目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
監督:アレックス・ウィンター, プロデュース:アーメット・ザッパ, プロデュース:ジョン・フリッゼル, 出演:ブルース・ビックフォード, 出演:パメラ・デ・バレス, 出演:バンク・ガードナー, 出演:デイヴィッド・ハリントン, 出演:マイク・キニーリー, 出演:スコット・トゥニス, 出演:ジョー・トラバース, 出演:イアン・アンダーウッド, 出演:ルース・アンダーウッド, 出演:スティーヴ・ヴァイ, 出演:レイ・ホワイト, 出演:ゲイル・ザッパ
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ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 「ミュージシャン」ではなく「作曲家」であり続けた、そのあまりに異端的なスタンス
- 音楽的な環境にいたことはないのに、まったくの独学でクラシックも作曲するというあまりの無双ぶり
- 「音楽を続けるために不動産免許を取るべき」とアドバイスするその真意とは?
「ヒット曲などいくらでも作れたはず」と言われたフランク・ザッパのぶっ飛んだ人生を是非体感してほしい
自己紹介記事
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どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
「フランク・ザッパ」についてまったく何も知らずに観た映画『ZAPPA』には、羨ましくなるほどの魅惑的な人生が詰まっていた
フランク・ザッパは「ミュージシャン」ではなく「作曲家」である
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私はこれまでに、「フランク・ザッパ」という名前を耳にしたことはあるのだが、「恐らく人名なんだろう」ぐらいの認識しか持っていなかった。そして本作を観る直前にようやく、「フランク・ザッパはミュージシャンである」と理解したというわけだ。
しかし、映画を観終えて感じたのは、「フランク・ザッパはミュージシャンではない」ということだった。彼は、「作曲家」なのである。
本作は、フランク・ザッパの過去のインタビュー映像や、彼の周囲にいた人物の証言などを組み合わせて作られているのだが、その中でフランク・ザッパが次のようなことを繰り返し口にしていたことがとても印象的だった。
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自分が作った曲を“聴く”にはバンドを組むしかなかった。
俺の願いは単純だ。作った曲すべての良い演奏と良い録音をする、そしてそれを家で聴く。聴きたい人がいたら素晴らしい。簡単に聞こえるだろうが、すごく難しいことだ。
リハ2回でお願いしたいというオーケストラもある。リハ2回なんかじゃ、とても完璧な演奏など望めない。間違った演奏をするくらいなら、しない方がマシだ。
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また、自身が作った「マザーズ」というバンドを解散したことについて問われた際には、「私がやりたいのは、発言することと、作った音楽を聴くことだ」とも答えていた。いずれの発言にも一貫性を感じられるのではないかと思う。
それはつまり、「自分の頭の中で鳴っている音楽を、完璧な形で聴きたい」という願望である。彼にはほぼ、この動機しか存在しなかった。「音楽の世界で有名になる」とか、「お金を」とか、あるいは、「最高の演奏を実現する」とか「自分の曲で誰かを感動させる」みたいなことにも興味がなかったのだ。ただひたすらに、「頭の中の音楽を実際に聴く」ことだけを目指し続けたのである。
フランク・ザッパは1993年に54歳の若さで亡くなったのだが、そんな彼が生前に発表したアルバムは62枚だった。しかし、驚くべきことに、死後に発売されたアルバムは53枚にも上るのである。フランク・ザッパの自宅には、彼が作曲した曲に関するあらゆる情報が保管された倉庫があり、53枚のアルバムは恐らく、その倉庫からピックアップされたものなのだと思う。フランク・ザッパを知る人物は、「彼は常に作曲していた」とその特異さについて表現していた。恐らくだが、未発表曲はまだまだ山ほどあるのだろうと思う。
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とにかく、「『曲を作りたい』という欲求を現実に実践し続けた人生」だったのである。
「有名になること」にまったく関心がなかった
そんな、音楽に携わる者としては相当特異な彼のスタンスについては、周囲の人間も理解していたようだ。本作には、様々な表現でフランク・ザッパについて語る者が登場する。
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主流の音楽でトップに立ちながら、「こんなのクソだ」って言うんだからね。
冷たい印象に感じられることもあったけど、何よりも「作品を作ることだけ」にすべてを懸けていたんだと思う。
(周囲の人間の)力不足と限界ゆえに、頭の中の再現ができずにいることに悩んでいた。
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少なくとも8時間、時に12時間も練習した。クリスマスも感謝祭もお構いなしだ。
周囲の人間も巻き込みながら、凄まじくストイックに「作曲」と「頭の中の完璧な再現」に励んでいたことがよく分かるだろう。
さらに、こんな風に言っている者もいた。
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フランクは、ヒットするのを恐れていた。
ヒット曲なんかいくらでも作れたはずだ。でも、自分でダメにしている。僕にはまったく理解できないよ。
ヒット曲を書くことにまったく興味はなかった。
「ヒット曲などいくらでも書けたはずなのに書かなかった」と認識されているところに、フランク・ザッパの驚異的な才能を感じさせられた。
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私は恐らくだが、フランク・ザッパの曲を聴いたことがないと思う。仮にあるとしても、それを「フランク・ザッパの曲」と認識出来てはいない。私はそもそも音楽にはまったく詳しくないのだが、それでも、ザ・ビートルズやクイーンの曲は聴けばすぐに分かるし、フランク・ザッパも同じようなレベル感にいる人だと思っている。にも拘らず、私は「フランク・ザッパの曲」が分からないのだ。恐らくそれは、「大衆にウケるかどうか」みたいな動機で曲を作らなかったからだと思う。そして何よりも凄いのは、大衆ウケを狙わなかったのに、コアな層だけではない幅広いファンを獲得出来たということだろう。そういう意味でも、かなり特異な存在と言えるように思う。
音楽に触れる環境にいなかった彼は、作曲のすべてを独学で学んだ
ボーカロイドのような環境が整っている現代ではまた違うとは思うが、そうなる以前は一般的に、「両親が音楽に関わっている」「子どもの頃からピアノやバイオリンを習っていた」みたいな人でなければ、なかなか「作曲」に手を出すことは難しかったのではないかと思う。
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しかしフランク・ザッパはそのような環境にはいなかった。生まれた家が貧乏で、また家族に音楽好きが誰もいなかったこともあり、そもそも15歳くらいまで音楽に触れたことさえなかったそうだ。13歳頃までは化学に興味があったとかで、6歳の時に爆弾の作り方を覚え、また、父親の仕事の都合で家にあったガスマスクをおもちゃにして遊んでいたという。何にせよ、昔から変わり者だったことは確かなようだ。
そんな彼が音楽の道を志すきっかけになったのが、あるレコード店の店主が書いた雑誌の記事だったという。その店主は、「どんなクソみたいなレコードでも売れる」と豪語していたらしいのだが、彼が目にした記事で紹介していたのが、ヴァレーズの『イオニザシオン』だった。そこで早速買って聴いてみたところ、「瞬時に好きにならないのはどうかしている」と感じるほど打ちのめされたそうだ。そしてこれをきっかけに作曲を始めたのである。ちなみに、『イオニザシオン』については作中で詳しく触れられなかったので調べたのだが、「騒音主義」と呼ばれるジャンルの頂点に位置する作品だそうで、「『美しさ』の対極」にあるような作品なのだそうだ。これもまた凄い話である。
さて、そんなきっかけで作曲を始めたこともあり、彼は音楽的な知識を他者から学ぶことなく、一切を独学で通した。彼の周囲にいる人物は、その事実に驚かされたという。本作中には、フランク・ザッパを「作曲の天才」と評する人物が何人か出てくるが、その内の1人は「独学だとは驚異的だ」と言っていた。その人物は後に、フランク・ザッパが作曲したクラシック曲を演奏した人物である。
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そう、音楽的な素養が無かったにも拘らず、フランク・ザッパはクラシックも作曲しているのだ。というか、作曲を始めた当初はクラシック曲ばかり書いており、ロックの作曲をするようになったのは20代後半からだというから、これもまた凄まじい話である。ちなみに、彼が結成したバンド「マザーズ」にはホーン奏者がいたし、バンドなのにクラシック曲を演奏していた。当時の常識どころか、現代の常識と比べてもぶっ飛んでいると言っていいと思う。
本当に、「突然変異」みたいな存在だなと感じさせられた。
「音楽では食べていけない」と考えていた
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もちろん、作曲を始めたからといって、すぐに音楽で食べていけたわけではない。フランク・ザッパは、生活のためにカードを制作する会社でイラストを描く仕事をしたりしていたそうだ。そんな彼がある場面で口にした「音楽の世界で生きていくための心得」が非常に興味深かった。
本作では、晩年のフランク・ザッパが講演会か何かに登壇している映像が使われている。そこには対談相手がおり、「音楽」をテーマに議論をしているようだ。そしてそれまでの話の流れを踏まえてだろう、対談相手から、
あなたの考えでは、音楽学校の生徒たちは、「死んだ教授」から「死んだ音楽」を「死んだ言語」で学んでいる、ということなんですよね?
と聞かれたフランク・ザッパは、これに「はい」と答えている。そしてさらにその上で、次のように続けるのだ。
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音楽で食べていこうという人には、不動産免許を取るように勧めています。自分の作曲をしたいなら、他で稼ぐ必要がある。
彼のこの考え方は、非常に興味深いと思う。これは単に、「売れるまでに時間が掛かるだろうし、もしかしたら売れないかもしれないのだから、別で食い扶持を確保しておくべし」みたいな話ではないはずだ。恐らくだがこの発言には、「『稼げない音楽』であることにこそ意味がある」みたいなニュアンスが含まれているのではないかと私は感じた。
公式HPには、「売れたものが優れている、という考え方はくだらない」というフレーズが載っている。私の記憶では、この言葉は作中には出てこなかったと思うのだが、恐らくフランク・ザッパが口にしたものなのだろう。そして、そんな彼の信念を逆説的な形で証明するために、「売れないが『優れている』と評価されるものを作ろう」と考えていたのではないかと私は想像しているのだ。このように考えることで、フランク・ザッパにとっての「売れないこと」の大事さが理解できるだろうし、となれば、食い扶持は別で持っておくべきという考え方になるのも自然である。
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そしてこのようなスタンスもまた、「ミュージシャンではない」という感覚を強める要素と言えるだろう。ミュージシャンであればやはり、どういう形であれ「多くの人に聴いてもらいたい」と考えるだろうし、そのための最も分かりやすい状態が「売れること」だと考えるはずだ。しかしフランク・ザッパは、「誰かに聴いてもらう」のではなく、「自分が聴いて満足したい」という欲求の方が強かった。そんなスタンスで音楽の世界に入ってくる人はたぶんいないし、当然、それを貫き続けることも出来ないだろう。やはり凄まじく狂気的な存在であると感じさせられた。
主張するアーティスト
さて、映画を観ただけでは状況を正確に理解できたとは言えないが、フランク・ザッパはどうやら所属していたレコード会社から喧嘩別れのような形で独立し、自身のオリジナルレーベルを立ち上げたようである。現在でも、アーティスト個人によるオリジナルレーベルなどあまり存在しないだろうが、当時はもちろんそんな例などなく、相当に画期的だったという。こうしてフランク・ザッパは、音楽的に金銭的にも完全に独立した初めてのアーティストになったのだ。
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何故こんなことを書いているのか。それはこの事実が、後に起こったある騒動において重要な役割を果たしたからである。彼はなんと、アメリカの音楽界に持ち上がったある問題にたった1人で立ち向かっていったのだ。
ある時アメリカ国内で、「音楽の格付制度を導入すべき」という議論が持ち上がったのだという。映画の場合には「R-18」などのレーティングが存在するが、音楽にはそれがない。しかし、音楽にだって過激な歌詞が含まれるものがあるのだから、同じような評価制度を設けるべきではないか。そんな意見が出始めたのだ。そしてこの運動にはなんと、国のお偉方の奥さんも参加していたそうである。となるとやはり、大手レコード会社に所属しているアーティストは、なかなか個人として発言しにくかったのではないかと思う。事実、この問題が持ち上がった当時、厳然と反対の立場を表面したのはフランク・ザッパただ1人だったそうだ。自身が立ち上げたオリジナルレーベルに所属する彼は、レコード会社の意向など関係なしに言いたいことが言える。そして彼は、「それは検閲の匂いがする」という違和感を覚え、たった1人で闘いに挑んだのだ。
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フランク・ザッパは、「誰にだって沈黙する権利はある」と、声を上げない他のアーティストの気持ちを慮る発言をしていた。まあ確かに私としても、「契約があるから好きなように発言できないのは仕方ない」と理解できる。それでも感覚的にはどうしても、誰一人声を上げなかったという状況には残念な気持ちを抱いてしまうし、だからこそ、1人気炎を吐くフランク・ザッパは素晴らしかったなと思う。
また、音楽とは関係ない部分にも彼は絡んでいく。本作は、「ビロード革命を経て民主化したチェコスロバキアで、フランク・ザッパが3年ぶりにギターを弾いたライブ映像」から始まるのだが、映画の後半で、「フランク・ザッパがチェコスロバキアの通商貿易担当に就任した」という話が出てきてびっくりした。アーティストがやるような仕事じゃないだろう。しかもチェコスロバキアはアメリカから、「今後も支援を得たければ、フランク・ザッパを排除しろ」と通告されていたというのだ。フランク・ザッパがいかに権威から毛嫌いされていたのかが分かるエピソードと言えるだろう。
本当に、その破天荒さには驚かされてしまった。凄い人物がいたものだ。
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フランク・ザッパは、1995年にロックの殿堂入りを果たし、1997年にはグラミー賞特別功労賞・生涯業績賞を受賞している。しかし恐らく、それらはフランク・ザッパには何の意味ももたらさなかっただろう。むしろ、「他人に評価されること」に対しては嫌悪感しか抱かなかったかもしれない。
ある人物がフランク・ザッパのことを、次のように評していた。
自分が生きたいように生きられないのであれば、生きていても仕方ないと考える人物だった。
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この感覚は私もとても共感できる。この話に限らず、映画を観ながら私は、フランク・ザッパの生き様や思想、考え方にかなり惹かれてしまった。私は「何者かになる」みたいなことにはさほど興味がない。しかし本作を観て、「フランク・ザッパのように生きたい」とは強く感じさせられた。
正直なところ、「こんな風に生きられたら理想的だろうな」というある種の羨望さえ抱かされてしまったのである。
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1969年5月13日、三島由紀夫と1000人の東大全共闘の討論が行われた。TBSだけが撮影していたフィルムを元に構成された映画「三島由紀夫vs東大全共闘」は、知的興奮に満ち溢れている。切腹の一年半前の討論から、三島由紀夫が考えていたことと、そのスタンスを学ぶ
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【衝撃】森達也『A3』が指摘。地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教は社会を激変させた
「オウム真理教は特別だ、という理由で作られた”例外”が、いつの間にか社会の”前提”になっている」これが、森達也『A3』の主張の要点だ。異常な状態で続けられた麻原彰晃の裁判を傍聴したことをきっかけに、社会の”異様な”変質の正体を理解する。
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【改革】AIは将棋をどう変えた?羽生善治・渡辺明ら11人の現役棋士が語る将棋の未来:『不屈の棋士』(…
既に将棋AIの実力はプロ棋士を越えたとも言われる。しかし、「棋力が強いかどうか」だけでは将棋AIの良し悪しは判断できない。11人の現役棋士が登場する『不屈の棋士』をベースに、「AIは将棋界をどう変えたのか?」について語る
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どんな親でも、子どもを幸せにしてあげたい、と考えるでしょう。しかしそのために、過保護になりすぎてしまっている、ということもあるかもしれません。『オーマイ・ゴッドファーザー』をベースに、子どもを豊かに、力強く生きさせるための”劇薬”を学ぶ
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【おすすめ】江戸川乱歩賞受賞作、佐藤究『QJKJQ』は、新人のデビュー作とは思えない超ド級の小説だ
江戸川乱歩賞を受賞した佐藤究デビュー作『QJKJQ』はとんでもない衝撃作だ。とても新人作家の作品とは思えない超ド級の物語に、とにかく圧倒されてしまう。「社会は『幻想』を共有することで成り立っている」という、普段なかなか意識しない事実を巧みにちらつかせた、魔術のような作品
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【加虐】メディアの役割とは?森達也『A』が提示した「事実を報じる限界」と「思考停止社会」
オウム真理教の内部に潜入した、森達也のドキュメンタリー映画『A』は衝撃を与えた。しかしそれは、宗教団体ではなく、社会の方を切り取った作品だった。思考することを止めた社会の加虐性と、客観的な事実など切り取れないという現実について書く
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【奇跡】ビッグデータに”直感”を組み込んで活用。メジャーリーグを変えたデータ分析家の奮闘:『アスト…
「半世紀で最悪の野球チーム」と呼ばれたアストロズは、ビッグデータの分析によって優勝を果たす。その偉業は、野球のド素人によって行われた。『アストロボール』をベースに、「ビッグデータ」に「人間の直感」を組み込むという革命について学ぶ
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こんな映画、二度と存在し得ないのではないかと感じるほど衝撃を受けた『娘は戦場で生まれた』。母であり革命家でもあるジャーナリストは、爆撃の続くシリアの街を記録し続け、同じ街で娘を産み育てた。「知らなかった」で済ませていい現実じゃない。
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「みんなと同じ」に馴染めないと「社会不適合」と判断され、排除されてしまうことが多いでしょう。しかし『非属の才能』では、「どこにも属せない感覚」にこそ才能の源泉があると主張します。常識に違和感を覚えてしまう人を救う本から、同調圧力に屈しない生き方を学ぶ
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【勇敢】日本を救った吉田昌郎と、福島第一原発事故に死を賭して立ち向かった者たちの極限を知る:『死…
日本は、死を覚悟して福島第一原発に残った「Fukushima50」に救われた。東京を含めた東日本が壊滅してもおかしくなかった大災害において、現場の人間が何を考えどう行動したのかを、『死の淵を見た男』をベースに書く。全日本人必読の書
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自由に選択し、自由に行動し、自由に生きているつもりでも、現代社会においては既に「自由意志」は失われてしまっている。しかし、そんな世の中を生きることは果たして不幸だろうか?異色警察小説『巡査長 真行寺弘道』をベースに「不幸になる自由」について語る
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【実話】仕事のやりがいは、「頑張るスタッフ」「人を大切にする経営者」「健全な商売」が生んでいる:…
メガネファストファッションブランド「オンデーズ」の社長・田中修治が経験した、波乱万丈な経営再生物語『破天荒フェニックス』をベースに、「仕事の目的」を見失わず、関わるすべての人に存在価値を感じさせる「働く現場」の作り方
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【議論】安楽死のできない日本は「死ぬ権利」を奪っていると思う(合法化を希望している):『安楽死を…
私は、安楽死が合法化されてほしいと思っている。そのためには、人間には「死ぬ権利」があると合意されなければならないだろう。安楽死は時折話題になるが、なかなか議論が深まらない。『安楽死を遂げた日本人』をベースに、安楽死の現状を理解する
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大前提として、表現には「技術」が必要だ。しかし、「技術」だけでは乗り越えられない部分も当然ある。それを「あいつはセンスが良いから」という言葉に逃げずに、向き合ってぶつかっていくための心得とは何か。『作詞少女』をベースに「表現することの本質」を探る
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子どもの頃は、自分が何かの才能やセンスに恵まれていることを期待していましたが、残念ながら天才ではありませんでした。昔はやはり、凄い人に嫉妬したり、誰かと比べて苦…
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