目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
「劇場版 Ado SPECIAL LIVE「心臓」」公式HP
VIDEO
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
この記事で伝えたいこと
「ライブ映像を映画館で観る」というのは、思いのほか素敵な体験だった
また機会があれば別のアーティストのライブ映像も観たいと思う
この記事の3つの要点
Adoのライブを観て感じた「圧倒的な歌唱力」「圧倒的な存在感」に震えた 「『ボカロ』や『歌い手』がなければ世に出られていない」という自覚と、自分をここまで連れてきてくれた文化への感謝 「今でも自分のことが好きじゃない」というAdoの、「本当のことを話している感」がメチャクチャ強い語り口での様々な想い
その圧倒的な才能だけではなく、パーソナルな部分も含めて、やっぱり推せる存在だなと感じさせられた
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Adoってホント凄いよなぁ 。もちろん他のアーティストにも「凄いなぁ」って思ったりするけど、Adoはなんか「別次元にいる人」 みたいに感じられて、ちょっと素通り出来ません 。そんなAdoのライブ映像を映画館で上映する というので観てみたのだけど、やっぱりメチャクチャ良かった です。ホントに観に行って良かったなぁ。パフォーマンスはもちろん圧巻だったけど、まさかMCで泣くとは思いませんでした 。
なんか、「生き様全部ひっくるめて興味深い人」って感じなんだよなぁ
さて、私は普段「ライブ」にはまったく足を運びません 。自発的にライブを観に行ったことは一度もない し、誘われて行ったのが「地下アイドルのライブ 」と「もう少しで世間に見つかりそうな急上昇中のバンドのライブ 」の2回だけだと思います。
「行かない理由 」は色々ありますが、一番大きいのは「普段から音楽を聴く習慣がまったくないこと 」でしょう。そしてさらにその上で、「ウェイウェイしたくない」というのも大きい です。「イエ~イ!」と声を上げたり、拳を振り上げてノッたりするみたいなこと を、しても別に全然いいんですけど、”しなきゃいけない”みたいに感じてしまうのが少し嫌 だなと思っています。色んな状況で同じことを感じるのですが、「言動が制約されること」がとにかく好きではありません (同じ理由で冠婚葬祭も嫌いです)。きっとそんな風に感じずに済むライブもあるんだろうとは思いますが、どうしても「足を運ぼう」みたいな気分にはならない のです。
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そしてそんな私にとって、「映画館でライブ映像を鑑賞する」というのは凄く良い経験 でした。確か今回の上映では、「騒いでもOK」みたいな回も用意されていた はずです。ただ私はそうではなく、静かに鑑賞するバージョンを選んだので、とても穏やかな気持ち でいられました。「自分が感じた興奮を言動で表現して発散する」みたいなのも全然良いとは思いますけど、私はどちらかと言えば「黙って静かに感動していたいタイプ」 なので(状況にもよりますが)、「静かな映画館でAdoの素晴らしいパフォーマンスを観ながら穏やかに震える」というのは、私にはとても素晴らしい体験 に感じられたのです。
さらに言えば、今回上映された『Ado SPECIAL LIVE「心臓」』は国立競技場で行われたもの で、確か「音響に難があった」みたいな話が出ていた 記憶があります。「ライブ用に作られた施設じゃないから仕方ない」みたいな意見もあっただろうし、席によっても聴こえ方が違うだろうから批判が妥当なのかの判断は難しいでしょうが、何にしても映画館で観る場合そういうことはありません 。そもそも音響的なことに詳しくないので私個人の感覚として言えることは何もないですが、本作は「劇場公開用にリマスターされている」 らしいので、「ライブの臨場感」には敵わないのでしょうが、かなり良い仕上がりになっているんじゃないか と思います。
圧倒的な歌唱力、そして圧倒的な存在感
最初の曲は、言わずと知れた『うっせぇわ』 でした。MCなどの前置きは一切なく、突然鳴り響くイントロの「ドゥン ドゥン」からの「正しさとは」で始まった という感じです。久々に、身体がゾワッとするような感覚 になれました。同じような感覚を抱かされたのは、映画『キリエのうた』でアイナ・ジ・エンド演じるキリエが作中で初めて歌うシーン です。あの時も、「身体が震える」みたいな感じ がしました。私は普段から「脳が揺さぶられる」という経験はよくするのですが、「身体の方が強く反応する」みたいな経験はほとんどない ので、そういう意味でもこの始まりはインパクトが強烈だった なと思います。ホント、テンション瀑上がり でしたね。
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ちなみに先述した通り、私には日常的に音楽を聴く習慣がない こともあり、このライブのセットリストの7割ぐらいは初めて聴く曲 でした。ホントに、『うっせぇわ』やか『唱』など、「誰もが知ってる有名な曲」しか知らない という感じです。それでももちろん楽しめたし、その圧倒的な歌唱力とパフォーマンスには圧倒させられました 。
そもそもライブに行くことがないから、「知ってる曲をやってほしい!」みたいに思う機会もないしね
どっちかっていうと「存在を感じたい」みたいに思ってるから、究極、歌う曲は別に何でもいいかも
さて、Adoは基本的にハンドマイクを片手に持って歌っていた と思います。途中、「きっと今はセンターマイクで歌ってるんだろう」という場面もありました が(両手を広げていたのでそう判断しただけですが、Adoのシルエットでマイクが見えなかったのではっきりとは分かりません)、大体はハンドマイクでの歌唱 だったはずです。
それで、以前何かのテレビ番組で、ダンサーで歌手の三浦大知が「激しいダンスをしながら歌うのに、どうしてヘッドセットじゃなくてハンドマイクなのか?」と質問されている場面 を見かけました。そしてそれに三浦大知が、「ハンドマイクの方が、激しい息遣いがマイクに拾われないように自分で調整できるから 」みたいに答えていたのを覚えています。Adoがどういう理由でハンドマイクを選んでいるのかは知りません が、彼女もパフォーマンス中にかなりアクティブに動くので、三浦大知と同じような理由だったりするかもな と思ったりしました。
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しかし、Adoのライブを観ながらずっと感じていたのは、「歌うことを生業にする人にとって、Adoの存在はある種の『絶望』なんじゃないか? 」ということです。私は音楽に詳しくないので「『歌唱の上手さ』を判断する指標」を持っているわけではありません が、それでも、Adoはちょっと別格 に感じられます。そして、同時代(あるいはAdo以降)を生きるすべての人にとっては、こんな「ぶっ飛んだ才能」を見せつけられたら、ちょっと絶望しかないんじゃないか と感じたりしました。
「100mを8秒台で走ってる」ぐらいのレベル差があるように思えるんだけど、どうなんだろう
『ギラギラ』になぞらえて言うなら、「神さまが右手で描いた数少ない人」 なんじゃないかという気さえしてくるし、もしかしたら「神さまが作った最高傑作 」だったりするかもしれません。
一方、そんな”最高傑作”が存在する世界では、「曲を作る人」は腕が鳴る んじゃないでしょうか。常人には歌えない曲でも歌いこなせる からです。もちろん、創作においては「制約がある方が良いものが生まれる」 という状況もあったりするでしょう。しかしAdoぐらい別格な存在が相手だと「普通ならやれないことがいくらでも出来る」 だろうし、クリエイター的にも創作意欲が大いに刺激される んじゃないかと思います。
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ただもちろんそれは、「ボーカロイド(ボカロ)の文化ありき 」でもあるでしょう。私にはその辺りの知識はあまりないのですが、まず「ボカロの登場によって『人間には歌えない曲』が生み出される 」ようになり、そしてその後「本来なら歌えないはずの曲を歌えてしまう『歌い手』が現れる 」という流れだったはずです。そしてその集大成(と言っていいかはともかく)としてAdoという才能が出てきた のでしょう。だから本当に「時代が生んだ天才 」という感じがするし、あまり使いたくない言葉ですが、メチャクチャ「エモい」 なとも思います。
「ボカロ」や「歌い手」がなければAdoはきっと一般人のままだっただろうし、だとしたらちょっとビックリだよね
Adoの色んな話を聞く限り、「歌うこと」以外でちゃんと生きてくのはムズそうな感じするから余計にそう思う
MCで語られた「ボカロ」や「歌い手」への熱い想い
本作『劇場版 Ado SPECIAL LIVE「心臓」』の上映時間は140分 。たぶんライブを丸々収録しているはず なので、実際のライブが140分ぐらいだった と考えていいのでしょう。で、そのライブ中、MCはほぼありません 。MCは計3回あった と思いますが、そのすべてを合計しても10分ぐらい じゃないかと思います。あとは、ドローンショーが5分ぐらい あったでしょうか。なので、125分は歌いっぱなし という感じだと思います。ちなみにドローンショーでは、夜空に「鼓動する心臓」が大写しにされたり、「心電図の波形」を再現している場面もあったり して、凄く良かったです。
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それで、その決して多くはないMCでAdoは、「ボカロ」や「歌い手」への感謝を強く語っていました 。Ado自身、「自分は『ボカロ』がなかったら世に出てこられなかった 」と自覚しているし、だからこそ、「こんな場所まで連れてきてくれた」という感謝の念を強く抱いている のだと思います。
このライブは、Ado初の世界ツアーを回り終えた後で開催された そうですが、そのことを踏まえて彼女は、「今後も世界に打って出る」と宣言していました 。そしてその動機を「日本発の『ボカロ』『歌い手』の文化をもっと世界に広めるため」と説明 し、さらに「生涯をかけて『ボカロ』『歌い手』に恩返しする」と決意表明 をしていたのです。「心臓」というライブタイトルにも、「『ボカロ』や『歌い手』は、私にとっての『心臓』」という意味を込めている とのことでした。
何となくだけど、Adoは「自分のため」みたいな動機では頑張れない人に見えるもんね
ホントは、Adoみたいな人こそ「自分のため」に生きてほしいんだけどなぁ
以前、珍しくテレビ出演していた米津玄師 (映画『ラストマイル』の番宣的な感じだったはず)が、デビュー前のことについて、「色んなことが上手くいかなくて『ボカロ』ぐらいしか居場所がなかったし、『ボカロ』の世界にはそういう人たちがたくさんいて、受け入れてもらえていたように思う 」みたいなことを言っていた記憶があります。またAdo自身もライブのMCで、「何度も歌うのを止めようと思ったけど、そうしなかったのはDSの画面の向こうで大好きな『ボカロ』が歌っていたから」 と話していました。
私自身は「ボカロ」「歌い手」みたいな文化をまったく通ってきていない のですが、それでも、Adoを始めボカロ出身のアーティストの存在やその来歴を知ると胸が熱くなります 。なにせ、「ビジネスにしようなんてまったく思っておらず、『作り手の想い』のみで成り立っていた集合体が、いつの間にか凄まじい規模のビジネスに発展し、多くの人に影響を与え、結果として素晴らしいアーティストを生んできた 」からです。ホントに、物語としても実に素敵 だなと思います。
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そしてだからこそ、このライブ中にAdoと初音ミクが一緒に歌う場面は、歴史をまったく知らない私にも「祝祭」みたいに感じられました 。凄く良い場面 だったなと思います。「真っ黒なシルエットだけのAdo」と「スクリーンに映っているだけの初音ミク」が同じステージ上で一緒に歌って踊る場面は、ある種異様で、でもある種の美しさもあって 、とても印象的でした。
ホント、日本はなかなか凄い「文化」を生み出したものだよね
レゲエやヒップホップなんかとはまた全然違う形で生まれた音楽だし、日本の「特殊さ」が詰まってる感じする
そしてさらに、そこには「初音ミクを作った人たちの想い」が乗っかっている こともあって、余計にグッときます 。私はたまたま、本作を観る前に『プロジェクトX』(NHK)で「初音ミクを生み出した者たちの奮闘(再放送かもしれない)」を観ていました 。そしてその中で、「初音ミクが一気にその名を知られるようになった後の出来事 」について触れられていたのですが、どうやら「初音ミクをアイコンとして売り出したいから、その権利を売ってほしい」みたいなオファーが殺到した のだそうです。
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初音ミクを開発したのは、北海道の小さな会社とヤマハ内の小さな部署 であり、普通に考えれば、権利を売ってしまった方が商売的にはプラスになる でしょう。しかし彼らは、「権利を手放すことで『クリエイターたちが自由に曲を発表する場』が脅かされてはいけない 」と考えます。そして熟慮に熟慮を重ねた末、彼らは権利を保持し続けることに決める のです。
その時大手企業などに権利を売却してしまっていたら、もしかしたら「ボカロ」「歌い手」という文化はここまで育たなかったかもしれません 。そうなれば当然Adoが世に出てくることもなく、初音ミクと一緒になって歌う場面を目にすることもなかった でしょう。そう考えると、さすがにここまでの未来を予見できていなかったはずの当時の彼らの決断が、改めて素晴らしいものに感じられる なと思います。
今では「ファンダム」って言葉も出来て、「ファンが文化を生む」って事実が認識されるようになってるけどね
でも以前は「トップダウン」的な発想が多かっただろうし、そのままだったらボカロ発のクリエイターがここまで生まれることはなかった気がする
「圧倒的王者感」からのMCと、そこに込められた本心
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さて、またライブの話に戻る ことにしましょう。
個人的に一番素敵に感じられたのが『踊』 です。この楽曲は元々好きでしたが、ライブで観ると「Adoの圧倒的な王者感」がちょっと凄まじい なと感じました。「楽曲の雰囲気」と「Adoの歌い方」が「THE 王者」みたいな印象を強くもたらす 感じもあるし、それこそ「♪私は最強~」と歌い上げているよりも全然「最強感」がある なと思います。
そして、これも狙っての構成だとは思う のですが、この『踊』が終わったタイミングで初めてのMCが始まりました 。この「圧倒的王者感」からのMCは、メチャクチャかっこ良かった です。私の体感では、この最初のMCが始まった時点で1時間半ぐらい経っていた 気がします。つまり、冒頭から90分間、ドローンショーを除いて歌いっぱなし だったというわけです。
歌手ならそれぐらい普通なのかもしれないけど、Adoのあの歌唱でも大丈夫なんかなって思っちゃうよね
Adoからすれば「いつものこと」ぐらいなのかもしれないけど
ちなみにAdoは、ドローンショーの間に衣装チェンジ をしています。それまでは細身のスカート だったと思いますが、ドローンショー後はプリンセスみたいなスカート になっていました。以前何かで、「子どもの頃からプリンセスに憧れていた 」と言っていたのを耳にしましたが、そんなAdoらしいセレクト だなと思います。
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さて、3回あった(はずの)MCの内、最初の2回は「『これからも私は高みを目指す!』という決意・宣言」と「私をここまで連れてきてくれたファン・文化への感謝」を示すもの でしたが、最後のMCはちょっとテイストが違いました 。そして私は、この3回目のMCにちょっと泣かされてしまった のです。
とその前に、私がよく思う「本当のことを話している感」 について説明しておきましょう。私は他人の発言に対して、「本当のことを喋ってるっぽいなぁ」みたいに感じることがある のですが、ただ私にとって、「その人が実際に『本当のことを話している』かどうか」は全然どうでもよかったりします 。よく分からないかもしれませんが、私には「『本当のことを話している』ように見えること」が大事 なのであって、必ずしも「本当のこと話している」必要はありません 。どのみち、「本当のことを話しているかどうか」なんて判断できないことの方が多い わけで、それよりは「今私はあなたに、『本当のことを話している』ように見せようとしている」みたいな感覚の方が大事 だと思っているのです。
もちろん、話している内容が「明らかに嘘」だと分かる場合は、「本当のことを話している感」があっても仕方ないんだけど
あくまでも「話の真偽なんかどうせ分からない」ってのが大前提で、その上で「本当っぽく見えるかどうか」を重視してるってことね
そして3回目のMCでのAdoの話し方からは「本当のことを話している感」がびんびんに伝わってきて 、まずその点に引き込まれてしまいました。
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その中で彼女が吐露していたのは、「Adoとして世に出る前の自分」について です。今でも自分のことは嫌い らしいですが、昔はもっと大嫌いで、自分のことを大切にする方法が分からなかった といいます(今も分からないそうですが)。ただ同時に、「誰かに認めてもらいたい」という気持ちもかなり強く持っていた みたいです。とはいえ、「誰かに頼る」みたいなことが上手くできず 、そんなこともあってSNSにしか居場所がなかった と言っていました。
歌うことは昔から好きで、だからずっと歌ってはいた けれど、でも誰にも気づかれないし必要ともされない 。そんな状態だったAdoは、「こんな苦しい想いをするくらいなら、いっそ歌うのを止めてしまおう」と何度も考えた そうです。でも止められなかったのは、大好きな「ボカロ」がDSの向こうで歌っていたから 。「この世界ならもしかしたら、自分が生きていく理由になるかもしれない 」と考えたのだといいます。
そして結果として彼女は、誰も予想しなかったような圧倒的なスピードで世界を駆け上がっていった のです。
SNSのお陰で「才能を持つ人が”見つかる”スピード」は早くなったと思うけど、それにしてもAdoは驚異的だよね
少なくとも日本人では、個人がここまで急速にスターダムに上り詰めたことってないんじゃないかなって気がする
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ただ今でもAdoの中には、中学生・高校生の頃の彼女がずっといます 。Adoは大観衆の前で「今、あの時望んだ未来に立っています」と口にする 一方で、涙ぐみながら「誰かにとっては邪魔かもしれないけど」なんてことを言ったりもする のです。「自分のことが嫌い」という感覚を捨てきれない からでしょう。
また、これは1回目か2回目のMCで言っていたことだと思いますが、彼女は「そしてあわよくば、自分が架け橋になれればいいと思っています」みたいな言い方 をしていました(何と何の架け橋だったかは忘れちゃったけど)。私はこれを聞いて、「いやいや、もう十分架け橋になってるでしょ」と感じたし、他の多くの人もそう思ったはず ですが、それでも彼女は「あわよくば」という言葉を使っていた のです。
正直なところ、こういう言い方は「嘘っぽくなる」ことが多い ように思います。「ただ謙遜しているだけ」みたいな受け取られ方になりがち だからです。ただAdoのMCは、先述した通り「本当のことを話している感」がとにかく強かったので、彼女の「切実さ」みたいなものがメチャクチャ伝わってきて感動させられました 。いやホント、元々好きだったけど、推せるなー、Ado!
あんまり「推し」って見つからないけど、Adoはかなり良いよね
才能だけじゃなくて、パーソナルの部分も興味深いのがとても良い
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さて、ここまでで書きたいこと大体書き切ったので、あとはいくつか細々触れてこの記事を終えよう と思います。
まず、ライブ中に「横になって歌う 」みたいな場面もあって、「よくもまああんな体勢であの声が出せるものだ 」と感じました。Adoはそもそも、自宅のクローゼットに作った防音室(といっても手作りの簡易的なもの)でずっと音を録っていた らしく、それもあって、「レコーディングスタジオで録音する際も座って歌っている 」という話を聞いたことがあります。それにも驚かされましたが、寝ててもあんなに声が出るのはやっぱり凄い なと感じました。
あと曲ごとに背景のスクリーンに違う映像が映し出される のですが、その中で「これは良いな 」と感じたのが、『レディメイド』の時の「マネキンが並んでいる」みたいな映像 と、『心という名の不可解』の時の「あらゆるものをCTスキャンで撮った」みたいな映像 です。個人的にはかなりお気に入り でした。また、アニメっぽい映像が使われることもあって、これも合っていた なと思います。もちろん、「ボカロ出身 」ということもあるし、また、その「人間離れした存在感」故にどこか「アニメのキャラクター」みたいな雰囲気を醸し出してもいる からです。さらに言えば、シルエットしか映らないからこそ だけど、ライブ中なのに汗などまったく見えないのも「キャラクター感」がより強調されている なという感じでした。
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しかし、このライブ映像に限る話ではありませんが、「Adoはどうしてあんなにシルエットしか映らないのか? 」はずっと謎だなと思っています。特にライブ会場なんて照明だらけ のはずなので、その光をどうコントロールすればあんな状態が実現できるんだろう と不思議で仕方ありません。また、Adoはよく「鳥籠」に閉じ込められていて 、私はこれを「この範囲内であれば照明に当たることはない」という制約条件だと思っていた のですが、このライブでは鳥籠から出てステージを端から端まで歩いていました 。それでもシルエットしか映らないので、本当にどうなってるんだろう なと思います。
さすがに、鳥籠から出て会場を歩く場面では、「照明プラン」を頭に叩き込んでおかないといけなかったとは思うけど
どれぐらい緻密な計算の上であれが成り立っているのか知りたいよね
さて、ライブの最後は「Adoが青いバラの上に乗る」という演出 だったし、ドローンショーでも青いバラが描かれていました 。私は「さすが『不可能』を体現するAdoらしい演出 」とか思っていたのですが、調べてみると「Adoが生まれた2002年に青いバラが開発された」という繋がりも考慮されている のだそうです。なるほど、そうだったのか。まさにAdoそのものを具現化したような存在 と言えるでしょう。
まさに「時代が生んだ才能 」だなと思います。
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最後に
個人的には、とても満足できる鑑賞体験 でした。「2週間限定公開」とされていたので、恐らくもう観られない とは思うのですが、何かの機会があれば是非チェックしてみて下さい 。
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