目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
監督:沖田修一, クリエイター:バンダイナムコフィルムワークス, クリエイター:東京テアトル, クリエイター:アナン・インターナショナル, クリエイター:日活, クリエイター:太洋産業貿易, クリエイター:KDDI, クリエイター:DOKUSO 映画館, クリエイター:毎日新聞社, プロデュース:濵田健二, プロデュース:赤須恵祐, プロデュース:西ヶ谷寿一, プロデュース:西宮由貴, プロデュース:西川朝子, プロデュース:日野千尋, Writer:前田司郎, 出演:のん, 出演:柳楽優弥, 出演:夏帆, 出演:磯村勇斗, 出演:岡山天音, 出演:西村瑞季, 出演:宇野祥平, 出演:前原滉, 出演:島崎遥香, 出演:鈴木拓, 出演:賀屋壮也(かが屋), 出演:朝倉あき, 出演:長谷川忍(シソンヌ), 出演:豊原功補, 出演:さかなクン, 出演:三宅弘城, 出演:井川遥
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ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
この記事で伝えたいこと
とにかく、「のん(能年玲奈)が素晴らしかった」としか言いようがない作品です
特別のんのファンというわけではないのですが、のんが出演する映画を観る度に「のんが良かった」と感じます
この記事の3つの要点
- 性別を超えた配役があまりにも絶妙で、その1点だけ考えても本作は圧倒的に”勝ってる”作品だと思う
- 「子どものやりたいことを一切否定せずに全肯定する」という、母親のある意味で”狂気的”な子育てが、結果として「さかなクン」を生んだ
- 「『【さかなクン】が興味を抱けない状況の変化』は描かれない」という構成が違和感として浮き出ない点もまた凄いと思う
誰もが知っている「さかなクン」の”知られざる来歴”には、誰もが驚かされるのではないだろうか
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物凄く素敵な映画でした。ホントに最後、ちょっとウルッと来てしまったぐらいです。「さかなクン」やその家族のキャラクターも良かったんだけど、さかなクンをのん(能年玲奈)が演じているという点が何よりお見事だと思いました。
ホントにこの作品は、「のん主演」ってところが絶妙すぎたよね
誰のアイデアなのか知らないけど、「のんを主演にしよう!」って考えた人、天才だと思う
「さかなクン役」に「のん」を抜擢したことがとにかく素晴らしい
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本作『さかなのこ』は、映画館で予告を観る機会が多い作品だったのですが、初めてその予告を観た際に「主演がのん(能年玲奈)であること」を知り、メチャクチャ驚きました。斬新な配役を考えるものだな、と。しかし同時に、「お見事!」とも感じました。「女性が男性の役を演じる」という点に驚かされたわけですが、それと同時に「のんなら成り立つだろう」とも思えたからです。
私は、のんが主演の映画をそれなりに観ています。特段のんを追っているつもりはないのですが、ただ、人間にあまり興味を抱けない私にとってかなり惹かれる存在であることは確かです。そして、これは私の個人的な感触ですが、のんが演じるのは「のんにしか成立させられない役」であることが多いような気がします。普通なら「そんな人いないでしょ」と感じられてしまいそうな役柄でも、のんが演じることによって「実在感」が増すみたいなことが結構ある気がするのです。
そこが「役者・のん」の特異な部分だって個人的には思ってる
役者本人の特異性が役柄にもうまく反映されてるっていう、結構珍しいタイプな気がするよね
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そしてそれは、本作『さかなのこ』でも同様でした。性別が違うにも拘らず、「さかなクンを演じられるのはのんしかいない」みたいな感覚にさせられたのです。真剣に考えてはいませんが、正直なところ、最適な配役はちょっと他に思い浮かびません。さかなクンには、「最初の印象は奇抜だけれども、佇まいはとても丁寧」「性別を感じさせない中性性」みたいな雰囲気を感じますが、のんにもまた同じ印象を抱かされる感じがあり、まさに適役と言えるでしょう。
本作においてのんは、特段「男装」をするわけでもなく、「女性の見た目」のまま出演しています。もちろん、学校のシーンでは学ランを着ているし、また、あぐらをかいて座るなど男っぽい振る舞いをすることもあるのですが、宝塚の男役のような見た目で登場したりはしません。以前観た映画『架空OL日記』でも、バカリズムが女装をするわけでもなくOLの服を着て出演していましたが、そういう感じです。
バカリズムも、何故かその感じで成立しているから不思議だったよね
女性に見えるってわけでは全然ないんだけど、作品の雰囲気には馴染んでるし、違和感がないんだよなぁ
そしてのんも、本作『さかなのこ』においてほとんど違和感を与えることがありません。私は唯一、キャバクラでモモコと再会したシーンだけは少し混乱しました。「女性同士のシーン」に見えてしまったからです。しかし私の場合、それ以外の場面では「女性の見た目」であることが作品の受け取り方に影響を与えたりはしませんでした。
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これは本当に凄いことだと思います。のんは決して、「見た目が女性らしくない」わけではありません。むしろ「女性らしい」方でしょう。しかし一方で、「女優・のん」の場合、「女性性であること」が強調されていない気がします。どうしても『あまちゃん』の印象が強くなるのですが、「性別に囚われず好きなように生きる」みたいなイメージがのんという女優に付随している感じがして、それ故に「さかなクン=のん」という図式に違和感を抱かないのだろうと感じました。また、本作にも「海に潜るシーン」があり、どこまで狙っていたのか分からないものの「あまちゃん=のん=さかなクン」みたいな連想が生まれるし、それ故に、普通なら違和感が強くなるはずの配役を自然に受け入れられたのではないかとも思います。
特段のんのファンのつもりはないんだけど、でも、のんが出てくる作品を観るといつも、「のんが良かったなぁ」って感想になる
「自分に合った良い役をやれてる」ってことなのかもね
「好きなことに熱中している人」が当たり前のように受け入れられる世の中であってほしい
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私はよく、『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系列)という番組を観ています。「城」「野菜」「昭和家電」など、「一般的には子どもが熱中しなそうな対象」にのめり込み、大人顔負けの知識や経験を持つ子どもたちを特集する番組です。そして私はこの番組を観る度に、「この番組のお陰で救われる子どもは結構いるんだろうな」と感じます。
彼らは、我々大人の目からは「メチャクチャ楽しくに生きている」ように見えるだろうし、ある意味では「眩しく」も映るでしょう。ただ、同年代にはなかなか理解されないんじゃないかと思います。なにせ、クラスメートが「アイドル」や「ゲーム」に熱中している中、「味噌を作る」「動物を解体して標本を作る」みたいなことに時間を費やしているのですから。そういう子どもからすれば、「自分と同じように何かにのめり込んでいる人がいる」と知れることは単純に嬉しいだろうし、何なら番組を通じて「同志」と知り合えたりもするのです。そんな彼らは「未来のさかなクン」と言っていいでしょう。個人的にはとても良い番組だなと思っています。
私は本当に、そんな風に熱中出来るものがついぞ見つからなかったから、羨ましいなって思う
ほぼ唯一と言っていいぐらい続いているのが、「文章を書くこと」だからね
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そんなわけでここから、本作『さかなのこ』で描かれるさかなクンのエピソードに触れていくのですが、実は本作にはさかなクン本人も出演しているので説明がややこしくなります。そこで以下では、「のんが演じている人物」のことを【さかなクン】と表記し、本物のさかなクンとは区別することにしましょう。
本作は基本的に実話を基にして作られているはずですが、はっきり言って、「本当にこれは実際にあったことなのか?」と感じてしまうようなエピソードがたくさん出てきます。ただ、それらの真偽はともかく、「【さかなクン】は常に、自分が属する場で浮いていた」という描写は間違いなく事実でしょう。タコのことを「さん付け」で呼んでバカにされたり、魚の知識は圧倒的なのに勉強が出来ずに呆れられたり、魚は大好きなのに水族館など魚を扱う仕事は向いていないなど、どこに行っても全然上手くいきません。作中には、【さかなクン】が「普通って何?」と口にする場面があるのですが、まさに「『普通』が何なのかさえ分からないぐらい『普通』には馴染めない存在」というわけです。
さかなクンほどじゃないにしても、昔から「馴染めなさ」ばっかり感じてきたからね
『博士ちゃん』に出演する子どもたちは、大人顔負けのトーク力・対応力を有しているので、彼らはきっとさかなクンのように浮いたりはしないのでしょう。というか、「浮いていたとしても孤立はしない」みたいな感じなのだと思います。しかし世の中には、そうではない子どもたちもたくさんいるはずです。彼らと同じく「熱中出来るもの」は持っているけれど、「人との接し方」に難があり、さかなクンと同じように「どこに行っても馴染めない」みたいな状況にいる子どももたくさんいるでしょう。
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そして『博士ちゃん』という番組は、テレビを観ているかもしれないそんな子どもたちに向けて、「それでいいんだぜ」というメッセージを密かに送っているような感じがするのです。そういうスタンスはきっと、「テレビに出演して滔々と喋ったりは出来ない博士ちゃんたち」を勇気づけていることでしょう。
しかしホントに、『博士ちゃん』に出てくる子どもは優秀だよね
大学教授と対等に会話したり、大人の前で講演を行ったりしてるから凄いもんだと思う
「親からの肯定」に勝るものはない
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本作『さかなのこ』を観ると、【さかなクン】の人生にとってはとにかく、母親の存在がとてつもなく大きかったことが理解できるでしょう。というのも母親は、【さかなクン】のやること成すことすべてを徹底的に肯定していくのです。
例えば、子どもの頃に家族で行った海水浴のシーン。【さかなクン】は、子どもの自分と同じぐらいのサイズの巨大タコを捕まえるのですが、なんと母親に「これを飼ってもいい?」と聞き、母親もまたそれにOKを出すのです。実際には、母親とのそんなやり取りを知らなかった父親がタコを殺し、海辺で焼いてみんなで食べたのですが。また、「ギョギョおじさん」(これをさかなクンが演じています)の家に遊びに行きたいと【さかなクン】がお願いした時もOKを出します。「ギョギョおじさん」は近所でも有名な”不審者”で、父親は息子のお願いに猛反対するのですが、母親は本人がそうしたいならとOKするのです。
正直、この母親もちょっと”異常”に感じられるぐらいぶっ飛んでたよね
【さかなクン】にとっては結果オーライだっただろうけど、何かが少し違ってたら危なかったかも
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父親は息子の言動に違和感を覚えることが多く、「あの子は少しおかしいだろ」と口にするのですが、母親は次のように言って父親を諌めます。
周りの子と違っていいじゃないですか。あの子はこのままでいいんです。
また、学校の成績があまりにも悪く、三者面談の場で教師から「家でも勉強させて下さい」と言われた際にも、次のように返していました。
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勉強が出来る子もいて、出来ない子もいて、それでいいじゃないですか。みんなが優等生だったら、ロボットみたいで怖いじゃないですか。
この子はお魚が好きで、お魚の絵を描いて、それでいいんです。
こういう母親じゃなかったら、私たちが知っているような「さかなクン」は生まれなかっただろうなぁ
さて、以前読んだ『非属の才能』(山田玲司/光文社)という本にも、同じようなエピソードが書かれていました。著者は子どもの頃、どれほどムチャクチャなことをやっても親から一切制約を受けたことがなく、彼がやりたいと思うことをやりたいようにさせてくれたのだそうです。そしてその後彼は、著名人へのインタビューなどを繰り返す中で、「『どこにも属せない感覚』こそが才能なのだ」という考えに至ります。『非属の才能』は、そんな思考がまとまった1冊です。
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詳しい内容については、上にリンクした記事を読んでもらうとして、『非属の才能』から1つ引用したいと思います。
幼稚園なんかで友達と遊ばず、ひたすらアリの行列を眺めていたり、粘土でしか遊ばないような子供を見ると、大騒ぎして無理やり友達の輪に混ぜようとする親や先生がいるが、そういう余計なことはぜひやめていただきたい。
『非属の才能』(山田玲司/光文社)
映画『さかなのこ』で描かれる母親は、まさにそのようなスタンスを守り続けていたと言えるでしょう。
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『非属の才能』は、今でも思い出すことがあるぐらい、自分の中では割と「指針」になった本だなって思ってる
「社会に馴染めない」とどうしても「自分が悪い」って発想になりがちだけど、それを絶妙に肯定してくれる感じがいいよね
もちろん、【さかなクン】の母親のように振る舞うのとは容易ではありません。そのことは作中でも示唆されています。ラストの方で判明する話なので具体的には触れませんが、【さかなクン】は実は、家族に対して想像以上に迷惑を掛けていたのです。私は、誰にとっても「自由に生きること」が大事だと考えているのですが、とはいえやはり、「他人の『自由』を制約してまで実現すべきことではない」とも思います。【さかなクン】はちょっと自由すぎたかもしれません。
ただ一方で、【さかなクン】は間違いなく、「私たちが想像可能な範囲の世界」ではまず生きていけなかっただろうと思います。学校や職場での「浮きっぷり」だけを見ていても、そのことは十分実感できるはずです。私たちはさかなクンのことを見知っているので、彼のまともさや誠実さみたいなものも理解できます。しかし、そういう「社会性」は「『さかなクン』として世に出た」からこそ視覚化されるようになったわけで、そうではない人生を歩んでいたら「変なヤツ」みたいな見られ方で終わってしまったはずです。
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)逆に言えば、私たちが「変なヤツ」みたいな扱いをしちゃってる人も、別のステージではメチャクチャ輝くかもしれないよね
私はそもそも「変なヤツ」が好きなので、そういう人を見つけたら割と近づいていっちゃうんだけど
だからあくまでも結果論でしかありませんが、「母親の育て方」は大正解だったと言っていいでしょう。母親のような育て方をしなかったら、【さかなクン】は単なる「社会不適合者」で終わってしまったんじゃないかと思います。【さかなクン】は「好きに勝るもの、無しで“ぎょ”ざいます」と口にするのですが、そのスタンスを貫き通したからこその人生だったのだろうと思うし、そんな生き方を実現できた「狂気」や「異端さ」にも驚かされました。
「『【さかなクン】が興味を抱けない状況の変化』は描かれない」という物語の構成について
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さて、本作『さかなのこ』の構成でとても面白かったのが、「『【さかなクン】が興味を抱けない状況の変化』は描かれない」という点です。
例えば、ある場面で【さかなクン】は突然、母親と2人暮らしになります。それまで両親と兄の4人で暮らしていたのに、一切の説明がないまま、場面が切り替わったら2人暮らしになっていたのです。恐らく離婚したのだろうと思います。そして【さかなクン】は間違いなく、そのような「変化」に関心を抱いていなかったはずです。「よく分からないけれど、父と兄がいなくなったな」ぐらいの感覚だったのかもしれません。そして恐らくそれ故に、「離婚に至った経緯や説明」は作中で一切描かれないのです。
観客も「【さかなクン】には興味なんか無いだろうなぁ」って感じるから、その説明の無さをするっと受け入れられる気がする
普通の物語なら違和感になるだろう要素が、本作ではそのようには機能しないんだよね
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また、【さかなクン】はある時、「学生時代の同級生が女性と食事をしている場」に呼ばれたのですが、しばらくすると、一緒に食事をしていた女性が何故か帰ってしまいました。その理由については何となく示唆されはするのですが、ちゃんとは説明されません。これも恐らく、その理由に【さかなクン】の興味が向かなかったからでしょう。
さらに、【さかなクン】の家に子連れで転がり込んだモモコは、【さかなクン】があまりにも何も事情を聞いてこないので、「聞かないの?」と思わず口にしてしまいます。そしてそれに対して【さかなクン】は、「え? 何か聞いてほしかったの?」と返すのです。恐らく、気遣いでも何でもなく、純粋にそう思っているのでしょう。そのため、「モモコがどのような事情から【さかなクン】の家にやって来ることになったのか」についてもほぼ描かれません。
映画を作る側としては、なかなか勇気の要る決断な気がするよね
ただ、「そうすることで【さかなクン】のキャラクターがより引き立つ」のは確かだし、そっちを優先したんだろうなって思う
このように本作では、「【さかなクン】の興味が向くこと」しか描かれません。そして、そのような構成はとても成功していると私には感じられました。本作は、実に日常的な世界の中で展開される物語なのですが、そんな「日常の物語」にあって然るべき様々な要素が、「【さかなクン】の興味が向いていないから」というだけの理由でバッサリ切られているのです。そのため、どことなく「ファンタジーの世界」に迷い込んだような雰囲気が漂っている気がします。「『人間世界のグチャグチャした部分』が描かれないことで、背景となる世界の純度が上がっている」とでも言えばいいでしょうか。
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そんな「世界の上澄みだけを掬ったような物語」は普通、とても嘘くさくリアリティが欠けるものに感じられるはずですが、映画『さかなのこ』はそのような雰囲気になっていません。やはりそれは、「『さかなクン』という特異なキャラクターが実在する」という事実、そして「そのキャラクターを『のん』という絶妙な配役で再構築している」という点のバランスが見事だったからだと思います。
実に素敵な作品でした。
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監督:沖田修一, クリエイター:バンダイナムコフィルムワークス, クリエイター:東京テアトル, クリエイター:アナン・インターナショナル, クリエイター:日活, クリエイター:太洋産業貿易, クリエイター:KDDI, クリエイター:DOKUSO 映画館, クリエイター:毎日新聞社, プロデュース:濵田健二, プロデュース:赤須恵祐, プロデュース:西ヶ谷寿一, プロデュース:西宮由貴, プロデュース:西川朝子, プロデュース:日野千尋, Writer:前田司郎, 出演:のん, 出演:柳楽優弥, 出演:夏帆, 出演:磯村勇斗, 出演:岡山天音, 出演:西村瑞季, 出演:宇野祥平, 出演:前原滉, 出演:島崎遥香, 出演:鈴木拓, 出演:賀屋壮也(かが屋), 出演:朝倉あき, 出演:長谷川忍(シソンヌ), 出演:豊原功補, 出演:さかなクン, 出演:三宅弘城, 出演:井川遥
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最後に
結局映画の内容について全然触れませんでしたが、とにかく面白いので観てほしいです。基本的にはさかなクンの「幼少期(ミー坊)」から「テレビに出始めるぐらい」までを描いています。「中学時代に、日本で初めてカブトガニの人工孵化に成功した」など、ちょっと信じがたいエピソードがたくさん出てくるのですが、調べてみると「カブトガニの人工孵化」の話は事実だし、とすると、他のぶっ飛んだエピソードも恐らく事実なのでしょう。そんなムチャクチャな人生を歩んできたさかなクンの来歴を知るだけでも十分楽しめる物語だと思います。
ちなみに、エンドロールに「さかなクン」の名前が随所に出てきて面白かったです。「魚類監修」は当然でしょうが、他にも「題字」「バスクラリネット」にも名前がありました。ホント、多才な人ですよね。
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【怖い?】映画『アメリ』(オドレイ・トトゥ主演)はとても奇妙だが、なぜ人気かは分かる気がする
名作として知られているものの観る機会の無かった映画『アメリ』は、とても素敵な作品でした。「オシャレ映画」という印象を持っていて、それは確かにその通りなのですが、それ以上に私は「主人公・アメリの奇妙さ」に惹かれたのです。普通には成立しないだろう展開を「アメリだから」という謎の説得力でぶち抜く展開が素敵でした
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【ル・マン】ゲーマーが本物のカーレース出場!映画『グランツーリスモ』が描く衝撃的すぎる軌跡(ヤン…
映画『グランツーリスモ』は、「ゲーマーをレーサーにする」という、実際に行われた無謀すぎるプロジェクトを基にした作品だ。登場人物は全員イカれていると感じたが、物語としてはシンプルかつ王道で、誰もが先の展開を予想出来るだろう。しかしそれでも、圧倒的に面白かった、ちょっと凄まじすぎる映画だった
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【あらすじ】映画『レザボア・ドッグス』(タランティーノ監督)はとにかく驚異的に脚本が面白い!
クエンティン・タランティーノ初の長編監督作『レザボア・ドッグス』は、のけぞるほど面白い映画だった。低予算という制約を逆手に取った「会話劇」の構成・展開があまりにも絶妙で、舞台がほぼ固定されているにも拘らずストーリーが面白すぎる。天才はやはり、デビュー作から天才だったのだなと実感させられた
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【天才】映画『笑いのカイブツ』のモデル「伝説のハガキ職人ツチヤタカユキ」の狂気に共感させられた
『「伝説のハガキ職人」として知られるツチヤタカユキの自伝的小説を基にした映画『笑いのカイブツ』は、凄まじい狂気に彩られた作品だった。「お笑い」にすべてを捧げ、「お笑い」以外はどうでもいいと考えているツチヤタカユキが、「コミュ力」や「人間関係」で躓かされる”理不尽”な世の中に、色々と考えさせられる
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500年前に亡くなった王・リチャード3世の遺骨を、一介の会社員女性が発見した。映画『ロスト・キング』は、そんな実話を基にした凄まじい物語である。「リチャード3世の悪評を覆したい!」という動機だけで遺骨探しに邁進する「最強の推し活」は、最終的に英国王室までをも動かした!
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映画『キリエのうた』(岩井俊二監督)では、とにかくアイナ・ジ・エンドに圧倒されてしまった。歌声はもちろんのことながら、ただそこにいるだけで場を支配するような存在感も凄まじい。全編に渡り「『仕方ないこと』はどうしようもなく起こるんだ」というメッセージに溢れた、とても力強い作品だ
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映画『正欲』は、私には共感しかない作品だ。特に、新垣結衣演じる桐生夏月と磯村勇斗演じる佐々木佳道が抱える葛藤や息苦しさは私の内側にあるものと同じで、その描かれ方に圧倒されてしまった。「『多様性』には『理解』も『受け入れ』も不要で、単に否定しなければ十分」なのだと改めて思う
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西加奈子の同名小説を原作とした映画『炎上する君』(ふくだももこ監督)は、「多様性」という言葉を安易に使いがちな世の中を挑発するような作品だ。「見えない存在」を「過剰に装飾」しなければならない現実と、マジョリティが無意識的にマイノリティを「削る」リアルを描き出していく
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『パルプ・フィクション』しか監督作品を観たことがないまま、本作『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』を観たが、とても面白いドキュメンタリー映画だった。とにかく「撮影現場に笑いが絶えない」ようで、そんな魅力的なモノづくりに関わる者たちの証言から、天才の姿が浮かび上がる
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【狂気?】オウム真理教を内部から映す映画『A』(森達也監督)は、ドキュメンタリー映画史に残る衝撃作だ
ドキュメンタリー映画の傑作『A』(森達也)をようやく観られた。「オウム真理教は絶対悪だ」というメディアの報道が凄まじい中、オウム真理教をその内部からフラットに映し出した特異な作品は、公開当時は特に凄まじい衝撃をもたらしただろう。私たちの「当たり前」が解体されていく斬新な一作
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「フランスに最も愛された政治家」と評されるシモーヌ・ヴェイユ。映画『シモーヌ』は、そんな彼女が強制収容所を生き延び、後に旧弊な社会を変革したその凄まじい功績を描き出す作品だ。「強制収容所からの生還が失敗に思える」とさえ感じたという戦後のフランスの中で、彼女はいかに革新的な歩みを続けたのか
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【解説】実話を基にした映画『シカゴ7裁判』で知る、「権力の暴走」と、それに正面から立ち向かう爽快さ
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【感想】のん主演映画『私をくいとめて』から考える、「誰かと一緒にいられれば孤独じゃないのか」問題
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『殺人犯はそこにいる』(文庫X)で凄まじい巨悪を暴いた清水潔は、それよりずっと以前、週刊誌記者時代にも「桶川ストーカー殺人事件」で壮絶な取材を行っていた。著者の奮闘を契機に「ストーカー規制法」が制定されたほどの事件は、何故起こり、どんな問題を喚起したのか
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【感想】湯浅政明監督アニメ映画『犬王』は、実在した能楽師を”異形”として描くスペクタクル平家物語
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【あらすじ】映画化の小説『僕は、線を描く』。才能・センスではない「芸術の本質」に砥上裕將が迫る
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のん(能年玲奈)脚本・監督・主演の映画『Ribbon』。とても好きな作品だった。単に女優・のんが素晴らしいというだけではなく、コロナ禍によって炙り出された「生きていくのに必要なもの」の違いに焦点を当て、「魂を生き延びさせる行為」が制約される現実を切り取る感じが見事
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