はじめに
この記事で伝えたいこと
「ASTER Curator Museum」「LIP BAR」「KAMU kanazawa」が超絶良すぎた!

「21世紀美術館」ももちろん良かったけど、全然上回るくらい素敵でした
この記事の3つの要点
- とにかく、アート的な意味で金沢という街は強すぎる!
- 旅行で訪れたいのはもちろん、「こういう場所が身近にあったら通っちゃうよなぁ」と思わせる空間も多かった
- アートだけではなく、他にも回った観光地や食べた物などについてもざっくり紹介しています



久々に、脳みそが沸騰して思考や言葉が溢れ出るような経験で、とにかく凄まじく良かったです
自己紹介記事







どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
金沢(と富山)のアートに触れまくった旅の記録!「ASTER Curator Museum」「LIP BAR」「KAMU kanazawa」などぶっ飛ぶほど良かったオススメスポットを紹介します!
この記事に書いた情報はすべて、2025年5月時点のものです。最新の情報はご自身でお調べ下さい。
仕事の関係で石川県に行く機会があり、ついでに週末も旅行することにして、かなり長い間金沢(と富山)を巡ってきました。この記事は、その旅行記です。私は「食」にはほぼ興味がないので、基本的にはアート絡みの場所を巡る旅になりました。金沢と言えば「21世紀美術館」が圧倒的に有名だと思いますし、私の当初の最大の目的も「21世紀美術館に行くこと」だったのですが、実際にはもっと素敵な場所がたくさんあり、大いに刺激を受けた次第です。





「21世紀美術館」より良いって感じた場所がいくつもあったのには驚いたわ



金沢のアートの奥深さを知ったよね
というわけでこの記事では、美術館・アートスペースなどへの訪問記を中心にしつつ、ついでに自分のための記録も兼ねて、それ以外に巡った場所・食べた物なども記録していきます。記述は旅程通りではなく、「書きたいことが多い場所」から順に触れていくというスタイルです。
一応、日程にも触れておきましょう(私が訪れたのが平日なのか土日なのかで印象も変わってくると思うので)。5/20(火)から5/22(木)は夜のみ、5/23(金)は午後から金沢を巡りました(仕事の都合です)。また、5/24(土)は富山へ、そして5/25(日)は再び金沢へと戻り、夕方17:49発の新幹線に乗って上野まで戻る、というのが全体の旅程です。以後、それぞれの紹介の際に訪問した日付も記載したいと思います。


また、気候についても興味があるかと思うので書いておきましょう。私は荷物を極力減らしたかったので、全日「Tシャツに、厚くも薄くもない長袖シャツを羽織る」という格好で過ごしました。5/20(火)から5/22(木)の夜はその格好で暑くも寒くもなく、「半袖でもいいかもしれないけど、長袖を着ていても別にいい」という感じ。5/23(金)の日中は天気も良く、半袖でも問題ないという感じで、夜は火・水・木と同じでした。ただ土日は雨が降ったこともあり、私が着ていた長袖シャツではちょっと寒さを覚えるくらいで、週末は服装に失敗したかなという感じです。参考になれば。
金沢・富山共に、私が巡った場所の大半は「概ね徒歩でも移動可能な距離圏」にありました。私は、金沢では主に自転車で(雨のため1度だけバスに乗りましたが)、そして富山では路面電車で(元々自転車で移動する予定でしたが、1日中雨だったので)移動しましたが、時間的な余裕があって歩くことが嫌いじゃない人なら、この記事に載せたほとんどの場所は、徒歩でも十分回れると思います。特に金沢の密集度はなかなかのもので、東京でも、そんな場所は上野公園ぐらいしか思いつきません(他にどこかありますか?)。改めて、素敵な街だなと思います。
ちなみに私は、普段はまったく写真を撮らないのですが、今回は旅行中に500枚を超える写真を撮りました。「それぐらい普通だよ」と感じるかもしれませんが、普段全然写真を撮らない私としては、この旅行で数年分の写真を撮ったような気分です。そんな写真もたくさん載せて記事を書いていこうと思います。



今回はそもそも、行く前から「旅行記を書く」って決めてたから、それでちゃんと写真を撮ったんだよね



そういう動機でもないと、どうせ見返さない写真なんか撮ったってしょうがないからなぁ
あとこれも先に書いておきましょう。この「ルシルナ」というサイトでは、アート絡みで言えば「アーティスト・Chim↑Pom」と「豊島美術館」に関する記事をこれまで書いたことがあります。以下にリンクしておきますので、興味がある方はそちらも読んでみて下さい(この記事同様、どちらも死ぬほど長いですが)。




アート関係(美術館・アートスペースなど)
【金沢 5/25(日)】ASTER Curator Museum


さて、まず紹介するのは「ASTER Curator Museum」です。私の中でここは本当に衝撃的で、今回の旅で最も興奮させられ、最も「行って良かった」と感じられた場所だと言っていいと思います。



まったく期待してなかったから、衝撃が凄かったよね



金沢駅からのアクセスもメチャクチャ悪いから、行かない可能性も全然あったしなぁ


ここは「他に何かないか」と思って「金沢 アート」で検索して見つけました。私は実にタイミングが良いことに、「富山出身で、一時期21世紀美術館で働いていた」という人と少し前に知り合い(というか、正確には「再会し」)、「北陸を旅行するならどこに行くべき?」と色々聞いていたのですが、その人からのオススメ以外にも何かないかと自分で探している時にここを見つけたというわけです。
ただ私は、アートや旅行先に限らず、普段から「それが何であるか」をあまり調べずに接するようにしているので、今回も「よく分かんないけどなんかアートっぽいところだし、スケジュールの都合が合えば行くか」ぐらいにしか考えていませんでした。どうしても行きたかったわけではなく、「優先したい予定は全部消化したし、余裕があるから行ってみるか」という感じでしかなかったというわけです。


そんな「期待値ゼロ」みたいな状態だったことも関係しているでしょうが、ホント素晴らしい場所に感じられました。もちろん展示自体も素晴らしかったのですが、「旅程の最後に訪れたこと」「他のお客さんが誰もいなかったこと」など、様々な要素が複合して「良かった!」という感想になっている気がします。なので、同じようには感じない人もいるとは思いますが、私としてはとにかく超絶オススメな場所です。アート目当てに金沢を訪れるなら、是非立ち寄ってほしいなと思います。



正直、また行きたい場所ナンバーワンって感じだもんなぁ



ってかホント、近くにあってほしいよね




立地のことを考えると(この点については後で触れます)当然と言えば当然なのですが、お客さんは私しかおらず、完全に貸し切り状態でした。また、他の美術館のように監視員(という呼び方が合っているか分かりませんが)がいるなんてこともなく、本当に「まったく完全な1人の空間」という感じだったのです。そんな状況はなかなかないだろうし、これだけでも相当素敵な環境だと言えると思います。


さらに、「人がいない」だけではなく、「人の気配をまったく感じない」という点も良かったです(これだけじゃ何を言いたいのか伝わらないでしょうが)。この「ASTER Curator Museum」は観光地でも商業地でもない住宅地にあり、さらに、この日雨だったことも関係しているとは思うのですが、住民が出歩いたり車に乗ったりしていることもなく、町そのものに人の気配がまるで感じられませんでした。その雰囲気が伝わるかは分かりませんが、中から外の様子を撮った写真があるので載せておきます。


だから室内では、会話や車の走行音など「人の存在」を示唆するようなものは一切感じられず、とにかく、自分の足音だけを聴きながら展示物を見るという環境だったのです。ホントに、私にとってはこれが何よりも至高の時間に感じられました。



「立って目を見開いたまま坐禅してる」みたいなイメージかなぁ



日常ではまず経験できないような体験だったよね
そんな空間で私が感じていたのは、「『自分』と『それ』だけの関係」みたいなことです。「それ」というのはアートに限らず何でもよくて、「目の前にある何か」ぐらいの意味で捉えて下さい。そして私はこの圧倒的な静寂の空間の中で、「『自分』と『それ』だけの関係以外には何も存在しない」みたいなことを考えていました。


今の時代、本を読んでいてもスマホの通知に気を取られたり、美術館にいても他の観客の存在を意識させられたりと、「『自分』と『それ』だけの関係」みたいな状況に浸るのはなかなか難しいように思います。でも、この日この場所で私は、否応なしにそういう空間に置かれることになり、「『目の前にある何か』以外のものに自分のリソースが吸い取られたりしない」という経験をしました。私にとってその体験はあまりにも圧倒的で、「日常生活の中にこんな時間が定期的に存在したら素敵なのに」と思わずにはいられませんでした。


繰り返しますが、展示自体ももちろん素晴らしかったです。ただそれとはまた別に、「雨だったことも影響したのか、まったく人気のない町」にある「私以外に誰もいない静寂な空間」で、「『自分』と『それ』だけの関係しか存在しない時間」を過ごせたことにも感動を覚えたのだと思います。ちょっとあまりにも良すぎて、控えめに言って最高でした。



だからホントに、ここに行ったのが旅程の最後で良かったなとも思う



早くここに行ってたら、他がちょっとくすんで見えちゃった可能性もあるからね


そんなわけで、「その日現出した特異な空間」にまず圧倒されたのですが、展示自体も素敵でした。個人的に一番のお気に入りが、「触ってOK」と注意書きがあった作品です。




写真を見てもらえば分かる通り、この作品は中に水と砂(だと思う)が入っており、ひっくり返すとその砂が下へと落ちるという趣向になっています。で、何が良いのかはまったく説明出来ないのですが、個人的には全展示の中でこの作品に一番惹かれました。なんかメッチャ良かったんだよなぁ。


で、ここまで触れませんでしたが、この「ASTER Curator Museum」は単なる美術館ではなくアートギャラリー、つまり「展示作品を購入できる場所」でもあります。私が気に入った作品は、見づらいと思いますが、「132,000円+tax」となっています。


で、「全然買える値段だ」と思いました。この作品に13万円の価値があるのかは私には何とも分かりませんが、自分の感覚として、「13万円だったら出してもいいかも」という感じです。まあそう感じた理由は、他の展示物に「50万円」とか「200万円」みたいな値段がついていたからかもしれませんが。展示作品の中では、13万円というのは結構お買い得な金額だったと思います。



「『アートを買う』って経験をしてみたい」ってのもあるしね



「アートを買ったことがある」ってのはちょっと、自分の人生を豊かにする感じある
最後、受付にいたお姉さんに「初めてアート作品を買いたいと思いました」などと感想を伝えていたら、パンフレットを渡してくれて、「ここのQRコードからサイトに飛んでもらえれば、素材なんかも確認出来るし、購入も出来ますよ」と教えてもらいました。そのサイトを再掲しておきますね。


まあ実際には買わないと思いますけど、「買おうかどうしようか」と検討している時間も楽しいし、そういう楽しさを感じさせてくれるという意味でも凄く良い空間だったなと思います。


ちなみにこの「ASTER Curator Museum」では、秋元雄史・沓名美和・山本浩貴の3名がキュレーターとして展示・販売する作品をセレクトしているようです。他の2人のことは知りませんでしたが、秋元雄史はアートに疎い私でも聞いたことがあります。東京藝術大学の教授だったり、21世紀美術館の館長だったり、直島のプロジェクトを主導したりしてきた凄い人です。彼が書いた、「武器になる知的教養 西洋美術鑑賞」も読んだことがあります。そんな人が絡んでいるというのも、注目すべきポイントではないでしょうか。





詳しくは知らないけど、直島に世界中からアートを見に人がやってくるようになったのも彼の功績のはずだからね



結局直島には行かなかったけど、豊島美術館は超良かったし、あの周辺もまた行きたいなって思う
素敵な作品は色々とありましたが、とりあえず2つだけ。まずは、女性のイラストです。


この絵はなんか凄く好きで、あまりにも良かったのでスマホの待ち受け(「待ち受け」ってまだ使われてる言葉ですかね?)にしちゃいました。なんだろう、メッチャ好きなんだよなぁ。同じテイストの2作品も凄く好きです。


あと、このイラストも凄く素敵でした。


説明によると、「目だけは実物を正確にトレースし、それ以外の部分を特殊な迷彩柄にしている」のだそうです。これも何が良いのか説明出来ませんが、惹かれるなぁという感じでした。全然良さを言語化出来ていませんが、アート素人の私にはこれぐらいが限界で、それが残念なところではあります。







ちゃんと語ろうとしたら、やっぱりもうちょっと知識が必要になるよね



でも、「ちゃんと語れなくても別にいいや」って思ってるから知識が全然身につかない(笑)
それでは最後に、「ASTER Curator Museum」の利用方法とアクセスに触れておきましょう。


まず入り口を入ると、カメラか何かで見ているのでしょう、小部屋からお姉さんが現れ、説明をしてくれました。観覧料は500円です。で、直接には連結していない2つの建物に分かれて作品が並んでいるのですが、もう一方の建物に入るためのカードキーが渡されます(間違えて持ち帰ったりしてしまった場合用でしょう、カードキーの貸与の際に名前と携帯番号を記入しました)。つまり、誰もいない建物にカードキーを使って入り、鑑賞するというスタイルなのです。恐らく常時1人しかいないからこういう態勢になっているんだと思うのですが、なかなか斬新なシステムで、個人的には面白いなと感じました。何にせよ、スタッフも含めて誰もいない空間なのが素敵だなと思います(しかし、監視カメラはどこかにあるんでしょうけど、それにしても、200万円みたいな値札がついてるものが置かれた場所に誰もいないというのはちょっと驚きです)。


あとアクセスですが、JR金沢駅から北鉄金沢駅(金沢駅の地下にあります)へ向かい、北陸鉄道浅野川線に乗って三口駅で降り、そこから徒歩15分ぐらいという感じです。この浅野川線は、ざっくり20分に1本ぐらいの頻度で走っている電車で、東京の電車に慣れている身からするとかなり不便に感じます。



とはいえ私自身、生まれ育った静岡県の最寄り駅は、今も無人駅だったりするけどね



この前実家に帰った時は色々あって最寄り駅では精算できず、後日熱海駅で支払ったなんてこともあったなぁ
さらにこの電車の乗り方・降り方がちょっと特殊で大変でした。ざっくり言うとバスみたいなシステムで、「始発駅以外で乗る際は整理券を取る」「料金は車内の料金箱に現金で入れる(ICカード使用不可)」という感じです。大体の人は定期券を見せており、現金で払っていたのは私ぐらいだったので、見様見真似みたいなことも出来ず結構困りました。特に、三口駅で乗って北鉄金沢駅で降りた時は、車内の料金箱ではなく改札の駅員に直接お金を渡すというシステムで、「初見じゃ分かんねぇ」って感じです。




とまあこんな感じで、アクセスはメチャクチャ不便なのですが、そうだとしても絶対的にオススメの場所で、アートに触れるために金沢を訪れる人は、是非ここにも足を伸ばしてみてほしいなと思います。
【金沢 5/23(金)】LIP BAR
次に紹介するのは「LIP BAR」です。名前の通りBarなのですが、アート作品でもあります。この後触れますが、金沢には「KAMU kanazawa」という私設の美術館があり、その1つがこの「LIP BAR」なのです。何を言っているのかよく分からないでしょうが、その辺はおいおい説明していきます。


というわけで、まずはどんな場所なのかご覧下さい。


この圧倒的なビジュアルの強さ! 行く前からこういう場所だともちろん知っていましたが、それにしてもやはり、中に入るとその存在感は圧倒的で、「なんか凄いところにいるな」という感じにさせられました。



ここもホントに行って良かったよね



ここもやっぱり、場所自体の良さだけじゃなくプラスαが色々あって、それ込みで良かったって感じ
さてこの「LIP BAR」は、先程も名前を出した「KAMU kanazawa」の一部であり(詳しくは後ほど)、「昼はアートスペースとして開放され、夜はBarとして営業している」という空間です。「KAMU kanazawa」のチケットを持っているとチャージ代が無料になるのですが、そのことを知る前の時点で「『KAMU kanazawa』には5/25(日)に行く」と決めてしまっており、色んな旅程を考慮して「Barとして営業している『LIP BAR』に行けるのは金曜の夜しかない」と判断し、この日に行くことにしました。ちなみにBarの営業は基本的に木・金・土のみで(OPEN 20:00 CLOSE 25:00)、具体的な営業日については月単位でInstagramにアップされるようです。


また、「『LIP BAR』が何故金沢に存在するのか?」についても触れておくことにしましょう。これはBarの店主から聞いた話です。
この唇の写真は森山大道の作品なのですが、彼の事務所が「この『LIP BAR』を世界で3つだけ販売する」と発表しました。もちろん買い手が付き、2つはヨーロッパの個人コレクターが取得、そして残りの1つを「KAMU kanazawa」が手に入れたというわけです。3つの内2つが個人所有なので、「一般人が見られる『LIP BAR』は、世界で金沢にしか存在しない」ということになります。そういう意味でも非常に貴重だと言っていいでしょう。





そんなこと全然知らないで行ったけど、ホント、よくぞそんなものが金沢にって感じだよね



まさに「アートの街」って感じだよなぁ




それではここから、作品としての「LIP BAR」の話からは少し離れ、この日の夜に私が体験した出来事について書いていくことにしましょう。結論を先に書くと、「金曜日の夜に『LIP BAR』へ行く方はご注意を」となります。
5/23(金)の夜、私は20時近くまで21世紀美術館にいて(金曜と土曜だけ、開館時間が20時まで延びます)、それから片町にある「LIP BAR」へと向かいました(なかなか分かりにくいところにあるので、Instagramに載っている「お店への行き方」を参考にして下さい)。確か私の記憶では20時20分頃にお店の前に着いたんじゃないかと思います。開店時間は20時となっているので、もう開いているはずの時間です。


しかし私が着いた時には、20代の女性2人(後に姉妹だと判明します)が扉の前で待っていました。扉を押しても引いても開かないようです。彼女たちに「『LIP BAR』ですか?」と聞かれたので、「はい、そのつもりなんですけど」みたいに答えた記憶があります。


聞けば彼女たちは、まさにこの「LIP BAR」を目がけて金沢にやってきたようで、それに合わせて「KAMU kanazawa」のチケットも取ったと言っていました。「KAMU kanazawa」の受付で「『LIP BAR』って今日開いてるんですよね?」って前のめりに確認したようで、「私たち、たぶん変な人だったと思う」みたいに自分で言ってた気がします。その日の昼ぐらいに金沢に着いて、翌土曜の夕方には帰るという旅程で、さらに、翌日の予定は特に決まってないと話していたので、まさに「『LIP BAR』のために金沢にやってきた」と言っていいでしょう。



「明日は海鮮を食べるぐらいしか予定がない」みたいなこと言ってたよね



それで、私も行く前だったから強くは推せなかったけど、「ASTER Curator Museum」をオススメしたんだよなぁ。行っただろうか
にも拘らず店が開いてなくて、メチャクチャ困ってました(ってか、あれは怒っていたと思います 笑)。2人はスマホで「LIP BAR」の電話番号が出てこないか検索しているようでしたが、どうやっても見つからなかったみたいです(実際、後で店主に聞いたら「電話はない」って言ってました)。それで、もうどうにもならないので、Instagramでメッセージを送っていました(店の前ではあまり話さなかったので、2人が喋っている会話からの推察ですが)。


そのまま15分ぐらい経ったかな、私の記憶では20時35分ぐらいになっていたと思います。姉妹は「諦めますね」と言って去ってしまいました(彼女たちが何時に店に来たのかは分からないけど、あの気合の入りっぷりだとたぶん、20時ジャストに着いてたんじゃないかと思います)。恐らく30分以上も待っていたわけで、さすがに限界だったのでしょう。私は、その後の予定が特にあったわけではなく、また、まだ15分ぐらいしか待っていなかったので、もうしばらく扉の前にいることにしました(その間に知らないお兄さんから、「ここって何なんですか?」と話しかけられたなんてこともあったり)。



外から中は見えない作りになってるし、だから地元の人でも、入ったことなかったらそこが何なのかなんて分からないよね



「アート作品だ」ってサインみたいなものもないから、余計にそうだと思う


しかしなんと、姉妹が去ってから5分も経っていないぐらいのタイミングで、1人の男性が自転車でやってきたのです。しばらくして「入りますか?」と言われたので、「ようやくBARの店主登場!」という感じでした。「待ってて良かった~」と思いましたが、やはり帰ってしまった姉妹が気になります。私なんかよりも遥かに「LIP BAR」に思い入れを持っていたわけで、これはどうにかせねばなりません。なので、「ちょっと準備するんで待ってて下さい」と言う店主に「女性2人がついさっきまでここにいて、Instagramでメッセージ送ったとか何とか言ってましたよ」と伝えたというわけです。


その後、私がお客1号として店に入り、その凄まじい内部に圧倒されていたところ、先程の姉妹が戻ってきました。店主から連絡がいったみたいです。良かった良かった。まあそんな経緯もあり、普段ならBARなんかに行っても他のお客さんと喋るみたいな感じにはなっていなかったかもしれないところ、この夜は、その後来たお客さんとも良い感じで喋れて(まあ、店主のトークスキルが高かったってのもありますが)、個人的には「怪我の功名」だったなと思います。



その姉妹とはChim↑Pomの話も出来たし、アート系にかなり関心高い人って感じだったよね



それにしたって、「LIP BAR」のためだけに金沢に行くのは凄い


店主は「元々遅刻グセがある」らしく、さらに「金曜の夜はいつも、お客さん来るの22時ぐらいからだから、全然ゆっくりしてたわ」みたいなことを言っていました。なので、木曜・土曜のことはよく分かりませんが、金曜に「LIP BAR」へ行かれる方は、20時ジャストには空いていない可能性を考慮した方がいいかもしれません。




そんな「遅刻グセのある店主」ですが、この方実は凄い人でした。そもそも店主自身がアーティストで(秋山雅貴という方です)、しかも友人と「aQ-studio」という会社を立ち上げて、アートで飯を食っている人だったのです。あの「エビスビール」とコラボしたこともあり、「エビスビール130年の歴史の中で、コラボ商品は僕が初めて」みたいなことを言っていました。ちなみに、その企画の第2弾が荒木飛呂彦なのだそうです。



別にこういうことを自慢げに喋ってるわけじゃなくて、サービス精神が高くて、自分の話で場を盛り上げるみたいなことが自然に出来る人って感じ



ヱビスビールの話も、「店主は何やってる人なんですか?」「絵を描いてます」「どんな絵を?」「ヱビスビールの絵とか」みたいな流れで出てきたしね
そしてこの秋山さんの話がまさに『ブルーピリオド』みたいな感じで面白かったので、ちょっとかいつまんで書いてみたいと思います。


彼は奈良出身で、中学まで勉強が出来たそうですが、進路を決める三者面談の中で教師に、「勉強してまで勉強したくない」という名言(迷言?)を吐き、「女子がたくさんいそう」という理由で美術科のある高校に入学しました。ただ、確かに女子は多かったものの、彼がイメージしていたような「ハーレム」ではなかったようで(「ボクっ娘のイメージが違った」みたいに言っていました)、1年の頃は暇すぎて、唯一仲良くなった友人とひたすらデッサンをしていたそうです。


で翌年は、新しく入ってきた1年生に可愛い子が多かったと言っていました。さらに、「デッサンをずっと続けていたお陰で凄く上手くなり、それで女子から注目されるようになった」みたいな話だったはずです(しかし今更ですが、私は他人のこういう話を勝手に書いてていいんだろうか?笑)。で、何だかんだ首席で高校を卒業したと言っていたと思います。
さて、彼がやっていたのは油絵で、日本の大学で油絵をやろうと思ったら「東京・名古屋・金沢・沖縄・◯◯(あと1つは忘れた)」の5つがよく知られており、その中でも東京と金沢が強いのだそうです。東京はもちろん東京藝術大学のことでしょうが、ここは試験で「センス」を問われるので容易には突破出来ません。一方で、金沢は金沢美術工芸大学のことでしょうが(秋山さんの出身校なので)、ここは「基本を重視する試験」をするそうで、それで彼は金沢にやってきて(1浪したとか言ってたかな)、それからずっと金沢にいるみたいです。



前に『最後の秘境 東京藝大』(二宮敦人)って本を読んだことあるけど、ホント面白かったよね



「自画像を描け」っていう入試の課題で、自分の顔に絵の具を塗って紙を押し付けて提出した人が合格した、って話を今も覚えてる


しかし彼は、「大学に入学することが目的になっていた」ようで、入学後は全然やる気が出なかったとか。ただ、2年生ぐらいの頃に何かの絵を見て「こんな風に描きたい!」と強く感じたと話していました(この辺り、メチャクチャ『ブルーピリオド』感ありますよね)。それから教授に「毎週僕の絵を見る時間を作って下さい!」と直談判するぐらいにまでなり、そんな風にしてアートの世界でやっていくようになったのだそうです。


本人は「運が良かったんだ」みたいなことをずっと言っていましたが、まさに「運も実力の内」と感じさせるような人で、凄く魅力的でした。また店主曰く、「奈良人は(大阪人より)プレッシャーが少ないから、話の面白い人が多い」みたいに言っていて、彼自身の自覚でも、人と喋るのは得意なのだそうです。そんな彼が「LIP BAR」の店主に収まったのも、たまたまと言えばたまたま、実力と言えば実力という感じですが(この話は省略)、「これ(LIP BAR)がないと、週末は家から出ないことになるから」みたいに言ってたので、彼自身にとっても「Barの店主」という仕事は収まりが良いだと思います。


そんなわけで、全然長居するつもりはなかったんですけど(30分ぐらいで帰ることになるかなと思っていました)、結局2時間ぐらい滞在しました。私は、1人で旅行する際は今もマンガ喫茶とかカラオケに泊まるんですが(とても42歳がする旅行とは思えませんよね 笑)、なのであらかじめ銭湯を探しておくことにしています。この日も「松の湯」に行く予定でしたが、銭湯の閉店時間の30分前ぐらいに「LIP BAR」を出たので、大慌てで向かうことになりました。まあそんなドタバタもありつつではありますがが、非常に良い時間を過ごさせてもらって、今回の金沢・富山旅の中で、「ASTER Curator Museum」に次いで印象的な場所だったと言っていいと思います。



金沢を訪れる機会があるなら、絶対にまた行くわ



まあでも、「怪我の功名」でメッチャ良い印象になってる部分もあるから、次もこんなに楽しいかは分かんないけどね


【金沢 5/25(日)】KAMU kanazawa
さて、次は「KAMU kanazawa」です。ここも本当に素晴らしかった!
「KAMU kanazawa」は、いわゆる「美術館」という感じではなく、「街中に点在するアートスペースを有機的に繋ぎ合わせた集合体」みたいなものだと捉えるのがいいでしょう。チケット販売所がある場所(オンラインでも買えます)が一応メイン会場と言えますが(最も有名だろう、レアンドロ・エルリッヒの『インフィニットステアケース』もここにあります)、メイン会場で渡される案内図には、合計8箇所(プラス1箇所)が記載されていました。チケットも、1日券から3日券まで販売されており(若干値段が異なります)、1日で全部回れなくても大丈夫な設計になっています。ただ、それぞれの場所にどれぐらい留まるかにもよりますが、全部回っても2~4時間もあれば十分かなという気がするので、よほど何か都合があるとか、あるいは1つの展示をもの凄く時間を掛けて見たいとかでもない限り、1日券で大丈夫でしょう。


ただ1点、注意すべき点があります。この点について私は、実際に「KAMU kanazawa」を訪れるまで知らなかったのですが、一部会場(メイン会場含む)は12時から13時までCLOSEしているようなのです(メイン会場の受付でそう案内がありました)。恐らく各会場スタッフが1人しかおらず、その時間休憩を取るからということなんだと思います。ただ私は、そのことを知らずにスケジュールを組んでいたので(Instagramとかには案内があるのかもですけど、見ないんだよなぁ、Instagram)、想定外の事態にちょっと困ってしまったというわけです。「KAMU kanazawa」は11時OPENなのですが、私は12時ちょっと前にメイン会場に着き、チケットを購入しました。それから2時間ぐらいで回れるかなと考えていたのですが、そこで「一部の会場は12時~13時に閉まります」と言われたので、予定を組み替えなければならず大変だったのです。皆さんも、予定を立てる際はご注意下さい。





全体的に、「KAMU kanazawa」が発信している情報はかなり少ないように思えるから、事前に計画を立てるのが難しかった



「街のあちこちに展示がある」ことはもちろん知ってたけど、それがどこにあるのかも行くまでちゃんとは分からなかったしね


また、展示会場は「屋外」も存在し、チケットの有無に拘らず誰でも鑑賞出来るようになっています。それが「新天地」と呼ばれる飲み屋街にある森山大道の写真です。私はあらかじめ調べておいたので、この「新天地」の写真は5/20(火)に見ておきました。




昼間でも見れるんでしょうが、ネオンで光っているのは夜だけだと思うので、夜行くのがいいでしょう。私は入りませんでしたが、良い感じの飲み屋が結構あるので、ふらっと寄ってみるのもいいかもしれません。また電柱の写真は、どこにあるのか分かっていたわけではありませんが、「新天地」を適当に歩いていたら見つけました。


こんな風にして、屋外の空間も含めて街全体を「美術館」にしてしまおうという発想で構成されており、なかなか珍しいタイプのアートスペースではないかと思います。



こういうスタイルなら、もっと自由な発想で美術館の運営とか出来そうだよね



「街全体を宿と捉える」みたいな発想のホテルの話は聞いたことあるけど、美術館でそれをやるのは面白い
それではここから、私が巡った順番に「KAMU kanazawa」のアート作品を紹介していくことにしましょう。


さて先程も書いた通り、12時~13時でメイン会場が閉まってしまうため、まずはメイン会場から歩いて1分ほどのところにある「香林坊東急スクエア」に向かいました。ここは、いわゆるショッピングビルなのですが、その1Fと屋上(から通じる通路)に「KAMU kanazawa」の展示があります。


1Fにあるのは「076-」と題されたショップです。「076」は石川県の市外局番を意味しているんだと思います。閉鎖されているエリアではないので、チケットを持っていない人でも全然入れる場所です。



こんな風に、「KAMU kanazawa」に接するタッチポイントが多いってのは結構重要な気がする



「新天地」の写真とか「076-」から「KAMU kanazawa」の存在を知ってメイン会場に行ってみる、みたいなパターンも結構ありそうだよね




上の写真に映っているのは売り物ではなく展示品ですが、奥に飲み物を提供できるような装置が置かれたりしていて、カフェとして機能しそうでした(理由は不明ですが、私が行った時にはカフェとしては営業していませんでした)。広いフロアには工事現場の足場のようなもので作られたベンチが配され(森美術館で行われていたChim↑Pomの美術展を連想しました)、チケットを持っている人だけではなく、誰でも自由に使える場所として提供されているといった感じです。


ちなみに、写真を撮るのを忘れましたが、このスペースには自動販売機が置かれており、「KAMU kanazawa」のグッズであるTシャツやバッグなどを買うことが出来ます。また、「LIP BAR」でオススメされた日本酒についても紹介がありました(このスペースでは買えないと思いますが)。


そして次に向かったのが屋上です。ここもチケット無しで入れる場所ではありますが、アクセスをかなり分かりにくくしているので(恐らく意図的だと思います)、「ここに展示作品がある」と知らなければなかなか辿り着けないでしょう。



元々使われてなかったのか、あるいはこの展示のために潰したのかは気になるところだけど



ってか何なんだろうね、この空間


上の写真のような看板の近くに案内表示があり、それに従って進んでいくと下へと降りる階段が現れます。この階段もなかなか幻想的で良い感じでした。ショッピングビルにある階段としては珍しいタイプじゃないかと思います。




そして降りていくと展示作品が現れる、というわけです。




この展示に関しては、キャプションみたいなものは一切無かったと思います。「KAMU kanazawa」のメイン会場で渡されるMAPには説明が載っているのでそちらを読むと良いでしょう。


さて、この2つを見終えた時点で12時半ちょっと前ぐらいだったはずですが、あとは13時から再開するものだけになりました。個人的にはやはり、この中途半端な時間はちょっと嫌でしたね。12時~13時で昼ご飯を食べるという人は全然気にする必要はありませんが(私は12時前に昼食を食べ終えてしまいました)、途切れなく一気に見たい方は13時以降から回り始めるのが良いかもしれません。



行きたい場所にはあらかた行ってたから、この時間で「忍者寺」として有名な「妙立寺」をチラ見してきたよね



「予約が必要です」みたいに書かれてたから、ホントにチラ見してきただけだけど




それで、13時になるのを待って、まずは距離的に一番近かった「KAMU Black Black」へと向かいました。タテマチ商店街と呼ばれる通り沿いにあり、ビルとビルの間の何だかよく分からない謎の空間にあります。


「KAMU kanazawa」の中で、私はこの展示が一番好きかもしれません。なんかメチャクチャ素敵な空間でした。


中に入ると真っ暗で、「スクリーンが点いていない映画館にいたらこれぐらいの暗さだろうか」みたいな感じです。タイミング次第ではありますが、私が入ったのは、受付の女性が「12-13 CLOSE」と書かれた案内板を入り口から取り去った直後なので、それで真っ暗から始まったのだと思います。また、私の写真スキルの問題もありますが、真っ暗な空間で明かりやレーザーが明滅する空間だったこともあり、写真はほぼありません。



この辺りは、普段写真を撮らないのが裏目に出てるね



あとは、安いスマホを使ってるって問題もあるとは思うけど


空間全体は縦に細長く、本当に、ビルとビルの間のスペースを使っているという感じです。高さはそれこそ、シネコンの映画館ぐらいはあるでしょうか(いや、さすがにそれよりは低いか)。明るくなったタイミングで見上げると、天井に細長く鏡が貼られているのが見えました。会場中心を時々、複数のレーザー光線が貫くのですが、それがちょうど真上の鏡に映るという趣向になっているというわけです。


側面の壁には複数のスピーカーが配され、そこから出る音と会場を照らす光とが連動する形で提示されます。銃声のような音と共に光が明滅したり、爆音からの静寂のタイミングでレーザー光線が放出されたりと、「細長く広い空間を、音と光が満たしている」という感じの作品です。


そしてそんな空間にいると、なんだか「自分の存在が無くなっていく」みたいに気分にさせられました。この感覚がもの凄く良かったです。真っ暗な空間で視覚と聴覚をほぼ占有されるみたいな状況に置かれると、「人間としての活動が何も出来ない」みたいな感じになります。手近に触れられそうなものはスピーカーぐらいで(もちろん触りませんが)、レーザー光線に手を当てることは出来ますがもちろん何も感じません。嗅覚や味覚を刺激するようなものも無いので、なんとなく「すべての感覚器官を奪われた存在」としてそこに立っているみたいな気分にさせられたのです。



その時の感覚を上手く表現できているか分からないけど、なんかそんな感じしたよね



日常生活の中で体感することがない、奇妙で浮遊感のある感覚だったわ
さらに、銃声のような音と共に光が明滅するようなタイミングもあり、「戦争・紛争などを疑似体験させる」みたいな意図もあるんじゃないかと思います。いずれにせよ、凄まじく「非日常的な空間」であり、メチャクチャ惹きつけられました。あまりにも良かったので、一度出た後でもう1回訪れたほどです(特に説明はありませんでしたが、同じ日であれば会場には何度でも入れるみたいです)。


金沢を再訪する機会があれば、ここにも是非もう一度来たいと思わせてくれる場所でした。
さて次は、そこから徒歩3分ぐらいの場所にあるメイン会場へと向かいましょう。観光客なのか地元の人なのか、若者の集団やカップルが結構いました。スペースとしてはかなり狭いので、それを踏まえるとかなり賑わっていたと言えるでしょう。


ここは、1Fから3Fまでの各階に展示があり、1Fにある『インフィニットステアケース』だけ順番待ちが必要になります。既に数組待っていたので、私は2F・3Fから回ることにしました。ちなみにメイン会場では受付で、スマホ以外の荷物はすべてロッカーにしまうように指示されます。恐らく、『インフィニットステアケース』を撮影するのにスマホ以外のもの(三脚など)を使わせない対策なのでしょう(違うかもしれませんが)。



『インフィニットステアケース』は写真の撮り方を色々考えたくなる場所だからね



ただ初見だと仕組みが難しいから、構造を理解した上で2回目以降にちゃんと写真を撮る、みたいにするのも良いかも




2Fにはカラスがいました。粘土をざざっと成形したみたいなスタイルで、ちゃんとは分からないけど、こういう「整っていない感じ」を出すのは逆に難しいんじゃないかと思います。「生き物感」があって良かったです。ちなみに、「溶けたアイスクリーム」みたいなやつもありました。




3Fには、斬新な見た目の陶芸作品が並んでいます。


どうやって作ってるんだか想像出来ないような作品で、こちらについても詳しいことは知りませんが、伝統工芸と現代アートのコラボという印象です。



石川には輪島塗とか九谷焼とかあるから、そういうものとも絡んでいるのかもね



伝統工芸がこういう形でまた注目されるようになるなら面白い


さて、これらを鑑賞し、1Fに戻りました。ちょうど並んでいる人も少なく、すぐに順番が回ってきます。待っている間に注意事項の説明を受けたのですが、ただ、聞いていても「???」という感じでした。恐らく、内部の構造を実際に見てみないと全然ピンと来ないでしょう。


中に入ると、「なるほど、そういうことか」となります。なりますが、ただ、実物を目にしても「これは何がどうなってるんだろう?」という気分が残るはずです。というわけで、まずは写真を見てもらうことにしましょう。いくつかのパターンを撮ってみましたが、一番良いかなと思ったのがこちらです。


まるで、無限に続く螺旋階段のように見えるんじゃないかと思います。実際にはそんなことはなく、前後の合わせ鏡になっているという仕掛けです(なので、自分の姿が映らないようにしゃがんで、スマホを持った手だけ出して撮影しています)。私は基本的に「インスタ映え」みたいなことには全然興味がないのですが、これは久々に「映える写真を撮りたくなるなぁ」みたいに感じさせられました。21世紀美術館の有名なプールと同じく、これも、写真に撮ってSNSにアップしたい人がたくさんいそうだなと思います。



ただこの作品って、「写真に撮って満足」ってだけじゃなくて、「その場にいても混乱する」みたいな面白さもあるんだよね



頭ではなんとなくの構造を理解出来た気になってるけど、視覚情報が強すぎて認識が追いつかないんだよなぁ
先述した通り、初見ではなかなか「良い写真の撮り方」が分からないかもしれないので(「LIP BAR」で出会った姉妹も難しいと言っていました)、一度行って構造を把握し、その後別の展示作品を巡りながら撮影方法を考えてまた戻る、なんてのもいいかもしれません。


そして最後に行ったのが、メイン会場から徒歩5分ぐらいのところにある「KAMU SsRg」です(銭湯・松の湯のちょうど向かいでした)。


ここでは短編のアニメ作品が上映されています。全編英語ということもあり、入り口で受付の方からセリフの翻訳が書かれたシートみたいなものを渡されました(断ってもいいですが)。なかなか可愛らしいキャラクターを登場させつつ、「アイデンティティ」について問うみたいな内容になっています。凄く良かったわけではありませんが、短い作品なので一通り見終えて出てきました。


というわけで、「KAMU kanazawa」はこれにて終了。美術館としてのスタイルも展示作品もとにかく素敵で、「『KAMU tokyo』とか作ってくれないかなぁ」と思ったりしました。もちろん、地方でも同じスタイルの美術館は全然やれるでしょう。もっと広がりを見せてもいいプロジェクトに思えたし、その一方で、このスタイルが当たり前のように成立している金沢の凄さみたいなものも感じさせられました。



しかし結局、「KAMU」の意味は分からなかったね



意味があるのか、特には無いのか
さて最後に、まさにこの記事を書いている途中、つまり、金沢の旅行から帰ってすぐ、こんな記事を見つけたので紹介しておきましょう。


「三谷産業金沢本社」も、Googleマップで調べてみると金沢城公園からほど近く、他の「KAMU kanazawa」のスペースからのアクセスが良い場所にあることがわかります。普通に考えてこちらも、チケット無しで見られる展示になるのでしょう。こういう場所をどんどんと増やしていけるというのもまた、このプロジェクトの面白い点だと思います。
【金沢 複数日に渡る】21世紀美術館


次は、この旅の最大の目的だった「21世紀美術館」です。能登半島地震を受けて、その耐震工事のために2027年5月から休館されることは知っていたので、その前に来られたのは本当に僥倖でした。


というわけでまずは、「21世紀美術館と言えば」なプールの紹介から始めましょう。




私がこのプールを見たのは、5/23(金)の18時頃です。先程も書きましたが金曜・土曜は20時まで開いており、また、「21世紀美術館」で働いていた人曰く「金曜の夜はそこまで混まない」という話だったので(ただ数年前の情報だから今は分からないとも言っていました)、この時間にチケットを取ってみました。18時を過ぎると他の美術館の多くが閉まるので、時間の使い方という意味でも夜行けるのは凄く助かります。



元々は13時からのチケットを取ってたんだけど、色々考えて18時に変えたんだよね



「アソビュー!」で取った「21世紀美術館」のチケットは、当日の23:59までキャンセル可ってなってたから、それは凄く助かった
「21世紀美術館」は、チケットがなくても建物内には入れ(外周に沿ったスペースは自由に出入り可能です)、さらに無料で見られる展示もあるのですが、このプールは展覧会のチケットを持っていないと近づけません。さらに、プールの中に入る場合は別途予約が必要で(外から見る分には展覧会のチケットのみでOK)、しかもプールの予約は当日にならないと出来ない仕組みになっています(WEBでも可能です)。その辺りの詳しい情報は「21世紀美術館」のHPに書かれているので読んでみて下さい。




さて、私は結局「21世紀美術館」に4回足を運んだのですが、チケットを買ったのは1回だけ、また開館時間内に行ったのは2回だけです。というわけで、その辺りの事情も含めて「21世紀美術館」の特殊さについて書いていくことにしましょう。


先述した通り、「21世紀美術館」の館内にはチケットが無くても入れ、無料の展示もあります。さらに「交流ゾーン」と呼ばれるスペースには、閉館後も22時までは入ることが可能です。どこが「交流ゾーン」なのかはHPに書かれているので載せておきます。


私はあらかじめこのことを知っていたので、「メインの展示(とプール)を見るのは金曜にし、閉館後の時間に交流ゾーンだけ先に見ておく」という計画を立てました。というわけで、最初に「21世紀美術館」に足を運んだのは5/20(火)の夜です。



ホント、かなり絶妙な立地にあるから、ついでに寄りやすいんだよね



兼六園のすぐ傍だし、「21世紀美術館」を中心として色んな観光地がかなり近距離にある感じする
さて、「21世紀美術館」にはそもそも、屋外にも作品が置かれています。円形の建物を円形の庭的な部分がぐるっと取り囲んでいるのですが、その庭的な部分に色々と作品が点在しているというわけです。5/20(火)の夜はまず、この辺りから見ていきました。








また、Instagramなんかで有名らしい「ウサギ耳の椅子」も外から見えます。


で、私はこれらの写真を撮っている間なんとなく、「建物の中には入れないんだろうな」と思っていました。もちろん、あらかじめ「交流ゾーン」がどこなのかHPでチェックしていたし、建物の内部も「交流ゾーン」に含まれていることは理解していたのですが、それにしても中に誰もおらず、とても入れるような雰囲気ではなかったのです。「入ったら怒られそうだな」なんて風にも思っていました。



一般の人だけじゃなくて、職員らしき人の姿も全然なかったしね



けど明かりだけは点いてるから、ディストピア感も若干あったり
ただ、「入れるはずだよな」と思い直し、「自動ドアに近づいてみて、開いたら入ろう」みたいに考えていたところ、開いたんですねこれが。「うわっ、開いたよ」って思いました。で、恐る恐る中に入って、まったく無人の建物内をウロウロし始めたというわけです。






こんな写真が撮れちゃうぐらい、誰もいませんでした。


さてここまで書いてきた通り、私はどうも「人の気配が感じられない空間」が結構好きなようです。そしてやはり、「誰もいない夜の21世紀美術館」もとにかく最高でした。ここは「ASTER Curator Museum」とは違ってメチャクチャ市街地にあるし、外を見れば「人間の生活」が感じられるような光景が広がっています。にも拘らず、人の姿がまったくないわけで、SFの世界に迷い込んだような感覚にも陥りました。


また、これも「ASTER Curator Museum」とは違うポイントだと言えるでしょうが、知識として「普段ならここには人がうじゃうじゃいるはずだ」ということを知っているわけで、「それなのに誰もいない」という点にも興奮を覚えたのだと思います。ホント近くにあったら、仕事帰りに週1とかで寄っちゃうだろうなって感じました。金沢の中心部にある超有名観光地にも拘らず、そこに誰もいないという状態は何かバグってる感じもするし、そういう「磁場がイカれた場所」が日常生活の中にあるというのは凄くいいなと思います。メチャクチャ良いな、金沢。



基本的には東京に住んでいたいけど、金沢も住みたい街の候補に入ったわ



あとには、盛岡と高松だよね
また館内の交流ゾーンにも展示物があります。「タレルの部屋」と書かれていたと思うんですが、検索してみると、作品名としては「ブルー・プラネット・スカイ」なのだそうです。部屋まるごと1つの作品という感じで、天井部分が正方形に切り取られています。


で、私は当初、この真っ青に見える天井部分はライトか何かで色が変わる仕組みになっているのだと思っていたのですが(別のタイミングで行ったら真っ黒だったのでそう感じました)、雨が降っていた5/25(日)に、この部屋の中に雨が降り注いでいたのを目にして驚きました。となれば、屋根の部分はくり抜かれて外にそのまま繋がっていると考えるしかないし、つまり真っ青に見えていたのは「空そのもの」だったということになるからです。私がこれを撮影したのは19時ぐらいだったはずなので、空がそれぐらいの色だった可能性はありますけど、ただ外は結構暗かったと思うので、あれが実際の空だったとはちょっと信じられない感じがします。メチャクチャ驚きました。





そもそも「空ってこんな真っ青になる?」とも思うしね



あるいは屋根は開閉式で、閉館後はライトが点くみたいな感じなのかなぁ
そんな感じで、誰もいない夜の「21世紀美術館」を堪能し、その後、展示をちゃんと見る日に設定していた5/23(金)を迎えます。私がチケットを取ったのは「積層する時間:この世界を描くこと」という特別展で、様々な現代アートの作品が展示されていました。少し前に東京オペラシティで見た今津景の作品があって懐かしい気分になったり。


また、藤倉麻子の作品は絶対にどこかで触れたことがあるよなぁ、と感じたので脳内を検索したところ、少し前に森美術館で見た「マシン・ラブ展 | ビデオゲーム、AIと現代アート」にも作品が展示されていた人だと思い出しました。


さて、他の時間帯のことはよく分かりませんが、確かに、私が展示を見ていた金曜の夜がお客さんはあまり多くなくて良かったです。かなりゆったり鑑賞できました。







ちなみに、全然責めるつもりはないんだけど、「展示室内に入ると、それまで座っていたスタッフが立り上がる」ってのがちょっと嫌だったなぁ



たぶん「お客さんがいない時は座って良し、お客さんがいる時は立つべし」ってルールになってるんだと思うけど、「どうぞ座ってて下さい」って感じちゃったよね
というわけで、あと2つ「21世紀美術館と言えば」的な常設展示の写真を載せておきましょう。




脚立に乗った金色の人(「雲を測る男」という作品らしい)は、行く前からその存在自体は知っていましたが、どこにあるのか全然分からず、見つけた時は「お前、ここにいたのか!」となりました。これ、気付かないで帰る人絶対にいるだろうなぁ。


というわけで、特別展に対する印象はさほど強くはありませんが、プールも見れたし、「雲を測る男」も発見出来たし、思いがけずごみごみしてなくてゆったり鑑賞できたし、全体としての満足度は高かったです。
そして旅行最終日の5/25(日)に再び「21世紀美術館」に立ち寄りました。というのも、その前日の5/24(土)に展示内容がいくつか変更されていて、このタイミングで行かないと鑑賞出来ないものがあったからです。その1つが、無料展示の「ジャネット・カーディフ 40声のモテット」です。





正直、これを無料で展示するのはちょっと凄いなって思った



普通、無料はあり得ないよね
この作品はなかなか斬新で、広い空間に「40本のスピーカー」と「数台のベンチ」だけが置かれているという感じでした。スピーカー1つ1つからは異なる音声が流れ、全体として「40人の聖歌隊の歌声が響く」という構成になっています。10分ほど歌のパートがあり、その後3分ほど会話(たぶん英語)が収録されていました。


ベンチに座って40人のハーモニーを聴いてもいいし、スピーカー1つ1つに近寄って個別の音を聞いてもいいでしょう。個人的に面白いと感じたのは、「人間の耳がいかに音を取捨選択しているか」が実感できたことです。当たり前の話ですが、40人の声を全体として聴く場合には細部が分からなくなり、スピーカーに近づくほど個々の声が聞こえてきます。以前何かの本で読みましたが、私たちが日常耳にしている音というのは、すべてがそのままの音量で届いたらうるさすぎるらしく、それで、人間の耳はその音量を必要性に応じて絶妙に調整しているのだそうです。この展示でなんとなくその感覚が分かった気がするし、そういう面白さも感じられる作品だなとも思いました。
というわけで「21世紀美術館」については以上です。とにかく念願だったので、行けて良かったなと思います。
【金沢 5/23(金)】鈴木大拙館
次に紹介するのは、仏教学者であり、禅についての著作で世界的にも知られている鈴木大拙を紹介する博物館です。金沢出身みたいですね。私は、鈴木大拙の名前ぐらいはもちろん知っていましたが、著作を読んだことはなく、特に詳しいわけでもありません。ここにはオススメしてもらって行くことに決めました。



場所的には、「21世紀美術館」から割と近いところにあって、ついでに寄りやすいよね



ついでで全然いいから寄ってみたらいいと思う


館内は撮影禁止だったため、展示の写真はありません。ただ正直、展示そのものはそこまで響きませんでした。なんですが、「鈴木大拙館」の建物(というか中庭?)が非常に素敵で、空間としての魅力がとても強かったので印象に残っているというわけです。




私は別に、「禅」について詳しいわけでもありませんが、この「鈴木大拙館」については、「建物を含めた空間全体で『禅』を体現しようとしている」みたいに感じられました。「侘び寂び」というのか、「THE 日本」みたいな印象をもたらす空間で、日本人には落ち着いた印象に、そして外国人には異質な雰囲気に感じられるんじゃないかと思います。




金曜の午後だったこともあるかもしれませんが、お客さんも少なく(ただ外国人が多かったのはさすがです)、「人の気配をまったく感じない」というわけにはいきませんが、かなりそれに近いような形でこの空間を堪能できました。旅行で来ているんじゃなければ何時間でも留まっていたいと思えるような、「静謐」という言葉がピッタリ来る空間だったなと思います。



ここも、人が全然いなかったらもっと良く感じただろうなって思う



入館料が310円だから、頑張れば貸し切りとか出来るかもね(笑)


さて、この中庭ですが、中央の茶室的な部分に入れなくてもいいなら、入館しない人(チケットを買わない人)でも楽しめるようになっていました。


上の写真の中央付近に、壁の切れ目から足場のようなものが出っ張っているのが見えるかと思います。これが敷地の外側から入れる場所で、次の写真が、この足場部分に立って撮影したものです。


これでも十分雰囲気の良さが感じられるでしょう。「鈴木大拙館」も、「もし近くにあったら頻繁に通うだろうなぁ」と思わせてくれる素敵な空間で、行って良かったなと思います。今はなかなか時間が取れませんが、いずれ鈴木大拙の著作も読んでみたいところです。



禅自体には結構興味あるんだよなぁ



前に読んだ『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』(飲茶)も面白かったしね


【金沢 5/25(日)】柳宗理記念デザイン研究所


さて次は「柳宗理記念デザイン研究所」を紹介しましょう。柳宗理については何となく名前を知っていた程度で、何の人なのかをはっきりとは把握しないまま訪れたわけですが、ここも素敵な空間でした。入場料は無料で、それに見合うこじんまりしたスペースだったのですが(ちょっと広めのリビングぐらいでした)、個人的には行って良かったなと思います。




ここは展示スペース内の写真撮影が禁止だったので、外向きに展示されているものだけ撮ってみました。柳宗理が好んでいた「デザイナーが介在していないデザイン」の実例だそうです。
柳宗理はインダストリアルデザイナーであり、「日本におけるインダストリアルデザインの確立と発展に最大の貢献を成した人物」として知られています(いや、私は知らなかったのですが 笑)。長く金沢美術工芸大学で教鞭を執っていたそうで、そういう縁もあって、彼の功績を展示するスペースが金沢に出来たというわけです。


柳宗理と言えば「バタフライスツール」「エレファントスツール」のようで(どんなものかは検索してみて下さい)、それらも展示されていました。また、多くの日用品のデザインも手掛けたそうで、展示スペースには鍋やフライパン、カトラリーなどが、ここに生活者が住んでいるかのように並べられてもいます。「展示品には触れてもいい」とのことで、蓋を開けたりちょっと持ち上げてみたりもすることも可能です。シンプルだけど、単に「シンプル」というだけで片付けられないような何かがあるような感じで、そういう日用品も素敵だなと感じました。



まあシンプルなデザインほど「早いもの勝ち」みたいなところはあるだろうし、ある種の「先行者利益」的な部分もあったんだとは思うけど



ただやっぱり、「王道になるようなシンプルを提示するのは難しいんだろうなぁ」とも感じるよね
そして、また同じようなことを書きますが、ここでも私は「外界から切り離されたような感覚」を覚えて、それもまた素晴らしかったなと思います。「柳宗理記念デザイン研究所」は比較的大きな通りに面しているのですが、建物の中では何故か車の走行音なんかも全然聴こえませんでした(「ジャネット・カーディフ 40声のモテット」のところで書いた通り、耳が不要な音として排除していただけかもしれませんが)。展示スペースはまさに「人が生活しているかのような空間」なわけですが、当然そこに生活者はおらず、さらに建物のガラスを隔てて外界と切り離されているような感じもあり、ここでも私は何とも言えない不思議な感覚を覚えたというわけです。


そんなわけで、今回の金沢・富山の旅で私は「人の気配を感じない空間」に強く惹かれるのだと改めて実感できたし、そんな状態を金沢という土地で何度も経験出来たことにちょっと驚かされました。日常生活の中ではそんな感覚、なかなか得られませんからね。金沢もかなり都会だと思いますが、そんな街中のあちこちに「空白」みたいな場所が点在していて、「人の気配」を消し去ってくれているわけです。田舎に行けばそういう感覚は当たり前に味わえるかもしれませんが、そうではなく、都市部にも拘らずそんな風に感じられたという点に価値を感じるし、そういう意味で金沢という土地は私にとって、かなり特異で魅力的な場所になりました。



「デジタルデトックス」みたいな言葉があるけど、私は金沢で「エブリシングデトックス」を体感したって感じかな



「あらゆるすべてのものから距離を置く」みたいな感じだったよね


ちなみに、すぐ傍に「泉鏡花記念館」があるのですが、実は「柳宗理記念デザイン研究所」の敷地から「泉鏡花記念館」まで直接行けるようになっています。残念ながらこの日は展示替えのタイミングのため閉館していて行けませんでしたが。
【金沢 5/21(水)】石川県立図書館




さて私はこの記事の初めの方で、「大体の場所は徒歩で行ける」と書きましたが、「石川県立図書館」はちょっと難しいでしょう。Googleマップによると、「21世紀美術館」を起点にしても「石川県立図書館」までは徒歩で39分もかかるそうです。私は自転車で行きましたが、それでもかなり遠くに感じました。ここは、図書館としては本当に素晴らしい場所でしたが、アクセスの悪さだけが難点だなと思います。




まあとにかく綺麗な図書館で、まずはその見た目に驚かされるでしょう。上の写真も、図書館だと言われなければ、何か別の施設にも見えたりするんじゃないかと思います。「図書館に見た目の綺麗さは必要か?」という議論はあるかもしれませんが、綺麗なことに越したことはないし、「素敵な空間だから行ってみよう」という動機で本に触れる機会が増えれば、それは全然いいことでしょう。



本と出会うきっかけなんて、マジで何だっていいからね



本を「高尚なもの」だと思いすぎてゴチャゴチャ言う人が多いんだよなぁ
しかしこの図書館、決して見た目だけではありません。本の見せ方も凄く良いなと感じました。






とにかく、「色んなきっかけから本に興味を持ってほしい」という想いがひしひしと伝わるような作りになっているし、また、図書館というより書店に近いような本の並べ方をしているスペースが結構多かったので、選ぶ側も楽しいんじゃないかと思います。この図書館も「近くにあったら結構通っちゃうかもなぁ」という感じでした。ホント金沢には「近くにあってほしい」と思うような場所が多すぎます。


公立の図書館にこれだけ力が入っているというだけで、金沢(というか石川県)の「教育や子育てにかける力」や「文化レベルの高さ」が理解できるでしょう。さらに、「そういう環境の中で人が育っていくことで『文化資本』が一層高まっていく」みたいな好循環が生み出されているようにも感じました。



見た目も中身もこんなに充実した図書館って、そうそう無いような気がするよね



マジで金沢、レベル高ぇ




ちなみにですが、「『LIP BAR』の店主である秋山雅貴の出身大学」や「柳宗理が教鞭を執っていた大学」として紹介した金沢美術工芸大学は、この「石川県立図書館」の真向かいにあります。




学生的には、こんな図書館が目の前にあったら最高だろうなぁ。実にいい環境だなと思います。


【富山 5/24(土)】ギャルリ・ミレー
続いて紹介するのは「ギャルリ・ミレー」。ここは、富山市の中央通り商店街の中にある小さな美術館です。


ここは「北陸銀行が所有している絵画作品」を展示することが主な目的のようで、『落穂拾い』『種まく人』などで知られるミレーを中心に、「バルビゾン派の作品や写実主義の先駆者クールベの作品」(HPより)などが並べられています。



近くに北陸銀行の建物もあって、そこにも作品が展示されてたよね



北陸銀行は何でそんなにアート作品を所有してるんだろう


で、そういう昔の作品も悪くはなかったんですが、東京に住んでいる私としては正直、国立西洋美術館なんかで見れちゃうのもあって、そんなに「おー」とはなりませんでした。ただ、企画展として行われていた「あーる・ぶりゅっと!みられ展」が思いのほか良く、印象に残っています。


「アール・ブリュット」というのは、今日本では「障害者アート」と同義みたいに使われているようですが、本来的にはもっと広い意味を持つ言葉だそうです。それはともかく、「あーる・ぶりゅっと!みられ展」では、障害を持つ5人のアーティストの作品が展示されていました。




一番インパクトがあったのは、「突然電柱ばかり描き始めた」という人の作品。4万2000本もの電柱を描いた後、スパッと止めてしまったみたいですが、結果としてそうやって描いた作品によってフランスにまで行ってしまったと紹介されていました。



結局のところ、こういう「熱中×執念」みたいなものを「才能」って呼ぶんじゃないかって気がするよね



4万2000本も電柱を描くなんて、絶対出来ないもんなぁ




他にも、「ここには『衝動』しか存在しない」と強く思わされるような、「原初のアート」とでも言うべき何かを感じさせる作品が多く、かなり印象深かったです。少し前にやっていたドラマ『ライオンの隠れ家』でも、障害を持つ主人公の1人がアートに取り組む姿が描かれていましたが、打算も策略も思惑も何も無さそうな(本当に無いのかは分からないものの)彼らの創作活動は、「純粋さ」を煮詰めたみたいな清々しさがあって、「こういうのがアートって感じだよなぁ」なんて、分かったような気分になったりしました。
【富山 5/24(土)】富山県美術館


次は「富山県美術館」です。ここでは企画展の「石岡瑛子 I デザイン」が素敵でした。ただ私は、2020年に東京都現代美術館で開かれていた「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」を見たことがあります。なので2度目ということになりますが、やはり彼女の作品には力強さを感じさせるし、何度見てもインパクトがあるなと感じました。




初期の頃は主に広告の世界で活躍したのですが、彼女は「流行を追わない」という信念を貫き続けたそうです。広告というのは、好むと好まざるとに拘らず流行を追わなければならなくなる気がしますが、それよりも彼女は「流行を作り出す」みたいな気概を持って仕事をしていたということなのでしょう。





現代的な視点で見ても挑発的な広告が結構多い気がするよね



だから当時としてはもっと驚きだったんじゃないかなと思う






展示の中には「角川文庫」の広告もあり、この時代の角川書店(現・KADOKAWA)の強さを感じさせもします。しかし、「文学少女は、もうマイナスのシンボルになってしまった。」ってコピーは、なんか素敵ですよね。文章だけであればプラスのメッセージを有してはいないはずなのに、写真とセットになるとプラスのイメージに転換される感じがあって、凄くいいなと思いました。




しかし個人的に一番驚いたのは、彼女が教科書のデザインも手掛けていたことです。仕事の幅が広すぎますよね。しかし、教科書を作る側もよく石岡瑛子に頼んだものだよなぁ。勇気があるというかなんというか。
さて、「富山県美術館」でもう1つ気になったのが、「オノマトペの屋上」です。




ここには「ひそひそ」「ぐるぐる」などのオノマトペをモチーフにした遊具が並んでいて、チケットを持っていなくても誰でも入ることが出来ます。それどころか、「富山県美術館」の開館時間が9:30~18:00であるのに対して「オノマトペの屋上」は8:00~22:00で、さらに美術館の休館日でも利用できるみたいです(ただ、遊具の利用は日没まで)。





美術館の屋上が公園で、しかも無料で利用出来るってのは良いシステムだよね



美術館に足を運ぶきっかけになるし、他でもやったらいいのにって思う
恐らく雪の影響を考慮してでしょう、12/1~3/15までは休業しているようですが、それ以外は、よほどの悪天候でもない限り開いているのだろうと思います。この日は午後から雨でしたが、私は「富山県美術館」の開館時間に合わせるようにこの「オノマトペの屋上」を見てきたので天気もまだもっていました。そういう条件の下であれば、かなり楽しく過ごせる空間じゃないかなと思います。


ちなみに、下の写真はトランポリンのように飛び跳ねて遊ぶ遊具で、私がいる間ずっと子どもが楽しそうにぴょんぴょんしていたのですが(これだけは、利用時間に制限があるようです)、私はこれを見ながら映画『退屈な日々にさようならを』(今泉力哉監督)を思い出していました。作中に、凄く似た遊具が出てくるシーンがあるんだよなぁ。ただ調べてみると、映画で使われたのは埼玉県の「道の駅 アグリパークゆめすぎと」にあるものだそうで別物みたいですが、同じ人が制作したものなんじゃないかなとは思ったりしました。




さて、「富山県美術館」は「富岩運河環水公園」のすぐ傍にあります。そしてこの公園もまたとても綺麗な場所でした。





駅から結構近い場所にこういうところがあるのはいいよね



すぐ傍に総合体育館なんかもあって、組み合わせて色んなイベントが行われてそう
この周辺は「日本のベニス」とも呼ばれているようで、広い運河を中心に緑が広がっています。


橋を繋いでいる塔みたいな部分にも入ることが出来て、そこからの眺めもまた良い感じでした。下の写真は、塔から見た富山県美術館。手前に水上バスが映っていますが、ここから乗って港町として知られる岩瀬まで行くことが出来ます(岩瀬までは電車でも行けますが)。


ちなみに、この公園内にある「世界一美しいスタバ」とも呼ばれているスターバックスの店舗はかなり有名なようです。私は特に興味がなかったので近づきませんでしたが、遠くから写真だけ撮ったので載せておきます。


私がここに着いたのは朝の9時前後だったと思いますが、既にお客さんで一杯でした。普段スタバに行かないのでよく知りませんが、土曜日の朝9時からお客さんで埋まっている店舗というのも珍しいんじゃないかと思います。




また、この公園内には「野鳥観察舎」もありました。


近くに水辺があり、そこに集まる鳥などが観察できる場所です。自然を守るために(人が水辺に近づかないように)建てられているようで、中には双眼鏡や野鳥図鑑などが置かれていました。



都市部で野鳥の観察なんてまずしないから、それもまた新鮮だった



鳥はいるんだろうけど、意識して見ようって思ってないからね
環水公園は、富山駅から徒歩15分ぐらいの場所にあって、たぶんバスも出ているでしょう。ただ私は、その日ずっと晴れの予報だったら自転車で行くつもりだったのですが(富山駅周辺で使えるレンタサイクル「アヴィレ」は、1日乗り放題で500円と大変お得です)、雨予報だったので市内の移動は電車(路面電車)に切り替え、環水公園までは歩いていきました。




ちなみに、電車・バスなど共通で使える一日乗車券が販売されています。私はそれを買って市内を巡りました。


これはなかなか良くできたシステムになっていて、中を開くと日付部分をスクラッチする箇所があり、使用する日に該当する部分を削って車掌に見せるという形です。この方式だと、2027年12月31日まで印刷を変更する必要がないし、買う側としてもあらかじめ購入しておいて使いたい時に使用できます。なかなか便利ですね。
ただ、この一日乗車券を買う場所を見つけるのにちょっと苦労しました。私はこの日の早朝に金沢から富山へやってきて、岩瀬までの電車の乗り換え時間で買う予定にしていたのですが、富山駅周辺での販売所とされていた「富山地鉄乗車券センター」がどうにも見つからなかったのです。私は富山駅構内にあるんだと思っていたんですが、実際には、富山駅北口を出てちょっと歩いたところにありました。どうにかギリギリで見つけて購入できたので良かったです。



駅員さんに聞いたんだけど、「ここじゃないですねー」みたいな塩対応でちょっと残念だった



まあ早朝だったし、忙しい時間だったんだろうけどね




さて、富山市の路面電車は、駅周辺は道路を、中心部を離れると線路を走るというシステムになっていて、これもなかなか良くできているなと感じました。富山市はコンパクトシティの世界先進モデル都市にも選ばれていますが、こういう取り組みを色々と積み重ねてきているが故の評価なのでしょう。そういう点でもなかなか興味深い街だなと思いました。


【富山 5/24(土)】富山市ガラス美術館(富山市立図書館併設)


続いては「富山市ガラス美術館」です。ここではまず、建物の綺麗さに目を惹かれるでしょう。金沢といい富山といい、ホントに「建築物としての美しさ」に優れた建物が多いなと思います。


そしてここの面白いポイントが、「図書館が併設されていること」です。その事実は元々知っていたのですが、私は何となく、「同じ建物の中に独立して存在している」みたいに考えていました。しかし実際にはそうではなく、2階以上すべてのフロアで、美術館と図書館がシームレス繋がっていたのです。


こういう構造の美術館・図書館が他にもあるのかは知りませんが、私は初めて見たし、この構造は凄くいいんじゃないかなと感じました。展示と共に掲示されていた説明によると、富山市が1991年に公立では初となる専門教育機関「富山ガラス造形研究所」を開校し、その後、プロ作家の育成と産業化を進める「富山ガラス工房」を開設、そしてその流れでガラス美術館が出来たのだそうです。そんな「富山市が力を入れて推進しているプロジェクト」だからこそ、「図書館と併設」なんてスタイルにもなったんだろうなと思います。



視覚的に「市がアートに力を入れている」ってことがシンプルに伝わるから凄くいいよね



日本だとアートって、公の予算とか人員があまり割かれないイメージがあるからなぁ
というわけでまず、建物自体や図書館との併設というスタイルがとても素晴らしかったです。


それで展示ですが、「常設展だけで良かったかな」と思いました。最上階で海外のアーティストのガラス作品が展示されており、それを見るのにコレクション展のチケットが必要だったのですが、作品の良し悪しはともかく、展示作品数や展示スペースなんかを踏まえると、「この金額のチケットを買って見るほどではなかったかなぁ」という感じです。ちなみに、写真撮影はOKでしたが、SNS等にはアップしちゃいけないという案内があったのでここには載せません。
常設展の方はフロアも広く、作品数も多かったので、常設展のチケットだけでも十分楽しめるんじゃないかと思います。




ガラスというのはかなり扱いにくい素材のはずで、にも拘らずもの凄く複雑な形をしているものも多く、何度も「こんなん、一体どうやって作ったんだろう」と感じさせられました。




ただ、ちょっと後悔もあります。というのも、あまりの睡魔に立ったままでも寝られそうな状態だったのです。この日は朝4時半頃に起き(翌日曜も同じぐらいの時間に起床しましたが)、5時頃には金沢の兼六園にいて、それから富山へ向かいました。「富山市ガラス美術館」に入ったのは14時頃だったと思います。昼ご飯を食べた後だったこともあり、展示を見ている間に凄まじい睡魔に襲われ、途中で「これはちょっとヤバいぞ」という感じになりました。だから私の感覚としては、「展示をちゃんとは見れなかった」という感じなのです。その点が少し残念でした。



それで、ダメだとは思ったけど、併設されてる図書館でちょっと寝たよね



途中で職員の方に「大丈夫ですか? 体調悪いですか?」って起こされて「ごめん」ってなった
さて、私の旅程的には、「富山市ガラス美術館」を訪れた時点で「富山で行きたい場所」は大体網羅出来た感じです。なので、夜の富山城でのイベント(この日は、「富山城にプロジェクションマッピングを行う」というイベントが予定されていました)まで図書館でゆっくりしていることにしました。見ていて面白かったのが、「広告で収益を得ようとする」という取り組み。どういうことか分からないでしょうが、写真を撮ってあります。




ここは雑誌の最新号が置かれている書架なんですが、そこに並んでいる雑誌の裏には、様々な企業の広告が挟み込まれていました。どの程度の広告効果があるのかは分からないものの、試みとしては面白いし、こういう形で地元企業から協賛してもらうというのは結構いいんじゃないかと思います(もしかしたら、既に色んな図書館で実施されているのに私が知らないだけかもしれませんが)。


【富山 5/24(土)】富山県水墨美術館


次は「水墨美術館」です。私が富山市内で訪れた場所は概ね近い場所に固まっていて、徒歩でも全然移動出来ますが、「水墨美術館」だけはちょっと離れた場所にあり、何らかの交通機関を使う必要があると思います。最寄りの路面電車の駅からは徒歩10分ぐらいです。レンタサイクルなら、「水墨美術館」の前にポートが設置されているのでより行きやすいでしょう。


ここはとにかく、建物外の景観が実に素晴らしいなと感じました。車道に面した場所にあるのですが、そんな風には感じさせない光景ではないでしょうか。



にしても敷地が広かった



市街地からはちょっと離れているとはいえ、市内にこんな場所があるってのはちょっとびっくりだよね




また建物に入ると、さらにこんな感じの中庭(「中庭」と言うには広すぎる気もしますが)があります。建物にはチケットを買わなくても入れるし、そのままこの中庭にも出られるので、この景色を見るのに訪れるのもアリでしょう。私は、「富山県美術館」の後にここに寄ったのですが、既に結構雨が降り始めており、それが影響したのか(あるいは普段からそうなのか)、お客さんは少なめでした。「鈴木大拙館」ほどの趣きはありませんが、また違ったタイプの印象をもたらす雰囲気で、結構素敵な場所じゃないかなと思います。


展示は、常設展と、特別展として行われていた「竹久夢二展」を見ました(展示はすべて撮影禁止だったので、写真はありません)。正直なところ、展示内容にはさほど惹かれなかったかなぁ。こちらも「鈴木大拙館」と同じで、空間そのものの印象が強いという感じです。
【金沢 5/23(金)】国立工芸館


さて続いては「国立工芸館」です。元々は東京にあったものが、2020年に金沢に移転しました。日本で唯一、工芸とデザイン作品を専門に扱う美術館なのだそうです。私が行った時には「移転開館5周年記念」として展示が行われていました。
ここについては以前、大学時代の友人から「凄く良かった」という話を聞いていたので割と期待していたのですが、個人的には今ひとつといった感じです。展示や作品の良し悪しではなく、展示のボリュームがちょっと少なく感じられてしまいました。



「これだけしかないんだ」って思っちゃったよね



たぶんだけど、収蔵作品はまだまだあるはずだし、「もっと出してよ」って感じだった


そもそも謎だったのが、建物全体を捉えた先の写真の右半分(緑色の方)がまったく使われていなかったことです。展示作品はすべて、向かって左半分の建物に置かれていて、右半分には確か入ることすら出来なかったと思います。事務所などがあるのかもしれませんが、「せっかく綺麗な建物なんだし、右半分も開放して、もっと色々見せてよ」と感じました(チケット代がもう少し高くなっても全然いいので)。


そんな不満を抱いてしまったこともあり、個人的にはそこまでグッとは来なかったかなという感じです。
【金沢 5/23(金)】石川県立美術館
さて次は「石川県立美術館」を紹介しましょう。ここには正直、「国立工芸館のすぐ隣にあるから」というだけの理由で行きました。


なかなか渋い展示が多く、良かったというほどではなかったかなと思います。ただ、意外にも面白いと感じたのが、常設展をぐるっと回った最後に現れるシアターの内容です。1日5回、1回につき4種の映像を流すシアターがあり、その映像が結構面白かったのが意外でした。



こういうのって、真面目に作りすぎててつまらないみたいなものが多かったりするからね



まあ、このシアターの内容も割と真面目系だったけど、でも面白かったから不思議


重要文化財の「色絵雌雉香炉」に関する説明や、「石川県立美術館」の来歴などが紹介されるのですが、個人的に一番面白いと感じたのが「万葉集」の話です。


全然知りませんでしたが、万葉集には「五大万葉集」と呼ばれるものがあり、それぞれ「金沢本」「桂本」「藍紙本」「天治本」「元暦校本」と名前が付けられてます。その内の「金沢本」というのが、何代目かの金沢城城主が編纂したものであり、その後紆余曲折あって皇室で保管されることになったのだとか。さらに「桂本」は、「金沢本」を編纂した城主の妻がかつて持っていたことが分かっているそうで、つまりある時期、「五大万葉集」の内2つが金沢にあったことになるわけです。


正直なところ、「21世紀美術館」までの時間潰し的な目的で寄っただけなのですが、シアターの内容が思いのほか面白かったので、行ってみて良かったかなと思っています。
【金沢 5/25(日)】金沢蓄音器館


次は「金沢蓄音器館」です。「柳宗理記念デザイン研究所」のところで「泉鏡花記念館が近くにある」と書きましたが、「金沢蓄音器館」もこの次に触れる「金沢文芸館」も、すべて近接しています(徒歩20秒圏内にまとまっているという感じでしょうか)。



ほんと、すぐそこって感じだったよね



Googleマップで見て近いことは分かってたけど、ここまでとは思わなかった
ここは、全国でもかなり珍しいだろう「蓄音機」だけの博物館です。1Fから3Fまでひたすら蓄音機が並んでいて、「こんな博物館を作るなんて酔狂な人がいるものだな」と感じました(笑)。




エジソンが作ったものが置かれていたり、




あの超有名な犬がいたりします(ビクター犬が聴いていたのが、実はライバル会社の蓄音機だったってのも面白い話です)。


また、素材による音の違いが実感出来たり、


レコードは元々平盤ではなく円筒形だったことが知れたりと、案外面白い場所でした。



1日に3回、実際の蓄音機の音を流すイベントを行ってるみたいだけど、それはスルーしちゃった



この日も行きたいところ山ほどあったからね


音楽にさほど興味がない私でもそれなりに楽しめたので、近くを通りかかる方は立ち寄ってみてもいいかもしれません。


【金沢 5/25(日)】金沢文芸館


そして予告通り、次は「金沢文芸館」です。元々は銀行として使われていた建物とのことでした。
ここのメインは2つ。1つは、金沢市が主催している(という事実を、ここを訪れるまで知りませんでした)「泉鏡花文学賞」に関する展示です。歴代の受賞者の紹介や、副賞としてもらえる鏡(銅鏡)が飾られていました。また、ガイドの女性が色々と教えてくれたのですが、その中で最も興味深かったのが、泉鏡花文学賞が作られた経緯についてです。




当時の金沢市長が「文学の振興のために何かやりたい」と考え、娘婿に相談してみることにしました。その娘婿というのがなんと、五木寛之だったのです(「五木」というのは妻側の苗字のようです)。彼は、「1回で終わってしまうことよりも継続して出来ることの方がいい」と文学賞の創設を提案しました。そしてそんな縁で、第1回からずっと選考委員を務めているのだそうです。



確か、「結婚した時にはまだ無名で、金沢にいる時に直木賞を獲った」みたいに説明してくれた気がする



しかも奥さん、医学部出身で絵も上手いとかで、夫婦共に多才すぎるよね
さてそんなわけで、2Fには「五木寛之文庫」が作られています(ここは撮影禁止だったので、写真はありません)。この2つが「金沢文芸館」のメインと言えるでしょう。ちなみに1Fは「貸し出しをしない図書館(その場で読むだけ)」という感じのスペースでした。


入館料はたったの100円なので、ちょっとした時間があればふらっと入ってみるのもいいんじゃないかと思います。
【金沢 5/25(日)】その他
最後にいくつかまとめて紹介しておくことにしましょう。


まずは「金沢アートグミ」。これは、近江町市場内の建物の3Fにあります。ネットで調べると「金沢の文化芸術を育む認定NPO法人」と紹介されているのですが、どんなものなのかよく分からないままとりあえず入ってみたという感じです。私が行った時には「劇団展示中」という展示が行われていました(基本的に展示は無料のようです)。




「実際に行われた演劇の脚本や衣装などを展示する」という趣向みたいです。



私が行った時には、中で演劇の演出の打ち合わせみたいなことをしてた気がする



結局何だかよく分からない空間だったよね


次が「creava atelier&gallery」。ここも何なのかよく分からないまま足を運んでみたのですが、私が行った日は「ギャラリーはお休み」という貼り紙があり、結局何の場所なのかよく分からないままでした。


さて最後に、これも「金沢と言えば」という有名なもののはずですが、駅前にあった「やかん」の写真を載せてアート関連の紹介は終わりにしたいと思います。


これだけではなく、金沢市内には色んなところに銅像みたいなものがありました。そういうところからも「アートの街・金沢」という印象が強まるんじゃないかと思います。


というわけで、アート系の紹介だけで3万5000字を超えてしまいました。ただこれ以降は、文章メインというよりは、ひたすら写真を並べていくような感じになると思います。興味のある方は、もう少しお付き合い下さい。



「Chim↑Pom」の記事も確か、引用含めて4万字超えてたはずだよね



自分でも、「よく書くよなぁ」って思ってるよ
「夜景」「その他訪れた場所」「食べたもの」
【金沢 5/20(火)・21(水)】夜景
金沢について調べると、「夜景が綺麗」という情報が多く出てきます。なので、仕事終わりに動ける5/20(火)・21(水)に、夜景が綺麗な場所をまるっと回ってしまおうという計画を立てることにしました。というわけでここからしばらくは、私が回った順に夜景の写真をどんどん並べていく感じにしたいと思います(ただ、どちらの日も金沢駅に18時頃着いたので、暗くなる前の写真も含まれます)。


まずは5/20(火)に回ったルートから。


人がいない近江町市場。17時頃には多くの店が閉まってしまうようで、誰もいませんでした。




近江町市場にほど近い尾山神社。私は上の写真の鳥居をくぐったのですが、どうも「正面」は下の写真の場所だったようです。




ちょっと洋風な感じもあって、綺麗な建物でした。



由来とか歴史を全然調べてないからよく分かんないけど



こういう建築になってるのには何か理由があるんだろうけどね






石川四高記念文化交流館と石川県政記念しいのき迎賓館。20日は基本的にずっと徒歩で移動していたんですけど、尾山神社からこれらがある本多の森公園周辺は、歩いていくにはちょっと距離がありました。


石川県政記念しいのき迎賓館の敷地内では何故かカラスが大集結。




元県庁舎だったという石川県政記念しいのき迎賓館はなかなか綺麗な建物でした(22時まで入れるみたいです)。この辺りまではまだ明るく、「夜景」という感じではないですね。



正直、思った以上に早く金沢駅に着けちゃったんだよね



もう少し暗くなってると良かったかなとは思うけど




その後21世紀美術館へ。21世紀美術館については別途書いた通りです。






その後、犀川大橋へ。綺麗にライトアップされています。




それから、にし茶屋街へ。金沢には「にし茶屋街」「ひがし茶屋街」「主計町茶屋街」という3つの茶屋街があります。昼間は何らかの店がOPENしているんでしょうけど、私は買い物やカフェ巡りみたいなものにはさほど興味がないので、夜景だけ。にし茶屋街は住宅街の中にポツンとある感じで、その非日常的な雰囲気にはちょっと驚かされました。



「茶屋街」が何なのか、そもそもよく分かってないけどね



本当はそういうことを理解した上で行くべきだよなぁ




続いて長町武家屋敷跡界隈へ。メインとなる通りがあるのですが、上の2枚の写真はそこに至るまでの道で撮ったものです。電灯さえなければ、時代劇風っぽい町並みに見えますよね。


これがメインの通りの入り口です(というか、最後私が抜け出たところに看板があったので、むしろ、私が入ったところが出口なんだと思います)。




こういう感じの道が続きます。バッグにビルを背負う形で、手前側にこんな町並みが広がってるのはなかなか異質ですよね。


この家はたぶん民家のはずです。恐らくこの周辺は美観地区か何かに指定されているのでしょう。門の内側は普通の家っぽいところが多かったですが、外から見える部分は昔のまま残すように決まっているんじゃないかと思います。



ここの雰囲気は結構良かったよね



まあ、住民は維持・管理に苦労してるのかもしれないけど


そしてそのまま金沢駅へ戻りました。




「金沢と言えば」な駅の写真です。
というわけで、5/20(火)はこんな感じでした。続いて5/21(水)のルートです。


この日はまず、既に紹介済みの「石川県立図書館」へ向かいました。その後、こちらも既に紹介済みの「国立工芸館」をチラ見。さらに、再度「21世紀美術館」をざっくり歩いてみました。




そしてその後、「21世紀美術館」のすぐ近くにある石浦神社へ。この記事を書く過程で初めて知りましたが、この神社は金沢で最も古いようで、創建はなんと古墳時代の西暦547年だそう。なかなかビックリですね。



「『21世紀』美術館」と「西暦547年」が近接してるってのも面白いよね



伝統と革新の街って感じだよなぁ




そしてそれから、ライトアップされている金沢城を横目にしつつ主計町茶屋街へ。




川沿いの、趣きある茶屋街という感じです。


それから浅野川大橋を渡り、




町並みの雰囲気に合った交番の前を通って、




ひがし茶屋街へ。3つ行った茶屋街の中で、個人的にはここが一番綺麗だと感じました。


さてその後、「そこから見える金沢の街の夜景が綺麗」という情報を元に、レンタサイクルで卯辰山公園を目指します。ただ、結構な上り坂を頑張って登ってみたものの、「望湖台」と呼ばれる展望台には上手いこと辿り着けず、夜景は見らないまま下りてきました(特に写真もありません)。残念。あー、疲れた。



途中、電灯なんかも全然なくて、怖いぐらい真っ暗だったよね



2台ほど車が通り過ぎるのを見たぐらいで、他にはまったく人気もなかったし
そしてそのまま駅へと戻り、夜景探訪は終了という感じです。平日だったことも関係しているかもしれませんが、金沢の中心部でも全然人気がありませんでした(繁華街の片町などはまた別ですが)。散歩がてらウロウロしてみるのもオススメです。
【金沢・富山 複数日に渡る】その他訪れた場所
ここからは、まだ紹介できていないスポットについて触れていきたいと思います。


まずは兼六園。前述した通り、5/24(土)の早朝5時頃中に入りました。時期によって時間は若干変わるようですが、兼六園では早朝の無料開放が行われています。恐らく、地元の人が観光客を避けて堪能できるようにという配慮なのでしょう。とはいえ私は、別に無料だからこの時間に行ったわけではなく(まったくないわけではありませんが)、やはり「人がいない方がテンションが上がる」からです。


私はこの日の早朝の時間しか中にいなかったので、他の時間帯にどれぐらい混んでいるのか分かりませんが、やはり早朝は人がほとんどおらず(地元の人だろう数人が、散歩がてら歩いているという感じです)、非常に快適でした。また、この日は雨予報だったものの、まだギリギリ雨も降っておらず、そういう意味でも良かったです。





こういう場所が近くにあったら、朝時々行って散歩したりするかもね



都市部にいるとは思えないような静けさ・静謐さだったからなぁ






次に紹介するのは成巽閣。5/23(金)の午後に行きました。恐らく兼六園からも入れるみたいですが、私は「国立工芸館」や「石川県立美術館」の側にある大きな門から入りました。




内部の撮影は禁止でしたが、「庭なら撮っていいよ」ということだったので庭の写真だけ。なかなか豪華な建物で、「青い天井」が綺麗でした。


次は、5/24(土)の早朝に訪れた富山県の岩瀬エリア。富山駅から路面電車(途中で普通の鉄道の線路に接続されます)に乗って20分ほどで着く港町です。早朝だったからか、ほぼ誰もいませんでした。




ここも古い町並みが残っているところで、


銀行の建物すらこのようなスタイルで統一されています。


ただ、国の重要文化財であり、このエリアにおける有名な観光地なのだろう「北前船廻船問屋 森家」は、能登の地震を受けて現在耐震補強工事中らしく、休館していました。



私はそもそも町並みを見るだけのつもりで、どこも開いていない時間に訪れたから全然いいんだけど



でも「北前船廻船問屋 森家」は、入れるなら入りたかったかもね


近くには上の写真のような展望台もあります。9時OPENなのに既に扉は開いていて、上まで上ろうと思えば行けちゃう感じでしたが、誰かに見つかったら怒られそうなので止めておきました。






続いては金沢城公園。


あいにくの雨でしたが、私が行った5/25(日)にはマラソン大会が予定されていて、大勢の人が集まっていました。



この日は結構寒かったから、走る人はともかく、応援の人は大変そうだったよね



まあでも、高揚感が伝わってきて、「待ちに待った日」みたいな雰囲気が出てたなぁ




全体的に、とても綺麗なところです。「石垣を巡るコース」なんてのがあったのですが、こちらも地震の影響で一部ルートが塞がれていたりしており、歩くのになかなか難儀しました。




雨が降ってなかったらもう少しいても良かったんですが、かなり寒かったこともあり、あまり長居せずに退散。




次は富山県の日枝神社。5/24(土)に行きました。「富山市ガラス美術館」のすぐ近くにあります。




ここにはなかなか可愛らしい干支の石像があったんですけど、「午」だけありませんでした。よく分からないけど、毎年寄付を募って1体ずつ作り直しているのかな?






続いて富山城。同じく5/24(土)に行きました。昼間は横を通り過ぎただけで立ち寄ってはいません。



雨降ってたしね



この日はホント寒かったから、一刻も早く建物に入りたかった


夜にプロジェクションマッピングが予定されていたので、まあその時に行くかという感じでした。


イベントは昼ぐらいから色々行われていたみたいです。高校生によるダンスパフォーマンスなんかもありました(まったく映っていませんが、上の写真はその時の様子を撮ったものです 笑)。




プロジェクションマッピング自体は、うーんって感じだったかな。




さて、少し毛色は変わりますが、「謎屋珈琲店」を紹介したいと思います。あらかじめ予定していたわけではなく、金沢滞在中にググって見つけました。



「5/25(日)の朝、富山から金沢に早く着いちゃうけどどうしようか」って思ってたんだよね



元々は高岡駅で途中下車して町歩きの予定だったんだけど、雨のせいで気力がなくなって






ここは名前の通り「謎解きを提供するカフェ」で、私が訪れたこの店舗が金沢本店です(朝7時から営業しています)。金沢にあと1店舗、そして東京の根津にもう1店舗の計3店あります。道尾秀介を始め、ミステリ作家のサイン本が置かれていたりしました。


2Fには脱出ゲームのスペースがあります(確か「金沢初」って書かれていました)。


ここでは、「特定の組み合わせで飲み物・食べ物を注文すると謎が付いてくるパターン」と「謎だけを注文するパターン」があるようです。私は朝食を兼ねて何か食べてみることにしました。




メニューは他にも色々とありましたが、森博嗣ファンとしては「黒猫の三角」1択でしょう。



「犀川後藤」って名前は、森博嗣の作品の登場人物から取ってるしね



まあ詳しいことは言わないけど




さて、「謎解きのシステム」について私がちょっと勘違いしていたこともあり(1回の注文で、解き続けさえすれば20個の謎に挑戦出来ると思っていたのですが、実際には1回の注文につき1つの謎が付いてくるというシステムでした)、その点は少し残念でした。ただ、「謎解き」的なものから少し遠ざかっていたこともあり(20~30代の頃はSCRAPのリアル脱出ゲームにかなりハマり、100回以上やったことがあります)、久々に面白かったです。



脱出ゲームを自分で作っちゃうぐらいだからね



正確には「書店員時代に作らされた」ってだけだけど(笑)


というわけで、最後にいくつか写真をざざっと並べて(いつ行ったのか、どこなのかなどは記載しません)、このパートは終わろうと思います。













どうしてだか、「元銀行」って建物が多かった気がする



金沢文芸館もそうだったしね
【金沢・富山 複数日に渡る】食べたもの
というわけで最後に、この旅行中に食べたものをざっと列記して終わりにしましょう。冒頭で書きましたが、私は「食」にほとんど興味がないので、金沢に行ったのに海鮮をほぼ食べなかったり、料理の写真を撮り忘れて食べかけで撮影していたりしています。




というわけでまずはゴーゴーカレー。私は金沢駅にある店舗に行きました。


石川では「金沢カレー」が有名らしく、その中でもこのゴーゴーカレー(とチャンピオンカレー)ソウルフード的な扱いになっているみたいです。キャベツが添えられているのと、スプーンじゃなくてフォークで食べるところが普通のカレーとは違う感じがします。ただ正直なところ、フォークではかなり食べにくかったです。


で、店内では「ゴーゴーカレーが制作したのだろう映像」がずっと流れていて、そこで提示される情報に結構驚かされました(そもそも、ゴーゴーカレーの1号店が新宿だったという事実にもビックリしましたけど。北陸じゃねぇんかい)。インドネシアにたくさん店舗があったり、「金沢ゴーゴーカレースタジアム」でラグビーの早慶戦(私は慶早戦と呼びますが)が行われていたり、「変なホテル」にゴーゴーカレーの部屋があったりと、なかなか異色の展開をしているようです。そういう部分も込みで面白い店だなと思います。



「食」に興味がないだけあって、味の感想とかは基本書けないけどね



もちろん美味しかったです


さてカレーで言えば、「KAMU kanazawa」のメイン会場の近くにあるターバンカレーにも行ってきました。


何故か、ゴーゴーカレーの店頭でもターバンカレーの商品が売られていたんだよなぁ(系列店とかではないはず)。


こちらは確か、スプーンで提供されたんだったと思います(写真には映ってないし、ちゃんと覚えてもいませんが)。




あと、「金沢のソウルフード」で検索して出てきた「8番らーめん」にも行きました。こちらも金沢駅の店舗です。


食べかけの写真ですみません。


さて、金沢で「食」と言えば、やはり近江町市場は外せないでしょう。基本的には市場なんですが、観光客向けにその場で食べられるものを提供する店が結構並んでいます。



金沢で観光しようとしたら、どこに行くにしたって近江町市場を通る感じになるから、ここには何度か行ったよね



レンタサイクルのポートもあるから凄く便利




ここではまず、「近江町コロッケ」を食べました。


「近江町コロッケ」は結局3つ食べたのですが、やっぱり一番人気(左から人気順に並んでるとのこと)の「能登コロッケ」が圧倒的に美味しかったです。他には「能登メンチカツチーズ」と「のどぐろコロッケ」を食べました。






また近江町市場では、大口水産の焼き焼きコーナーも有名みたいです。


私は、能登牛のなんとかと、イカゲソのなんとかを注文した気がします。



やはり「食」への興味の無さが出てるよね



興味無いことは著しく覚えてられないんだよなぁ


カニも鎮座ましましていました。サイズも値段も豪快です。


あと、写真を撮り忘れましたが、ここではどじょうも食べました。






さて、金沢はおでんも有名だそうです。そんなわけで、近江町市場内にある「あまつぼ」ではおでんを食べました(また食べかけ)。近江町市場内にはいくつか、17時以降もやっている店舗があり、ここもその1つです。


あと金沢では、「1回ぐらい寿司でも食っとくか」ということで、金沢駅構内にある回転寿司店「すし玉」へ行きました。



「廻る」って書いてあるけど、全然席で注文する形式だったよね



閉店間際に行ったんだけど、もしかしたら、ピークタイムだと廻ってるのかもなぁ


やはり、何を食べたのかちゃんとは覚えていません。ただ、のどぐろはお高めだったので止めておきました。ちなみに、金沢では「もりもり寿し」という回転寿司チェーンが有名みたいです。ただ、駅近くの店舗に2~3回足を運んでみたものの、常に行列だったので諦めました。




さて、次は富山です。まずは「富山と言えば」な富山ブラックを生み出したラーメン店「西町大喜」の本店へ。「富山市ガラス美術館」のすぐ近くにあります。


富山ではもう1軒ラーメン屋に行ったんですけど、どちらも、麺を大盛りにすると急に値段が跳ね上がるのが謎でした。





私の感覚では、プラス100円とか150円ぐらいのイメージなんだけど



富山では400~500円上がった感じだよね




もう1軒は、ワンタン麺が有名だという富山城近くにある「末弘軒」です。




最後にスイーツの紹介を。まずはソフトクリームから。これは商店街を適当に歩いていて見つけました。




あと、写真は撮り忘れましたが団子も食べました。


見た目は普通のみたらし団子なんですけど、口に入れると「ちょっと固まったハチミツ」ぐらいの食感でビックリしました。こんな団子は食べたことないなぁ。



ホント、液体みたいな団子だったわ



斬新な食感だったよね
というわけで、これで旅行記を終えようと思います。文章は結局、4万字を超えてしまいました。もしも最後まで読んでくれた方がいたら感謝です。


最後に
普段からずっと文章を書いていますが、頭が爆発するぐらい興奮するとより一層言語化したくなります。ただ今回は久しぶりに書きたいことがありすぎるぐらいで、とにかくメチャクチャ大変でしたけど楽しかったです。この記事が金沢旅行の参考になってくれたら嬉しいなと思います。



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