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本・映画の感想ブログ「ルシルナ」の中から、「読んでほしい記事」を一覧にしてまとめました。「ルシルナ」に初めて訪れてくれた方は、まずここから記事を選んでいただくのも良いでしょう。基本的には「オススメの本・映画」しか紹介していませんが、その中でも管理人が「記事内容もオススメ」と判断した記事をセレクトしています。
この記事で取り上げる映画
「ヤクザと憲法」公式HP
この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
今どこで観れるのか?
劇場情報をご覧ください
この記事の3つの要点
- 「ヤクザ」を排除したところで、アンダーグラウンドの世界は無くならない
- ヤクザの存在が、一種の「セーフティーネット」になっている社会にこそ問題がある
- 「ヤクザには『基本的人権』を認める必要はない」という社会の風潮は真っ当か?
分かり合えない者を排除しようとする姿勢では、全員が生きにくい社会が出来上がってしまうだけだと思う
自己紹介記事
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どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
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とんでもない映画だった。何しろ、ヤクザ(東組清勇会)の実際の組事務所にカメラを持ち込んで、彼らの”日常”を撮影しようというのだ。そして、普段なかなか知り得ない「ヤクザ」の世界を通じて、「人間が社会の中で生きていくとはどういうことか?」という、非常に本質的な問いかけがなされていく。
私は本でも映画でもランキングをつけるのが好きではないが、私の中の「どうしても観てほしい映画」のトップ5には残り続ける映画ではないかと思う。それぐらい、凄まじい映画だった。
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私は、「アンダーグラウンドの世界を統べる存在」は必要だと思っているし、そういう「必要悪」としての「ヤクザ」の存在は許容する余地があるのではないか、と考えている。
この意見にはもちろん様々に異論が存在するだろうが、この議論についてはより詳しく、映画『ヤクザと家族』の記事で書いたので、そちらを読んでほしい。
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『ヤクザと憲法』の中で印象的だったのが、次のセリフだ。
何で怖いの? あんたおもろいこと言うなぁ。そんなん怖がってたら生きてられへんで、新世界で。
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これは大阪市西成区にある大衆食堂のおばちゃんの言葉だ。その店に、指定暴力団・清勇会の二代目会長・川口和秀が訪れた際、カメラマンが「怖くないんですか?」と質問した際の返答である。
大衆食堂のおばちゃんは、当然だが、「アンダーグラウンドの住人」ではない。普通の世界で生きる普通の人だ。そしてそんなおばちゃんが、「警察よりもヤクザの方が自分たちを守ってくれる」と発言している。これは非常に示唆的だと私は感じた。
これは決して「警察は無能」という話ではない。しかし警察というのはどうしても、法律や過去の慣習の制約の中でしか動けない。今では違うだろうが、かつては「夫婦間のDV」などは「民事不介入」を理由に対応してくれなかったはずだ。「ストーカー規制法」が制定される以前は、女性が警察にストーカーの被害を訴えても「被害が出てからまた来てください」と言われてしまい、その後で殺されてしまうという事件も起こっていた。
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確かに警察は、公権力として争い事に関われる。しかしそこには、「法が定める範囲内で」という制約がどうしてもきまとう。
では、法律の範囲外、あるいはグレーゾーンのような争い事については、被害者側が我慢するしかないのだろうか?
もちろん、法治国家の原則に則って判断すれば、この問いには「YES」と答えるしかない。正論を言うならば、「法改正を訴えて、法律を変えてください。そうすれば、法律の範囲内で対処できます」となるだろう。
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私はそういう観点から、「アンダーグラウンドの世界を統べる存在」は必要だと思うし、さらに、「義理人情」という大原則を掲げて行動する「ヤクザ」は悪くない選択肢だ、と考えている。
もちろん、『ヤクザと家族』の記事でも書いたが、ヤクザから大きな被害を受けたという一般の人もいるだろうし、絶対に許容したくないという気持ちも分かるつもりだ。私としても、彼らの言動すべてが許容されるべきだなどと考えているわけではない。
さてここで、薬やワクチンについて考えよう。大体の場合、一定の副作用が発生するが、「メリットがデメリットを上回る」という判断のもと承認される。同じような理屈で、ヤクザも「メリットがデメリットを上回る」存在と言っていいのではないか、と考えているというわけだ。
もちろん私としても、ヤクザという存在を手放しで称賛しているわけではないし、この『ヤクザと憲法』という映画を観ていてもやはり、許容し難い部分が多々映し出される。しかし、「100%安全なもの/キレイなもの」だけで社会を構築していくことは不可能だし、「悪い部分がある」からといって、すべてを否定するのは間違いだろう。
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私たちだって、必ずやどこか「悪い部分」を抱えているのだから。
「ヤクザ=悪」という分かりやすいイメージで捉えているだけでは見えないものが、この映画には詰まっていると思う。やはり出来るだけ関わりたくない存在だからこそ、映画という形でその実態に触れてみる価値はあるだろう。
撮影のルールと、映し出される者たちについて
この映画は、ドキュメンタリーの撮影で高い定評のある東海テレビが作成している。彼らは、「指定暴力団 二代目清勇会事務所」「指定暴力団 二代目東組本家」の2箇所に主にカメラを張り付かせ、「ヤクザの日常」を切り取っていく。
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撮影に際しては、以下の条件を提示した。
- 謝礼金の支払いは無し
- モザイクは原則かけない
- 事前にテープのチェックをさせない
そして清勇会も東組本家も、この条件を呑んでカメラを受け入れた。そういう意味でこの映画は、かなりヤクザの現実を切り取ったものになっていると言えるだろう。
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当然、撮影中に「カメラを止めろ」と言われる場面もあるし、また普通に考えれば、「撮られているから自制していること」もあるはずである。しかしそれは、どんなドキュメンタリーでも同じだ。「そこにカメラがある」ということが、対象者にとっての「非日常」になるのだから、完全な日常を撮ることなどできない。
しかしそれでも、「もしかしてこれ、覚醒剤を販売している場面なのでは……」と感じさせるような映像もあり(もちろん、一切の説明はされなかったので真偽は分からないが)、普通にはまず味わえない「リアル」を体感できる映画だと思う。
この映画で中心的に映し出される人物は3名いる。
- 川口和秀氏(61歳 清勇会会長)
- 松山尚人氏(21歳 部屋住み)
- 河野裕之氏(49歳 いち組員)
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会長の川口和秀はそこまで多く登場するわけではないが、やはり圧倒的な存在感がある。彼は殺人教唆などの罪で22年間も刑務所にいたのだが、逮捕のきっかけとなった通称「キャッツアイ事件」は、「暴力団対策法」制定のきっかけになった事件とも言われているようだ。個人的には、彼が歩く後についてカメラが「飛田新地」に入っていったのには驚かされた。
松山尚人は、20歳になってすぐに清勇会にやってきた。今はとにかく、ひたすら雑用をこなしている。特に掃除を徹底して行っているが、その理由について、「組事務所は聖域だと思っているからだ」と語っていた。時に滅法怒られるのだが、組員が「親のような気持ちで接している」と語る場面があり、まさに「義理人情の世界」を感じさせる。
松山尚人が清勇会の門を叩いたのは、ある対談を読んだことがきっかけだった。彼は元々宮崎学のファンであり、組事務所に来た際に唯一自宅から持ってきたものが、宮崎学の著作『突破者』だけだったというほどである。そんな宮崎学が雑誌で対談していた相手が川口和秀であり、それで清勇会に来ることに決めたのだそうだ。人生のきっかけはどこにあるか分からないものだと思う。ちなみに彼は、1年も経たない内に清勇会を逃げ出してしまい、その後21歳の若さで「コンビニ強盗未遂」で逮捕されている。逃げ出した理由は分からないが、個人的には、それならヤクザにならなければ良かったのにと感じてしまった。
河野裕之の話は、ヤクザという存在の別の一面を改めて実感させてくれるものだ。子ども時代は極貧、働きに出た先が倒産とまったく上手く行かない人生の中で、食事や家、風呂の世話をしてくれたのが今の兄貴だったそうである。
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「暴力団に入ることに抵抗はなかったですか?」という問いに、彼は
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と返す。世間は自分を助けてはくれなかったが、暴力団は助けてくれた。だから世間にどう思われようとも自分はここにいるのだ、と語る河野裕之の言葉を否定するのは難しい。女性にとって風俗店がある種のセーフティーネットになってしまっているのと同じように、ヤクザもある意味で社会のセーフティーネットとして機能してしまっている、というわけだ。
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このような機能を社会が担えない以上、ヤクザという存在に価値を見出す人間は決してゼロにはならないだろう。
「だったらヤクザを辞めればいい、って話が絶対に出てくると思うんですが」
「どこで受け入れてくれるん?」
「ヤクザだった」という理由で、誰からも受け入れられない社会では、辞めたくても辞められなくなる。それでは結局、悪い循環しか生み出せないままだ。
ヤクザがいなくなっても、それまでヤクザが担ってきた機能に対する需要は残ったままだし、需要があるならば、ヤクザではない別の存在がその空白にハマるに過ぎない。その空白に「公的制度」や「社会の理解」などを当て込むことができないのであれば、「ヤクザが担っていた機能」そのものを排除する、あるいは代替することは不可能だろう。
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繰り返すが、別に殊更にヤクザを擁護しようというつもりはない。しかし、物事をより本質的な視点で捉えなければ、良かれと思ってした行動が結果的に状況を悪化させる事態を引き起こしかねないだろう。「ヤクザが担っていた機能」が不要な社会を作る、あるいはその機能を公権力が代替する、というような方向に進まなければ、「ヤクザ」という表の看板だけが変わるだけで終わってしまう。
そのことに、本当に意味などあるのだろうか? そんな風に考えさせられた。
山口組の顧問弁護士・山之内幸夫
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焦点が当てられるのは、「『ヤクザには基本的人権など存在しない』という風潮」である。冒頭で紹介した『ヤクザと家族』も、まさにこの観点から作られている映画だ。
全国の自治体で「暴力団排除条例」が制定されたことで、ヤクザを辞めてからも5年間は「暴力団関係者」とみなされてしまう。そしてその間、自分の名義で銀行口座を開設したり、家を借りたりすることができないのだ。またヤクザを辞めた者の家族さえ、保育園の入園を断られたり、生命保険に加入できなかったりしてしまう。
これらは、”ヤクザを辞めた者”の話だ。当然、ヤクザに対してはより厳しい対応になっているだろう。映画の中であるヤクザは、
ヤクザのこと、認めん言うことやろ。
本当に認めんのやったら、みんななくしたらいい。選挙権もなくしたらいい。
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と語っていた。ヤクザがダメだと言うなら、「社会的に」ではなく「法的に」すべての権利を取り上げればいいじゃないかと突きつけるのだ。
そして、このような状況について、山之内幸夫は、次のように話していた。
人間としての基本的な権利を無視するような圧力が存在する世の中は、怖い社会だと思います
私も、同じように感じてしまう。
日本国憲法では、「法の下の平等」を掲げている。これは、人種・性別・信条などによって差別を受けてはいけない、というものだ。犯罪行為をした者であれば、ヤクザであろうがなかろうが法が定める罰を受けるべきだが、そうでないなら「生きるための基本的な人権」については保障されるべきだろう。
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しかし現状では、ヤクザやヤクザを辞めた直後の者は「基本的人権」を持てない存在となってしまっている。私たちの社会は、それを直接間接に容認しているというわけだ。「ヤクザは怖い存在だから、人権なんか認める必要はない」という風潮が、このような現状を生んでいると言っていいだろう。
そしてこの映画は、「それでいいのか?」と問うているわけだ。
山之内幸夫は、山口組5代目若頭・宅見勝と出会ったことで運命が変わった。宅見勝から、山口組の顧問弁護士を引き受けてもらえないかと打診されたからだ。
その時の心境をこう語っている。
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一ヶ月ぐらい悩みましたよね。
一番は、人がどう見るか。悪い弁護士だという風に見るんだろうな、と。僕はいいんですけど、家族が、妻と子供が辛い思いをするんじゃないかと。そこが一番悩みました
それでも、「ヤクザの世界への興味」に負けたという彼は、顧問弁護士を引き受けた。そんな山之内幸夫の「顛末」を通じても、社会の風潮を感じることができる。
ここでは、その「顛末」には触れずにおこう。私の感触を書いておくと、「なるほど、なりふり構わずなんだな」である。この映画で描かれるような「顛末」は、結果として、社会をより悪い方向に進ませてしまうのではないかと思う。
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彼自身、
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「正しい」と主張するためには「正しさの基準」が必要だが、それでも「規制されていないことなら何でもしていいのか」は問題になる。3枚の立て看板というアナログなツールを使って現代のネット社会の現実をあぶり出す映画『スリー・ビルボード』から、「『正しさ』の難しさ」を考える
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日本の「戦国時代」さながらの内戦状態にあるソマリア共和国内部に、十数年に渡り奇跡のように平和を維持している”未承認国家”が存在する。辺境作家・高野秀行の『謎の独立国家ソマリランド』から、「ソマリランド」の理解が難しい理由と、「奇跡のような民主主義」を知る
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【不正義】正しく行使されない権力こそ真の”悪”である。我々はその現実にどう立ち向かうべきだろうか:…
権力を持つ者のタガが外れてしまえば、市民は為す術がない。そんな状況に置かれた時、私たちにはどんな選択肢があるだろうか?白人警官が黒人を脅して殺害した、50年前の実際の事件をモチーフにした映画『デトロイト』から、「権力による不正義」の恐ろしさを知る
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「心地いい情報」だけに浸り、「知るべきことを知らなくても恥ずかしくない世の中」を生きてしまっている私たちは、世界で何が起こっているのかあまりに知らない。「光州事件」を描く映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』から、世界の見方を考える
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【おすすめ】濱口竜介監督の映画『親密さ』は、「映像」よりも「言葉」が前面に来る衝撃の4時間だった
専門学校の卒業制作として濱口竜介が撮った映画『親密さ』は、2時間10分の劇中劇を組み込んだ意欲作。「映像」でありながら「言葉の力」が前面に押し出される作品で、映画や劇中劇の随所で放たれる「言葉」に圧倒される。4時間と非常に長いが、観て良かった
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【傑作】濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』(原作:村上春樹)は「自然な不自然さ」が見事な作品
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現在では、人工知能を始め、我々の生活を便利にする様々なものに使われている「ベイズ推定」だが、その基本となるアイデアが生まれてから200年近く、科学の世界では毛嫌いされてきた。『異端の統計学ベイズ』は、そんな「ベイズ推定」の歴史を紐解く大興奮の1冊だ
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どんな理由があれ、法を犯した者は罰せられるべきだと思っている。しかしそれは、善悪の判断とは関係ない。映画『万引き家族』(是枝裕和監督)から、「国民の気分」によって「善悪」が決まる社会の是非と、「善悪の判断を保留する勇気」を持つ生き方について考える
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【矛盾】死刑囚を「教誨師」視点で描く映画。理解が及ばない”死刑という現実”が突きつけられる
先進国では数少なくなった「死刑存置国」である日本。社会が人間の命を奪うことを許容する制度は、果たして矛盾なく存在し得るのだろうか?死刑確定囚と対話する教誨師を主人公に、死刑制度の実状をあぶり出す映画『教誨師』から、死刑という現実を理解する
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たった30年前の韓国で、これほど恐ろしい出来事が起こっていたとは。「正義の実現」のために苛烈な「スパイ狩り」を行う秘密警察の横暴をきっかけに民主化運動が激化し、独裁政権が打倒された史実を描く『1987、ある闘いの真実』から、「正義」について考える
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「障害者だから◯◯だ」という決まりきった捉え方をどうしてもしてしまいがちですが、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の主人公・鹿野靖明の生き様を知れば、少しは考え方が変わるかもしれません。筋ジストロフィーのまま病院・家族から離れて“自活”する決断をした驚異の人生
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【感涙】衆議院議員・小川淳也の選挙戦に密着する映画から、「誠実さ」と「民主主義のあり方」を考える…
『衆議院議員・小川淳也が小選挙区で平井卓也と争う選挙戦を捉えた映画『香川1区』は、政治家とは思えない「誠実さ」を放つ”異端の議員”が、理想とする民主主義の実現のために徒手空拳で闘う様を描く。選挙のドキュメンタリー映画でこれほど号泣するとは自分でも信じられない
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「朝三暮四」の故事成語を意識した「サル化」というキーワードは、現代性を映し出す「愚かさ」を象徴していると思う。内田樹『サル化する世界』から、日本の教育・政治の現状及び問題点をシンプルに把握し、現代社会を捉えるための新しい視点や価値観を学ぶ
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金正男が暗殺された事件は、世界中で驚きをもって報じられた。その実行犯である2人の女性は、「有名にならないか?」と声を掛けられて暗殺者に仕立て上げられてしまった普通の人だ。映画『わたしは金正男を殺していない』から、危険と隣り合わせの現状を知る
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プラスチックごみによる海洋汚染は、我々の想像を遥かに超えている。そしてその現実は、「我々は日常的にマイクロプラスチックを摂取している」という問題にも繋がっている。映画『プラスチックの海』から、現代文明が引き起こしている環境破壊の現実を知る
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私には、「謝罪すること」が「誠実」だという感覚がない。むしろ映画『AGANAI 地下鉄サリン事件と私』では、「謝罪しない誠実さ」が描かれる。被害者側と加害者側の対話から、「謝罪」「贖罪」の意味と、信じているものを諦めさせることの難しさについて書く
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死にゆく母を眺め、施設で暴力を振るわれ、拾った新聞で文字を覚えたという壮絶な過去を持つ鳥居。『セーラー服の歌人 鳥居』は、そんな辛い境遇を背景に、辛さに震えているだろう誰かを救うために短歌を生み出し続ける生き方を描き出す。凄い人がいるものだ
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ルシルナ
国家・政治・制度・地方【本・映画の感想】 | ルシルナ
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