目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:田原総一朗, 出演:小泉純一郎, 監督:村田吉廣, プロデュース:中谷直哉, プロデュース:八幡麻衣子, プロデュース:杉田浩光
¥2,500 (2023/12/08 19:48時点 | Amazon調べ)
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この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 総理大臣時代に官僚に騙されて原発を推進してしまった自身の過ちを認め、今は脱原発の象徴的存在として精力的に活動している小泉純一郎
- フィンランドの「オンカロ」の実情、そして「頭の良い官僚が『脱原発』を理解できない理由が分からない」という嘆き
- 私が初めて知った様々な知識と、対談後に起こったウクライナ侵攻による変化
福島第一原発事故後、日本では「1基も原発が稼働しなかった期間」が2年近く続いたたのだから、脱原発が不可能なはずがない
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中身はとても興味深い映画だった。本作は「放送不可能。」というシリーズの第1弾で、テレビでは取り上げられない「田原総一朗が墓場まで持っていけない話」を映画にして上映するというコンセプトである。第1弾のテーマは「脱原発」。対談相手は元総理の小泉純一郎、そして彼が、自身の推進した原発政策について「間違いだった」と語る内容なのだから、中身は抜群に面白いと言っていいだろう。
しかし先に書いておくと、「もう少し見栄え良く編集出来ないものだろうか」と感じてしまった。私は別に、動画編集の知識があるわけでも、普段からYouTubeや動画配信などを見ているわけでもないのだが、しかし「もうちょっと綺麗な感じに仕上げられるはずだ」と思う。予算の問題なのだとしたら仕方ないが、私にはどうしても、「テレビ番組での特集」かそれ以下ぐらいの「見た目レベル」に感じられてしまった。こういう「テレビで取り上げられないテーマ」こそ、より広く知られるべきだと思うのだが、そのためにはやはり「見た目」も大事だろう。その辺りはもう少し工夫があってもいいように感じられた。
さて、本題に入る前にもう1つ。私の「原発」に対するスタンスについて少しだけ触れておこう。私は、「原発に関わる『技術』は素晴らしいが、それを動かす『人・組織』に問題があると考えているので、総合的に判断して原発は許容できない」というスタンスを取っている。さらにその上で、「使用済み核燃料の最終処分法に解決策を見い出せない限り、原発は使用すべきではない」とも考えているのだ。そういう理由から、「脱原発」には賛成である。
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「総理大臣時代、私は”騙されていた”」と語る小泉純一郎の主張と、フィンランドの「オンカロ」について
映画は、田原総一朗と小泉純一郎の対談がメインであり、それもあって話は縦横無尽に展開されていく。様々な話題が取り上げられるのだが、本作において最も興味深いと言えるポイントは、「小泉純一郎が”騙されていた”と語っていること」だろう。
総理在籍中、小泉純一郎は原発推進派だった。その理由は、官僚から「原発は、安全・低コスト・クリーンエネルギーだ」と言われていたからである。だから現職時代に、原発政策に舵を切る決断をした。
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しかしその後、福島第一原発事故が起こる。これを受けて小泉純一郎はすぐさま脱原発へと立場を切り替えた。そしてその後、様々な人物を巻き込んで脱原発の機運を高め、今では脱原発運動の「象徴的存在」となっている。
もちろん、彼は単に「象徴」として存在しているわけではない。勉強や視察、そして講演などを精力的に行っているのだ。映画の中では、「オンカロ」の話が出てくる。フィンランドに作られた、「世界初にして唯一の『使用済み核燃料最終処分場』」のことだ。彼はその視察にも足を運んだことがあるという。その際に知ったという話も興味深い。
まず、オンカロは2025年稼働予定なのだそうだが、彼が視察に行った時点ではまだ最終の検査が終わっていなかった。そしてその最後の課題こそが「湿気」だったというのだ。なんとなく湿気とは無縁そうなフィンランドでも、やはり地下深く穴を掘ると湿気の問題が絡んできてしまうそうである。それを聞いて小泉純一郎は、「だとしたら、そもそも湿気の多い日本に最終処分場など作れるはずもない」と判断したと語っていた。
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またオンカロは、地下400mの場所に2km四方(4平方km)の用地を確保している。ネットでざっくり調べたところによると、これは東京ドーム300個以上分の広さなのだそうだ。世界で2番目に小さな国モナコの面積が2.1平方kmらしいので、そのおよそ2倍である。想像しにくいとは思うが、なんとなく「かなり広い」ということは伝わるだろう。
それでもこの場所に、「原発2基分の使用済み核燃料」しか保管できないそうだ。私が調べた限りでは、フィンランドには原発が4基存在する(現在1基建設中らしいが)ので、オンカロと同じ規模の処分場が最低でもあと1つは必要なのだが、住民の反対に遭って建設計画が進んでいないという。
では日本はどうかと言うと、既に54基の原発が存在し、さらに福島第一原発事故以前の計画では100基まで増やそうとしていたそうだ。原発54基分の最終処分場だとしても、オンカロ規模のものが27ヶ所必要になる。それを、湿気だけでなく地震も避けられない日本に作らなければならないのだ。
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こう聞くと、「まず不可能だろう」と感じるはずである。田原総一朗は政府関係者から、「日本にもオンカロを絶対に造ります」と断言されたことがあると語っていたが、1つ造るのだって不可能ではないかと私は思う。「そうやって、みんなごまかしてばかりいる」と、彼は痛烈に批判していた。
脱原発を推進する小泉純一郎は、当然、代替の案についても色々と調べている。映画では、千葉県の農家が発明した「ソーラーシェアリング」という発電方法について語っていた。メインとなる話ではないので詳しくは触れられていないのだが、私は以前別の映画で、この「ソーラーシェアリング」が取り上げられていたのを観たことがある。「田んぼや畑の上にソーラーパネルを設置する」という手法であり、「太陽光発電による売電収益」が得られるだけではなく、「ソーラーパネルにより適度に日陰が出来ることで、作物の生育も良くなる」というプラスの効果まで生まれるのだそうだ。非常に画期的なアイデアであり、千葉県を中心に多くの農家で広まりつつあるという。しかし、国としてはやはり原発を推進したいのだろう、残念ながら「再生可能エネルギーへの支援がなかなか行き届かない」のだそうだ。なんともちぐはぐな話である
「脱原発=左翼」というイメージからの脱却と、息子・小泉進次郎について
このように小泉純一郎は、かつて原発推進派だった自身のことを明確に「誤りだった」と認め、その後正しい知識を得て啓蒙活動を続けているのである。政治家(あるいは政治家だった人)は特に、「自身の誤りを認めない」ことが多い印象があるので、この点だけ見てもやはり、「永田町の変人」と言われた小泉純一郎らしさが出ていると感じられた。
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さて、なるほどこれは興味深いと感じたのが、「小泉純一郎が『脱原発』を掲げて活動を始めたことによる効果」についてだ。なんと、「脱原発=左翼」というイメージが払拭されたというのである。
私は未だに、「右翼」だとか「左翼」だとかがどうにも上手く理解出来ないのだが、どうやらかつては「『脱原発』を主張すると『左翼』だと認定される」ことが多かったのだそうだ。2人の話からすると、どうやら「左翼=自民党反対」というニュアンスのようで、つまり「『脱原発』を主張している人は『自民党に反対』なのだ」という受け取られ方が当然のようになされていたということなのだと思う。
しかし、自民党所属で総理大臣経験者である小泉純一郎が脱原発運動の先陣を切ったことで、「脱原発=自民党反対」という捉え方にならなくなったそうだ。「そのお陰で『脱原発』と主張しやすくなった」みたいな声が、小泉純一郎の元に届くようになったと話していた。
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小泉純一郎は今、「政治的な話には基本的に首を突っ込まないようにしている」のだという。しかし「脱原発」に関しては「党派に関係なくやらなければならない」と考えており、それ故に自ら先頭に立っているというわけだ。「かつて原発政策を推し進めていた」という事実も併せ、「脱原発」についてこれほど説得力のある主張が出来る人はいないんじゃないかと思う。
さて、作中では、息子・小泉進次郎についても言及されている。映画の最後、田原総一朗が「これはオフレコでもいいんだけど」と前置きして聞いたのが「小泉進次郎はいつ動くんだろうね?」だった。小泉純一郎は、選挙応援はしないと決めているそうで、それは息子に対しても変わらないようだ。ただ、「彼もいずれはやらざるを得ないだろうね」とも語っており、その姿勢を見守るというスタンスのようである。
全体を通してだが、やはり小泉純一郎の「話の上手さ」が際立つ対談だったと思う。私は、「小泉劇場」と銘打たれたかつての盛り上がりを記憶しているが、その時と同じように、実に人を惹きつける話し方をするのである。映画には田原総一朗との対談だけではなく、小泉純一郎が「脱原発」に関する講演を行っている動画も挿入されるのだが、そこでの喋りもまた見事なのだ。
個人的な考えでは、「リーダー」の最大の役割は「人を惹きつけること」だと思っている。知識や経験、決断力、交渉力などももちろん必要だろうが、何よりも「この人についていきたい」と思わせる何かがなければ「リーダー」の役割は務まらないはずだ。そして、その能力を備えた小泉純一郎が先頭に立っているからこそ、「脱原発」の動きは大きなものになっていく予感がするし、「実現するんじゃないか」という期待も抱かせてくれるように思う。
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「このような政治家が永田町にいてくれると、政治の世界も面白くなるんだけどなぁ」と改めて感じさせられた。
「頭の良いたち人が『脱原発』を理解できない理由が分からない」という小泉純一郎の嘆き
さて、小泉純一郎は話の随所で「頭の良い人たち」に対する違和感を口にする。これは要するに、「自分とは比べ物にならないくらい頭が良く、知識もある官僚」に対する違和感と言っていいだろう。その内容は、「彼らが何故『脱原発』を理解できないのかが私には分からない」というものだ。
例えば彼は、ドイツの話をする。当時の首相であるメルケルは元々原発推進派だったが、福島第一原発事故を機に脱原発を決断、たった4ヶ月で脱原発への舵を切ったという。ドイツは2023年4月にすべての原発を停止させ脱原発を完了させており、さらに2035年までに再生可能エネルギーのみによる電力供給を目指すとしている。
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こう聞くと、「日本でも同じことが出来るはずだ」と感じるだろう。ドイツは、東日本大震災発生時点で17基の原発があったそうで、日本の54基と比べると3分の1である。原発が多い分、日本の方が状況は厳しいと思うかもしれないが、しかし実は日本にも「原発ゼロ」が達成された時期があった。東日本大震災以降、順次原発が停止されていき、2013年9月15日に最後の原発の稼働が止まってから2年近く「原発による電力供給はゼロ」だったのだ。しかも、以下の記事によると、その2年間、日本の炭素排出量は増えなかったという。もちろん、停電だって起こらなかった。つまり、「本気を出せば日本も、脱原発が実現できる」のである。
WIRED.jp
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しかし日本は脱原発に舵を切ろうとしない。東日本大震災で甚大な被害を受けた国であるにも拘らずである。
ドイツの脱原発については、「周辺国から電気を買っているから可能なだけで、日本では同じやり方が出来ないから脱原発は無理だ」という主張が存在するらしいが、小泉純一郎はそれも否定していた。ドイツに行って話を聞くと、そこには単に「経済合理性」があるだけだと分かったというのだ。シンプルに、「周辺国から電気を買う方が安い」そうなのである。つまり、「やろうと思えば自国だけで電力を賄えるが、周辺国から電気を買う方が合理的だからそうしているだけ」だというわけだ。
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また、作中で語られていた話ではないが、私は以前、「宇宙空間に太陽光パネルを設置し、そこで発電した電力を無線で地上に送信する」みたいな技術について聞いたことがある。調べてみると、JAXAが関わっているようだ。この技術の進展がどうなるか分からないが、もし実現すれば、「周辺国から電気を買えない」という状況は払拭されることになる。そうなれば一層、脱原発に踏み切りやすくもなるだろう。
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このような状況を様々に知ると、やはり「頭の良い人が『脱原発』を推進できない理由」が見当たらないと感じてしまうだろう。小泉純一郎も、「官僚ほど頭の良い人たちが、どうして衰退産業でしかない原発にここまで依存するのか」と首を傾げていた。田原総一朗は、「経済産業省は電力会社の天下り先でもあるから、東電と関電に頭が上がらないだけだ」と主張するのだが、小泉純一郎は納得出来なかったようだ。「そうだとしても、すべての官僚に気骨が無いとは思えない」と、本当に「意味が分からない」と感じているような雰囲気を醸し出していた。本当に、そこには一体どんな理由があるのだろうか?
私が今まで知らずにいた様々な知識について
本作は私にとって、「今まで知らなかった知識に多く触れられた」という意味でも興味深い作品だった。
例えば、一番「なるほど」と感じたのが、「原発は保険に入れない」という話だ。福島第一原発事故後、東京電力は「事故の損害補償や廃炉の費用を捻出できないため、国に援助を求めている」と度々報じられた。一般企業の場合であれば、このような状況は「保険」で賄われるはずだ。しかし、保険会社が原発を「安全」と見做していないため、原発に関する損害は保険では扱えないのである。この時点で「原発の安全神話」は崩れていると言ってもいいのではないかと思う。
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また、水力発電についても知らない知識があった。日本には全国様々な場所にダムがあり、そこで発電が行われている。しかし日本のダムは主に「治水」のために作られているのだそうだ。「治水」のためというのは要するに、「流量を調整して、水害が起こらないようにするためにダムが造られている」という意味である。そしてその”ついで”に発電も行っているというわけだ。
だから小泉純一郎は、「もっと『利水』に力を入れればいい」と主張していた。どういうことか。日本のダムは「治水」が主な目的なので、現在存在する水力発電は、本来持っている能力をかなり低く抑えられているのだという。そもそも、水を容量の半分程度までしか溜められないように規制されているのである。だから、その規制を取り払い、さらにダムを少し改修すれば、発電能力は大幅に向上させられるというわけだ。
専門家の試算によると、今日本に存在するすべてのダムの能力を最大限まで向上させると、水力発電だけで必要な電力需給の30%を賄えるようになるという。現状では水力発電は8%程度らしいので、約4倍近くもその発電量を増やせるというわけだ。そうなれば、再生可能エネルギーによる発電割合は大幅に増えるし、ますます脱原発へと近づけるはずだ。これも初めて知った知識である。
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また、「廃炉」に関しても知らない知識があった。東京電力は、福島第一原発の廃炉に「20~30年」掛かると主張しているらしいのだが、2人はそんなはずがないと主張する。というのも、スコットランドのとある原発の廃炉が決まり、作業が1990年頃から始まっているのだが、その作業完了予定が2080年に設定されているのだ。期間にすると「90年」である。だから、福島第一原発の廃炉が30年で終わることなどあり得ないと言っていた。
通常の原子炉の廃炉に90年の作業期間が設定されているのに、事故が起こり、未だに人が近づけないと言われる福島第一原発の廃炉が30年で終わるなど、誰がどう考えてもあり得ないだろう。恐らくこの辺りも国民に対する「ごまかし」なのだろうし、一事が万事そのように進められているのが「原発」の世界なのだろうなと思う。
このように、本作には知らない知識が満載だったし、そういう点でも観て良かったと思える作品だった。
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映画の元となる対談は2021年に撮影されたそうだ。その後、劇場公開までの間に、ロシアによるウクライナ侵攻が起こってしまった。それを受けて、対談の中で語られる知識が字幕で修正される箇所がある。例えば、イギリス・フランス・アメリカの3国は、ウクライナ侵攻を契機として、それまで脱原発を推進していたのを止め、改めて原発推進へと切り替えたのだという。石油の輸入をロシアに頼っている国としては、石油の供給が絶たれた場合に電力を安定供給するには、やはり再生可能エネルギーだけでは厳しいという判断なのだろう。世界全体が脱原発に向かうにはまだまだ時間が掛かりそうである。
さて、日本はどうかと言えば、作中では「日本は世界の中でも再生可能エネルギーを活用しやすい国である」と語られていた。この辺りについては、「ソーラーシェアリング」や「水力発電の能力向上」などの形で触れられているわけだが、映画では触れられていない話題も色々とあるだろう。例えば私は以前、「洋上風力発電」に関する特集をテレビで観たことがある。
風力発電は、地上に設置する場合には用地の確保がかなり困難であり、また、沿岸に設置する場合は漁業などへの影響が懸念されて反対されることが多いという。しかし技術の進歩により、風力発電のプロペラ自体を、岸から離れたかなりの沖合に設置することが可能になってきたようだ。それによって、世界6位の排他的経済水域を持つ日本はかなり優位に立てると紹介されていた。
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しかし映画では、「九州電力」を名指しするような形で、「『再生可能エネルギーの利用を減らせ』と主張している」との指摘もなされる。つまるところ、莫大な既得権益を有する大手電力会社が、再生可能エネルギーを排除することで既得権益を守りたいだけなのだろう。
SDGsやESG投資などの世界の潮流を踏まえれば、程度はともかくとして、「脱原発」という方向に向かっていくことは間違いないはずだと思う。小泉純一郎も、あくまで肌感覚の話ではあるが、「脱原発に反対している人はそう多くない」と語っていた。まあ、東日本大震災を経験した日本人であれば、当然の感覚だろう。他に代替の手段があるのなら、原発に頼らずに済む方がいいに決まっている。その上で、「日本の技術力」が再生可能エネルギーの分野で発揮され、それが世界に輸出されるようになればなおのこと良いだろう。私はやはり、そのような未来を期待してしまうのである。
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出演:田原総一朗, 出演:小泉純一郎, 監督:村田吉廣, プロデュース:中谷直哉, プロデュース:八幡麻衣子, プロデュース:杉田浩光
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最後に
脱原発を強力に推進し続ける小泉純一郎には頑張ってほしいし、田原総一朗にはこれからもタブー関係なくあらゆることに斬り込んでいってほしいと思う。そしてやはり自分も、関心を持ち続けることで脱原発に向けた大きな変化に多少なりとも関わりを持つべきだと感じさせられた。
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過疎地域を「日本の未来の課題の最前線」と捉え、島根県の離島である「海士町」に移住した2人の若者の『僕たちは島で、未来を見ることにした』から、「これからの未来をどう生きたいか」で仕事を捉える思考と、「持続可能な社会」の実現のためのチャレンジを知る
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【あらすじ】人生行き詰まってなお「生きたい」と思えるか?環境の激変を受け入れる難しさと生きる悲し…
勤務していた会社の都合で、町が1つ丸々無くなるという経験をし、住居を持たないノマド生活へと舵を切った女性を描く映画『ノマドランド』を通じて、人生の大きな変化に立ち向かう気力を持てるのか、我々はどう生きていくべきか、などについて考える
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【現実】生きる気力が持てない世の中で”働く”だけが人生か?「踊るホームレスたち」の物語:映画『ダン…
「ホームレスは怠けている」という見方は誤りだと思うし、「働かないことが悪」だとも私には思えない。振付師・アオキ裕キ主催のホームレスのダンスチームを追う映画『ダンシングホームレス』から、社会のレールを外れても許容される社会の在り方を希求する
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【絶望】権力の濫用を止めるのは我々だ。映画『新聞記者』から「ソフトな独裁国家・日本」の今を知る
私個人は、「ビジョンの達成」のためなら「ソフトな独裁」を許容する。しかし今の日本は、そもそも「ビジョン」などなく、「ソフトな独裁状態」だけが続いていると感じた。映画『新聞記者』をベースに、私たちがどれだけ絶望的な国に生きているのかを理解する
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【権利】「難民だから支援すべき」じゃない。誰でも最低限の安全が確保できる世界であるべきだ:映画『…
難民申請中の少年が、国籍だけを理由にチェスの大会への出場でが危ぶまれる。そんな実際に起こった出来事を基にした『ファヒム パリが見た奇跡』は実に素晴らしい映画だが、賞賛すべきではない。「才能が無くても安全は担保されるべき」と考えるきっかけになる映画
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【情熱】「ルール」は守るため”だけ”に存在するのか?正義を実現するための「ルール」のあり方は?:映…
「ルールは守らなければならない」というのは大前提だが、常に例外は存在する。どれほど重度の自閉症患者でも断らない無許可の施設で、情熱を持って問題に対処する主人公を描く映画『スペシャルズ!』から、「ルールのあるべき姿」を考える
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【驚愕】「金正男の殺人犯」は”あなた”だったかも。「人気者になりたい女性」が陥った巧妙な罠:映画『…
金正男が暗殺された事件は、世界中で驚きをもって報じられた。その実行犯である2人の女性は、「有名にならないか?」と声を掛けられて暗殺者に仕立て上げられてしまった普通の人だ。映画『わたしは金正男を殺していない』から、危険と隣り合わせの現状を知る
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【ゴミ】プラスチックによる環境問題の実態を描く衝撃の映画。我々は現実をあまりに知らない:映画『プ…
プラスチックごみによる海洋汚染は、我々の想像を遥かに超えている。そしてその現実は、「我々は日常的にマイクロプラスチックを摂取している」という問題にも繋がっている。映画『プラスチックの海』から、現代文明が引き起こしている環境破壊の現実を知る
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【課題】原子力発電の廃棄物はどこに捨てる?世界各国、全人類が直面する「核のゴミ」の現状:映画『地…
我々の日常生活は、原発が生み出す電気によって成り立っているが、核廃棄物の最終処分場は世界中で未だにどの国も決められていないのが現状だ。映画『地球で最も安全な場所を探して』をベースに、「核のゴミ」の問題の歴史と、それに立ち向かう人々の奮闘を知る
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【危機】遺伝子組み換え作物の危険性を指摘。バイオ企業「モンサント社」の実態を暴く衝撃の映画:映画…
「遺伝子組み換え作物が危険かどうか」以上に注目すべきは、「モンサント社の除草剤を摂取して大丈夫か」である。種子を独占的に販売し、農家を借金まみれにし、世界中の作物の多様性を失わせようとしている現状を、映画「モンサントの不自然な食べもの」から知る
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【意外】自己免疫疾患の原因は”清潔さ”?腸内フローラの多様性の欠如があらゆる病気を引き起こす:『寄…
人類は、コレラの蔓延を機に公衆衛生に力を入れ、寄生虫を排除した。しかし、感染症が減るにつれ、免疫関連疾患が増大していく。『寄生虫なき病』では、腸内細菌の多様性が失われたことが様々な疾患の原因になっていると指摘、「現代病」の蔓延に警鐘を鳴らす
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【余命】癌は治らないと”諦める”べき?治療しない方が長生きする現実を現役医師が小説で描く:『悪医』…
ガンを患い、余命宣告され、もう治療の手がないと言われれば絶望を抱くだろう。しかし医師は、治療しない方が長生きできることを知って提案しているという。現役医師・久坂部羊の小説『悪医』をベースに、ガン治療ですれ違う医師と患者の想いを知る
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【デマ】情報を”選ぶ”時代に、メディアの情報の”正しさ”はどのように判断されるのか?:『ニューヨーク…
一昔前、我々は「正しい情報を欲していた」はずだ。しかしいつの間にか世の中は変わった。「欲しい情報を正しいと思う」ようになったのだ。この激変は、トランプ元大統領の台頭で一層明確になった。『ニューヨーク・タイムズを守った男』から、情報の受け取り方を問う
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【衝撃】森達也『A3』が指摘。地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教は社会を激変させた
「オウム真理教は特別だ、という理由で作られた”例外”が、いつの間にか社会の”前提”になっている」これが、森達也『A3』の主張の要点だ。異常な状態で続けられた麻原彰晃の裁判を傍聴したことをきっかけに、社会の”異様な”変質の正体を理解する。
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【無知】メディアの問題の本質は?「報道の限界」と「情報の受け取り方」を独裁政治の現実から知る:『…
メディアは確かに「事実」を報じている。しかし、報道に乗らない情報まで含めなければ、本当の意味で世の中を理解することは難しいと、『こうして世界は誤解する』は教えてくれる。アラブ諸国での取材の現実から、報道の「限界」と「受け取り方」を学ぶ
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【意外】思わぬ資源が枯渇。文明を支えてきた”砂”の減少と、今後我々が変えねばならぬこと:『砂と人類』
「砂が枯渇している」と聞いて信じられるだろうか?そこら中にありそうな砂だが、産業用途で使えるものは限られている。そしてそのために、砂浜の砂が世界中で盗掘されているのだ。『砂と人類』から、石油やプラスチックごみ以上に重要な環境問題を学ぶ
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【衝撃】壮絶な戦争映画。最愛の娘を「産んで後悔している」と呟く母らは、正義のために戦場に留まる:…
こんな映画、二度と存在し得ないのではないかと感じるほど衝撃を受けた『娘は戦場で生まれた』。母であり革命家でもあるジャーナリストは、爆撃の続くシリアの街を記録し続け、同じ街で娘を産み育てた。「知らなかった」で済ませていい現実じゃない。
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生きることがしんどくて、自殺してしまいたくなる気持ちを、私はとても理解できます。しかし世の中的には、「死にたい」と口にすることはなかなか憚られるでしょう。「自殺を決して悪いと思わない」という著者が、「死」をもっと気楽に話せるようにと贈る、「笑える自殺本」
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【勇敢】日本を救った吉田昌郎と、福島第一原発事故に死を賭して立ち向かった者たちの極限を知る:『死…
日本は、死を覚悟して福島第一原発に残った「Fukushima50」に救われた。東京を含めた東日本が壊滅してもおかしくなかった大災害において、現場の人間が何を考えどう行動したのかを、『死の淵を見た男』をベースに書く。全日本人必読の書
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【議論】安楽死のできない日本は「死ぬ権利」を奪っていると思う(合法化を希望している):『安楽死を…
私は、安楽死が合法化されてほしいと思っている。そのためには、人間には「死ぬ権利」があると合意されなければならないだろう。安楽死は時折話題になるが、なかなか議論が深まらない。『安楽死を遂げた日本人』をベースに、安楽死の現状を理解する
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