目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:ヤヤ・マヘイニ, 出演:ディア・リアン, 出演:ケーン・デ・ボーウ, 出演:モニカ・ベルッチ, 出演:ヴィム・デルボア, Writer:カウテール・ベン・ハニア, 監督:カウテール・ベン・ハニア
¥500 (2022/08/20 19:22時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 「難民」としては国境を超えられないのに、「芸術作品」としてはビザの発給を受けられるという皮肉
- 「人間」か「商品」か、あるいは「自由」か「不自由か」という対比関係が鮮やかで印象的
- ラストの見事な展開によって、我々が生きる社会の「システム」全体に対する指摘もなされる
実話ではないが、実在のモデルが存在する物語で、あらゆる意味で驚かされる怪作
自己紹介記事
あわせて読みたい
ルシルナの入り口的記事をまとめました(プロフィールやオススメの記事)
当ブログ「ルシルナ」では、本と映画の感想を書いています。そしてこの記事では、「管理者・犀川後藤のプロフィール」や「オススメの本・映画のまとめ記事」、あるいは「オススメ記事の紹介」などについてまとめました。ブログ内を周遊する参考にして下さい。
あわせて読みたい
【全作品読了・視聴済】私が「読んできた本」「観てきた映画」を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が『読んできた本』『観てきた映画』を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非本・映画選びの参考にして下さい。
どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
映画『皮膚を売った男』は、「アートがここまで鮮やかに『社会問題』を風刺できるのか」と驚かされた、実話をベースにした驚愕の物語
あわせて読みたい
【無謀】園子温が役者のワークショップと同時並行で撮影した映画『エッシャー通りの赤いポスト』の”狂気”
「園子温の最新作」としか知らずに観に行った映画『エッシャー通りの赤いポスト』は、「ワークショップ参加者」を「役者」に仕立て、ワークショップと同時並行で撮影されたという異次元の作品だった。なかなか経験できないだろう、「0が1になる瞬間」を味わえる“狂気”の映画
メチャクチャ面白かった。正直なところ、「面白かった」と書くにはちょっと抵抗を感じる作品ではあるのだが、それでも「面白かった」と言うしかない作品だ。
アートが、これほど鮮烈に、これほど皮肉的に、これほどセンセーショナルに「社会問題」を風刺できるという点に驚かされたし、不謹慎だからこそ力を持つ映画だと言ってもいいだろう。
映画『皮膚を売った男』の内容紹介
あわせて読みたい
【アート】「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」(森美術館)と「美術手帖 Chim↑Pom特集」の衝撃から「…
Chim↑Pomというアーティストについてさして詳しいことを知らずに観に行った、森美術館の「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」に、思考をドバドバと刺激されまくったので、Chim↑Pomが特集された「美術手帖」も慌てて買い、Chim↑Pomについてメッチャ考えてみた
シリアで恋人のアビールと電車に乗っているサムは、彼女と結婚したいと考えている。しかし裕福な家柄のアビールとの結婚はなかなか障害が多い。アビールもサムと結婚したいと考えているのだが、一方で、親を喜ばせるために望んでもいない見合いを受けなければならないという状況だ。
そんな現実を吹き飛ばしたいと考えたサムは、電車内で「彼女と結婚する!」と宣言、乗客たちと車内で大騒ぎする。しかしその時の発言が切り取られてネットにアップされ、サムは不当に逮捕されてしまった。どうにか警察署から逃げ出すことには成功したが、そのままシリアに留まることはできない。サムは姉の助けを借りて、レバノンへと逃れることに決める。
レバノンでどうにか働き口を見つけたサムは、食べ物にありつくため、呼ばれてもいないのに金持ちのパーティーに潜り込む日々を過ごしていた。そんなある日、パーティー会場で芸術家のジェフリーと出会う。彼は、サムがシリアからの難民だと知ると、酒でも飲もうと声を掛け、そして驚くべき提案をした。サムに「背中がほしい」と切り出したのだ。
あわせて読みたい
【改革】改修期間中の国立西洋美術館の裏側と日本の美術展の現実を映すドキュメンタリー映画:『わたし…
「コロナ禍」という絶妙すぎるタイミングで改修工事を行った国立西洋美術館の、普段見ることが出来ない「裏側」が映し出される映画『わたしたちの国立西洋美術館』は、「日本の美術展」の問題点を炙り出しつつ、「『好き』を仕事にした者たち」の楽しそうな雰囲気がとても魅力的に映るドキュメンタリー
サムは彼の提案に心が揺れる。レバノンに逃れた後も、彼はアビールと国際電話を続けていたのだが、彼女が不本意ながら見合い相手である外交官と結婚を決めたことを知ってしまった。サムの立場や現状を考えると、アビールとの関係が好転する可能性も期待できない。そんなことを考えて、彼は最終的に、ジェフリーの提案を飲むことにしたのである。
ジェフリーのアイデアは、常軌を逸したものだった。サムの背中にタトゥーを彫るのだが、その図案が「シェンゲンビザ」だというのだ。これは、「シェンゲン協定」を結ぶ地域内での通過・短期滞在者に与えられるビザであり、地域内を自由に移動できる証である。そんな証を彼は、難民としてどこにも行くことが出来ないサムの背中に彫ろうというのだ。
ジェフリーの発想は社会を大きく刺激した。サムは「人間」としては難民であり、どこにも行くことができない。しかし彼は、「作品」としてなら国外に出られるのだ。サムは「芸術作品」として様々な美術展で展示され、多くの観客の視線にさらされることになるが……。
あわせて読みたい
【アート】映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』が描く「美術界の闇」と「芸術作品の真正性」の奥深さ
美術界史上最高額510億円で落札された通称「救世主」は、発見される以前から「レオナルド・ダ・ヴィンチの失われた作品」として知られる有名な絵だった。映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』は、「芸術作品の真正性の問題」に斬り込み、魑魅魍魎渦巻く美術界を魅力的に描き出す
映画が突きつける絶妙な「皮肉」
「人間の背中にタトゥーを彫り、芸術作品として展示する」というだけの話なら、「不謹慎」でしかないだろう。「人間そのものを展示している」のだから、議論が起こらないはずがない。まして展示されているのはシリア難民なのだ。映画でも、「シリア難民を搾取している」という批判が描かれるが、確かにそういう見方が出てくるのは仕方がないだろう。
しかし、この映画の設定がただ「不謹慎」なだけになっていないのは、ジェフリーが彫ったのが「シェンゲンビザ」であるという痛烈な「皮肉」にある。つまりサムは、「人間」としては「難民」という立場ゆえに国境をまたぐことができないが、「芸術作品」としてならどの国にも行き来が出来るというわけだ。この「矛盾」を、「難民の背中にシェンゲンビザのタトゥーを彫る」という非常に鮮やかな手法によって示すこの映画の設定は見事だと思う。
あわせて読みたい
【教養】美術を「感じたまま鑑賞する」のは難しい。必要な予備知識をインストールするための1冊:『武器…
芸術を「感性の赴くまま見る」のは、日本特有だそうだ。欧米では美術は「勉強するもの」と認識されており、本書ではアートを理解しようとするスタンスがビジネスにも役立つと示唆される。美術館館長を務める著者の『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』から基礎の基礎を学ぶ
ジェフリーはこの「アート」の真意について、こんな風に説明している。
シリア人、パレスチナ人などは、外交上好ましくない存在として扱われる。
一方で、我々が生きる世界では、人間の行き来よりも商品の行き来の方が遥かに自由だ。
物語の中での話に過ぎないが、サムは「難民」としてはビザの発給が認められないが、「芸術作品」としてはビザが取得出来るのだ。私たちが生きる世界でも、同じ決断がなされる可能性が高いのではないかと思う。これが皮肉でなくてなんだろうか。
あわせて読みたい
【信念】9.11後、「命の値段」を計算した男がいた。映画『WORTH』が描く、その凄絶な2年間(主演:マイ…
9.11テロの後、「被害者の『命の値段』を算出した男」がいたことをご存知だろうか?映画『WORTH』では、「被害者遺族のために貢献したい」と無償で難題と向き合うも、その信念が正しく理解されずに反発や対立を招いてしまった現実が描かれる。実話を基にしているとは思えない、凄まじい物語だ
私は別に、「すべてのアートは社会問題を提起すべき」などと考えているわけではない。しかしアートには間違いなくそのような側面もある。そして、映画『皮膚を売った男』は、まさにその性質をこれ以上ないというレベルで突き詰めた、非常に挑戦的なリアリティを持つ作品だと思う。
映画を観ていて、なるほどと感じさせられたのは、「『サムというアート』を売る際の問題点」だ。映画でそう指摘されるまで私は思いつかなかったが、「サムを売買すること」は「人身売買」に当たると多くの国が判断する。確かにその通りだ。どれだけ「これはアートです」と主張したところで、実態は「人間」である。もしそんな理屈がまかり通ってしまうのであれば、「人身売買する予定の人間」に適当な絵を書いて「これはアートだ」と強弁すれば成立してしまうことになるだろう。さすがに、そんな世界が許容されていいはずがない。
シェンゲンビザが彫られたサムは、そのような点でも社会問題を提起する存在というわけだ。そして、そのような問題提起をもたらすからこそ、「サムというアート」には価値があるのだとも言える。しかしその価値は、「売ってお金に替える」という普通のやり方では計りにくい。そこに価値があることは間違いないのに、一般的な尺度でその価値を相対化することができない、という点も、非常に特徴的なのである。
あわせて読みたい
【生と死】不老不死をリアルに描く映画。「若い肉体のまま死なずに生き続けること」は本当に幸せか?:…
あなたは「不老不死」を望むだろうか?私には、「不老不死」が魅力的には感じられない。科学技術によって「不老不死」が実現するとしても、私はそこに足を踏み入れないだろう。「不老不死」が実現する世界をリアルに描く映画『Arc アーク』から、「生と死」を考える
様々な社会問題を、「背中にシェンゲンビザのタトゥーを彫る」という行為1つで浮き彫りにする鮮やかさが何よりも見事な作品だった。
ラストの見事な展開と、そこで初めて「実話ではない」と気づいた話
私はそもそもこの映画を、「実話を基にした作品」だと勘違いしていた。映画の後半に入るまで、ずっとそう思いこんでいたのだ。しかしある時点から、「あぁ、そうか、実話ではないのか」と気付かされた。実話だとしたらあまりにあり得ない展開になるからだ。しかし、そのような展開だからこそ、この映画の「本当の主題」が浮き彫りになるとも言える。非常に見事なラストだったと思う。
この記事では、ラストの展開について具体的には触れないが、「『サムというアート』が抱える『解決不可能な問題』を、『もはやそれしかない』という見事なやり方で解消するような展開になる」とだけ書いておこう。そして、ラストのこの一連の流れの中で、「システム」という言葉が出てくる。まさに「サムというアート作品」は、世界の「システム」に対抗するためのアンチテーゼのような存在であり、「難民の背中にシェンゲンビザのタトゥーを彫った」という狭い捉え方に留まらない、より広い視点での指摘がなされるというわけだ。
あわせて読みたい
【対立】パレスチナとイスラエルの「音楽の架け橋」は実在する。映画『クレッシェンド』が描く奇跡の楽団
イスラエルとパレスチナの対立を背景に描く映画『クレッシェンド』は、ストーリーそのものは実話ではないものの、映画の中心となる「パレスチナ人・イスラエル人混合の管弦楽団」は実在する。私たちが生きる世界に残る様々な対立について、その「改善」の可能性を示唆する作品
さて、この映画の内容そのものは実話ではないのだが、ジェフリーやサムのモデルとなった人物はいる。現代アーティストのヴィム・デルボアが、ティム・ステイナーという男性の背中にタトゥーを入れた「TIM」という作品が2006年に発表されているのだ。「TIM」はドイツのアートコレクターに15万ユーロ、2008年当時のレートで約1900万円で落札されたという。そんなヴィム・デルボアは、『皮膚を売った男』にちょい役で出演してもいる。
物語そのものは実話ではないものの、映画の設定は現実をかなりリアルに踏襲しているのだ。この事実だけでも、相当に驚きではないだろうか。
「人間」か「商品」か、あるいは「自由」か「不自由」か
この映画では、様々な要素が対比的に描かれていく。先述した通り、「人間」なのか「芸術作品(商品)」なのかというのもその1つだ。
あわせて読みたい
【歴史】NIKEのエアジョーダン誕生秘話!映画『AIR/エア』が描くソニー・ヴァッカロの凄さ
ナイキがマイケル・ジョーダンと契約した時、ナイキは「バッシュ業界3位」であり、マイケル・ジョーダンも「ドラフト3位選手」だった。今からは信じられないだろう。映画『AIR/エア』は、「劣勢だったナイキが、いかにエアジョーダンを生み出したか」を描く、実話を基にした凄まじい物語だ
「そんなのは非日常的な問だ」と感じるかもしれないが、そんなことはない。特に現代では、YouTuberやライブ配信者、コスプレイヤーなど、芸能人ではない一般の人の間でも「自分自身の存在を商品化して収益を得る」という生き方が当たり前になっている。まさにそのような社会では、「人間なのか商品なのか」という問いが成立すると言っていいだろう。
だから、この映画で描かれるサムも、サムを鑑賞する人たちも、決して他人事ではいられない。
映画を観ると、美術館に大挙する「サムを観るためにやってきた観客」が、とても「醜悪」に感じられるのではないかと思う。いくら「アート」だと説明されようとも、目の前にいるのは「人間」なのだ。それをこぞって見に押しかける人々に対して嫌悪感を抱く人もいると思う。またそもそも、背中にタトゥーを彫ることを許可したサムに対しても、違和感を覚えてしまうかもしれない。
あわせて読みたい
【異次元】『ハイパーハードボイルドグルメリポート』は本も読め。衝撃すぎるドキュメンタリーだぞ
テレビ東京の上出遼平が作る、“異次元のグルメ番組”である「ハイパーハードボイルドグルメリポート」の書籍化。映像からも異様さが伝わる「激ヤバ地」に赴き、そこに住む者と同じモノを食べるという狂気が凄まじい。私がテレビで見た「ケニアのゴミ山の少年」の話は衝撃的だった
しかし、形こそ違えど、私たちもサムや観客のような振る舞いをしながらこの世界を生きている。サムや観客に対して嫌悪感を抱くとすれば、それは私たち自身にも向けられなければならないはずだ。ここには、「牛や豚は食べてもいいが、犬は許せない」みたいな「ダブルスタンダード」が存在するように感じられる。私たち自身も、サムや観客と同じように「醜悪」というわけだ。
また、「自由」と「不自由」の対比も印象的だった。
映画の冒頭では、不当逮捕から難民になってしまったサムの「不自由さ」が描かれていく。何をするにしても、彼には自由な選択が存在しない。そのような「不自由さ」からなんとか逃れたいという気持ちを強く抱いた結果、彼は「背中を差し出す」という決断に至るのである。
その決断は、彼に「自由」をもたらした。「難民」としてはどこにも行けなかった彼が、「芸術作品」としてはどこへでも行くことができるのだ。そのために、「背中を手放す」という「不自由」を享受することになってしまったわけだが、当初彼は、得られた「自由」に比べたらそんなことは大した問題ではないと考える。
あわせて読みたい
【驚異】甲子園「2.9連覇」を成し遂げた駒大苫小牧野球部監督・香田誉士史の破天荒で規格外の人生:『勝…
「田中将大と斎藤佑樹の死闘」「37年ぶりの決勝戦再試合」「驚異の2.9連覇」など話題に事欠かなかった駒大苫小牧野球部。その伝説のチームを率いた名将・香田誉士史の評伝『勝ちすぎた監督』は、体罰が問題になった男の毀誉褒貶を余すところなく描き出す。しかしとんでもない男だ
しかしそう簡単な話ではない。サムは次第に、「芸術作品」としての「不自由」を身をもって実感していく。まず、「展示物としてじっとしている」ことが求められるという「不自由」がある。また、望んでもいない形で注目を浴びてしまう「不自由」や、その選択を家族に受け入れてもらえないという「不自由」もあった。サムが辿る「自由」と「不自由」はどちらにせよ非常に極端なもので、結局彼はなかなか落ち着くことができない。
そういう中にあってサムは、最終的にある決断に至る。その決断は、客観的に見れば「不自由」に受け取られるだろう。しかしサムは、「ここで満足だ」と断言する。彼はようやく、彼にとって真の意味での「自由」を手に入れたのだ。まさにこの物語は、「自由こそが不自由であり、不自由こそが自由である」という矛盾を示す作品でもあると感じた。
このようにかなり示唆的に対比関係が描かれることで、問題の本質が何なのかが炙り出される。その展開も、非常に鮮やかだと感じさせられた。
サムとアビールの関係もとても興味深く描かれる
あわせて読みたい
【実話】ポートアーサー銃乱射事件を扱う映画『ニトラム』が示す、犯罪への傾倒に抗えない人生の不条理
オーストラリアで実際に起こった銃乱射事件の犯人の生い立ちを描く映画『ニトラム/NITRAM』は、「頼むから何も起こらないでくれ」と願ってしまうほどの異様な不穏さに満ちている。「社会に順応できない人間」を社会がどう受け入れるべきかについて改めて考えさせる作品だ
この映画は、「サムがアート作品になる」という非常に普通ではない話が物語の核となるわけだが、それ以外の部分も非常に面白く描かれる。その中でもやはり、サムとアビールの関係が印象的だ。
アビールもまた、「不自由」を象徴するような存在として描かれていく。シリアを含む中東では、まだ女性の権利が低いままの国も多くあるのだろう。イスラム教の影響が強いことも関係していると思うが、とにかくアビールは、望んだ相手との結婚が許されず、「生きていくため」に仕方なく親が決めた相手と結婚し、その結婚生活も幸せとは言えない状況にある。
サムにしても、身分の違いはどうにか乗り越えてアビールと結婚できるはずだ、と考えていたが、自身の不注意ですべてをおじゃんにしてしまう。
そんな風に否応なしにすれ違う2人だが、その後も彼らはずっとすれ違っていくことになる。サムとアビールの関係性は、物語を盛り上げるという役割を持つ非常に「フィクショナル」なものではあるが、一方で、「展示物」であり「感情を持つ人間」でもあるというサムの複雑さを際立たせる、非常に重要な要素だとも感じた。
そして映画では、サムとアビールの関係が思いも寄らない展開を迎えることとなる。この点についてもこの記事では触れないが、最後の最後まで非常に上手くまとまった、見事な構成の作品だと感じた。
あわせて読みたい
【驚嘆】映画『TAR/ター』のリディア・ターと、彼女を演じたケイト・ブランシェットの凄まじさ
天才女性指揮者リディア・ターを強烈に描き出す映画『TAR/ター』は、とんでもない作品だ。「縦軸」としてのターの存在感があまりにも強すぎるため「横軸」を上手く捉えきれず、結果「よく分からなかった」という感想で終わったが、それでも「観て良かった」と感じるほど、揺さぶられる作品だった
出演:ヤヤ・マヘイニ, 出演:ディア・リアン, 出演:ケーン・デ・ボーウ, 出演:モニカ・ベルッチ, 出演:ヴィム・デルボア, Writer:カウテール・ベン・ハニア, 監督:カウテール・ベン・ハニア
¥500 (2022/08/20 19:25時点 | Amazon調べ)
ポチップ
あわせて読みたい
【全作品視聴済】私が観てきた映画(フィクション)を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が観てきた映画(フィクション)を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非映画選びの参考にして下さい。
最後に
あわせて読みたい
【映画】『キャスティング・ディレクター』の歴史を作り、ハリウッド映画俳優の運命を変えた女性の奮闘
映画『キャスティング・ディレクター』は、ハリウッドで伝説とされるマリオン・ドハティを描き出すドキュメンタリー。「神業」「芸術」とも評される配役を行ってきたにも拘わらず、長く評価されずにいた彼女の不遇の歴史や、再び「キャスティングの暗黒期」に入ってしまった現在のハリウッドなどを切り取っていく
「難民の背中にシェンゲンビザのタトゥーを彫る」というワンアイデアを軸に物語全体を見事に構成し、痛烈に社会問題を皮肉りながら観客を惹き込むストーリー展開にもなっているという点が非常にレベルが高いと思う。実話でこそないが、実在のモデルが存在するという点にも驚かされるし、とにかく見事な作品だった。
あわせて読みたい
【食&芸術】死んでも車を運転したくない人間の香川うどん巡り& 豊島アート巡りの旅ルート(山越うどん…
仕事終わりの木曜日夜から日曜日に掛けて、「香川のうどん巡り」と「豊島のアート巡り」をしてきました。うどんだけでも7580円分食べたので、かなりの軒数を回ったことになります。しかも「死んでも車を運転したくない」ため、可能な限り公共交通機関のみで移動しました。私と同じように「車を運転したくない人」には、かなり参考になる記事と言えるのではないかと思います
次にオススメの記事
あわせて読みたい
【興奮】「チームラボプラネッツTOKYO@豊洲」は超素敵な空間だった!2027年年末の終了前に急ごう!
前々から行きたいと思っていた「チームラボプラネッツTOKYO」にようやく行けた。ここはホントに素敵な場所だったなぁ。ありとあらゆる「非日常」が詰まった空間で、朝イチでさほど混んでいなかったこともあり大満足だった。体感では9割近くが外国人というのもあまりに異次元。ホントにまた是非行きたいなと思う
あわせて読みたい
【不思議】「杉本博司 絶滅写真」展は衝撃的!だが、代表作<ジオラマ>を始め、何がすごいのかは謎だ
「杉本博司 絶滅写真」(@東京国立近代美術館)は、写真展にはあまりピンとこない私がぶっ飛ぶほどの衝撃を受けた素敵すぎる展示である。何よりも、「生命ではないものを撮って『生命感』を宿す」という手腕に驚かされたし、また全体的に「何が良いのか分からないがメチャクチャ良い」という感覚が強く、とにかく素晴らしかった
あわせて読みたい
【日本開催】「ロン・ミュエク展@森美術館」は超良い!バグったサイズ感がもたらす絶妙な違和感
森美術館で開催中の「ロン・ミュエク展」は、私がこれまでに足を運んだ様々な美術展の中でもトップクラスに素晴らしかった。「圧倒的にリアルな造形」と「あまりにもバグったサイズ感」を有することで、「現実感」と「非現実感」が否応なしに共存するという違和感が強烈だったし、無数の頭蓋骨が無造作に置かれた作品は圧巻である
あわせて読みたい
【不寛容】カルトと呼ばれた「イエスの方舟」の現在は?「理解できなければ排除する社会」を斬る映画:…
映画『方舟にのって』は、1980年に社会を騒がせ、「ハーレム教団」「セックスカルト教団」と呼ばれて大問題となった「イエスの方舟」の現在を追うドキュメンタリー映画だ。そして、そんな本作が本当に映し出してるのは「大衆」の方である。「『理解できないもの』は排除する」という社会に対する違和感を改めて浮き彫りにする1作
あわせて読みたい
【虚構】映画『シアトリカル』が追う唐十郎と劇団唐組の狂気。芝居に生きる者たちの”リアル”とは?
映画『シアトリカル』は、異端児・唐十郎と、彼が主宰する「劇団唐組」に密着するドキュメンタリー映画である。「普段から唐十郎を演じている」らしい唐十郎は、「ややこしさ」と「分かりやすさ」をないまぜにした実に奇妙な存在だった。「演劇」や「演じること」に己を捧げた「狂気を孕む者たち」の生き様が切り取られた作品だ
あわせて読みたい
【アート】映画『ヒプノシス』は、レコードジャケットの天才創作集団の繁栄と衰退を掘り起こす
映画『ヒプノシス』は、レコードのジャケットデザインで一世を風靡した天才集団「ヒプノシス」の栄枯盛衰を描き出すドキュメンタリー映画である。ストームとポーの2人が中心となって作り上げた凄まじいクリエイティブはそのまま、レコードジャケットの歴史と言っていいほどだ。ぶっ飛んだ才能とその生き方を知れる映画である
あわせて読みたい
【異常】オンラインゲーム『DayZ』内でドキュメンタリー映画を撮るという狂気的な実験が映す人間模様:…
映画『ニッツ・アイランド』は、「『DayZ(デイジー)』というサバイバル・ゲーム内で撮られたドキュメンタリー映画」という斬新すぎる作品だ。「生き物を殺さない集団」「人殺しを楽しんで行う集団」など、ゲーム内の様々なプレイヤーから話を聞きつつ、「ゲーム内の世界は『リアル』なのか?」という問いにも焦点が当てられる
あわせて読みたい
金沢&富山のアート旅!「21世紀美術館」だけじゃない激アツなおすすめ美術館巡りをご提案
金沢・富山を巡るアート旅に出かけてきました!メインの目的は「21世紀美術館」でしたが、それ以上に「ASTER Curator Museum」「LIP BAR」「KAMU kanazawa」などがとにかく素晴らしかったです。アートや美術のことはド素人ですが、超個人的主観で「金沢・富山で触れられるアートの良さ」について書いた旅行記となります
あわせて読みたい
【異次元】リアリティ皆無の怪作映画『Cloud クラウド』は、役者の演技でギリ成立している(監督:黒沢…
映画『Cloud クラウド』(黒沢清監督)は、リアリティなどまったく感じさせないかなり異様な作品だった。登場人物のほとんどが「人間っぽくない」のだが、錚々たる役者陣による見事な演技によって、「リアリティ」も「っぽさ」も欠いたまま作品としては成立している。「共感は一切出来ない」と理解した上で観るなら面白いと思う
あわせて読みたい
【天才】映画『箱男』はやはり、安部公房がSNSの無い時代に見通した「匿名性」への洞察が驚異的(監督:…
映画『箱男』は、安部公房本人から映画化権を託されるも一度は企画が頓挫、しかしその後27年の月日を経て完成させた石井岳龍の執念が宿る作品だ。SNSなど無かった時代に生み出された「匿名性」に関する洞察と、「本物とは何か?」という深淵な問いが折り重なるようにして進む物語で、その魅惑的な雰囲気に観客は幻惑される
あわせて読みたい
【感想】高倍率のやばい藝大入試に挑む映画『ブルーピリオド』は「生きてる実感の無さ」をぶち壊す(監…
映画『ブルーピリオド』は、大学入試で最高倍率とも言われる200倍の試験に挑む高校生たちの物語。東京藝術大学絵画科という果てしない最難関に、高校2年生から突然挑戦すると決めた矢口八虎を中心に、「『好き』に囚われた者たち」の果てしない情熱と葛藤を描き出す。絵を描くシーンを吹き替えなしで行った役者の演技にも注目だ
あわせて読みたい
【感想】映画『ルックバック』の衝撃。創作における衝動・葛藤・苦悩が鮮やかに詰め込まれた傑作(原作…
アニメ映画『ルックバック』は、たった58分の、しかもセリフも動きも相当に抑制された「静」の映画とは思えない深い感動をもたらす作品だった。漫画を描くことに情熱を燃やす2人の小学生が出会ったことで駆動する物語は、「『創作』に限らず、何かに全力で立ち向かったことがあるすべての人」の心を突き刺していくはずだ
あわせて読みたい
【SDGs】パリコレデザイナー中里唯馬がファッション界の大量生産・大量消費マインド脱却に挑む映画:『…
映画『燃えるドレスを紡いで』は、世界的ファッションデザイナーである中里唯馬が、「服の墓場」と言うべきナイロビの現状を踏まえ、「もう服を作るのは止めましょう」というメッセージをパリコレの場から発信するまでを映し出すドキュメンタリー映画である。個人レベルで社会を変革しようとする凄まじい行動力と才能に圧倒させられた
あわせて読みたい
【正義】ナン・ゴールディンの”覚悟”を映し出す映画『美と殺戮のすべて』が描く衝撃の薬害事件
映画『美と殺戮のすべて』は、写真家ナン・ゴールディンの凄まじい闘いが映し出されるドキュメンタリー映画である。ターゲットとなるのは、美術界にその名を轟かすサックラー家。なんと、彼らが創業した製薬会社で製造された処方薬によって、アメリカでは既に50万人が死亡しているのだ。そんな異次元の薬害事件が扱われる驚くべき作品
あわせて読みたい
【憧憬】「フランク・ザッパ」を知らずに映画『ZAPPA』を観て、「この生き様は最高」だと感じた
「フランク・ザッパ」がミュージシャンであることさえ禄に知らない状態で私が映画『ZAPPA』を観た私は、そのあまりに特異なスタンス・生き様にある種の憧憬を抱かされた。貫きたいと思う強い欲求を真っ直ぐ突き進んだそのシンプルな人生に、とにかくグッときたのだ。さらに、こんな凄い人物を知らなかった自分にも驚かされてしまった
あわせて読みたい
【魅惑】マツコも絶賛の“日本人初のパリコレトップモデル”山口小夜子のメイクの凄さや素顔を描く映画:…
日本人初のパリコレトップモデルである山口小夜子と親交があった監督が紡ぐ映画『氷の花火 山口小夜子』は、未だ謎に包まれているその人生の一端を垣間見せてくれる作品だ。彼女を知る様々な人の記憶と、彼女を敬愛する多くの人の想いがより合って、一時代を築いた凄まじい女性の姿が浮かび上がってくる
あわせて読みたい
【食&芸術】死んでも車を運転したくない人間の香川うどん巡り& 豊島アート巡りの旅ルート(山越うどん…
仕事終わりの木曜日夜から日曜日に掛けて、「香川のうどん巡り」と「豊島のアート巡り」をしてきました。うどんだけでも7580円分食べたので、かなりの軒数を回ったことになります。しかも「死んでも車を運転したくない」ため、可能な限り公共交通機関のみで移動しました。私と同じように「車を運転したくない人」には、かなり参考になる記事と言えるのではないかと思います
あわせて読みたい
【狂気】異質なホラー映画『みなに幸あれ』(古川琴音主演)は古い因習に似せた「社会の異様さ」を描く
古川琴音主演映画『みなに幸あれ』は、”シュールさ”さえ感じさせる「異質なホラー映画」だ。「村の因習」というよくあるパターンをベースに据えつつ、そこで展開される異様な状況が、実は「私たちが生きる世界」に対応しているという構成になっている。「お前の物語だからな」と終始突きつけられ続ける作品だ
あわせて読みたい
【映画】『キャスティング・ディレクター』の歴史を作り、ハリウッド映画俳優の運命を変えた女性の奮闘
映画『キャスティング・ディレクター』は、ハリウッドで伝説とされるマリオン・ドハティを描き出すドキュメンタリー。「神業」「芸術」とも評される配役を行ってきたにも拘わらず、長く評価されずにいた彼女の不遇の歴史や、再び「キャスティングの暗黒期」に入ってしまった現在のハリウッドなどを切り取っていく
あわせて読みたい
【改革】改修期間中の国立西洋美術館の裏側と日本の美術展の現実を映すドキュメンタリー映画:『わたし…
「コロナ禍」という絶妙すぎるタイミングで改修工事を行った国立西洋美術館の、普段見ることが出来ない「裏側」が映し出される映画『わたしたちの国立西洋美術館』は、「日本の美術展」の問題点を炙り出しつつ、「『好き』を仕事にした者たち」の楽しそうな雰囲気がとても魅力的に映るドキュメンタリー
あわせて読みたい
【共感】斎藤工主演映画『零落』(浅野いにお原作)が、「創作の評価」を抉る。あと、趣里が良い!
かつてヒット作を生み出しながらも、今では「オワコン」みたいな扱いをされている漫画家を中心に描く映画『零落』は、「バズったものは正義」という世の中に斬り込んでいく。私自身は創作者ではないが、「売れる」「売れない」に支配されてしまう主人公の葛藤はよく理解できるつもりだ
あわせて読みたい
【伝説】映画『ミスター・ムーンライト』が描くビートルズ武道館公演までの軌跡と日本音楽への影響
ザ・ビートルズの武道館公演が行われるまでの軌跡を描き出したドキュメンタリー映画『ミスター・ムーンライト』は、その登場の衝撃について語る多数の著名人が登場する豪華な作品だ。ザ・ビートルズがまったく知られていなかった頃から、伝説の武道館公演に至るまでの驚くべきエピソードが詰まった1作
あわせて読みたい
【倫理】アート体験の行き着く未来は?映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』が描く狂気の世界(…
「『痛み』を失った世界」で「自然発生的に生まれる新たな『臓器』を除去するライブパフォーマンス」を行うソール・テンサーを主人公にした映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』は、すぐには答えの見出しにくい「境界線上にある事柄」を挑発的に描き出す、実に興味深い物語だ
あわせて読みたい
【異次元】『ハイパーハードボイルドグルメリポート』は本も読め。衝撃すぎるドキュメンタリーだぞ
テレビ東京の上出遼平が作る、“異次元のグルメ番組”である「ハイパーハードボイルドグルメリポート」の書籍化。映像からも異様さが伝わる「激ヤバ地」に赴き、そこに住む者と同じモノを食べるという狂気が凄まじい。私がテレビで見た「ケニアのゴミ山の少年」の話は衝撃的だった
あわせて読みたい
【実話】台湾のろう学校のいじめ・性的虐待事件を描く映画『無聲』が問う、あまりに悲しい現実
台湾のろう学校で実際に起こったいじめ・性的虐待事件を基に作られた映画『無聲』は、健常者の世界に刃を突きつける物語だ。これが実話だという事実に驚かされる。いじめ・性的虐待が物語の「大前提」でしかないという衝撃と、「性的虐待の方がマシ」という選択を躊躇せず行う少女のあまりの絶望を描き出す
あわせて読みたい
【特異】「カメラの存在」というドキュメンタリーの大前提を覆す映画『GUNDA/グンダ』の斬新さ
映画『GUNDA/グンダ』は、「カメラの存在」「撮影者の意図」を介在させずにドキュメンタリーとして成立させた、非常に異端的な作品だと私は感じた。ドキュメンタリーの「デュシャンの『泉』」と呼んでもいいのではないか。「家畜」を被写体に据えたという点も非常に絶妙
あわせて読みたい
【アート】映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』が描く「美術界の闇」と「芸術作品の真正性」の奥深さ
美術界史上最高額510億円で落札された通称「救世主」は、発見される以前から「レオナルド・ダ・ヴィンチの失われた作品」として知られる有名な絵だった。映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』は、「芸術作品の真正性の問題」に斬り込み、魑魅魍魎渦巻く美術界を魅力的に描き出す
あわせて読みたい
【斬新】ホームレスの家を「0円ハウス」と捉える坂口恭平の発想と視点に衝撃。日常の見え方が一変する:…
早稲田大学建築学科在籍中から「建築物の設計」に興味を持てなかった坂口恭平が、「ホームレスの家」に着目した『TOKYO 0円ハウス0円生活』には、「家」に対する考え方を一変させる視点が満載。「家に生活を合わせる」ではなく、「生活に家を合わせる」という発想の転換が見事
あわせて読みたい
【革新】天才マルタン・マルジェラの現在。顔出しNGでデザイナーの頂点に立った男の”素声”:映画『マル…
「マルタン・マルジェラ」というデザイナーもそのブランドのことも私は知らなかったが、そんなファッション音痴でも興味深く観ることができた映画『マルジェラが語る”マルタン・マルジェラ”』は、生涯顔出しせずにトップに上り詰めた天才の来歴と現在地が語られる
あわせて読みたい
【矛盾】法律の”抜け穴”を衝く驚愕の小説。「ルールを通り抜けたものは善」という発想に潜む罠:『法廷…
完璧なルールは存在し得ない。だからこそ私たちは、矛盾を内包していると理解しながらルールを遵守する必要がある。「ルールを通り抜けたものは善」という”とりあえずの最善解”で社会を回している私たちに、『法廷遊戯』は「世界を支える土台の脆さ」を突きつける
あわせて読みたい
【アート】「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」(森美術館)と「美術手帖 Chim↑Pom特集」の衝撃から「…
Chim↑Pomというアーティストについてさして詳しいことを知らずに観に行った、森美術館の「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」に、思考をドバドバと刺激されまくったので、Chim↑Pomが特集された「美術手帖」も慌てて買い、Chim↑Pomについてメッチャ考えてみた
あわせて読みたい
【正義】「正しさとは何か」を考えさせる映画『スリー・ビルボード』は、正しさの対立を絶妙に描く
「正しい」と主張するためには「正しさの基準」が必要だが、それでも「規制されていないことなら何でもしていいのか」は問題になる。3枚の立て看板というアナログなツールを使って現代のネット社会の現実をあぶり出す映画『スリー・ビルボード』から、「『正しさ』の難しさ」を考える
あわせて読みたい
【教養】美術を「感じたまま鑑賞する」のは難しい。必要な予備知識をインストールするための1冊:『武器…
芸術を「感性の赴くまま見る」のは、日本特有だそうだ。欧米では美術は「勉強するもの」と認識されており、本書ではアートを理解しようとするスタンスがビジネスにも役立つと示唆される。美術館館長を務める著者の『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』から基礎の基礎を学ぶ
あわせて読みたい
【実話】正論を振りかざす人が”強い”社会は窮屈だ。映画『すばらしき世界』が描く「正解の曖昧さ」
「SNSなどでの炎上を回避する」という気持ちから「正論を言うに留めよう」という態度がナチュラルになりつつある社会には、全員が全員の首を締め付け合っているような窮屈さを感じてしまう。西川美和『すばらしき世界』から、善悪の境界の曖昧さを体感する
あわせて読みたい
【救い】耐えられない辛さの中でどう生きるか。短歌で弱者の味方を志すホームレス少女の生き様:『セー…
死にゆく母を眺め、施設で暴力を振るわれ、拾った新聞で文字を覚えたという壮絶な過去を持つ鳥居。『セーラー服の歌人 鳥居』は、そんな辛い境遇を背景に、辛さに震えているだろう誰かを救うために短歌を生み出し続ける生き方を描き出す。凄い人がいるものだ
あわせて読みたい
【諦め】「人間が創作すること」に意味はあるか?AI社会で問われる、「創作の悩み」以前の問題:『電気…
AIが個人の好みに合わせて作曲してくれる世界に、「作曲家」の存在価値はあるだろうか?我々がもうすぐ経験するだろう近未来を描く『電気じかけのクジラは歌う』をベースに、「創作の世界に足を踏み入れるべきか」という問いに直面せざるを得ない現実を考える
あわせて読みたい
【希望】貧困の解決は我々を豊かにする。「朝ベッドから起きたい」と思えない社会を変える課題解決:『…
現代は、過去どの時代と比べても安全で清潔で、豊かである。しかしそんな時代に、我々は「幸せ」を実感することができない。『隷属なき道』をベースに、その理由は一体なんなのか何故そうなってしまうのかを明らかにし、さらに、より良い暮らしを思い描くための社会課題の解決に触れる
この記事を読んでくれた方にオススメのタグページ
ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
戦争・世界情勢【本・映画の感想】 | ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
日本に生きているとなかなか実感できませんが、常に世界のどこかで戦争が起こっており、なくなることはありません。また、テロや独裁政権など、世界を取り巻く情勢は様々で…
タグ一覧ページへのリンクも貼っておきます
ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
記事検索(カテゴリー・タグ一覧) | ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
コメント