目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:マーク・ラファロ, 出演:アン・ハサウェイ, 出演:ティム・ロビンス, 出演:ビル・キャンプ, 出演:ヴィクター・ガーバー, 出演:ビル・プルマン, 監督:トッド・ヘインズ
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ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 訴えを起こした3535名の集団訴訟を、約7億ドルの和解金で終わらせたデュポン社
- 企業側の顧問弁護士事務所に所属していたロブ・ビロットの正面突破の闘い方
- 家族との穏やかな生活をも犠牲にしながら、正義のために奮闘し続けた勇敢さ
2016年にニューヨーク・タイムズの記事が公開されるまで、彼の存在はアメリカでも広く知られていなかったことに驚かされた
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どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
世界的大企業の隠蔽と「テフロン加工」の危険性を暴き出した弁護士の壮絶な奮闘を描き出す映画『ダーク・ウォーターズ』
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私はこの映画を観るまで、「テフロン加工が危険だ」という事実を知らなかった。公的機関の情報を見つけられなかったので特にリンク先は示さないが、「テフロン加工 危険」で調べると様々なサイトがヒットするので見てみてほしい。映画『ダーク・ウォーターズ』を観る限りでは、「テフロン」を販売しているデュポン社もその危険性を認めているように思える。ウエストバージニア州パーカーズバーグの住民3535名が起こした集団訴訟を、デュポン社は6億9040万ドルを支払って和解しているからだ。
しかしデュポン社は、「テフロン」だけで毎年10億ドル以上も売り上げている。約7億ドルの和解金など大した金額ではないだろう。
「テフロン加工」の製品なんて使っていないから私には関係ない、ということにはならない。「テフロン」の原料である「PFOA」という化学物質は、カーペット・車・コンタクトレンズなど様々な製品に使われているからだ。デュポン社は、「テフロン」発売の翌年には既にその危険性に気づいていたにも拘わらず、その情報を40年以上も公表しないまま販売し続けた。
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ネットで調べてみると、2021年10月22日より、「PFOA」は「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)の指定物質となっていて、一部の例外を除き使用できなくなったそうだ。
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私たちは、そのような物質によって作られた製品を当たり前のように使ってきたのだ。なかなか恐ろしい事実ではないだろうか。
映画『ダーク・ウォーターズ』では、そんなデュポン社を相手にたった1人で闘いを挑み、企業の隠蔽を暴き出した弁護士の闘いが描かれる。日本では先日、東京電力の旧経営陣に対して13兆円という国内史上最高額の賠償金支払いが命じられた。賠償金の金額だけが「正義」ではないとはいえ、巨大なものに立ち向かい「正義」を勝ち取る物語はやはり人を惹きつける力があるだろう。
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法は守らなければならないが「絶対」ではない
私は基本的に、「悪法もまた法なり」という考えを受け入れている。独裁国家でもない限り、「法律」は民主的なプロセスで決まるだろう。それがどれほど「悪法」だと感じられるものだとしても、成立のプロセスが正当なら、とりあえずは受け入れるしかないと考えている。私たちは、そんな「悪法」が生み出されないようにあらかじめ注意すべきだし、それでも成立してしまったのであれば、とりあえず従いながら、その「悪法」を変えるか無くすかするための努力を続けるしかない、というのが基本的な考え方だ。「悪法だから従わなくていい」というのは、正しい姿勢には感じられない。
もちろん、「時とともに法律が古くなる」こともある。成立した際には「悪法」ではなかったが、今現在の社会には合わないというわけだ。しかしその場合でもやはり、「変えるか無くすかする努力」をしなければならないだろう。「市民の声を反映し、法律を社会の実情に合わせて変える」ための手続きがきちんと存在し、それがとりあえず正しく機能していると言える状態なのであれば、「時代に合わなくなった悪法」にもとりあえず従いながら、変えるか無くすかする努力をしなければならない、と考えている。
つまり、「大体の場合、『法律の条文』には従わなければならない」というのが私の考えだ。
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問題は、「法律の運用」の方である。
法律は、ただそこに存在しているだけでは機能しない。きちんとそれを運用する人間が必要だ。それは別に、裁判官・検事・弁護士といった人たちだけではないだろう。政治家・官僚・公務員など様々な人が「法律の運用」に携わっているはずだ。
しかし、「そういう『法律を運用する人』を凌駕する存在」が、「法律の運用」を歪めてしまうことがある。例えば、この映画で描かれるデュポン社のような世界的大企業などがそれに当たると言えるだろう。
先述した通り、私は、それがどんなものであれ、民主的なプロセスで決まった法律には従わなければならないと思っているし、「法律的に正しいと定まったものは善」という判断を社会が受け入れるべきだと思っている。しかしもしも、「法律の正しい運用」を歪ませるような存在がいるとすれば、「法律的に正しいと定まったものは善」という判断を許容することなどできないだろう。法律が正しく運用されているはずだと思うからこそ、たとえ「悪法」だと感じる法律でも従わなければならないと受け入れる余地が生まれる。しかしそこが歪められてしまえば、「法律の存在」そのものが揺らぎかねない。
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私たちは、政治や経済など様々な領域で、「『法律を運用する人』を凌駕する存在がその正しい運用を歪ませる現実」に触れてきた。正しい手続きで許認可が行われなかったり、悪事が見逃されたりしているのだ。そして、そのような現実を知れば知るほど、「法律を守ること」への意欲が減退してしまう。
だからこそ、この映画の主人公の行動は称賛に値すると思う。彼は実在する弁護士であり、家族との穏やかな生活を犠牲にしてまでデュポン社との闘いに挑んだ人物なのだ。
パーカーズバーグの住民の訴えや、主人公の奮闘は、なぜアメリカ国内でも知られていなかったのか
公式HPによると、映画『ダーク・ウォーターズ』制作のきっかけとなった記事があるという。2016年1月6日にニューヨーク・タイムズに掲載されたものだ。この記事を読んだ、俳優であり環境活動家でもあるマーク・ラファロが映画化を決意し、自ら主人公ロブ・ビロットを演じて完成させたのが本作である。
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映画制作のきっかけにまつわるこの話に、私はとても驚いた。何故なら、「デュポン社と闘っている弁護士がいる」という事実が、アメリカ国内でも広く知られていたわけではない、ということになるからだ。2016年の記事公開時点で、ロブがこの案件に携わってから18年が経過している。その間、ロブの奮闘はさほど注目されなかったということだろう。
映画では、デュポン社が訴えられたことや、「テフロン」の危険性を伝える実際のニュース映像が挿入される。当然だが、まったく報道されなかったわけではない。しかし恐らくだが、デュポン社ほどの巨大企業であればテレビや新聞のスポンサーにもなっていただろうし、だとすればその取り上げられ方は控えめなものとなったのではないだろうか。まして、デュポン社の”敵”であるロブを大々的に取り上げることなどできなかったかもしれない。
またもう1つ、ロブの奮闘が取り上げられなかった理由と言えるかもしれない特殊な事情がある。パーカーズバーグという町は、デュポン社のお陰で成立している「企業城下町」なのだ。日本で言えば愛知県豊田市とトヨタの関係のようなものだろう。
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パーカーズバーグの住民は皆、なんらかの形でデュポン社の恩恵を受けている。デュポン社あっての生活というわけだ。だから住民も一枚岩になりきれない。映画では、デュポン社を訴えた住民を他の住民が軽蔑の目で見る場面が何度も描かれる。
そしてここからは勝手な予想だが、メディア等で「賛成派・反対派の住民の対立」が過度に煽られることによって、事態が余計錯綜してしまう恐れが考慮されたのかもしれない。
それが、メディアによる「忖度」なのか、あるいはロブたちの「法廷戦術」だったのかは分からないが、いずれにせよ、勇敢な弁護士の奮闘は長い間広く知られることがなかったのである。
映画の最後には、「ロブ・ビロットは今も闘い続けている」と字幕が出た。『ダーク・ウォーターズ』は2019年制作の映画らしいので、2019年時点ではまだ闘いは終わっていなかったということだろう。この映画が公開されたことで、彼の奮闘が報われたのであれば喜ばしいし、支援などが増えていたらいいと思う。
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彼のような「法律を武器に世界的大企業に闘いを挑む姿」も見事だと思うし、「国内の大企業の悪事を告発する映画をアメリカが作る」という姿勢も素晴しいと感じた。
映画『ダーク・ウォーターズ』の内容紹介
1998年、タフト弁護士事務所でパートナー弁護士に昇格したばかりのロブ・ビロットは、見知らぬ来訪者に捕まっていた。どうしてもというので、会議を抜け出して話を聞くことにしたのだ。相手は農場主であり、パーカーズバーグに住むロブの祖母からの紹介でここまでやってきた。なんでも、世界的化学企業デュポン社が化学物質を垂れ流したせいで飼っている牛が死んだのだという。農場主は、その被害をどうにか訴えたいと考えているのだが、地元の弁護士は「デュポン社」と聞いただけで震え上がり逃げ出してしまうので話にならない。だからどうにかしてくれというわけだ。
しかしロブには、その依頼を引き受けるわけにはいかない理由があった。というのも、ロブが所属する弁護士事務所は、化学企業側の弁護を担当しているのだ。まさか、クライアントに敵対するような仕事を引き受けるわけにはいかない。とはいえロブは、「祖母からの紹介」という点に僅かな引っ掛かりを覚え、引き受けるつもりはないものの、とりあえずパーカーズバーグまで足を運んでみることにした。
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久々に祖母を訪ね、祖母が紹介したという事実を確認した上で、彼は農場主を訪ねる。農場主が「環境保護庁の人間が来て報告書を書いた」という話を口にしたので、とりあえずその報告書さえ手に入れれば農場主を納得させられるだろうと考えた。
そんなきっかけからデュポン社と関わることになったロブは、やがてデュポン社に対して開示請求を行うことに決める。送られてきたのは、部屋1つがダンボールで埋まるほどの膨大な資料。デュポン社は明らかに、真相究明を諦めさせようと、わざと大量の資料を送ってきたのだ。
しかしロブは、その資料をたった1人で読み込んでいく。そしてそこから、デュポン社の恐るべき真実が明らかになる。デュポン社が、「テフロン」の材料である「PFOA」の危険性を40年以上も前から認識していたことが明確に記されていたのである……。
映画『ダーク・ウォーターズ』の感想
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映画を観てまず驚かされたのは、「ロブが企業の顧問をする弁護士事務所に所属していた」という点だ。「企業の不正を暴く」場合、メディアや市民団体など、企業と相対する側の人物が調査を進めることで真実が明らかになる印象が強いのだが、このケースでは、ロブは本来デュポン社の味方をすることが期待される立場なのである。かなりイメージと違っていて驚いた。
さらにロブが、真正面からデュポン社に闘いを挑んでいる点も興味深い。このような調査においては、「調査をしているという事実そのもの」を相手に悟られないように動き、証拠を固めるのが常道であるように思うが、ロブはパーティーなどでデュポン社の人間に会った際に、正面切って「PFOAの危険性」などについて尋ねている。観客は、「ロブがデュポン社の不正を暴く」と分かった上で観ているわけだが、それでも、「こんな正面突破みたいなやり方で本当に調査が出来るんだろうか?」と感じさせられた。
だからこそ、「嫌がらせ」のように大量の資料を送りつけてきたデュポン社の「脇の甘さ」にも驚かされてしまう。デュポン社としては「ロブが資料を全部読むはずがない」と考えて送ったのだろうが、その資料の中に決定的な証拠が含まれていたのだからお粗末としか言いようがない。あまりにもナメすぎではないかと感じた。大企業の驕りというやつだろうか。
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また、考えてみれば当然のことなのだが、ロブが所属する弁護士事務所の承認を受けてデュポン社の調査を始めたという点にも驚かされた。もちろん、デュポン社が個人で闘える相手ではないことは理解しているが、それにしても、企業側の顧問弁護士事務所であるタフトが協力したのは英断だったと思う。タフトは直接にデュポン社を担当していたわけではないようだが、タフトが主な取引相手としている化学企業のトップがデュポン社なのだから、よほどの覚悟がなければ決断できないだろう。
もちろん事務所の中には反対する者もいた。しかしロブの上司が、場面場面でとてもカッコいいことを言って周囲を説得する。
それだから弁護士は信頼されないんだ。
デュポン社をやっつけろ。全員でだ。
こんな風に、ロブの奮闘を後押しするような上司がいたからこそ、彼もその力を存分に発揮できたと言っていいだろう。別の弁護士事務所に所属していたとしたら、ロブの活躍はあり得なかったかもしれない。
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映画では、世界的大企業があの手この手で様々な手段を繰り出す様が描かれるのだが、その1つ1つに怒りを覚えてしまうはずだ。中でも、弁護士の1人が「上手いな」と唸った、パーカーズバーグの住民に届いた「デュポン社からの手紙」は、私も見事だと感じた。デュポン社が水道水を汚染しているという疑惑が持ち上がったタイミングで、デュポン社から住民に「井戸水から微量のPFOAが検出された」と記された手紙が届くのだ。わざわざ自身の非を認めるような手紙を送った意図についてはここでは触れないが、確かにある意味で「見事」な手段である。そして、このようなやり方がまかり通ってしまう現実を知ると、やはり、「法律的に正しいと定まったものは善」という判断を是としにくくなってしまうとも感じた。
描写としては決して多くはないが、映画ではロブの家族についても描かれる。そしてそれはほとんど、「デュポン社との闘いによってロブが失ったもの」が描かれる場面だ。
ロブの妻も元弁護士であり、同業だからこそ、ロブの仕事に対する理解もあるはずだと思う。それどころか、夫の闘いに誇りを抱いてもいるはずだ。しかしだからといって、現実の生活が侵食されてしまうと話は違ってくる。ロブは、調査に時間を費やせば費やすほど、家族を蔑ろにせざるを得ない。そんな夫に、妻はどうしてもキツく当たってしまう。ロブ自身ももちろん、家族に迷惑を掛けていることは痛いほど分かっているが、同時に、デュポン社への激しい怒りも捨てきれない。
大切にしている「家族」と、自身の中にある「正義」。その両者の板挟みに苦しみながらも、ロブは「これこそ自分がしなければならないことだ」と信じて突き進んでいく。その信念には凄まじいものを感じさせられた。
凄い人物がいるものだと思う。
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世界的大企業だから安心安全だなどという考えは、当たり前だがまったく通用しない。私たちは常に、企業が悪事を働いていないか、何か隠蔽していないかという視点を持ち続けなければならないのだ。
利益のために環境や人命が損なわれてはいけない。私たち市民がそのような姿勢を強く持ち、時には「NO」とはっきり言わなければならないのだと改めて実感させられた。
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「ホロコーストが起こったか否か」が、なんとイギリスの裁判で争われたことがある。その衝撃の実話を元にした『否定と肯定』では、「真実とは何か?」「情報をどう信じるべきか?」が問われる。「フェイクニュース」という言葉が当たり前に使われる世界に生きているからこそ知っておくべき事実
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【驚愕】正義は、人間の尊厳を奪わずに貫かれるべきだ。独裁政権を打倒した韓国の民衆の奮闘を描く映画…
たった30年前の韓国で、これほど恐ろしい出来事が起こっていたとは。「正義の実現」のために苛烈な「スパイ狩り」を行う秘密警察の横暴をきっかけに民主化運動が激化し、独裁政権が打倒された史実を描く『1987、ある闘いの真実』から、「正義」について考える
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【権利】衝撃のドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』は、「異質さを排除する社会」と「生きる権利」を問う
「ヤクザ」が排除された現在でも、「ヤクザが担ってきた機能」が不要になるわけじゃない。ではそれを、公権力が代替するのだろうか?実際の組事務所(東組清勇会)にカメラを持ち込むドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』が映し出す川口和秀・松山尚人・河野裕之の姿から、「基本的人権」のあり方について考えさせられた
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【告発】アメリカに”監視”される社会を暴露したスノーデンの苦悩と決断を映し出す映画:『スノーデン』…
NSA(アメリカ国家安全保障局)の最高機密にまでアクセスできたエドワード・スノーデンは、その機密情報を持ち出し内部告発を行った。「アメリカは世界中の通信を傍受している」と。『シチズンフォー』と『スノーデン』の2作品から、彼の告発内容とその葛藤を知る
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【実像】ベートーヴェンの「有名なエピソード」をほぼ一人で捏造・創作した天才プロデューサーの実像:…
ベートーヴェンと言えば、誰もが知っている「運命」を始め、天才音楽家として音楽史に名を刻む人物だが、彼について良く知られたエピソードのほとんどは実は捏造かもしれない。『ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく』が描く、シンドラーという”天才”の実像
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【絶望】「人生上手くいかない」と感じる時、彼を思い出してほしい。壮絶な過去を背負って生きる彼を:…
「北九州連続監禁殺人事件」という、マスコミも報道規制するほどの残虐事件。その「主犯の息子」として生きざるを得なかった男の壮絶な人生。「ザ・ノンフィクション」のプロデューサーが『人殺しの息子と呼ばれて』で改めて取り上げた「真摯な男」の生き様と覚悟
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【驚愕】ロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」はどう解釈すべきか?沢木耕太郎が真相に迫る:『キャパ…
戦争写真として最も有名なロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」には、「本当に銃撃された瞬間を撮影したものか?」という真贋問題が長く議論されてきた。『キャパの十字架』は、そんな有名な謎に沢木耕太郎が挑み、予想だにしなかった結論を導き出すノンフィクション。「思いがけない解釈」に驚かされるだろう
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【称賛】生き様がかっこいい。ムンバイのホテルのテロ事件で宿泊客を守り抜いたスタッフたち:映画『ホ…
インドの高級ホテルで実際に起こったテロ事件を元にした映画『ホテル・ムンバイ』。恐ろしいほどの臨場感で、当時の恐怖を観客に体感させる映画であり、だからこそ余計に、「逃げる選択」もできたホテルスタッフたちが自らの意思で残り、宿泊を助けた事実に感銘を受ける
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【絶望】権力の濫用を止めるのは我々だ。映画『新聞記者』から「ソフトな独裁国家・日本」の今を知る
私個人は、「ビジョンの達成」のためなら「ソフトな独裁」を許容する。しかし今の日本は、そもそも「ビジョン」などなく、「ソフトな独裁状態」だけが続いていると感じた。映画『新聞記者』をベースに、私たちがどれだけ絶望的な国に生きているのかを理解する
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【権利】「難民だから支援すべき」じゃない。誰でも最低限の安全が確保できる世界であるべきだ:映画『…
難民申請中の少年が、国籍だけを理由にチェスの大会への出場でが危ぶまれる。そんな実際に起こった出来事を基にした『ファヒム パリが見た奇跡』は実に素晴らしい映画だが、賞賛すべきではない。「才能が無くても安全は担保されるべき」と考えるきっかけになる映画
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【勇敢】後悔しない生き方のために”間違い”を犯せるか?法に背いてでも正義を貫いた女性の生き様:映画…
国の諜報機関の職員でありながら、「イラク戦争を正当化する」という巨大な策略を知り、守秘義務違反をおかしてまで真実を明らかにしようとした実在の女性を描く映画『オフィシャル・シークレット』から、「法を守る」こと以上に重要な生き方の指針を学ぶ
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【驚愕】「金正男の殺人犯」は”あなた”だったかも。「人気者になりたい女性」が陥った巧妙な罠:映画『…
金正男が暗殺された事件は、世界中で驚きをもって報じられた。その実行犯である2人の女性は、「有名にならないか?」と声を掛けられて暗殺者に仕立て上げられてしまった普通の人だ。映画『わたしは金正男を殺していない』から、危険と隣り合わせの現状を知る
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【ゴミ】プラスチックによる環境問題の実態を描く衝撃の映画。我々は現実をあまりに知らない:映画『プ…
プラスチックごみによる海洋汚染は、我々の想像を遥かに超えている。そしてその現実は、「我々は日常的にマイクロプラスチックを摂取している」という問題にも繋がっている。映画『プラスチックの海』から、現代文明が引き起こしている環境破壊の現実を知る
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【誠実】地下鉄サリン事件の被害者が荒木浩に密着。「贖罪」とは何かを考えさせる衝撃の映画:『AGANAI…
私には、「謝罪すること」が「誠実」だという感覚がない。むしろ映画『AGANAI 地下鉄サリン事件と私』では、「謝罪しない誠実さ」が描かれる。被害者側と加害者側の対話から、「謝罪」「贖罪」の意味と、信じているものを諦めさせることの難しさについて書く
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【危機】遺伝子組み換え作物の危険性を指摘。バイオ企業「モンサント社」の実態を暴く衝撃の映画:映画…
「遺伝子組み換え作物が危険かどうか」以上に注目すべきは、「モンサント社の除草剤を摂取して大丈夫か」である。種子を独占的に販売し、農家を借金まみれにし、世界中の作物の多様性を失わせようとしている現状を、映画「モンサントの不自然な食べもの」から知る
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【デマ】情報を”選ぶ”時代に、メディアの情報の”正しさ”はどのように判断されるのか?:『ニューヨーク…
一昔前、我々は「正しい情報を欲していた」はずだ。しかしいつの間にか世の中は変わった。「欲しい情報を正しいと思う」ようになったのだ。この激変は、トランプ元大統領の台頭で一層明確になった。『ニューヨーク・タイムズを守った男』から、情報の受け取り方を問う
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【衝撃】森達也『A3』が指摘。地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教は社会を激変させた
「オウム真理教は特別だ、という理由で作られた”例外”が、いつの間にか社会の”前提”になっている」これが、森達也『A3』の主張の要点だ。異常な状態で続けられた麻原彰晃の裁判を傍聴したことをきっかけに、社会の”異様な”変質の正体を理解する。
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【無知】メディアの問題の本質は?「報道の限界」と「情報の受け取り方」を独裁政治の現実から知る:『…
メディアは確かに「事実」を報じている。しかし、報道に乗らない情報まで含めなければ、本当の意味で世の中を理解することは難しいと、『こうして世界は誤解する』は教えてくれる。アラブ諸国での取材の現実から、報道の「限界」と「受け取り方」を学ぶ
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【意外】思わぬ資源が枯渇。文明を支えてきた”砂”の減少と、今後我々が変えねばならぬこと:『砂と人類』
「砂が枯渇している」と聞いて信じられるだろうか?そこら中にありそうな砂だが、産業用途で使えるものは限られている。そしてそのために、砂浜の砂が世界中で盗掘されているのだ。『砂と人類』から、石油やプラスチックごみ以上に重要な環境問題を学ぶ
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【加虐】メディアの役割とは?森達也『A』が提示した「事実を報じる限界」と「思考停止社会」
オウム真理教の内部に潜入した、森達也のドキュメンタリー映画『A』は衝撃を与えた。しかしそれは、宗教団体ではなく、社会の方を切り取った作品だった。思考することを止めた社会の加虐性と、客観的な事実など切り取れないという現実について書く
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【衝撃】壮絶な戦争映画。最愛の娘を「産んで後悔している」と呟く母らは、正義のために戦場に留まる:…
こんな映画、二度と存在し得ないのではないかと感じるほど衝撃を受けた『娘は戦場で生まれた』。母であり革命家でもあるジャーナリストは、爆撃の続くシリアの街を記録し続け、同じ街で娘を産み育てた。「知らなかった」で済ませていい現実じゃない。
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【勇敢】日本を救った吉田昌郎と、福島第一原発事故に死を賭して立ち向かった者たちの極限を知る:『死…
日本は、死を覚悟して福島第一原発に残った「Fukushima50」に救われた。東京を含めた東日本が壊滅してもおかしくなかった大災害において、現場の人間が何を考えどう行動したのかを、『死の淵を見た男』をベースに書く。全日本人必読の書
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【驚愕】日本の司法は終わってる。「中世レベル」で「無罪判決が多いと出世に不利」な腐った現実:『裁…
三権分立の一翼を担う裁判所のことを、私たちはよく知らない。元エリート裁判官・瀬木比呂志と事件記者・清水潔の対談本『裁判所の正体』をベースに、「裁判所による統制」と「権力との癒着」について書く。「中世レベル」とさえ言われる日本の司法制度の現実は、「裁判になんか関わることない」という人も無視できないはずだ
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