかったので素足)なので、そのような光景もまた「宗教感」を強く抱かせるものに感じられたというわけです。

その「宗教感」は、その場にいる人たちの「一体感」をかなり強めていたと思いますたが、さらにその「一体感」を増す要素がありました。それが「静寂」です。この展示物の内部は本当に音がよく響く構造になっていて、ちょっと咳をするだけでも、残響のように「ゴホンゴホンゴホンゴホン」とその音が残り続けます。そしてそれが分かっているからこそ、誰も喋らないし物音も立てないようにしていたのです。

さらに、そのような空間にいることで、「人類は『言葉』を失ったのだろうか」という奇妙な感覚にも襲われました。ここはまさに「静寂」が支配する空間であり、もっと言えば、「『静寂』という概念そのもの」を空間化した作品とさえ言えのかもしれません。そしてさらに言えば、「『言葉を失った人類』もまた、展示物の1つとしてその空間内部に置かれている」みたいな気分にもさせられるのです。

また、誰一人として喋らない、まるで「言葉」が失われたかのような空間にいることによって、「国境や人種なんか関係ない」みたいな感覚にもなりました。展示物内には多くの外国人もいたわけですが、外国語は聴こえてきません。だからまるで、自分がいる空間が、「崩壊したはずのバベルの塔が再び復元された世界」みたいにも感じられたのです。

いか

この感覚は面白かったよね

犀川後藤

普段なかなか、「そこに人がいるのに、声は聴こえてこない」みたいな空間を経験することってないからなぁ

さらにそのような「静寂」の一端は、「写真撮影禁止」というルールによってももたらされているわけです。「誰も写真を撮らない空間」もまた現代では稀有であり、この空間の特殊さに寄与していると言えるでしょう。

ちなみに、この豊島美術館で働いている友人が興味深い話をしていましたお客さんがいない時間にも、展示物内部ではスタッフ同士会話をしないのだそうです。もちろん、「話し声が大きく反響してしまう」という実際的な問題もあるとは思いますが、やはり「空間そのものが『静寂』を強制するような雰囲気」があるのかもしれないとも感じました。

さて、展示物内部の床には随所に小さな穴が空いており、そこからランダムに水が出る仕組みになっているのですが、それはつまり、床に散逸する「水たまり」の形も毎日変わるということです。また、私が訪れた時は気持ちいいぐらいの快晴でしたが、曇りや雨などの天候の違いによっても、空間の捉え方は大きく異なることになるでしょう。そのような、「二度と同じ状態が再現されることはない」という、変転が必然として内包されている点もまた、この作品の興味深さを引き立てている気がします。

さらに、もっと物理的な話をすれば、「靴を脱いで裸足で入る」ことによる「体感」もまた、この展示が持つ稀有さではないかと感じました。特に私は素足だったので、日陰になっている場所のひんやりした感じや、陽の当たっている場所の温もりなどをダイレクトに感じられたし、そういう「肌でアートを感じる」みたいな感覚は、普段なかなか経験できないので、すごく良かったなと思います。

犀川後藤

全然何も知らなかったから、最初は床の上に散らばる水が「造り物」かと思ったわ

いか

それに、「小さな穴から水が出てる」って仕組みが理解できるまでは、あの水がどこからどう形成されるのかも謎だったよね

またもっとシンプルに、「この構造物の屋根は一体、どんな風に支えられているんだろう」とも感じました。もちろん柱など一本もないので、構造が謎すぎます。恐らく、「型を作ってコンクリートを流し込んだ」のだと思うのですが、構造物そのものの建設方法にも興味が湧く作品と言えるでしょう。

ちなみに、友人の話によると、日本人と外国人とでは、スタッフへの質問のタイプが異なるのだそうです。日本人からは圧倒的に、「雨の日はどうなるんですか?」という質問が多いといいます。一方で外国人は、「この小石や紐にはどんな意味があるのか?」みたいなことを聞いてくるのだそうです。内藤礼は個々の要素の意味付けについて言語化しておらず(本人の頭の中にはあるのかもしれませんが)、だからスタッフは聞かれても、「アーティスト自身がその意味合いを説明していません」みたいな返答をするしかないと言っていました。ちなみに外国人からは、私が抱いたのと同じ「この屋根はどう支えられているのか?」という質問も来るそうです。こちらについても、「分からないから答えようがない」と友人は言っていました。

さて、30分ほど中に留まっていたでしょうか。しばらくして展示室内から出ました。しかしあまりにも素敵な空間だったので、「このチケットがあれば16:30までは再入場出来る」と受付で言われたことを思い出し、しばらく豊島の別の場所を巡った後で、改めて豊島美術館に戻ることにしたのです。正直、「この空間にはずっといられるな」と感じたぐらい、私としてはとても心地が良く、今まで観てきた決して多くはないアート作品の中で、かなり強い印象を残す作品でした。

本当に、行って良かったなと思います。

いか

晴れバージョンを見れたから、雨バージョンも見たくなるよね

犀川後藤

ただ、その友人の友人が雨の日に当たってしまって、鑑賞がちょっと難しかったみたいだから、最初が雨だと「もう一回見たい」とはならないだろうなぁ

【アート】心臓音のアーカイブ<520円> + 【アート】勝者はいない─マルチ・バスケットボール<無料>

12:40豊島美術館→12:50心臓音のアーカイブ 12:52→13:00勝者はいない─マルチ・バスケットボール

さてここからは、島内の様々な場所に配置されているアート作品を自転車で回ることにします。まず、家浦港からは最も遠い場所にある「心臓音のアーカイブ」へ。ここは世界中の人たちの心臓音をアーカイブとして保存している場所で、自身の心臓音を採録してもらうことも可能だそうです(採録にはさらに料金が掛かります)。友人も、「『アーカイブ』はオススメ」と言っていました。

「心臓音のアーカイブ」に向かう途中にあったカーブミラー。よく知りませんが、インスタ映えすると有名な場所なのだそうです。

ただ不幸なことに私は、15~20人ぐらいの団体客が先着していたところにやってきてしまったのです。その人たちを待って鑑賞するとなると大分待つことになると判断し、着いてすぐに離脱しました。ここで鑑賞出来なかったのは残念だったなぁ。予約も可能らしいので、予定している方は予約しておく方が安心かもしれません。

というわけで「勝者はいない─マルチ・バスケットボール」へと向かいます。その途中に「人がいないビーチ」があったので、少し寄ってみることにしました。5月だったのでまだ海水浴とはいかないでしょうが、夏の時期なら泳ぐのにとても良さそうです。豊島には他にもあちこちにビーチがあるようで、豊島はそういう楽しみ方も出来るのだろうと思います。

いか

しかし、泳ぐシーズンじゃないとはいえ、ビーチに誰もいなかったのはちょっと驚きだったよね

犀川後藤

っていうか、「豊島美術館」から「心臓音のアーカイブ」を目指すルートに、ほとんど人がいなかったんだよなぁ

裸足になって、少し水に入ったりもしてみました。海に入るのは久々だったなぁ。

途中にあった鳥居。猫に睨まれている。

というわけで「勝者はいない─マルチ・バスケットボール」に到着しました。ここはバスケットゴールがたくさん設置されている場所で、ボールもあるので実際にシュートも出来ます。5分ほど遊んだところでカップルがやってきたので、彼らに譲る形でこの展示を後にしました。

13:05勝者はいない─マルチ・バスケットボール→13:15豊島美術館

そしてその帰りに、再び豊島美術館に寄ったというわけです。ホント、何度も訪れたくなる場所だなと感じました。

【アート】あなたの最初の色<300円> + 【アート】ささやきの森<無料>

13:30豊島美術館→13:35唐櫃岡集会所

さて、次は「あなたの最初の色」「ささやきの森」なのですが、ここでは「『唐櫃岡集会所』の駐輪場に自転車を停めて徒歩移動するように」と案内があるのでそのようにします。駐輪場から「あなたの最初の色」までは歩いて3分ほどでしょうか。「島キッチン」というレストランも近くにありますが(ここもアート作品の1つとして紹介されています)、そこはスルーしました

犀川後藤

HPに「鑑賞料金:無料 ※飲食代別途」と書かれてるから、中に入るだけってのもアリだったっぽいなぁ

いか

単にレストランだと思ってたから行かなかったんだよね

「あなたの最初の色」は狭い建物の中で映像を観る形の展示で、私が入った時には外国人が3人いました。内部の撮影が禁止されていたかどうかは覚えていないのですが、とにかく写真はありません。どんな展示なのかは以下のサイトでご覧下さい

個人的にはちょっとよく分からない映像で、映像そのものよりも、それを映すスクリーンが設置されている建物内部の方が興味深いと感じました。

あなたの最初の色→ささやきの森(徒歩12分)

それから、「ささやきの森」を目指します。「あなたの最初の色」の近くに分岐の道があり、そこからひたすら登って登って山の奥へと向かっていく感じです。

分岐の道を入ってすぐのところにあった看板。「注意」と言われてもどうしたらいいんでしょうね。

かなり急な坂道を登ったり、舗装されてはいるものの山中の道を歩いたりしてようやく辿り着けます。私の足では12分でしたが、私の移動速度はやはり速いと思うので、普通はもう少し掛かるでしょう。

犀川後藤

登ったり下りたりしてる間にすれ違ったのは、大体「外国人」か「お年寄り」だったなぁ

いか

そもそもほとんど人とすれ違わなかったから、「ささやきの森」は行く人が少ないのかもね

さて、ちょっと見えにくいと思いますが、「ささやきの森」には「人名が書かれたプレート付きの風鈴」がたくさん設置されています。プレートに書かれているのは「誰かにとっての大切な人の名前」であり、5000円払うことで誰でも登録が可能です(「心臓音のアーカイブ」で受け付けています)。

そして本来であればこの作品は、「風に揺られた風鈴が綺麗な音を奏でる」という展示なわけですが、不幸なことに私が訪れた際はまったくの無風。全然風鈴が鳴らないので、良いのかどうか分かりませんでしたが、自分で少し揺らしてみました。たくさんの風鈴が鳴っている感じも聴いてみたかったです。

【アート】空の粒子/唐櫃<無料> + 【アート】海を夢見る人々の場所<無料>

唐櫃岡集会所→空の粒子/唐櫃(3分)

その後は「空の粒子/唐櫃」へと向かいます。これはどこにあるのか(というか、どう行けばいいのか)がよく分からず少し悩みました。「あなたの最初の色」から徒歩で向かうルートも看板で示されていたのですが、「恐らく自転車で『清水前バス停』に向かえばいいだろう」と判断し、そのようにしてみたところ予想通り辿り着けました。

正直なところ、何を感じたらいいのかよく分からない作品でしたが、私はそもそも、アート作品のすべてが理解できるとか、何かを感じられるなどとは考えていないので問題ありません

犀川後藤

「分からない」って感じることも大事だって思ってアート作品を観るようにしてる

いか

自分以外のことなんて大体分からないし、ってか自分のことだってよく分からないしね

そしてそのすぐ横に、「唐櫃の清水」があります。

「空海が掘った」という言い伝えがある、現在も使われている湧き水なのだそうです。

飲み水もあったので飲んでみました。

空の粒子/唐櫃→海を夢見る人々の場所(15分ぐらい?)

さて、この辺りからちょっと記録を疎かにしてしまいましたが、続いて甲生地区と呼ばれる方面へと向かいます。レンタサイクルの返却時間15:30までというリミットがあったので、それまでに家浦港に戻れそうなら甲生地区に行こうと考えていました。そして、何となく想定していたスケジュールよりもかなり時間に余裕があったので、向かってみることに決めます

ちなみに、甲生地区の砂浜に置かれた「海を夢見る人々の場所」というアート作品を見に行ったのですが、現在、その展示の紹介が「豊島観光ナビ」に載ってないんですよね(2024年6月2日時点)。どういうことなんだろう。状況はちょっとよく分かりませんが、屋外の展示なので、「撤去されている」なんてことでもない限り見られるのではないかと思います。

さて、甲生地区へと向かう道に入ってすぐのところに牛がいたのには驚かされました。調べてみると、周辺の島も含めて、「オリーブ牛」というブランド牛を育てているようです。

それからひたすら、だーれもいない道を自転車で爆走しました

自転車で走る道のほとんどから海は見えないのですが、時々拓けた場所があり、綺麗な景色が見れたりします。そして、行きとは違って下り坂で、人もいなけりゃ車も通らないので、自転車で爆走してしまったというわけです。普段あんまりそんな気分にならないのですが、「わぁ~!」と叫びたくなるような清々しさでした。

いか

ホントなんか、メチャクチャ気持ちよかったよね

犀川後藤

あんな爽快さ、都会ではまず味わえないもんなぁ

そんな感じでスイスイ進み、「海を夢見る人々の場所」へと辿り着きました。どうやらベンチを模しているみたいです。実際に、これに座って写真を撮っている老夫婦もいました。

また、大きな石が無造作に積まれた突先みたいな場所で、おじさんが釣りをしていたのも印象に残っています。「そりゃあ釣りぐらいしたくもなるでしょう」ってぐらい綺麗な海で、優雅な時間を過ごしてるなぁと感じました。

【アート】針工場<520円> + 【アート】豊島横尾館<520円>

海を夢見る人々の場所→針工場(10分ぐらい?)

さて、豊島の観光も大詰めです。まずは、レンタサイクルを返す前に「針工場」へと向かいます。

これは、大竹伸朗が手掛けた展示です。ここは名前の通り「メリヤス針の工場」跡地で、その内部には「逆さまの船」が置かれています。そして実はこれ、「宇和島の造船所に30年間放置されていた、一度も使われたことのない船」なのだそうです。

展示に関する説明が中に掲示されているのですが、「コラージュ作家」として知られる大竹伸朗がこれほどシンプルな展示を作った理由について、「偶然、『針工場跡地』と『宇和島に放置されていた船』のサイズがほぼ同じだったから」だと書かれていました。「これほどの“コラージュ”は無いだろう」という発想から、このような「究極的にシンプルな作品」が生まれたのだそうです。

犀川後藤

正直、「船が逆さまに置かれている」って説明がなかったら、「船」って認識出来なかったかもって思った

いか

「逆さまになるとこれほど認識が変わるんだな」ってのも面白かったよね

さて、「針工場」を観終わった時点で、レンタサイクルの返却時間まで10分ぐらい時間がありました。「針工場」近くの案内板に「神社」や「海水浴場」が載っていたので、そこに寄ってから返却することにします。

私が行かなかった方角にも海水浴場があるようで、島だから当然なのかもしれませんが、泳げまくれるみたいです。

あと、豊島にも田園調布がありました

これも展示だったみたいです。

【アート】豊島横尾館<520円>

NPO豊島PPプロジェクト→豊島横尾館(徒歩5分ぐらい?)

さて実際には、レンタサイクルを返却した後で、先に民泊のチェックインに向かったのですが、この記事ではまず「豊島横尾館」について説明したいと思います。

何よりもまず、外観のインパクトが凄まじかったです。ごく普通の民家が立ち並ぶ中に、こんな異様な風体の建物があったら驚くでしょう。まあ、アーティスト・横尾忠則の作品を収蔵している建物だと分かれば、納得感を抱く人も多いかもしれませんけど。

いか

特に、3Dメガネっぽい感じの赤い窓が変すぎたよね

犀川後藤

「3Dメガネ」って、令和でも通じるのかなぁ

中庭からも入口付近を撮影しましたが、やはり真っ赤なガラスが凄まじい印象を残しますよね。

そして、そんな中庭自体もなかなか狂った感じでした(豊島横尾館は概ね写真撮影不可で、中庭とトイレぐらいしか写真がありません)。

配色がなかなかイカれてますよねぇ。

さてこの「豊島横尾館」は、元々民家だった建物を改修しているそうで、入口部分の「倉」作品の多くが展示されている「母屋」、そして個人的に一番好きだった「納屋」の3ヶ所で構成されています。

この建物が「母屋」です

「母屋」内は撮影禁止だったので写真はありませんが、その「母屋」の裏手にある「トイレ」は撮影OKでした

ここには、「撮影用の展示トイレ」と「実際に使用可能なトイレ」が並んでいます。そして折角なので、使用可能なトイレを使ってみました。想像できるでしょうが、メチャクチャ落ち着かなかったです。

さて、写真を撮れなかったのがとても残念なのですが、「納屋」の展示が一番好きでした。「納屋」の一部が「煙突のような円筒形の高い構造物」になっていて、その内部に入れる仕掛けになっています。壁一面に、確か日本全国のダム(か滝)の写真が敷き詰められており、さらに天井と床には鏡のようなものがはめ込まれていました。言葉で説明すればただそれだけの展示なのですが、個人的には「おぉー!」って感じになった素敵な空間で、凄く良かったです。

いか

人が少なかったから、一回出た後で、改めてその煙突みたいなところに入り直したぐらいだもんね

犀川後藤

豊島美術館もそうだったけど、「展示物の内部に入る」っていう体験が好きなのかも

さてこれで、豊島のアート巡りはすべて終了しました。

【民泊】緋田さん家<1泊1人4400円>

それから、その日泊まる「緋田さん家」へと向かいます。(ずっと「ひださん」だと思ってたのですが、「あけださん」と読みます)。先程書いた通り、自転車を返した後で一度チェックインに向かったのですが、その時は不在だったので一旦「豊島横尾館」に行くことにしたというわけです。

さて、豊島には8軒の民泊があるようなのですが、その中でも「立地」「値段」的にベストで、さらに「家飲みをOKしてくれた」こともあって、「緋田さん家」一択という感じでした。つまり、「『緋田さん家』の予約が取れるかどうか」で豊島に行くかどうかが決まるという感じだったのです。宿泊日の20日前から予約可能とのことだったので、日付が変わってすぐに予約しました。ホントに、予約が取れて良かったなぁ。

さて、「緋田さん家」は本当に「じいちゃんばあちゃん家」という感じでした。家飲みをさせていただく予定だったので、使って良い冷蔵庫も尋ねたのですが、緋田さんが日常使いしている冷蔵庫を使わせてもらえるとのことだったので、この点もまた「じいちゃんばあちゃん家感」が強かったと言えます。訪れた際は奥さんが対応してくれたのですが、「ここに◯◯があるから使ってくれたらえぇわ」みたいな感じでフランクに説明してくれました。私は「じいちゃんばあちゃん家」に特段良い印象を持っていないのですが、「緋田さん家」はとても居心地が良かったです。

犀川後藤

3人まで泊まれるんだけど、私は1人だったから、2部屋を1人で使う感じだった

いか

広い部屋だったよねぇ

とても印象的だったのは、部屋のあちこちにQRコードが貼ってあったことです。始め、それが何なのかさっぱり分かりませんでした。「神棚」「トイレ」などと書かれた小さなシールのようなものにQRコードも印刷されているのですが、恐らく「外国人用」なのだろうと思います(結局読み込まなかったのではっきりとは分かりませんが)。「これは何なのか?」と聞かれた際の説明の手間を省くためなのでしょう。QRコードを読み込むと、たぶん英語の説明が出てくるのだと思います。

しかし、豊島の民泊の予約は、「ネットで申し込み、その際に記載した電話番号に民泊側からが電話があってて初めて予約成立」という仕組みなので、外国人は一体どうやって予約するんでしょうね。国際電話になるのかな。でも、緋田さんが英語を喋れるとも思えないし。恐らく、観光協会が間に入ってくれるのでしょうけどね。

さて、待ち合わせの時間は17時だったので、しばらく「緋田さん家」でダラダラしていました。その後友人と、島唯一の商店で落ち合いソーダ水を買ったのですが、残念ながら氷がありません。そこで友人が「家から持ってきます」と言い、ビニール袋に氷を入れて持ってきてくれ、無事家飲みがスタートしました(実はその前に、近くの餃子屋? で少し飲んでいます)。色んな話をしましたが、ここで書ける話としてはまず、「買い出しは高松ではなく岡山に行く」という話が興味深かったです。高松行きの船よりも岡山行きの船の方が船賃が安いようで、野菜などを買う際は岡山に行くとのことでした。10日に1回ぐらいは岡山に出るみたいです。

また、その友人はそれまでほぼ料理をしなかったのですが、豊島で暮らすようになってから自炊を始め、毎日弁当も作っているそうで、その話にも驚きました。人は環境によって大きく変わるものですね。

そんなこんなで、”他人の家”で0時近くまで飲み続け、その後すぐに就寝。そして翌日、7時発の船に乗るために6時頃には起き、朝っぱらからシャワーを浴び、緋田さんを起こすのも申し訳ないので置き手紙を書いて、こっそり船着き場へと向かいました。緋田さんに感謝です。

2024年5月19日(日)

7:00家浦港→7:35高松港<1350円>

さて、どこからどんな風に船に乗るのかちゃんとはイメージ出来ていなかったので、ちょっと早く、6:40頃には港付近に着いていました(ちなみに、この日もやはり筋肉痛が酷かったです。「ささやきの森」に行ったからでしょう)。やはりどこから乗るのか分からずしばしウロウロしたのですが、朝から港にいた地元の男性が「あっちだよー」と教えてくれたのでなんとかなりました。ちなみに、チケットの購入は船内での現金払いのみです。私が乗った時間帯だけかもしれませんが。

行きの船にはお客さんが多く、外の席には座れなかったので写真は撮りませんでしたが、帰りは乗船客が10人以下だったこともあり、ちょっと寒かったですが外の席にしてみました。若干曇っていたのが残念だったし、気持ち良いと感じられるような気候でもありませんでしたが、たまにはこんな風に海を見てみるのもアリだなと思います

いか

漁船も近くにいたりしてね

犀川後藤

あと、正体はよく分からないけど、海上に「黄色っぽく見える霧」みたいなのが浮かんでたのを覚えてる

【うどん店】おうどん 瀬戸晴れ(一般店)

7:45高松築港駅→(ことでん琴平線 一宮行)→7:49瓦町駅 8:04→(ことでん志度線琴電志度行)→8:26八栗駅<390円>

さて、うどん巡りも最終日。まずは「おうどん 瀬戸晴れ」に向かいます。八栗駅から徒歩10分ぐらいなのですが、時間に余裕があると思っており、帰りに使う予定の古高松南駅へのルートをざっくり確かめながら歩いたので、少し到着が遅れました。実はこの判断が間違いだったのですが、それはまた後の話。

ちなみに、「おうどん 瀬戸晴れ」へ向かう途中でなんと、雨がポツリポツリと降り始めました。私は旅行前に天気予報を確認し、「旅行中にまず雨は降らないだろう」と判断したので、折りたたみ傘を持ってこなかったのです。というわけで、どこかで傘を買わなければならなくなりました。やはり何事も、予定通りとはいかないものですね。

8:40着 9:00開店 9:26注文の品が届く 9:33退店 生じょうゆうどん温(中)610円

さて、私が店に到着した時点で並んでいたのは20人ほど。そして、私が並んでから割とすぐに、スタッフが行列の人にメニューを配り始め、さらに並んでいる時点で注文を聞いていくというスタイルでした。これを見ていて私は、「並んでいる人数は結構多いけど、回転は早そうだな」と感じたのです。

犀川後藤

次に古高松南駅9:42発の電車に乗る予定だったから、余裕だと思ってたんだよなぁ

いか

ちょっと想定外だったよね

しかし結局、注文したうどんがやってきたのは9:26。「開店前に注文を聞いていた割には遅いなぁ」という印象です。もちろん色々あるとは思うし、決して責めているわけではないのですが、もう少しシステムに改善の余地がある気がしました

麺は平たくて柔らかめ、味付けは醤油だけなのですが美味しかったです。しかし相変わらず写真は撮り忘れました。無念。

さて、店を出たのが9:33だったので、古高松南駅までの距離を考えると、9:42発の電車にはどう考えても間に合いません。そこで、「100均に寄って傘を買う」ことも考慮した上で、新たにルートを考え直しました

【うどん店】うどん一福(セルフ店)

9:51八栗駅→(ことでん志度線 瓦町行)→10:13瓦町駅 10:19→(ことでん長尾線 高松築港行)→高松築港駅 10:52高松駅→(JR予讃線 多度津行)→11:03端岡駅<670円>

いか

メチャクチャどうでもいい話だけど、電車の中で「高高蹴球部」ってジャージを着た学生を見かけたよね

犀川後藤

「高高って何だろう?」って一瞬思ったけど、恐らく「高松高校」の略なんだろうなぁ

元々の予定では、この日は少なくとも3軒、行ければ4軒うどん店を回るつもりでした。ただ、「おうどん 瀬戸晴れ」で少し予定が狂ったこともあり、次に訪れる「うどん一福」でうどん巡りは終了となります。駅から徒歩10分強といったところです。

11:14着 11:23注文 11:35退店 すだちうどん冷500円 + かけうどん温300円

写真では行列など無いように見えるかもしれませんが、写っているのは実は「出口」で、入口は写真右手奥にあります。そして私が着いた時点では15人ほどが並んでいました。また、この日はとても気温が低かったこともあり、「限定発売」の「すだちうどん冷」があまり出ていなかったように思います。私は「すだちうどん」が気になったのと、これが最後のうどん店であることを踏まえ、「かけうどん温」も一緒に頼み2杯食べました。

とにかく、「すだちうどん」がメチャクチャ美味しかったです。すだちがとてもすっきりしています。麺は冷たいのと温かいのとで大分違い、冷たいのはコシが強く、温かいのは柔らかめでした。個人的には、「すだちうどん」のコシのある麺の方が好きです。ただ外が寒かったこともあり、温かいうどんも頼んで正解でした。

さてその後は、高松駅に戻って駅でお土産を買い、そのまま大阪へと向かいます。そして書店員時代の友人と合流して飲み、新大阪から終電で東京へと戻りました。大阪の友人とは数年ぶりに会いましたが、相変わらず感覚が異常なほど合う人で、とても楽しかったです。

最後に

さて、とてつもなく長い文章を書いたので、恐らく最後まで読んでくれている方はほとんどいないでしょうもしそういう方がいるのであれば大変ありがたいです。旅行自体かなり久々でしたが、うどん巡りも豊島のアート巡りもとても興味深くて凄く良い経験になったし、会いたかった友人とも話せたので、個人的には大満足の旅でした。

私のように、「車を運転しないうどん巡り」をしようと考える人はまずいないでしょう。ただ、頑張って予定を立てれば、車を運転せずとも案外うどん巡りは可能です。なので、私と同じく「死んでも運転したくない」という方がいたら、少しは参考になるのではないかと思います。

というわけで、読んでいただきありがとうございました。ちなみに、この記事の文字数は3万5000字を超えています。長すぎますよね、さすがに。いやー、疲れた!

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