目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:ショーン・ヘプバーン・ファーラー, 出演:エマ・キャスリーン・ヘプバーン・ファーラー, 出演:リチャード・ドレイファス, 出演:クレア・ワイト・ケラー, 出演:ジョン・ローリング, Writer:ヘレナ・コーン, 監督:ヘレナ・コーン, プロデュース:ニック・タウシグ, プロデュース:ポール・ヴァン・カーター, プロデュース:アナベル・ウィゴダー
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この記事で伝えたいこと
「愛する天才」だったが、「愛される天才」にはなれなかった世界的大スターの生涯
彼女の人生が、「孤独」や「欠落」への葛藤に満ちていたことに驚かされる
この記事の3つの要点
- 女優、そして芸術家としてのその圧倒的な才能を、多くの人が大絶賛する
- 戦争による「飢え」と、愛に対する「飢え」に苦しんだ生涯
- 家族のために、絶頂期に10年も女優を休業した決断と、ユニセフでの凄まじい活動
オードリー・ヘプバーンにさほど関心を持っていたわけではありませんが、一人の人間の人生として非常に興味深いものでした
自己紹介記事
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映画の中で、オードリー・ヘプバーンの孫がこんな風に語る場面があります。
世界一愛された人が、愛に飢えていたなんて悲しい。
また彼女の父は、オードリーについてこんな風に語っていたそうです。
オードリー最大の秘密を教えてあげよう。それは、常に悲しみを抱えていたことだ。
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意外に感じる方も多いのではないでしょうか。
私は、「有名人の自殺」が報じられる度に、「誰だって、深い孤独や悲しみを抱えているんだ」っていつも思う
「世界的な有名人になってしまったが故の孤独」みたいなものも、たぶんあるだろうしね
オードリーは、
人生で一番良かったことは、経験した苦しみを後に自分を助けるのに使えたこと。
そして無条件で愛せたこと。
と語っていました。彼女は様々な苦悩や困難を抱え続けたのですが、結果としてそういう経験が自分の人生の糧になった、というわけです。手放すことが出来なかった「孤独」には生涯苦しめられたようですが、それでも彼女は、自身が辿った人生を「良いものだった」と受け取ることが出来たのでしょう。
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映画『オードリー・ヘプバーン』は、そんな彼女の来歴やエピソードを追いながら、多くの人が知らないだろう「オードリー・ヘプバーンの素顔」が垣間見える作品になっています。
オードリー・ヘプバーンにそこまで興味を持ってたわけじゃないけど、それでも面白かった
オードリー・ヘプバーンの「凄まじさ」と「普遍性」
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突然「新型」として現れたの。
新たな女性像を創った。
ハリウッド黄金期の最後のスターの1人。
と、その驚きを様々に語っていました。
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オードリーは元々、ずっとバレエを習っており、「踊っている時だけは不安を忘れることができる」と感じていた女の子です。夢は当然ダンサー。演技の仕事もしていましたが、あくまでも「生計を立てるための手段」に過ぎず、もちろん、女優になるつもりなどまったくありませんでした。しかし、ある月に起こった2つの偶然が彼女を『ローマの休日』のオーディションへと導き、その結果として、一夜にして世界的大スターの仲間入りを果たしたのです。
なかなか大変な子ども時代を過ごしていたみたいだよね
オードリー自身は、
私はシャイだから役者には向いていない。ダンサーならまだ許されるだろうけど。
と語っているのですが、多くの人物が彼女の「女優」としての才覚を褒め称えていました。
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フワフワした役柄が多かったけど、そんなキャラクターに重力を与えるのが上手かった。
『ティファニーで朝食を』の著者カポーティは、オードリーはホリー役には優雅過ぎると感じていた。もっと軽薄な、男の添え物であるような女性であると。彼女は、マリリン・モンローの代役だったのだが、結果として新たなホリー像を作り上げた。単なる娼婦ではない、深みのある人物へと昇華させたのだ。
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映画『ティファニーで朝食を』では、彼女のプロデュース能力も垣間見えました。試写を観た幹部がなんと、後に映画の名場面と評されることになる「『ムーンリバー』を歌うシーン」をカットすると言い出したのだそうです。しかしそれに対してオードリーは、「死んでも許さない」と猛反対したと、彼女の息子が語っていました。オードリーの反対がなければ、名場面がカットされていたのかもしれないと思うと驚きだし、カットすべきではないと反対したオードリーの慧眼も素晴らしいと言えるでしょう。
大体こういう人って厚顔無恥で、自分がの発言なんか全部忘れてまたどっかで偉そうなこと言ってるんだろうなぁ
プロデュース能力は、ファッションの世界でも発揮されました。世界的ファッションブランド「ジバンシィ」のオードリースタイルです。
ユベール・ド・ジバンシィとオードリーが出会ったのは、映画『麗しのサブリナ』の衣装製作の打ち合わせの場でした。ユベールは当初、彼女に会うことに乗り気ではなかったそうですが、会って話すなりお互いがお互いの類似性に気づき、魅了されていったといいます。
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このエピソードは、映画に登場するあるデザイナーが語っていたのですが、彼女はユベールとオードリーのことを「芸術家と芸術家」という風に呼んでいました。オードリーは決して「服を着るだけの単なるモデル」などではなく、2人が共に関わる形で「オードリースタイル」が生み出されていったというわけです。さらに同じデザイナーは、
ファッション史において重要とされるドレスの多くは、ジバンシィがオードリーのために作ったものだ。
とまで言っていました。ファッションに詳しいわけではないので、オードリースタイルがどの程度ファッション界に影響を与えたのか私には分かりませんが、やはりその存在感は圧倒的だったのだと思います。
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演技が称賛され、モデルとしても完璧な上に、芸術家としても才能を発揮していたって、凄いよね
さて、ここからは少し、私が抱いている「印象」の話をすることにしましょう。私が思う彼女の凄さについてなのですが、それは「全盛期のオードリー・ヘプバーンが、無名の存在として現代に現れたとしても場合、そのままの存在感で今も通用するだろう」ということです。
同時代に生きたマリリン・モンローでも同じような想像をしてみるのですが、彼女がそのままの存在感で今も通用するとは私には思えません。マリリン・モンローはまさに「時代が求めた存在」という印象が強いからです。もちろん、今でもマリリン・モンロー的な存在を好む方はいるでしょうが、当時ほどの熱狂は生まれないのではないかと思っています。そういう意味で私は、彼女に「普遍性」を感じることはありません。
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しかしオードリー・ヘプバーンの場合は、当時のまま現代に現れたとしても、そのまま通用してしまう気がするのです。当時もセンセーショナルな存在感を放っていたでしょうが、それは、現代であっても同じなのではないかと思ってしまいます。
これはあくまでも私の個人的な「印象」の話に過ぎませんが、そういう意味で私は、オードリー・ヘプバーンの「普遍性」に驚かされてしまいました。
ちょっと前に、バーバラ・ローデン監督の『WANDA』って映画を観たんだけど、これも古さを感じなかったなぁ
1970年代の映画だって言われなかったら、たぶん気が付かないよね
戦争による「飢え」と、愛に対する「飢え」
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オードリー・ヘプバーンの人生は、常に苦悩に満ちていたと言っていいでしょう。唯一の例外は、晩年にロビーという男性と出会って以降の日々であり、それまでとは違った穏やかなものになったといいます。しかし基本的にはずっと、何らかの「飢え」を感じていたのです。
子どもの頃は、まさに文字通りの「飢え」に苦しんでいました。ドイツ軍が占領していたオランダで生まれ育ったからです。食べるものを確保することがあまりに困難な生活であり、終戦時、彼女を含めた多くの子どもが栄養失調に陥っていたといいます。
私の人生は、その頃の記憶で形作られている。あの苦しさと貧しさは、今でも息づいている。
オードリーはこのように語っています。まさにその通りだと言っていいでしょう。彼女は晩年、ユニセフ活動への多大な支援を行います。誰もが驚くほど邁進するのですが、その理由は、彼女自身がオランダにやってきたユニセフの人たちに、文字通り「救われた」からなのです。
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また、彼女は後にバレリーナの夢を諦めます。その理由は、バレリーナにしては高身長であったことに加えて、栄養失調のため筋力が衰えていたことも大きかったそうです。人生、何がどう転ぶか分かりませんが、極論すれば、「戦争で飢えを経験したからこそ、彼女は世界的大スターへの道を歩むことができた」とも言えるかもしれません。
「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら~」みたいな話だよね
さて、食べるものに困らなくなってからも、彼女は「飢え」を感じ続けます。彼女が生涯求め続けたのは「愛」です。本当に多くの人が、オードリーについて語る際に、「孤独」や「愛への飢え」について語っていたたのが印象的でした。
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そこには、「父親の失踪」という背景があるのですが、それについてはもう少し後で触れることにしましょう。まずは、オードリーが抱き続けた「欠陥」の話をしたいと思います。
オードリー・ヘプバーンが、「自分のことを『醜い』と感じていた」という話を聞くと、驚く人も多いでしょう。映画ではあまり触れられなかったものの、彼女の母親がかなり辛辣な人物だったようで、その母親との関係も影響しているのか、彼女は自分を「醜い」と思い込んでいたのだそうです。
ある場面で、
顔のパーツの何もかもを変えたい。
と、そのコンプレックスについて語っていました。
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また、
美しさは見た人が感じるものよ。自分では見ることができない。だから朝起きたら、綺麗に見えるように全力を尽くす。
とも言っており、これもまた容姿に対する「欠陥」を感じていたことが伺える発言と言えるでしょう。
「美しさは見た人が感じるものよ。自分では見ることができない」ってのは、確かにその通りだなって思う
だとしても、オードリー・ヘプバーンが醜いとしたら、一体誰が美しいんだって感じにもなるよね
そしてこの感覚は、決して容姿に限るものではありません。彼女は、自分という存在に対して、何かとても大きな欠落があると感じていたのだそうです。そう語るのは、彼女の息子。オードリーの死の間際、入院していた彼女に2~3週間付きっきりで一緒にいた彼が、その時に母親と話した印象についてこんな風に言っていました。
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母は、自分には何か欠陥があると感じていたようだ。しかし、そう感じて生きるのはよくないとも考えていた。だから前に進むことができた。
現代風に言えば、「自己肯定感が低かった」という感じでしょう。世界的大スターであるというアイデンティティは、決して彼女を満たさなかったのです。そして、自分でもどう捉えていいのか分からないような欠落を抱えながら、その生涯を閉じてしまいました。
今は、YouTubeとかライブ配信とかで、普通の人でも人前に出るのが当たり前の時代だから、みんな気をつけてほしいって思う
承認欲求を動機に始める人も多いだろうけど、結果として自己肯定感が下がるなんてこともありそうだよね
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父親に捨てられたからこそ、家族を最優先にする人生を選んだ
オードリー・ヘプバーンにとってとても大きな出来事が、幼い頃の両親の離婚でした。彼女には、父親が突然いなくなってしまったことが理解できなかったのです。そして生涯、「父親の失踪」という事実に苦しんだと、多くの人が語っていました。
彼女がどれほど悩んでいたのかが分かるエピソードがあります。既に世界的大スターとなっていたオードリー・ヘプバーンは、父親の失踪から25年経った1964年に、「父親の行方が知りたい」という意志を示したのです。どれだけ彼女の中で「父親」の存在が大きかったのかが理解できるでしょう。そして、赤十字の協力により父親がアイルランドにいることが分かると、彼女は会いに行ったのです。
その時の話を彼女から直接聞いたという友人は、次のように話していました。
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泣きながら話してくれたよ。父は冷たかったと。再会を喜んではくれず、傷ついたと。
結局、父親との再会は、彼女の「心の傷」を癒やしてはくれませんでした。彼女は、再会を喜んでくれない父親に、「どうして自分を捨てたのか」と聞くことが出来なかったそうです。そして、「もう父のことを許そう」と決めることにします。
しかし、色んな事情があるんだろうけど、自分の娘が世界的大スターとして戻ってきたら、嬉しい気がしちゃうけどなぁ
しかも、「自分に会いたい」っていって来てくれてるんだからね
しかし、そう決断したからといって、彼女の中から「誰かに捨てられる恐怖」が完全に消えたはずもありません。どんな相手との関係においてもその恐怖はつきまとったそうですが、特に男性との関わりでは顕著だったといいます。相手に「父親像」を求めてしまったからだと分析する人物も出てきました。
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また、子どもの頃に父親と離れ離れになったことが、彼女の人生に大きな影響を与えたと分かる別のエピソードもあります。彼女は子育てのためになんと、女優としての絶頂期に10年間も映画の世界から遠ざかる決断をしたのです。映画の撮影のために息子の子育てが出来ない苦しさに絶えられなかったのだそう。映画関係者の多くは、彼女の決断を「信じられない」と語っていましたが、オードリー自身は、
家にいる方が幸せなの。
それは決して犠牲なんかじゃない。
と言っていました。恐らくそれはその通りなのだと思います。また、ある場面で彼女は、
愛せる相手を見つけられただけでも幸運。
愛されればもっと幸運。
とも語っていました。「愛される」という点においては「不遇」としか言いようのない人生でしたが、「愛する」という点では類まれな才能を発揮したと言っていいでしょう。
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「愛されればもっと幸運」っていう表現がちょっと悲しいよね
間接的に、「私は愛されなかった」と言ってるようなものだからなぁ
彼女は子育てだけではなく、「日常」のことも大事にしていたので、パパラッチにプライベートを侵害されてしまうローマでは大いにストレスを抱えていたそうです。そのため、フランス語で「静寂」を意味する、スイスにある「ラ・ペジブル」という建物に移り住みました。そして、近所に住む「普通の友人」と穏やかな日々を過ごしたそうです。
そんなオードリー・ヘプバーンの生活スタイルを象徴するようなエピソードがありました。オードリーの友人の1人が明かしていたものです。彼女は当時6歳だった息子から、「オードリー・ヘプバーンは映画スターなの?」と聞かれ、「大スターだよ」と返したのですが、さらに息子から「じゃあどうして映画スターらしく暮らさないの?」と言われたといいます。カメラがない場所ではシンプルで普通のものを好み、何よりも家族を愛した女性だったというわけです。
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オードリー・ヘプバーンは晩年、ユニセフで精力的に活動を行いました。その影響力は凄まじく、彼女がPRすれば毎回100万ドルもの寄付が集まるし、アメリカの公聴会でスピーチを行った際には、1時間で6000万ドルの追加予算を勝ち取ったそうです。映画に出てきたある人物は彼女のことを「世の中のために自身の名声を使った」と評していましたが、本当にその通りだと感じます。
映画で誰かが、「有名人が、みんなオードリーのように生きれば、世界は変わる」って言ってたよね
彼女ほどは無理だとしても、みんなでオードリーのような人生を歩めば、何でも実現しそう
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しかし、「自己肯定感の低い」オードリーは、
自分が本当に役に立っているのか心配になる。
と周囲に漏らしていたそうです。彼女の生涯を追ってきた観客としては、「オードリー・ヘプバーンらしい」と感じる場面だと思いますが、それにしたって心配性にも程があると言ったところでしょうか。映画では、「オードリーがユニセフに関わるようになってから5年間で、ユニセフの規模は倍になった」とその影響力の凄まじさについて触れられていました。大いに誇っていい貢献でしょう。
正確には捉えられませんでしたが、オードリーがユニセフの活動に関わるようになったのは、彼女の両親がきっかけだったはずです。両親がチャリティイベントを企画し、そこに呼ばれたオードリーは、自身の戦争体験を語るように言われます。そして、会場でその話を聞いていたユニセフの関係者が、彼女に親善大使を打診したのだそうです。子どもの頃に自分の命を救ってくれたユニセフと関われることはとても喜ばしいことだと彼女は言っていました。
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ユニセフの人も、「まさか引き受けてくれるとは」って感じだったかもね
オードリーがユニセフの規模を倍にしたってことは、それまでは今ほどの組織じゃなかったってことだろうから余計にね
だからこそ彼女は、メチャクチャ頑張ってしまいます。オードリーは元々、「女優の仕事が一段落したら、世界中を飛び回るのは止めて一つ所に落ち着き、ゆったり過ごしたい」と考えていたそうですが、ユニセフと関わったことでその計画は完全に破綻しました。彼女は世界中を飛び回るだけでなく、どの国に行くにも、その国の政治や情勢などを学んでいたそうです。オードリー友人だというカメラマンは、仕事柄世界中のあちこちに足を踏み入れていたこともあり、いつも彼女から「あの国はどんな感じ?」「あそこで何を見たの?」と質問攻めに遭っていたといいます。
また、結婚こそしなかったものの、晩年を共に過ごしたロビーは、忙しすぎるオードリーに休みを取らせたいと考えても、「ユニセフの人に頼まれるとどこへでも行ってしまう」と嘆いていました。
彼女の目の前に広がる「悲惨な光景」は、決して他人事ではありませんでした。自身も飢えに苦しんだ経験があるからです。「目の前で亡くなる子どもたちの姿を見るのは耐えられない」と苦しい胸中を語りながら、それでも彼女は自分に出来ることを必死にやり続けます。彼女のユニセフとの関わり方について、多くの人が「利他的な人」「無私無欲で働いた」と語っていたのが印象的でした。
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人間というものを本当に愛していた。
まさに「愛する天才」といったところでしょうか。
役者や芸術家としてだけでなく、とにかく「人間」として凄まじい存在感を放ったオードリー・ヘプバーンの生涯を、是非観てみてください。
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出演:オードリー・ヘプバーン, 出演:ショーン・ヘプバーン・ファーラー, 出演:エマ・キャスリーン・ヘプバーン・ファーラー, 出演:ピーター・ボグダノヴィッチ, 出演:リチャード・ドレイファス, Writer:ヘレナ・コーン, 監督:ヘレナ・コーン, プロデュース:ニック・タウシグ, プロデュース:ポール・ヴァン・カーター, プロデュース:アナベル・ウィゴダー
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最後に
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時代が違うことは分かった上で、「オードリー・ヘプバーンのような存在が今世界にいるだろうか」と考えてしまいました。全世界的に影響力を持つ人物と言えば、BTSやマドンナなどが思い浮かびますが、オードリー・ヘプバーンが兼ね備えていたような「全方位的な能力」や「普遍性」は、少なくともまだ感じられない気もします。社会貢献という意味ではビル・ゲイツなどを挙げられるでしょうが、やはり芸術方面の才能は持ち合わせていません。
あらゆる意味で「唯一無二」と言っていい人物が人間的にも素晴らしかったこと、その力を最大限効果的に使って世の中を良くしようとしたという事実、そしてそんな人間的に素晴らしい人物が生涯「孤独」を抱え続けたことなどに驚かされる作品でした。
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私は、「コミュ力が高い人」に関するよくある主張に、どうも違和感を覚えてしまうことが多くあります。そしてその一番大きな理由が、「『コミュ力が高い人』って、ただ『想像力がない』だけではないか?」と感じてしまう点にあると言っていいでしょう。出版したKindle本は、「ネガティブには見えないネガティブな人」(隠れネガティブ)を取り上げながら、「『コミュ力』って何だっけ?」と考え直してもらえる内容に仕上げたつもりです。
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『衆議院議員・小川淳也が小選挙区で平井卓也と争う選挙戦を捉えた映画『香川1区』は、政治家とは思えない「誠実さ」を放つ”異端の議員”が、理想とする民主主義の実現のために徒手空拳で闘う様を描く。選挙のドキュメンタリー映画でこれほど号泣するとは自分でも信じられない
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ルシルナ
孤独・寂しい・友達【本・映画の感想】 | ルシルナ
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