目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
監督:アレハンドロ・モンテベルデ, 出演:ジム・カヴィーゼル, 出演:ビル・キャンプ, 出演:エドゥアルド・ベラステーギ, 出演:ミラ・ソルヴィノ
ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 信じがたいほど大胆かつ雑なやり方で子どもたちが攫われている
- アメリカの悪名高き奴隷制度時代よりも、現代の方が「奴隷的に扱われている人」の数が多いという衝撃のデータ
- 「どこまで実話なんだ?」と感じてしまうぐらい信じがたい主人公の行動
眉に唾をつけて受け取らなければならない部分も含まれているようだが、何にせよ「人身売買」は事実だし、これは私たちの問題だと認識すべきだと思う
自己紹介記事
あわせて読みたい
ルシルナの入り口的記事をまとめました(プロフィールやオススメの記事)
当ブログ「ルシルナ」では、本と映画の感想を書いています。そしてこの記事では、「管理者・犀川後藤のプロフィール」や「オススメの本・映画のまとめ記事」、あるいは「オススメ記事の紹介」などについてまとめました。ブログ内を周遊する参考にして下さい。
あわせて読みたい
【全作品読了・視聴済】私が「読んできた本」「観てきた映画」を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が『読んできた本』『観てきた映画』を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非本・映画選びの参考にして下さい。
どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
実話を基にしているなんて信じられない映画『サウンド・オブ・フリーダム』は、小児性愛者の魔の手から子どもを守る者たちの奮闘が描き出される
ちょっと信じがたい映画だった。本作は冒頭で「実話を基にしている」と表記されるし、また、本作のラストでは、「フィクションとしか思えない『とある計画』の実際の映像」が流れもする。もちろん、本作の主人公は実在の人物であり、彼の奮闘のお陰で、アメリカ議会では新たな法案が可決されたそうだ。そんな凄まじい人物の奮闘を描き出す物語である。「これが実話なのか」と驚かされるだろう。
あわせて読みたい
【感想】関東大震災前後を描く映画『福田村事件』(森達也)は、社会が孕む「思考停止」と「差別問題」…
森達也監督初の劇映画である『福田村事件』は、100年前の関東大震災直後に起こった「デマを起点とする悲劇」が扱われる作品だ。しかし、そんな作品全体が伝えるメッセージは、「100年前よりも現代の方がよりヤバい」だと私は感じた。SNS時代だからこそ意識すべき問題の詰まった、挑発的な作品である
さて、内容に触れる前に先にこの話をしておこう。本作では映画が始まる前に、今まで見たことがない非常に珍しい字幕が表示された。「エンドロール中にQRコードが表示されるので、それはスマホで読み取ってもらって構わない」という内容のものだ。エンドロールでは、本作の主演俳優が制作の背景や作品に込めた想いなどを語るスペシャルメッセージが流れ、その中でQRコードが表示された。なかなか面白い仕掛けだなと思う。ただ、どうやらアメリカで公開された時のままのQRコードだったみたいで、英語のサイトに飛ばされたのは少し残念だった。どうせやるなら、日本語のサイトは作っておいてほしかったなと思う。
映画『サウンド・オブ・フリーダム』で扱われる、あまりにも酷すぎる現実
私が本作を観る前の時点で知っていたのは、「実話を基にした人身売買の話」ぐらいのことだ。で、本作では始まってすぐに、次のようなシーンが描かれる。
歌うのが大好きな少女ロシオ。彼女はいつも、家の中でサンダルをバシバシ叩いて音を出しながら、その音をメロディに歌っている。そこに、1人の女性がやってきた。オーディションの案内だという。父親に「この子の歌は素晴らしい」と絶賛し、さらに、ちょうど家に帰ってきた弟のミゲルにも声を掛け、2人はオーディションに参加することが決まった。
あわせて読みたい
【恐怖】SNSの危険性と子供の守り方を、ドキュメンタリー映画『SNS 少女たちの10日間』で学ぶ
実際にチェコの警察を動かした衝撃のドキュメンタリー映画『SNS 少女たちの10日間』は、少女の「寂しさ」に付け込むおっさんどもの醜悪さに満ちあふれている。「WEBの利用制限」だけでは子どもを守りきれない現実を、リアルなものとして実感すべき
しかしオーディションの日、子どもたちを車で送り届けた父親は会場への入室を禁じられた。「迎えは夜の7時に」と女性から言われ帰されてしまったのだ。部屋にはたくさんの子どもたちがいて、カメラに向かって思い思いにポーズを決めていた。
さて、続く展開はきっと誰もが予想出来るだろう。あまりに簡単過ぎる問題だ。しかし私は同時に、「まさかな」とも思った。そんな大胆なやり方で子どもを連れ去ったりするものだろうか? しかし、嫌な予感は当たってしまった。19時に迎えにやってきた父親は、オーディションが行われていた部屋がもぬけの殻であることを確認し、絶望するのである。
こんなことが、南米ホンジュラスの首都テグシガルパで起こっているというのだ。いや恐らく、ホンジュラス周辺の南米各国で同じようなことが頻発していると考える方が自然だろう。
あわせて読みたい
【狂気】映画『ニューオーダー』の衝撃。法という秩序を混沌で駆逐する”悪”に圧倒されっ放しの86分
映画『ニューオーダー』は、理解不能でノンストップな展開に誘われる問題作だ。「貧富の差」や「法の支配」など「現実に存在する秩序」がひっくり返され、対極に振り切った「新秩序」に乗っ取られた世界をリアルに描き出すことで、私たちが今進んでいる道筋に警鐘を鳴らす作品になっている
本作では最後に、様々なデータが表示される。それによると、人身売買は今「年間1500億ドル以上の巨大ビジネス」になっているのだそうだ。1年間に2200万件のポルノ画像がネットにアップされ、過去5年間の人身売買件数は5000%という驚異的な拡大を見せているという。さらに、非常に印象的だったのが次のような表現だ。
奴隷としての生活を余儀なくされている人の数は、奴隷制度が合法だった時代と比べても、過去最大だ。
誰だって、「かつてアメリカが黒人を奴隷として使役していた」という歴史を知っているはずだが、そんな悪名高い奴隷制度時代よりも今の方が、「自ら意思に反した生活を強いられている人」の数は多いのである。そして、その内の100万人が子どもなのだそうだ。とてもじゃないが、信じられるような話ではないだろう。
エンドロールで流れたスペシャルメッセージの中で、主演俳優が「5年前に制作されたものの、様々な障害にぶつかり上映出来なかった」みたいなことを言っていた。いつの時点の5年前なのかは分からないものの、「映画が完成したのに5年間も上映が許されなかった」というのは驚きだし、「この現実を知られたくない」と考える人なり組織なりがいるということなのだと思う。攫われた子どもたちが最も多く送り込まれる国がアメリカのようで、「自国のそんな恥を喧伝するんじゃない」みたいな理由から圧力を受けていたということなのかもしれない。まあそれは私の勝手な想像に過ぎないが、いずれにせよ、本作で描かれているの多くの人が知るべき現実だと私は思う。
あわせて読みたい
【デモ】クーデター後の軍事政権下のミャンマー。ドキュメンタリーさえ撮れない治安の中での映画制作:…
ベルリン国際映画祭でドキュメンタリー賞を受賞したミャンマー映画『ミャンマー・ダイアリーズ』はしかし、後半になればなるほどフィクショナルな映像が多くなる。クーデター後、映画制作が禁じられたミャンマーで、10人の”匿名”監督が死を賭して撮影した映像に込められた凄まじいリアルとは?
本作の主人公である米国土安全保障省の捜査官のティム・バラードは、そんなアメリカで「ペド(ペドフィリア。小児性愛者のこと)」を逮捕する仕事をしている。しかし、この仕事はかなりキツい。
そもそもだが、彼らは子どもたちを救うことが出来ない。攫われた子どもたちは、売買が成立するまでアメリカ国外にいるからだ。そのため捜査官は、アメリカ国内の小児性愛者が違法サイトにログインして子どもを注文したり、子どもたちのリストとなる顔写真をアップロードしたりした瞬間を狙って逮捕しなければならない。”変態”を捕まえることは出来ても、アメリカ国外にいる子どもたちを助けることは出来ないのである。
また捜査官たちは、報告書を作成するために、押収した「変態ビデオ」をすべて観なければならない。これが彼らにさらなるダメージを与える。子どもたちを救えているならまだしも、救えていないのにえげつない映像だけ延々と見続けなければならないのだ。登場人物の1人が、「殺人現場はいくらでも見てきたが、これは違う」と言っていた。つまり、「殺人現場を見るよりもキツい」というわけだ。あまりに想像を絶する世界である。私には、ちょっと想像が及ばない。
あわせて読みたい
【危機】教員のセクハラは何故無くならない?資質だけではない、学校の構造的な問題も指摘する:『スク…
『スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか』では、自分が生徒に対して「権力」を持っているとは想像していなかったという教師が登場する。そしてこの「無自覚」は、学校以外の場でも起こりうる。特に男性は、読んで自分の振る舞いを見直すべきだ
ティムはそんな仕事をもう12年間も続けている。しかし当然だが、辞めていく者も多い。映画の冒頭では、若い同僚が「この仕事から降ります」とティムに伝える場面が映し出されていた。よほどの信念を持っていない限り、まず保たないだろう。
そんな凄まじい現実が描かれる作品なのだ。
実話ベースだとはちょっと信じがたい主人公の行動
本作は実話を基にしているそうだが、正直なところ、どこまで実話なのかはよく分からない。本作はざっくり、「発端・調査」「計画1」「計画2」の3パートに分けられると思うが、「発端・調査」と「計画1」は事実をそのまま描いていると考えてもそう違和感はないかなと思う。ただ、「計画2」はどうなのだろう。正直、このパートを「実話」を受け取るのは難しい。そう感じられるぐらい、ちょっと「あり得ない」展開だからだ。具体的には書かないが、私はとりあえず「救出したこと」と「その救出にティムが関わっていること」は事実だろうと思っている。つまり、「映画で描かれているほどリスキーでスリリングな状況ではなかったんじゃないか」と考えているというわけだ。
しかし本作の凄いところは、「もしかしたら『計画2』さえ概ね事実なのかもしれない」と思わせるところにある。なにせそもそも、「計画1」があまりにも非現実的過ぎるのだ。ただ先述した通り、映画の最後で「計画1」の実際の映像が流れるので、事実であることは間違いないと思う。「計画1」については公式HPでも触れられているので書いてもいいと思うが、ティムはなんと「壮大過ぎるおとり捜査」を仕掛けたのである。それがちょっとあまりにもフィクション的過ぎるというか、「思いついたとしてもまずこんなこと実行に移さないだろう」と感じさせるもので、そのため「ホントにこんなこと実際にやったんだ」と驚かされてしまったのだ。
あわせて読みたい
【現実】我々が食べてる魚は奴隷船が獲ったもの?映画『ゴースト・フリート』が描く驚くべき漁業の問題
私たちは、「奴隷」が獲った魚を食べているのかもしれない。映画『ゴースト・フリート』が描くのは、「拉致され、数十年も遠洋船上に隔離されながら漁をさせられている奴隷」の存在だ。本作は、その信じがたい現実に挑む女性活動家を追うドキュメンタリー映画であり、まさに世界が関心を持つべき問題だと思う
だから、「『計画1』が本当にあったことなら、『計画2』だって事実でもおかしくない」と思えてくるのである。
さて、日本に住んでいると、本作で描かれるような「人身売買」をリアルにイメージすることは難しいのではないかと思う。アメリカでは州によって「◯歳以下(州によって違う)の子どもを1人で放置してはいけない」という法律があるぐらいだが、日本は「子どもが1人で電車に乗れる国」であり、安全性が異常に高い。もちろんそれは「島国だから」という特異性も関係しているだろう。「日本以外の国に子どもを連れ去る」というハードルの高さが障壁になっているという地の利は間違いなくあるはずだ。ただ、北朝鮮による拉致問題は今も解決していないし、また、「闇バイトに応募した日本の若者が外国で監禁されていた」なんてニュースもよく耳にする。本作で描かれているような「小児性愛者による事案」とはまたちょっと違う状況ではあるが、いずれにせよ、「子どもが危険な状況に置かれ得る」という意味では決して「対岸の火事」ではないと思う。
ただ、「そういう危険性を認識する」という目的だとしても、子どもを持つ親にとって本作は観るのにかなりキツい映画であることは間違いないだろう。特に、まさに今幼い子どもを育てている人であればなおさらだし、日本ではなく海外で子育てしている人には恐怖でしかないだろう。
あわせて読みたい
【助けて】息苦しい世の中に生きていて、人知れず「傷」を抱えていることを誰か知ってほしいのです:『…
元気で明るくて楽しそうな人ほど「傷」を抱えている。そんな人をたくさん見てきた。様々な理由から「傷」を表に出せない人がいる世の中で、『包帯クラブ』が提示する「見えない傷に包帯を巻く」という具体的な行動は、気休め以上の効果をもたらすかもしれない
ただ、そういう「恐怖」が植え付けられる可能性を考慮した上で本作を観て、「万が一の可能性」を頭の中にねじ込んでおく方がいいように私は思う。ある人物が作中で「娘のベッドが空なのに眠れるか?」と悲痛な叫びを口にする場面があるのだが、そんな絶望を抱かずに済むように、「こういう現実が存在しているのだ」と知っておくことは大事だろう。
正直なところ、本作の主人公であるティムはちょっと凄まじすぎて、「彼のように行動しよう」なんて間違っても言えない。それぐらい凄いことをしていると思う。ただ、ティムほどの行動力を発揮するのは無理だとしても、誰にだって出来ることがあるだ。そういう主旨の発言を、主演俳優もスペシャルメッセージの中で口にしていた。
まずは「このような現実が存在する」という事実を知ることが何よりも大事である。そして本作は、その入口として最適と言っていいだろう。主演俳優の言葉はとても切実なものとして届いたし、こんなクソみたいな現実はやはり変えなければならないと思う。
ただ、鑑賞後に書いた感想(この記事の元になっている文章)に、「本作をそのまま受け取るのはちょっと危ないかもしれない」という主旨のコメントがついた。色々調べてみると、本作のモデルになった人物にも、映画制作そのものにも、疑義が向けられているようだ。私には正直、その真偽の判断はできないので、ネットで見つけたサイト2つを紹介するに留めておこうと思う。各自で情報を収集し、おのおので判断してほしい。
note(ノート)
「子どもを守る」という大義名分が覆い隠すもの|ふみなるのnote
世界的な児童人身売買をテーマにした映画『サウンド・オブ・フリーダム』が9月27日から上映されている。ティム・バラードという実在の人物を描く半自伝的作品で、制作は…
シネマンドレイク:映画感想&レビ…
『サウンド・オブ・フリーダム』感想(ネタバレ)…Q世主になりたいだけでは
"Q"世主になりたいだけではないですか?…映画『サウンド・オブ・フリーダム』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレあり…
監督:アレハンドロ・モンテベルデ, 出演:ジム・カヴィーゼル, 出演:ビル・キャンプ, 出演:エドゥアルド・ベラステーギ, 出演:ミラ・ソルヴィノ
ポチップ
あわせて読みたい
【全作品視聴済】私が観てきた映画(フィクション)を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が観てきた映画(フィクション)を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非映画選びの参考にして下さい。
最後に
いずれにせよ、「子どもの人身売買が世界レベルでヤバいことになっている」というのは間違いない事実だろうし、同時代を生きる私たちが対処すべき問題であることも疑いようがない。あまりにも悲惨すぎて目を背けたくなる現実だが、見ないフリをして何もしないというわけにもいかないだろう。
せめて、「この問題に関心を持っている」と皆が発信し、そんな小さな声が集まって大きな訴えに変わることが期待できる社会だといいなと思う。
あわせて読みたい
Kindle本出版しました!「文章の書き方が分からない」「文章力がないから鍛えたい」という方にオススメ…
「文章の書き方」についてのKindle本を出版しました。「文章が書けない」「どう書いたらいいか分からない」「文章力を向上させたい」という方の悩みを解消できるような本に仕上げたつもりです。数多くの文章を書き、さらに頼まれて文章を推敲してきた経験を踏まえ、「文章を書けるようになるにはどうしたらいいか」についての私なりの考えをまとめました。
次にオススメの記事
あわせて読みたい
【狂気】映画『ミッシング』(吉田恵輔監督)は「我が子の失踪」を起点に様々な「嫌な世界」を描く(主…
映画『ミッシング』は、「娘の失踪を機に壊れてしまった母親」を石原さとみが熱演する絶望的な物語である。事件を取材する地元局の記者の葛藤を通じて「『事実』とは何か」「『事実を報じる』ことの難しさ」が突きつけられ、さらに、マスコミを頼るしかない母親の苦悩と相まって状況が混沌とする。ホントに「嫌な世界」だなと思う
あわせて読みたい
【捏造】袴田事件はついに再審での無罪が決定!冤罪の元死刑囚・袴田巌の現在と姉・秀子の奮闘:映画『…
映画『拳と祈り』は、2024年に再審無罪が確定した「袴田事件」の元死刑囚・袴田巌と、そんな弟を献身的にサポートする姉・秀子の日常を中心に、事件や裁判の凄まじい遍歴を追うドキュメンタリーである。日本の司法史上恐らく初めてだろう「前代未聞の状況」にマスコミで唯一関わることになった監督が使命感を持って追い続けた姉弟の記録
あわせて読みたい
【衝撃】EUの難民問題の狂気的縮図!ポーランド・ベラルーシ国境での、国による非人道的対応:映画『人…
上映に際し政府から妨害を受けたという映画『人間の境界』は、ポーランド・ベラルーシ国境で起こっていた凄まじい現実が描かれている。「両国間で中東からの難民を押し付け合う」という醜悪さは見るに絶えないが、そのような状況下でも「可能な範囲でどうにか人助けをしたい」と考える者たちの奮闘には救われる思いがした
あわせて読みたい
【真相】飯塚事件は冤罪で死刑執行されたのか?西日本新聞・警察・弁護士が語る葛藤と贖罪:映画『正義…
映画『正義の行方』では、冤罪のまま死刑が執行されたかもしれない「飯塚事件」が扱われる。「久間三千年が犯行を行ったのか」という議論とは別に、「当時の捜査・司法手続きは正しかったのか?」という観点からも捉え直されるべきだし、それを自発的に行った西日本新聞の「再検証連載」はとても素晴らしかったと思う
あわせて読みたい
【絶望】映画『少年たちの時代革命』が描く、香港デモの最中に自殺者を救おうとした若者たちの奮闘
香港の民主化運動の陰で、自殺者を救出しようと立ち上がったボランティア捜索隊が人知れず存在していた。映画『少年たちの時代革命』はそんな実話を基にしており、若者の自殺が急増した香港に様々な葛藤を抱えながら暮らし続ける若者たちのリアルが切り取られる作品だ
あわせて読みたい
【驚愕】ベリングキャットの調査報道がプーチンを追い詰める。映画『ナワリヌイ』が示す暗殺未遂の真実
弁護士であり、登録者数640万人を超えるYouTuberでもあるアレクセイ・ナワリヌイは、プーチンに対抗して大統領選挙に出馬しようとしたせいで暗殺されかかった。その実行犯を特定する調査をベリングキャットと共に行った記録映画『ナワリヌイ』は、現実とは思えないあまりの衝撃に満ちている
あわせて読みたい
【異常】韓国衝撃の実話を映画化。『空気殺人』が描く、加湿器の恐怖と解決に至るまでの超ウルトラC
2011年に韓国で実際に起こった「加湿器殺菌剤による殺人事件」をモデルにした映画『空気殺人』は、金儲け主義の醜悪さが詰まった作品だ。国がその安全を保証し、17年間も販売され続けた国民的ブランドは、「水俣病」にも匹敵する凄まじい健康被害をもたらした
あわせて読みたい
【性加害】映画『SHE SAID その名を暴け』を観てくれ。#MeToo運動を生んだ報道の舞台裏(出演:キャリ…
「#MeToo」運動のきっかけとなった、ハリウッドの絶対権力者ハーヴェイ・ワインスタインを告発するニューヨーク・タイムズの記事。その取材を担った2人の女性記者の奮闘を描く映画『SHE SAID その名を暴け』は、ジャニー喜多川の性加害問題で揺れる今、絶対に観るべき映画だと思う
あわせて読みたい
【生還】内戦下のシリアでISISに拘束された男の実話を基にした映画『ある人質』が描く壮絶すぎる現実
実話を基にした映画『ある人質 生還までの398日』は、内戦下のシリアでISISに拘束された男の壮絶な日々が描かれる。「テロリストとは交渉しない」という方針を徹底して貫くデンマーク政府のスタンスに翻弄されつつも、救出のために家族が懸命に奮闘する物語に圧倒される
あわせて読みたい
【あらすじ】映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』で描かれる、グアンタナモ”刑務所”の衝撃の実話は必見
ベネディクト・カンバーバッチが制作を熱望した衝撃の映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』は、アメリカの信じがたい実話を基にしている。「9.11の首謀者」として不当に拘束され続けた男を「救おうとする者」と「追い詰めようとする者」の奮闘が、「アメリカの闇」を暴き出す
あわせて読みたい
【執念】「桶川ストーカー事件」で警察とマスコミの怠慢を暴き、社会を動かした清水潔の凄まじい取材:…
『殺人犯はそこにいる』(文庫X)で凄まじい巨悪を暴いた清水潔は、それよりずっと以前、週刊誌記者時代にも「桶川ストーカー殺人事件」で壮絶な取材を行っていた。著者の奮闘を契機に「ストーカー規制法」が制定されたほどの事件は、何故起こり、どんな問題を喚起したのか
あわせて読みたい
【差別】映画『チェチェンへようこそ ゲイの粛清』の衝撃。プーチンが支持する国の蛮行・LGBT狩り
プーチン大統領の後ろ盾を得て独裁を維持しているチェチェン共和国。その国で「ゲイ狩り」と呼ぶしかない異常事態が継続している。映画『チェチェンへようこそ ゲイの粛清』は、そんな現実を命がけで映し出し、「現代版ホロコースト」に立ち向かう支援団体の奮闘も描く作品
あわせて読みたい
【事件】デュポン社のテフロン加工が有害だと示した男の執念の実話を描く映画『ダーク・ウォーターズ』
世界的大企業デュポン社が、自社製品「テフロン」の危険性を40年以上前に把握しながら公表せず、莫大な利益を上げてきた事件の真相を暴き出した1人の弁護士がいる。映画『ダーク・ウォーターズ』は、大企業相手に闘いを挑み、住民と正義のために走り続けた実在の人物の勇敢さを描き出す
あわせて読みたい
【信念】水俣病の真実を世界に伝えた写真家ユージン・スミスを描く映画。真実とは「痛みへの共感」だ:…
私はその存在をまったく知らなかったが、「水俣病」を「世界中が知る公害」にした報道写真家がいる。映画『MINAMATA―ミナマタ―』は、水俣病の真実を世界に伝えたユージン・スミスの知られざる生涯と、理不尽に立ち向かう多くの人々の奮闘を描き出す
あわせて読みたい
【衝撃】『殺人犯はそこにいる』が実話だとは。真犯人・ルパンを野放しにした警察・司法を信じられるか?
タイトルを伏せられた覆面本「文庫X」としても話題になった『殺人犯はそこにいる』。「北関東で起こったある事件の取材」が、「私たちが生きる社会の根底を揺るがす信じがたい事実」を焙り出すことになった衝撃の展開。まさか「司法が真犯人を野放しにする」なんてことが実際に起こるとは。大げさではなく、全国民必読の1冊だと思う
あわせて読みたい
【実話】映画『アウシュビッツ・レポート』が描き出す驚愕の史実。世界はいかにホロコーストを知ったのか?
映画『アウシュヴィッツ・レポート』は、アウシュビッツ強制収容所から抜け出し、詳細な記録と共にホロコーストの実態を世界に明らかにした実話を基にした作品。2人が持ち出した「アウシュビッツ・レポート」こそが、ホロコーストについて世界が知るきっかけだったのであり、そんな史実をまったく知らなかったことにも驚かされた
あわせて読みたい
【勇敢】ユダヤ人を救った杉原千畝を描く映画。日本政府の方針に反しながら信念を貫いた男の生き様
日本政府の方針に逆らってまでユダヤ人のためにビザを発給し続けた外交官を描く映画『杉原千畝』。日本を良くしたいと考えてモスクワを夢見た青年は、何故キャリアを捨てる覚悟で「命のビザ」を発給したのか。困難な状況を前に、いかに決断するかを考えさせられる
あわせて読みたい
【実話】映画『イミテーションゲーム』が描くエニグマ解読のドラマと悲劇、天才チューリングの不遇の死
映画『イミテーションゲーム』が描く衝撃の実話。「解読不可能」とまで言われた最強の暗号機エニグマを打ち破ったのはなんと、コンピューターの基本原理を生み出した天才数学者アラン・チューリングだった。暗号解読を実現させた驚きのプロセスと、1400万人以上を救ったとされながら偏見により自殺した不遇の人生を知る
あわせて読みたい
【不正義】正しく行使されない権力こそ真の”悪”である。我々はその現実にどう立ち向かうべきだろうか:…
権力を持つ者のタガが外れてしまえば、市民は為す術がない。そんな状況に置かれた時、私たちにはどんな選択肢があるだろうか?白人警官が黒人を脅して殺害した、50年前の実際の事件をモチーフにした映画『デトロイト』から、「権力による不正義」の恐ろしさを知る
あわせて読みたい
【勇敢】”報道”は被害者を生む。私たちも同罪だ。”批判”による”正義の実現”は正義だろうか?:『リチャ…
「爆弾事件の被害を最小限に食い止めた英雄」が、メディアの勇み足のせいで「爆弾事件の犯人」と報じられてしまった実話を元にした映画『リチャード・ジュエル』から、「他人を公然と批判する行為」の是非と、「再発防止という名の正義」のあり方について考える
あわせて読みたい
【告発】アメリカに”監視”される社会を暴露したスノーデンの苦悩と決断を映し出す映画:『スノーデン』…
NSA(アメリカ国家安全保障局)の最高機密にまでアクセスできたエドワード・スノーデンは、その機密情報を持ち出し内部告発を行った。「アメリカは世界中の通信を傍受している」と。『シチズンフォー』と『スノーデン』の2作品から、彼の告発内容とその葛藤を知る
あわせて読みたい
【称賛】生き様がかっこいい。ムンバイのホテルのテロ事件で宿泊客を守り抜いたスタッフたち:映画『ホ…
インドの高級ホテルで実際に起こったテロ事件を元にした映画『ホテル・ムンバイ』。恐ろしいほどの臨場感で、当時の恐怖を観客に体感させる映画であり、だからこそ余計に、「逃げる選択」もできたホテルスタッフたちが自らの意思で残り、宿泊を助けた事実に感銘を受ける
あわせて読みたい
【驚愕】「金正男の殺人犯」は”あなた”だったかも。「人気者になりたい女性」が陥った巧妙な罠:映画『…
金正男が暗殺された事件は、世界中で驚きをもって報じられた。その実行犯である2人の女性は、「有名にならないか?」と声を掛けられて暗殺者に仕立て上げられてしまった普通の人だ。映画『わたしは金正男を殺していない』から、危険と隣り合わせの現状を知る
あわせて読みたい
【恐怖】SNSの危険性と子供の守り方を、ドキュメンタリー映画『SNS 少女たちの10日間』で学ぶ
実際にチェコの警察を動かした衝撃のドキュメンタリー映画『SNS 少女たちの10日間』は、少女の「寂しさ」に付け込むおっさんどもの醜悪さに満ちあふれている。「WEBの利用制限」だけでは子どもを守りきれない現実を、リアルなものとして実感すべき
あわせて読みたい
【勇敢】日本を救った吉田昌郎と、福島第一原発事故に死を賭して立ち向かった者たちの極限を知る:『死…
日本は、死を覚悟して福島第一原発に残った「Fukushima50」に救われた。東京を含めた東日本が壊滅してもおかしくなかった大災害において、現場の人間が何を考えどう行動したのかを、『死の淵を見た男』をベースに書く。全日本人必読の書
この記事を読んでくれた方にオススメのタグページ
ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
理不尽・ストレス・イライラする【本・映画の感想】 | ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
「理不尽だなー」と感じてしまうことはよくあります。クレームや怒りなど、悪意や無理解から責められることもあるでしょうし、多数派や常識的な考え方に合わせられないとい…
タグ一覧ページへのリンクも貼っておきます
ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
記事検索(カテゴリー・タグ一覧) | ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
コメント