目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:ワアド・アルカティーブ, 出演:サマ・アルカティーブ, 出演:ハムザ・アルカティーブ, 監督:ワアド・アルカティーブ, 監督:エドワード・ワッツ
¥2,000 (2021/06/05 19:15時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 革命のリーダー・ハムザと、戦場を記録し続けるワアド、そしてその娘サマ
- 爆撃の続く街に「無抵抗のまま普通に生活する」という革命
- 自分だったら正義のために命を投げ出せるだろうか、と考えてしまう
情報を「選ぶ」時代に、「知らなかった」で済ませてしまうのは、たぶんとても恥ずかしいことだ
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本でも映画でも、「これまでのベストは?」みたいに聞かれることは得意じゃない。自分がどういう状態でその作品に触れたのかなどによって受け取り方が大きく変わるので、「作品そのものを純粋に客観的に判断してランク付けする」ことなんてできない。また、「そんな客観性はいいから、あなたのベストが知りたいんだ」ということだとしても、そう聞かれた時の気分でもまた、答えは変わるだろう。
だから、基本的にはそういう質問には答えないし、自分でも、ランキングや星の数で作品を評価したりはしない。
ただ、この映画は正直、これまで見た中でダントツの作品だと感じた。これ以上の映画がこれから生まれ得るんだろうか、と考えてしまうほど衝撃を受けた。
そんな状況に人間が置かれてしまうことなどあるのかと嘆息するような、とてもドキュメンタリーだとは思えない世界に、観ている間、何度も頭を殴られたような衝撃を受けた。
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「娘を産んだことを後悔している」と言わざるを得ない状況にいる母親
この映画を撮影しているのは、一児の母だ。そして彼女は、映画の中でこう話す。
今はあなたを産んで後悔している。
パパと会ったことも。
実家から出たことも悔やんだ
もちろん、本心ではない。彼女にとって娘は最愛の存在だ。映画を観れば、彼女がどれほど娘を愛しているのか伝わる。
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しかし、そんな娘を産んだことを「後悔」していると彼女は言う。
まあ、無理もない。自らの意思で残っているとはいえ、いつ爆撃で命を落としてもおかしくない場所で生活をしているのだから。
彼女は、娘のために映画を撮る。
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サマ、これはあなたのために撮った。
父と母がした選択を、
そして、私たちがなんのために戦ったのかを伝えるために
この映画は、人生を賭けた壮大なラブレターでもあるのだ。
本作『娘は戦場で生まれた』は、母・ワアドと父・ハムザの壮絶な決意から生まれた
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最愛の娘・サマの両親であるワアドとハムザは、ワアドがアレッポ大学の学生だった頃に出会った。
2012年、ワアドが4年生の時に民衆が蜂起した。シリアという国家は、アサド政権が独裁を敷いたことで、腐敗と不正と抑圧に沈んでいた。その現状に対抗しようとデモ活動が活発化する。ワアドは元々ジャーナリストに憧れており、スマホで身の回りの様子を撮影し始める。
ワアドは、医師で活動家でもある親友・ハムザに密着しながら、シリアの現状を撮影することに決める。デモを主導する者たちは、勝利を疑わなかった。しかし予想に反し、政権は強硬に抵抗する。内戦は悪化の一途を辿り、ハムザは革命のために残るか、奥さんと共に逃げるかという決断を強いられることになった。
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そう、ハムザは当時、結婚していたのだ。
ハムザは、革命を選び、妻とは別れた。彼は東アレッポに残り、学校や病院がまったく機能していない環境で、どうにか診療所の運営を始める。ワアドも革命のために残り、東アレッポの現実を撮影し続けた。
革命のリーダーと、現状を世界に発信するジャーナリストは、結婚した。そして、妊娠が判明する。二人は、アラビア語で「空」を意味する「サマ」という名前をつけた。空軍も爆弾も存在しない、雲だけが広がる青い「空」が再び戻ることを祈って。
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彼らはそれぞれの方法で、シリアの現実を世界に訴えた。
ハムザはニュースで何度も話した。
私の写真は、数千万人の人の目に触れた。
それでも、誰も政権を止めない。
味方は私たちだけ
彼らは何故、日々爆撃に見舞われるアレッポに残ったのか?
ハムザたちは、あちこちの建物が倒壊し、日々爆撃に見舞われる東アレッポに残った。何故だか分かるだろうか? 彼らは、武器を携行していない。政権軍と戦闘を行うために最前線にいる、というわけではないのだ。
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その答えはこうである。
ここで普通に生活することが、政権への抵抗だ
そう、彼らは、「ただそこで生活をし続ける」ことに、革命を見出している。
アレッポは、政権反対派が多く住む地域だ。だから、ここの住民が爆撃から逃げず、それまでと変わらない生活をそのまま続けることが、政権に対する明確なメッセージとなる。
武器を使うだけが革命ではない。彼らは、ひたすら耐えることによって主張する。
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爆撃によって多くの人が死傷する。塩素ガスに苦しめられる。しかしそれでも、彼らは武力を使わず、ただただ当たり前の生活を維持することによって、ひたすらに耐えることによって政権へ「NO」を突きつけるのだ。
革命家から母親になったワアドが過ごす壮絶すぎる日々
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その運命は、想像しきれないほど過酷だ。
これが僕らの道だ。
長い道で、危険と恐怖が待っている。
でも、最後に自由が待っている。
行こう。一緒に歩こう
結婚式でハムザがワアドに贈った言葉だ。彼らには、アレッポから退避するという選択肢はない。革命への意思は強靭だ。
しかしだからといって、生まれたばかりの赤ちゃんと共に爆撃の激しい地区に残り続けるという選択は、容易なはずがない。
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映画の中でワアドは、繰り返し不安を口にする。当然だろう。しかし彼女は、生まれたばかり娘を置いて、アレッポの街を撮影しに出かける。
母親として可能な限りの愛情は注ぐ。しかし同時に、この現実を記録できるのは自分しかいないという使命感にも駆られている。
まったく凄いもんだ。
フィクションとしか思えない、まるでお膳立てされたかのようなワアドとハムザの関係にも衝撃を受けた。元々は親友だった。ハムザには妻がいた。しかし、革命のためにハムザは最初の妻と別れた。ハムザは革命のリーダー。そしてワアドはアレッポの現実を伝えるジャーナリスト。そんな、まさに革命の中心にいる二人が、爆撃の止まない街で結婚し、その街で娘を産む。
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フィクションだってなかなかこんな都合の良い設定は作れないだろう、と感じてしまうほど、出来すぎた関係だ。
彼らは、戦場に残るという決断をするまでに、無数の選択肢を通り抜けてきた。その結果こそが、この作品だ。だからこそ、普通にはありえないほどの強靭さが付与され、そのお陰で、より強いメッセージを内包する物語として世界中に配信されているのだと思う。
「娘を連れて戦場に戻る」という信じがたい選択
ワアドとハムザは、一度アレッポを出てトルコに入国したことがある。ハムザの両親に娘を会わせるためだ。
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しかし戻ろうとした彼らは、アレッポに通ずる道がほぼすべて封鎖されていることに気づく。安全にアレッポに戻れるルートはない(そもそもアレッポが安全ではないわけだが)。
さて彼らはどうしたか。
なんと、前線ギリギリの危険地帯を娘とともに通り抜け、無理やりアレッポまで戻ったのだ。
誰も理解しなかった。
ハムザの両親は、サマだけでも残すように言った。
両親が正しいのは分かっていた。
でも、心はあなたを離せなかった。
私たちにも分からない。
今もあの行動が信じられない
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まったく、凄いものだ。彼らの行動が正解かどうかは何とも言えないが、凄い行動だということは分かる。
ワアドはハムザにカメラを向けながら、「何故戻るの?」と聞く。彼女は当然、不安や迷いを感じていただろうが、その時は何よりも、夫の意思を確認したかったのではないかと思う。
僕たちは5年も戦ってきた。
抑圧に対する正義のために。
ここでは、一人ひとりが大事な役割を担っているんだ。
この娘にも、大事な役割があるんだぞ
彼らのような勇気はなかなか持つことができないだろう。
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あまりに酷い戦場にはしかし、笑顔が溢れている
不思議なことに、この映画は笑顔に満ちている。
それは、彼らの強い意思の現れなのだと思う。
街が突然戦場と化せば、悲壮な顔が溢れることになるだろう。しかしアレッポの住民は、自らの意思でここにいる。明日死んでしまうかもしれないと分かっていながら、それでも、自分がここで生活することで何かが変わるという信念と共に残っている。
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だから、笑えるのだと思う。
ワアドは、親友一家をよく撮影する。両親と3人の子どもが残っている。驚いたことに、この一家がアレッポに残っているのは子どもの意思だという。恐らく長男のはずだが、「家族全員アレッポからいなくなっても、自分はここに残る」と言っていた。そんな子どもの意思を尊重して、全員で残っているのだ。
アレッポの街での生活は、当たり前のように悲惨だ。なにせ、日々爆撃がある。また、それまでは外部との出入りが可能だったが、包囲攻撃がなされるようになってからは物資も不足していく。それでも彼らは、笑顔を絶やさない。
この映画の何もかもが、本当に凄いと感じさせられる。
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我々はこのような現実にも目を向けなければならない
他の住民と共に、自らの命を賭してアレッポの街に残るワアドは、普通のジャーナリストなら撮れないかもしれないものにもカメラを向ける。撮る側と撮られる側が同志だからこそ、そこにタブーはない。血まみれの床、腕の折れた少年、家族を失った子ども、帝王切開で引き出された灰色の胎児……。彼女はあらゆるものを記録する。
こういう現実があることから目を背けてはいけない。そんな風に突きつけられているように感じられた。
現代は、情報を「選ぶ」時代だ。様々なフィルタリング機能によって、「ほしい情報」だけを手に入れられるようになっている。便利だ。しかし、そんな世の中であればあるほど、戦場の現実は多くの人に届かなくなるだろう。「ほしい情報」ではないからだ。
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そして私たちは、「知らなかった」で便利に済ませる。本当は、自ら積極的に情報を取りに行かなかっただけなのに、あたかも、情報が入ってこなかったから仕方ないとでもいうような態度でスルーしてしまえる。
気をつけないと、誰もが当たり前のようにこんな振る舞いをしてしまうことだろう。
世の中のすべてを知ることはできない。全部を把握するのは無理だ。しかし、多くの人が「知る」ことで、現実が大きく動く状況も多く存在する。戦争は、まさにその一つだろう。
「知る」ためには、関心を持つしかない。
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よほど金があるとか、よほど行動力があるとかでもない限り、基本的に人間は無力だ。多少の人数が雁首をそろえたって、大したことはできやしない。しかし、「知ること」の力は、結構大きい。多くの人が知って関心を持つことが、状況を動かしていくことは大いにある。
普通の子のように泣かない。
それが私には辛い
サマは、爆撃の衝撃音が響く中でも、声を上げて泣くことはない。
そんな現実から、目を背けないでおこう。
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出演:ワアド・アルカティーブ, 出演:サマ・アルカティーブ, 出演:ハムザ・アルカティーブ, 監督:ワアド・アルカティーブ, 監督:エドワード・ワッツ
¥1,500 (2022/02/03 23:19時点 | Amazon調べ)
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しかし、映画作りは、ワアドを苦しめた。公式HPには、こう書かれている。
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映画を作ることは、アレッポでの数年間と同じくらい大変でした。すべてを何度も追体験しなければならなかったのです。
「娘は戦場で生まれた」公式HP
しかし先述した通り、ワアドは娘のためにこの映画を完成させる。
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映画の中でも、力強くこう語っていた。
時間を巻き戻せても、私は同じことをする。
心の傷が癒えなくても、何も後悔しない
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あまりに陳腐だが、こういう表現にならざるを得ない。あまりに奇跡的な作品だ、と。こんな映画、二度と出てこないんじゃないかと思ってしまう。
彼女たちの凄まじい現実を知るために。そして、「世界を知る」という関心の扉を開くために。この映画は、可能な限り多くの人の目に触れるべきだと思う。
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【斬新】フィクション?ドキュメンタリー?驚きの手法で撮られた、現実と虚構が入り混じる映画:『最悪…
映画『最悪な子どもたち』は、最後まで観てもフィクションなのかドキュメンタリーなのか確信が持てなかった、普段なかなか抱くことのない感覚がもたらされる作品だった。「演技未経験」の少年少女を集めての撮影はかなり実験的に感じられたし、「分からないこと」に惹かれる作品と言えるいだろうと思う
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【驚愕】映画『リアリティ』の衝撃。FBIによる、機密情報をリークした女性の尋問音源を完全再現(リアリ…
映画『リアリティ』は、恐らく過去類を見ないだろう構成の作品だ。なんと、「FBI捜査官が録音していた実際の音声データのやり取りを一言一句完全に再現した映画」なのである。「第2のスノーデン」とも評される”普通の女性”は、一体何故、国家に反旗を翻す”反逆者”になったのだろうか?
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【無謀】映画『ビヨンド・ユートピア 脱北』は、脱北ルートに撮影隊が同行する衝撃のドキュメンタリー
北朝鮮からの脱北者に同行し撮影を行う衝撃のドキュメンタリー映画『ビヨンド・ユートピア 脱北』は、再現映像を一切使用していない衝撃的な作品だ。危険と隣り合わせの脱北の道程にカメラもついて回り、北朝鮮の厳しい現状と共に、脱北者が置かれた凄まじい状況を映し出す内容に驚かされてしまった
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【衝撃】映画『JFK/新証言』(オリヴァー・ストーン)が描く、ケネディ暗殺の”知られざる陰謀”
映画『JFK/新証言』は、「非公開とされてきた『ケネディ暗殺に関する資料』が公開されたことで明らかになった様々な事実を基に、ケネディ暗殺事件の違和感を積み上げていく作品だ。「明確な証拠によって仮説を検証していく」というスタイルが明快であり、信頼度の高い調査と言えるのではないかと思う
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【脅迫】原発という巨大権力と闘ったモーリーン・カーニーをイザベル・ユペールが熱演する映画『私はモ…
実話を基にした映画『私はモーリーン・カーニー』は、前半の流れからはちょっと想像もつかないような展開を見せる物語だ。原発企業で従業員の雇用を守る労働組合の代表を務める主人公が、巨大権力に立ち向かった挙げ句に自宅で襲撃されてしまうという物語から、「良き被害者」という捉え方の”狂気”が浮かび上がる
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【抵抗】映画『熊は、いない』は、映画製作を禁じられた映画監督ジャファル・パナヒの執念の結晶だ
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【痛快】精神病院の隔離室から脱した、善悪の判断基準を持たない狂気の超能力者が大暴れする映画:『モ…
モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』は、「10年以上拘束され続けた精神病院から脱走したアジア系女性が、特殊能力を使って大暴れする」というムチャクチャな設定の物語なのだが、全編に通底する「『善悪の判断基準』が歪んでいる」という要素がとても見事で、意味不明なのに最後まで惹きつけられてしまった
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【絶望】安倍首相へのヤジが”排除”された衝撃の事件から、日本の民主主義の危機を考える:映画『ヤジと…
映画『ヤジと民主主義 劇場拡大版』が映し出すのは、「政治家にヤジを飛ばしただけで国家権力に制止させられた個人」を巡る凄まじい現実だ。「表現の自由」を威圧的に抑えつけようとする国家の横暴は、まさに「民主主義」の危機を象徴していると言えるだろう。全国民が知るべき、とんでもない事件である
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【絶望】杉咲花主演映画『市子』の衝撃。毎日がしんどい「どん底の人生」を生き延びるための壮絶な決断…
映画『市子』はまず何よりも主演を務めた杉咲花に圧倒させられる作品だ。そしてその上で、主人公・川辺市子を巡る物語にあれこれと考えさせられてしまった。「川辺市子」は決してフィクショナルな存在ではなく、現実に存在し得る。本作は、そのような存在をリアルに想像するきっかけにもなるだろう
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【感想】映画『キリエのうた』(岩井俊二)はアイナ・ジ・エンドに圧倒されっ放しの3時間だった(出演:…
映画『キリエのうた』(岩井俊二監督)では、とにかくアイナ・ジ・エンドに圧倒されてしまった。歌声はもちろんのことながら、ただそこにいるだけで場を支配するような存在感も凄まじい。全編に渡り「『仕方ないこと』はどうしようもなく起こるんだ」というメッセージに溢れた、とても力強い作品だ
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【現実】我々が食べてる魚は奴隷船が獲ったもの?映画『ゴースト・フリート』が描く驚くべき漁業の問題
私たちは、「奴隷」が獲った魚を食べているのかもしれない。映画『ゴースト・フリート』が描くのは、「拉致され、数十年も遠洋船上に隔離されながら漁をさせられている奴隷」の存在だ。本作は、その信じがたい現実に挑む女性活動家を追うドキュメンタリー映画であり、まさに世界が関心を持つべき問題だと思う
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【衝撃】ウクライナでのホロコーストを描く映画『バビ・ヤール』は、集めた素材映像が凄まじすぎる
ソ連生まれウクライナ育ちの映画監督セルゲイ・ロズニツァが、「過去映像」を繋ぎ合わせる形で作り上げた映画『バビ・ヤール』は、「単一のホロコーストで最大の犠牲者を出した」として知られる「バビ・ヤール大虐殺」を描き出す。ウクライナ市民も加担した、そのあまりに悲惨な歴史の真実とは?
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【衝撃】映画『誰がハマーショルドを殺したか』は、予想外すぎる着地を見せる普通じゃないドキュメンタリー
国連事務総長だったハマーショルドが乗ったチャーター機が不審な墜落を遂げた事件を、ドキュメンタリー映画監督マッツ・ブリュガーが追う映画『誰がハマーショルドを殺したか』は、予想もつかない衝撃の展開を見せる作品だ。全世界を揺るがしかねない驚きの”真実”とは?
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【狂気】映画『ニューオーダー』の衝撃。法という秩序を混沌で駆逐する”悪”に圧倒されっ放しの86分
映画『ニューオーダー』は、理解不能でノンストップな展開に誘われる問題作だ。「貧富の差」や「法の支配」など「現実に存在する秩序」がひっくり返され、対極に振り切った「新秩序」に乗っ取られた世界をリアルに描き出すことで、私たちが今進んでいる道筋に警鐘を鳴らす作品になっている
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【狂気】入管の収容所を隠し撮りした映画『牛久』は、日本の難民受け入れ問題を抉るドキュメンタリー
映画『牛久』は、記録装置の持ち込みが一切禁じられている入管の収容施設に無許可でカメラを持ち込み、そこに収容されている難民申請者の声を隠し撮りした映像で構成された作品だ。日本という国家が、国際標準と照らしていかに酷い振る舞いをしているのかが理解できる衝撃作である
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実際に起こった連続殺人事件を基にした映画『グッド・ナース』は、「何が描かれているのか分からない」という不穏さがずっと付きまとう異様な作品だった。「事件そのもの」ではなく、ある2人の人物に焦点が当てられる展開から、人間のあまりに深淵な狂気と葛藤が抉り出されている
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弁護士であり、登録者数640万人を超えるYouTuberでもあるアレクセイ・ナワリヌイは、プーチンに対抗して大統領選挙に出馬しようとしたせいで暗殺されかかった。その実行犯を特定する調査をベリングキャットと共に行った記録映画『ナワリヌイ』は、現実とは思えないあまりの衝撃に満ちている
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【抵抗】若者よ、映画『これは君の闘争だ』を見ろ!学校閉鎖に反対する学生運動がブラジルの闇を照らす
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【驚愕】本屋大賞受賞作『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬)は凄まじい。戦場は人間を”怪物”にする
デビュー作で本屋大賞を受賞した『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬)は、デビュー作であることを抜きにしても凄まじすぎる、規格外の小説だった。ソ連に実在した「女性狙撃兵」の視点から「独ソ戦」を描く物語は、生死の境でギリギリの葛藤や決断に直面する女性たちのとんでもない生き様を活写する
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安倍政権下で突然発表された「放送法の解釈変更」が、2023年3月17日に正式に”撤回された”という事実をご存知だろうか?映画『テレビ、沈黙。 放送不可能。Ⅱ』は、その「撤回」に尽力した小西洋之議員に田原総一朗がインタビューする作品だ。多くの人が知るべき事実である
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【デモ】クーデター後の軍事政権下のミャンマー。ドキュメンタリーさえ撮れない治安の中での映画制作:…
ベルリン国際映画祭でドキュメンタリー賞を受賞したミャンマー映画『ミャンマー・ダイアリーズ』はしかし、後半になればなるほどフィクショナルな映像が多くなる。クーデター後、映画制作が禁じられたミャンマーで、10人の”匿名”監督が死を賭して撮影した映像に込められた凄まじいリアルとは?
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田原総一朗が元総理・小泉純一郎にタブー無しで斬り込む映画『放送不可能。「原発、全部ウソだった」』は、「原発推進派だった自分は間違っていたし、騙されていた」と語る小泉純一郎の姿勢が印象的だった。脱原発に舵を切った小泉純一郎が、原発政策のウソに斬り込み、再生可能エネルギーの未来を語る
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横浜港を取り仕切る藤木幸夫を追うドキュメンタリー映画『ハマのドン』は、盟友・菅義偉と対立してでもIR進出を防ごうとする91歳の決意が映し出される作品だ。高齢かつほとんど政治家のような立ち位置でありながら、「伝わる言葉」を発する非常に稀有な人物であり、とても興味深かった
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【信念】凄いな久遠チョコレート!映画『チョコレートな人々』が映す、障害者雇用に挑む社長の奮闘
重度の人たちも含め、障害者を最低賃金保証で雇用するというかなり無謀な挑戦を続ける夏目浩次を追う映画『チョコレートな人々』には衝撃を受けた。キレイゴトではなく、「障害者を真っ当に雇用したい」と考えて「久遠チョコレート」を軌道に乗せたとんでもない改革者の軌跡を追うドキュメンタリー
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【映画】『戦場記者』須賀川拓が、ニュースに乗らない中東・ウクライナの現実と報道の限界を切り取る
TBS所属の特派員・須賀川拓は、ロンドンを拠点に各国の取材を行っている。映画『戦場記者』は、そんな彼が中東を取材した映像をまとめたドキュメンタリーだ。ハマスを巡って食い違うガザ地区とイスラエル、ウクライナ侵攻直後に現地入りした際の様子、アフガニスタンの壮絶な薬物中毒の現実を映し出す
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「目が見えず、耳も聞こえないのに大学に進学し、後に東京大学の教授になった」という、世界レベルの偉業を成し遂げた福島智。そんな彼の試練に満ちた生い立ちを描く映画『桜色の風が咲く』は、本人の葛藤や努力もさることながら、母親の凄まじい献身の物語でもある
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【高卒】就職できる気がしない。韓国のブラック企業の実態をペ・ドゥナ主演『あしたの少女』が抉る
韓国で実際に起こった「事件」を基に作られた映画『あしたの少女』は、公開後に世論が動き、法律の改正案が国会を通過するほどの影響力を及ぼした。学校から実習先をあてがわれた1人の女子高生の運命を軸に描かれる凄まじい現実を、ペ・ドゥナ演じる女刑事が調べ尽くす
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【異常】韓国衝撃の実話を映画化。『空気殺人』が描く、加湿器の恐怖と解決に至るまでの超ウルトラC
2011年に韓国で実際に起こった「加湿器殺菌剤による殺人事件」をモデルにした映画『空気殺人』は、金儲け主義の醜悪さが詰まった作品だ。国がその安全を保証し、17年間も販売され続けた国民的ブランドは、「水俣病」にも匹敵する凄まじい健康被害をもたらした
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「フランスに最も愛された政治家」と評されるシモーヌ・ヴェイユ。映画『シモーヌ』は、そんな彼女が強制収容所を生き延び、後に旧弊な社会を変革したその凄まじい功績を描き出す作品だ。「強制収容所からの生還が失敗に思える」とさえ感じたという戦後のフランスの中で、彼女はいかに革新的な歩みを続けたのか
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「飛行中の機内で、致死性の高い自作のウイルスを蔓延させる」という、冒頭から絶体絶命としか言いようがない状況に突き落とされる映画『非常宣言』は、「どうにかなるはずがない」と感じさせる状況から物語を前進させていくえげつなさと、様々に描かれる人間ドラマが見事な作品だ
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【生還】内戦下のシリアでISISに拘束された男の実話を基にした映画『ある人質』が描く壮絶すぎる現実
実話を基にした映画『ある人質 生還までの398日』は、内戦下のシリアでISISに拘束された男の壮絶な日々が描かれる。「テロリストとは交渉しない」という方針を徹底して貫くデンマーク政府のスタンスに翻弄されつつも、救出のために家族が懸命に奮闘する物語に圧倒される
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【実話】ソ連の衝撃の事実を隠蔽する記者と暴く記者。映画『赤い闇』が描くジャーナリズムの役割と実態
ソ連の「闇」を暴いた名もなき記者の実話を描いた映画『赤い闇』は、「メディアの存在意義」と「メディアとの接し方」を問いかける作品だ。「真実」を届ける「社会の公器」であるべきメディアは、容易に腐敗し得る。情報の受け手である私たちの意識も改めなければならない
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世界的クライマーとして知られる山野井泰史。手足の指を10本も失いながら、未だに世界のトップをひた走る男の「伝説的偉業」と「現在」を映し出すドキュメンタリー映画『人生クライマー』には、小学生の頃から山のことしか考えてこなかった男のヤバい人生が凝縮されている
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「特別養子縁組」を軸に人々の葛藤を描く映画『朝が来る』は、決して「特別養子縁組」の話ではない。「『起こるだろうが、起こるはずがない』と思っていた状況」に直面せざるを得ない人々が、「すべての選択肢が不正解」という中でどんな決断を下すのかが問われる、非常に示唆に富む作品だ
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ベネディクト・カンバーバッチが制作を熱望した衝撃の映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』は、アメリカの信じがたい実話を基にしている。「9.11の首謀者」として不当に拘束され続けた男を「救おうとする者」と「追い詰めようとする者」の奮闘が、「アメリカの闇」を暴き出す
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タイトルを伏せられた覆面本「文庫X」としても話題になった『殺人犯はそこにいる』。「北関東で起こったある事件の取材」が、「私たちが生きる社会の根底を揺るがす信じがたい事実」を焙り出すことになった衝撃の展開。まさか「司法が真犯人を野放しにする」なんてことが実際に起こるとは。大げさではなく、全国民必読の1冊だと思う
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【実話】「ホロコーストの映画」を観て改めて、「有事だから仕方ない」と言い訳しない人間でありたいと…
ノルウェーの警察が、自国在住のユダヤ人をまとめて船に乗せアウシュビッツへと送った衝撃の実話を元にした映画『ホロコーストの罪人』では、「自分はそんな愚かではない」と楽観してはいられない現実が映し出される。このような悲劇は、現在に至るまで幾度も起こっているのだ
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【感想】映画『竜とそばかすの姫』が描く「あまりに批判が容易な世界」と「誰かを助けることの難しさ」
SNSの登場によって「批判が容易な社会」になったことで、批判を恐れてポジティブな言葉を口にしにくくなってしまった。そんな世の中で私は、「理想論だ」と言われても「誰かを助けたい」と発信する側の人間でいたいと、『竜とそばかすの姫』を観て改めて感じさせられた
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【衝撃】『ゆきゆきて、神軍』はとんでもないドキュメンタリー映画だ。虚実が果てしなく入り混じる傑作
奥崎謙三という元兵士のアナーキストに密着する『ゆきゆきて、神軍』。ドキュメンタリー映画の名作として名前だけは知っていたが、まさかこんなとんでもない映画だったとはと驚かされた。トークショーで監督が「自分の意向を無視した編集だった」と語っていたのも印象的
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【実話】映画『アウシュビッツ・レポート』が描き出す驚愕の史実。世界はいかにホロコーストを知ったのか?
映画『アウシュヴィッツ・レポート』は、アウシュビッツ強制収容所から抜け出し、詳細な記録と共にホロコーストの実態を世界に明らかにした実話を基にした作品。2人が持ち出した「アウシュビッツ・レポート」こそが、ホロコーストについて世界が知るきっかけだったのであり、そんな史実をまったく知らなかったことにも驚かされた
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1964年の東京オリンピックを機に建設された「都営霞ケ丘アパート」は、東京オリンピック2020を理由に解体が決まり、長年住み続けた高齢の住民に退去が告げられた。「公共の利益」と「個人の権利」の狭間で翻弄される人々の姿を淡々と映し出し、静かに「社会の在り方」を問う映画
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在日コリアン4世の監督が、北朝鮮脱北者への取材を元に作り上げた壮絶なアニメ映画『トゥルーノース』は、私たちがあまりに恐ろしい世界と地続きに生きていることを思い知らせてくれる。最低最悪の絶望を前に、人間はどれだけ悪虐になれてしまうのか、そしていかに優しさを発揮できるのか。
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1人で火星に取り残された男のサバイバルと救出劇を、現実的な科学技術の範囲で描き出す驚異の映画『オデッセイ』。不可能を可能にするアイデアと勇気、自分や他人を信じ抜く気持ち、そして極限の状況でより困難な道を進む決断をする者たちの、想像を絶するドラマに胸打たれる
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獄中の死刑囚が警察に明かしていない事件を雑誌記者に告発し、「先生」と呼ばれる人物を追い詰めた実際の出来事を描くノンフィクションを原作にして、「ジャーナリズムとは?」「家族とは?」を問う映画『凶悪』は、原作とセットでとにかく凄まじい作品だ
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「80人の命を救うために、1人の少女の命を奪わなければならない」としたら、あなたはその決断を下せるだろうか?会議室で展開される現代の戦争を描く映画『アイ・イン・ザ・スカイ』から、「誤った問い」に答えを出さなければならない極限状況での葛藤を理解する
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第二次世界大戦で最も過酷な戦場の1つと言われた「前田高地(ハクソー・リッジ)」を、銃を持たずに駆け回り信じがたい功績を残した衛生兵がいた。実在の人物をモデルにした映画『ハクソー・リッジ』から、「戦争の悲惨さ」だけでなく、「信念を貫くことの大事さ」を学ぶ
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グローバル化した世界で「農業」がどんなリスクを負うのかを正しく予測し、その対策として「ジーンバンク」を設立した伝説の植物学者スコウマンの生涯を描く『地球最後の日のための種子』から、我々がいかに脆弱な世界に生きているのか、そして「世界の食」がどう守られているのかを知る
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「血の繋がり」だけが家族なのか?「将来の幸せ」を与えることが子育てなのか?実際に起こった「赤ちゃんの取り違え事件」に着想を得て、苦悩する家族を是枝裕和が描く映画『そして父になる』から、「家族とは何か?」「子育てや幸せとどう向き合うべきか?」を考える
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【実話】権力の濫用を監視するマスコミが「教会の暗部」を暴く映画『スポットライト』が現代社会を斬る
地方紙である「ボストン・グローブ紙」は、数多くの神父が長年に渡り子どもに対して性的虐待を行い、その事実を教会全体で隠蔽していたという衝撃の事実を明らかにした。彼らの奮闘の実話を映画化した『スポットライト』から、「権力の監視」の重要性を改めて理解する
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【実話】映画『イミテーションゲーム』が描くエニグマ解読のドラマと悲劇、天才チューリングの不遇の死
映画『イミテーションゲーム』が描く衝撃の実話。「解読不可能」とまで言われた最強の暗号機エニグマを打ち破ったのはなんと、コンピューターの基本原理を生み出した天才数学者アラン・チューリングだった。暗号解読を実現させた驚きのプロセスと、1400万人以上を救ったとされながら偏見により自殺した不遇の人生を知る
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「正しい」と主張するためには「正しさの基準」が必要だが、それでも「規制されていないことなら何でもしていいのか」は問題になる。3枚の立て看板というアナログなツールを使って現代のネット社会の現実をあぶり出す映画『スリー・ビルボード』から、「『正しさ』の難しさ」を考える
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【書評】奇跡の”国家”「ソマリランド」に高野秀行が潜入。崩壊国家・ソマリア内で唯一平和を保つ衝撃の”…
日本の「戦国時代」さながらの内戦状態にあるソマリア共和国内部に、十数年に渡り奇跡のように平和を維持している”未承認国家”が存在する。辺境作家・高野秀行の『謎の独立国家ソマリランド』から、「ソマリランド」の理解が難しい理由と、「奇跡のような民主主義」を知る
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映画『夜間もやってる保育園』によると、夜間保育も行う無認可の「ベビーホテル」は全国に1749ヶ所あるのに対し、「認可夜間保育園」は全国にたった80ヶ所しかないそうだ。また「保育園に預けるなんて可哀想」という「家族幻想」も、子育てする親を苦しめている現実を描く
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権力を持つ者のタガが外れてしまえば、市民は為す術がない。そんな状況に置かれた時、私たちにはどんな選択肢があるだろうか?白人警官が黒人を脅して殺害した、50年前の実際の事件をモチーフにした映画『デトロイト』から、「権力による不正義」の恐ろしさを知る
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【真実】ホロコーストが裁判で争われた衝撃の実話が映画化。”明らかな虚偽”にどう立ち向かうべきか:『…
「ホロコーストが起こったか否か」が、なんとイギリスの裁判で争われたことがある。その衝撃の実話を元にした『否定と肯定』では、「真実とは何か?」「情報をどう信じるべきか?」が問われる。「フェイクニュース」という言葉が当たり前に使われる世界に生きているからこそ知っておくべき事実
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【感想】池田晶子『14歳からの哲学』で思考・自由・孤独の大事さを知る。孤独を感じることって大事だ
「元々持ってた価値観とは違う考えに触れ、それを理解したいと思う場面」でしか「考える」という行為は発動しないと著者は言う。つまり我々は普段、まったく考えていないのだ。『14歳からの哲学』をベースに、「考えること」と自由・孤独・人生との関係を知る
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『14歳からの哲学入門』というタイトルは、「14歳向けの本」という意味ではなく、「14歳は哲学することに向いている」という示唆である。飲茶氏は「偉大な哲学者は皆”中二病”だ」と説き、特に若い人に向けて、「新しい価値観を生み出すためには哲学が重要だ」と語る
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村上春樹の短編小説を原作にした映画『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)は、村上春樹の小説の雰囲気に似た「自然な不自然さ」を醸し出す。「不自然」でしかない世界をいかにして「自然」に見せているのか、そして「自然な不自然さ」は作品全体にどんな影響を与えているのか
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どんな理由があれ、法を犯した者は罰せられるべきだと思っている。しかしそれは、善悪の判断とは関係ない。映画『万引き家族』(是枝裕和監督)から、「国民の気分」によって「善悪」が決まる社会の是非と、「善悪の判断を保留する勇気」を持つ生き方について考える
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たった30年前の韓国で、これほど恐ろしい出来事が起こっていたとは。「正義の実現」のために苛烈な「スパイ狩り」を行う秘密警察の横暴をきっかけに民主化運動が激化し、独裁政権が打倒された史実を描く『1987、ある闘いの真実』から、「正義」について考える
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世界の現状に関する13の質問に対して、ほとんどの人が同じ解答をする。最初の12問は不正解で、最後の1問だけ正答するのだ。世界的大ベストセラー『ファクトフルネス』から、「誤った世界の捉え方」を認識し、情報を受け取る際の「思い込み」を払拭する。「嘘の情報」に踊らされないために読んでおくべき1冊だ
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『衆議院議員・小川淳也が小選挙区で平井卓也と争う選挙戦を捉えた映画『香川1区』は、政治家とは思えない「誠実さ」を放つ”異端の議員”が、理想とする民主主義の実現のために徒手空拳で闘う様を描く。選挙のドキュメンタリー映画でこれほど号泣するとは自分でも信じられない
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ルシルナ
戦争・世界情勢【本・映画の感想】 | ルシルナ
日本に生きているとなかなか実感できませんが、常に世界のどこかで戦争が起こっており、なくなることはありません。また、テロや独裁政権など、世界を取り巻く情勢は様々で…
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ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
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