目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
監督:吉田大八, プロデュース:江守徹, Writer:吉田大八, 出演:長塚京三, 出演:瀧内公美, 出演:河合優実, 出演:黒沢あすか
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この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 「原作が筒井康隆」という先入観のお陰で、「物語はどうせ理解できないだろう」というスタンスで観れたのが良かった
- 隠居老人の丁寧な生活を徹底的に積み重ねることで、主人公の几帳面さを描くと同時に、後半の展開との落差を生み出している
- 「ただ生き延びているだけ」の状態を忌避する主人公のスタンスには、とても共感させられた
最後の最後まで全然意味は分からなかったが、セリフの少ない主人公を演じる長塚京三の演技が見事で、最後まで面白く観させられてしまう
自己紹介記事
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どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
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ただ、「意味不明だが面白い」と感じたのは、鑑賞前の時点で「原作が筒井康隆の小説」だと分かっていたからだろうと思う。そりゃあ、筒井康隆の小説が「まとも」なはずがない。さらに本作『敵』については、映画館で予告映像をかなり目にしたが、その予告も基本的には全然意味が分からなかったのだ。だから、「たぶんこの物語はよく分からないまま終わるんだろうな」と思いながら観ていたし、そういう理由もあって「面白かった」という評価になったのだろうなという気がする。
なので、もしもそんな前提を持たずに本作を観たとしたら、とても「面白かった」などとは感じられなかったと思う。「は? 意味分からん!」みたいな感覚のまま、モヤモヤを抱えて劇場を後にしたに違いない。私は普段、映画に限らずだが、様々な事柄に先入観を持たずに触れたいと思っているのだが、今回に限って言えば、先入観ありきで観て正解だったなと思う。
ちなみに私は、公開3日目の日曜日に観に行ったのだが、かなり広さのある劇場の7~8割が埋まっていた気がする。監督や役者に対する期待も当然込みだろうが、観る前からかなり渋めの映画だと思っていたので、その割にはかなりの注目度の高さだなと感じた。
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映画『敵』の内容紹介
渡辺儀助、77歳。10年前まで大学教授として働いていた。専門はフランス近代演劇史。その世界では高く評価されているようだ。今は都内にある広めの古民家で一人暮らしをしている。妻・信子は20年前に亡くなった。そんな老人の一人暮らしをサポートしようと、時々教え子たちが家に来てくれる。演劇の小道具を扱う会社で働く椛島は傷んだモノの修理をしてくれるし、女性誌の編集者として働く鷹司は家で時々食事をする仲だ。また、旅行雑誌の編集長になった望月は、まったく畑違いであるにも拘らず、今も雑誌連載を依頼してくれている。
とまあこのように、彼の日常には時折教え子が姿を見せるわけだが、普段の生活は非常に静かに、淡々と、変わりなく進んでいく。基本的には自炊で、蕎麦を食べる時などは、薬味のねぎを切ったりすり鉢でごまをすったりするのも厭わない。食後には豆からコーヒーを挽き、パソコンで原稿を書き、時々届く迷惑メールを削除し、たまにやってくる新聞屋に代金を支払う。実に質素で慎ましい穏やかな生活だ。
さて、渡辺はデザイナーの湯島(彼も教え子なのかはよく分からなかった)とお茶したり酒を飲んだりすることがある。恐らく、現在の生活になってから一番関わりが深い(よく会っている)人物なのだと思う。そして渡辺は湯島に、「自分の貯金がいつ尽きるのかを計算したら、Xデーなんてすぐに分かる」と普段からよく話している。彼は、「貯金に見合わない長生きはすべきじゃない」と考えているらしく、というかむしろ、そういう意識でいる方が生活にハリが出るとさえ思っているようだ。
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湯島と飲みに行く場所の1つに「夜間飛行」という名前のバーがある。そしてある日そこで、オーナーの姪だという歩美と顔見知りになった。立教大学の仏文学科に通う学生で、渡辺のことも「凄い先生」と認識しているようだ。その日から彼は、度々1人で「夜間飛行」を訪れては、彼女とフランス文学談義に花を咲かせている。
日常の変曲点は他にもあって、例えば、散歩中の女性に犬のフンの始末について注意した隣家の老人が女性から「臭い」と言われていたのを見て、物置に仕舞われている石鹸(お中元などでもらったものが大量にある)を使って身体を洗ったりしていた。あるいは、教授時代から親しくしていた鷹司が家に来る日は自身の内側にある「秘めたる欲望」を意識的に自制したり、また、歩美から「『失われた時を求めて』に出てくる料理が食べたい」と言われて検索したりと、“色のない”生活にささやかにもたらされる彩りが描かれたりもする。そういう中で彼は、「Xデー」に向けて淡々と生活を進めていく。遺言状も既に書いた。親族らしい親族のいない彼は、今でも関わってくれている教え子たちに死後のことをは頼むつもりでいる。
そんなある日のこと。いつものように「迷惑メール」だと思って開いたメールに「敵がやって来る」と書かれていた。北の方から敵が来て、難民までもが日本に入り込んでくるのだという。普段目にする「今晩だけ私の相手をして下さい」「宝くじに当たりました!」みたいなメールとは明らかに異なる内容だ。しかしネットのニュースサイトを見ても、そんな事件が報じられている様子はない。やはり単なる迷惑メールでしかないのだろうか?
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しかしそれから、彼の生活は少しずつ変質していくことになる。「明らかにおかしなことが起こり、しばらくしてそれが夢だと気づく」みたいな状況が頻発するようになったのだ。その夢があまりにもリアルなため、夢なのか現実なのか区別がつかずに混乱することもしばしばだった。
そしてついには、当たり前のように死んだ妻・信子も夢に登場するようになり……。
すこぶる意味不明な展開と、主人公の凄まじく丁寧な生活
内容紹介としてあれこれ書いてはみたものの、ぎゅっと要約すれば、「スローライフ中のイケオジが、『敵がやって来る』というメールを目にしたことで夢と現実の区別がつかなくなる」という話であり、ただそれだけの物語である。いや、「『敵がやって来る』というメールを目にしたことで」という表現が正しいのかはちょっと分からない。観客視点では、「どこから夢が紛れ込んでいたのか」を判別することはたぶん不可能だからだ。もしかしたら冒頭からずっと、「夢」の描写が存在していたのかもしれない。その辺りは正直、受け取る人の感性次第だろう。
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ただ何にせよ、タイトルにもなっている以上、「敵」というのは1つ大きなキーワードとして捉えるべきだとは思う。しかし、じゃあ「敵」が一体何を指しているのかと聞かれてもよく分からない。もちろん、その「敵」が物語全体にどんな影響を与えているのかも不明瞭なままである。観ている間も観終わってからも「よく分からないこと」だらけであり、なので「ストーリーを理解しようとする」なんてのはあまり意味のある行為じゃないと思う。それはスパッと諦めた方がいいだろう。
しかし、それでも「面白い」と感じさせるんだから凄いものだなと思う。原作の筒井康隆と監督の吉田大八、そして主演の長塚京三の手腕と言ったところだろうか。
さて、そんな奇妙な物語ではあるのだが、本作の前半は「77歳のイケオジのスローライフ」がメインである。とにかく、「渡辺儀助という隠居生活中の男性がすこぶる丁寧な暮らしをしている」という描写を徹底的に重ねていくのだ。自分しか食べない食事にも手を抜かず、掃除や物置の整理などもきちんとやっている。これらはもちろん、「元大学教授の几帳面さ」を表現するための描写なのだろうが、さらに「このような丁寧な暮らしをしていたにも拘らずおかしくなってしまった」というギャップを描くためのスタートラインとも言えると思う。本作を最後まで観れば、これらの描写にも「必然性」が感じられるだろう。
しかし全体像が理解できるまでは、これら「スローライフ」の描写は「ストーリーには関係しないだろう」みたいに受け取られるんじゃないかと思う。普段の私なら、そんな風に考えて「つまらないなぁ」なんて感じていたかもしれない。しかし本作においては、そのような印象にはならなかった。その理由を的確には掴めていない気がするが、まず間違いなく「長塚京三の演技が素晴らしかった」というのは大きな要素だと思う。映画『PERFECT DAYS』と似た感じで、本作『敵』でも主人公の渡辺儀助はあまり喋らないのだが、渡辺儀助(長塚京三)の「佇まい」からだけでも「強い意思」みたいなものが感じ取れたし、そういうあり方にかなり惹きつけられてしまった。長塚京三という配役は絶妙だったなと思う。
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大いに共感させられた「『生きること』に対する主人公のスタンス」
本作を観て私は、「渡辺儀助の『生きること』に対するスタンス」にとても共感できてしまった。「そうだよなぁ」と強く感じる。
亡き妻が現れた夢の世界で彼は次のようなことを言っていた。
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大学教授だったというプライドみたいなものは生活にとって邪魔なんだ。
しかしそれでも、ただ生き延びるために生きることを受け入れられないんだよ。
ホントその通りだなと思う。このセリフだけだと意味がよく分からないかもしれないが、これは要するに、「有意義なことが出来ないなら、生きていたって仕方ない」という意味だろう。大学教授だった頃は充実していたわけだが、大学を辞めた今、細々と原稿の依頼に応える以外に「有意義なこと」は出来ていない。「不本意だが有意義なことをするためには大学教授だったという過去にすがるしかない」という状況を彼は「プライドは邪魔」みたいに表現しているわけだが、同時に「有意義なことなど何もせず、『ただ生き延びる』ために生きるなんて嫌だ」とも考えているというわけだ。
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いやホント超分かるなぁ。「有意義なこと」というのは別に自己満でも全然良いと思うのだが、とにかく「このために自分は生きている」みたいに感じられるものがあるかという話である。そして、そういうものがない人生は「ただ生き延びているだけ」であり、そんな人生に意味などあるのかと問うているのだ。大学教授ではなくなった彼は、そんな問いを常に突きつけられているのであり、それ故に「Xデー」なんて発想にもなるのだと思う。
また、「授業が退屈だから」と大学にあまり顔を出していないらしい歩美に、彼は「学校というのは、退屈との付き合い方を学ぶところだからね」と言っていた。もちろんこれは、長年大学教授として学生と関わり続けた彼なりの励まし・アドバイスみたいなものとして受け取るべきだろう。しかし同時に、「今まさに自分はそういう状況にいるんだ」というメッセージを込めた発言と捉えることも出来るように思う。
このような点を踏まえると、「貯金に見合わない長生きはしたくない」という彼のスタンスも理解しやすくなるだろう。彼は「貯金が無くなる日=Xデー(はっきりとは言及されないものの、要するに「自殺」が示唆されている)」という「はっきりとした目的地」を設定することで、そこに向かう自分を「有意義」であり「退屈ではない」と思い込ませようとしているのだと思う。そしてそうではない生き方、例えば「身体の寿命が尽きるまで生きる」みたいな人生は、「ただ生き延びているだけ」みたいに感じられてしまうのだろう。分かるな、と思う。私は今42歳だが、10代の頃から「人生ダリぃな」と思っていたし、それはやはり「有意義な目的」みたいなものを結局にちゃんとは見い出せていないからだと思う。私はこれからもきっと、その「ダルさ」を抱えたまま”退屈”な人生を歩んでいくことになるのだろう。
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さて、このように考えてみると、「『敵がやって来る』と書かれたメール」もまた、渡辺儀助の夢の世界の話なんじゃないかという気がしてくる。つまり、「敵」というはっきりとした存在を意識することで、「それと対峙しながら生きていく」という目的が立ち上がるように思えるというわけだ。
しかしだとすると、彼が口にしていた「Xデーを意識することでハリが出る」という話をどう捉えたらいいだろうか? もちろんこれも彼の本心だとは思うのだが、「自殺」を前提にしたこの考えには1つ大きな欠点がある。それは、「自分はその日になったら本当に死を選べるのだろうか?」という問題だ。
作中に、こんな場面があった。渡辺儀助は身体の心配をしてくれる湯島に対して、「健康診断は人を健康にしない」「人間ドッグなんかに行って自分からわざわざ病気になりにいくなんて馬鹿らしい」みたいに言っていたにも拘らず、血便が出たことをきっかけに病院へと足を運ぶというシーンだ。もちろん、これだけを以って「死を恐れていた」と判断するのは早計に過ぎるが、そんな風に考えてみると「敵がやって来る」というメールに反応した理由も理解しやすくなるのではないだろうか。
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まあこの辺りになってくるとかなり私の妄想込みの解釈になってくるのであまり参考にしないでほしいが、いずれにせよ、色んな解釈の余地がある物語で、あれこれ考えてみるのも面白いんじゃないかと思う。
監督:吉田大八, プロデュース:江守徹, Writer:吉田大八, 出演:長塚京三, 出演:瀧内公美, 出演:河合優実, 出演:黒沢あすか
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最後に
本作はとにかくが、私にとっては意味不明で訳が分からず、しかしそれでも「面白い」と思えるような不思議な作品だった。なんだかんだこういう「非論理的に『面白さ』が伝わる作品」には、凄さを感じさせられてしまう。
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ただ、ラストカットにどういう意味があったのかはとても気になるところである。本作は後半に入ると、前半までの様々な描写に対して、何となく「伏線回収」と言えるような展開が用意されるので、このラストカットにも何らかの意味がありそうな気がするのだが、私には上手く理解が出来なかった。いつも感じることだが、「物語を理解する力」がもう少しほしいものだなと思う。
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