目次
はじめに
この記事で取り上げる本
著:クリストフ ニック, 著:ミシェル エルチャニノフ, 翻訳:高野 優
¥1,150 (2021/12/10 06:23時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この本をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 強制収容所でユダヤ人虐殺に関わったアイヒマンに端を発する「ミルグラム実験」の現代版をテレビ局が行う
- 「YouTube」や「Instagram」での情報を無条件に信じてしまいがちな人は本書を読むべき
- 2年以上の準備期間を設けて行われた実験。日本では同じことができないだろう
「自分は絶対にそんなことはしない」と感じる人ほど危険なのだと知ってほしい
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本書は世界中すべての人が読むべきだ、と私は考えている。少なくとも、テレビやYouTube、新聞などなんらかの「メディア」に触れたことがある人は全員、本書に書かれている事実を知った方がいいと思う。
自分が期せずして思いがけない「残虐さ」を発揮してしまうかもしれない、と指摘する内容であり、特にネットの世界が力を持ちがちな現代においてはなおのこと必須と言える知見だと思う。
フランスのテレビ番組で行われた「ミルグラム実験」
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2009年に、フランスのテレビ局がある衝撃的な実験を行った。まずはその実験内容をざっくりと紹介しよう。
架空のクイズ番組のパイロット版(本放送の前に行う試験的な収録。実際には放送されず賞金も出ない、と説明される)の収録に、様々な偏りを廃して慎重に選んだ一般参加者を「出題者」として集める。
「出題者」はスタジオで問題を読み、「解答者」は間違えると電気ショックを与えられるのだが、そのスイッチを「出題者」が押さなければならないというのがこの実験のポイントだ。電気ショックの電圧は1問間違えるごとにどんどん上がり、電圧が最大まで達すると「解答者」の命にも危険が及ぶのではないか、と示唆される状況にある。
実は「解答者」は実験協力者であり、実際には電気ショックは与えられていない。「解答者」は間違えるごとに電気ショックを受けている演技をし、電圧が上がるごとに「このままでは死んでしまうかもしれない」という雰囲気を醸し出す。もちろん、それが演技だと「出題者」は思いもしない。
さてこの状況下で、最大電圧まで電気ショックを与えた「出題者」は、全体の何%だっただろうか?
この実験内容を読んで、ピンときた方もいるだろう。そうこれは、「ミルグラム実験(アイヒマン実験)」として知られている非常に有名な心理学の実験を、「テレビ」という環境下に置き換えて行ったものである。
「ミルグラム実験」については以下の記事にまとめてあるのでそちらを読んでほしい。
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重要なポイントにだけ触れておこう。「ミルグラム実験」は、「ユダヤ人を強制収容所で大量に殺したナチスドイツのアイヒマンは残虐だと言えるか」という疑問に端を発するもので、
<権威>から良心に反する命令を受けた時、個人はどれくらいの割合でそれに服従するのか
を調べる目的で行われた。心理学の世界を超えて名前が知られているだろう実験だ。
フランスのテレビ番組による実験の場合は、「ミルグラム実験」と同じく「人は服従しやすいのか?」を調べる目的も有しつつ、一方で「テレビに権威はあるのか?」も確かめようとしたのである。
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ミルグラムが「医師」という権威を用いて行った実験では、被験者の60%ほどが最大電圧の電気ショックを与えた。では、テレビ番組で行われた実験ではどうだっただろうか?
なんと、「出題者」の内81%もの人が、「解答者」に最大電圧の電気ショックを与えたのだ。
この数字はかなり衝撃的である。何故なら、「ほとんどの人が権威に服従してしまう」ことを示しているからだ。「自分だけは大丈夫」などとはとても言えないだろう。
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もしもあなたが強制収容所の所長を任されていれば、アイヒマンと同じくユダヤ人を大量虐殺し続けたかもしれない。あなたは「そんなことありえない!」と感じるかもしれないが、心理学の実験はその可能性を明確に示しているのだ。
この実験の様子は、本書と同名の「死のテレビ実験」というタイトルで実際にフランスで放送された。日本でも、一般人を巻き込んだドッキリ番組などが行われているが、本書と同じような実験は日本のテレビ番組ではできないだろうと私は感じる。地上波で流すには勇気がいる企画だと思うからだ。フランスではどうだったか分からないが、日本では視聴者からクレームが多数寄せられそうだなと感じる。
私のなんとなくの印象だがフランスは個人主義が強い国であり、「権威に服従する」ことを嫌うイメージがある。そんな国でさえ81%もの人が最大の電気ショックを与えたのだ。日本で同じ実験を行えば、その割合はもっと上がる可能性もあるだろう。
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そして本書はこの、フランスのテレビ局で行われた実験の詳細なレポートなのである。
本書『死のテレビ実験』の構成
本書の構成について先にざっくりと触れておこう。
本書は、この実験を構想し実現のために動いたテレビ局のプロデューサーと、その実験構築に協力したジャーナリスト(哲学者でもある)が共同で執筆している。計画段階から実験の様子、そして最終的な結果とその分析まで、様々な観点から「現代版ミルグラム実験」の詳細が語られるというわけだ。
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本書は大きく3部に分かれている。
第1部は、実験の計画段階から実験までの話だ。そもそもプロデューサーがこの実験を思いついたのは、「テレビは過激になりすぎている」という危機感を抱いていたからだった。だからこそ、「テレビは人々にとってどれほど『権威ある存在』なのか」を確かめる必要があると考えたのだ。
そこで、有名な「ミルグラム実験」の現代版を行おうと考える。第1部では、どれほど綿密な準備を整えたのか、実験がどのように進行していったのかなどに触れられていく。
第2部では、実際の結果の詳細な分析が行われる。個別の被験者の言動や心の葛藤などを捉えながら、「人はいかにして権威に服従してしまうのか」という実際を理解していく。
そして第3部では、行われた実験に関する全体的な考察を行いつつ、「テレビが持つ『権力』」について総括する、という展開となる。
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本書『死のテレビ実験』で描かれる「テレビの過激さ」は、現代の「YouTubeの過激さ」に通じる
本書では「テレビ」が「権威ある存在」として扱われている。しかし本書で重要なのは「テレビか否か」ではない。それがなんであれ、「権威ある存在に人は服従してしまい得るか」という点こそが大きな問題なのである。
つまり本書における「テレビ」は、現代の「YouTube」や「Instagram」と対比させられるだろうと思う。何故ならどれも、「面白ければ何をしてもいい」という価値基準で作られているからだ。
本書には、世界中の「イカれたテレビ番組」が様々に紹介されている。日本ではちょっと考えられないような、「それはアウトだろう」としか思えない番組が山ほど存在することに驚かされた。いくつか紹介しよう。
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どうだろうか? はっきり言って意味不明な、常軌を逸したテレビ番組だろう。本書には他にも様々な具体例が紹介される。著者が危機感を抱き、「テレビの権威」について考えるようになったのも当然と言える。
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これらは2009年時点での話であり、現在世界のテレビ番組がどう変化しているのか知っているわけではない。しかし日本に限って言えば、BPOが「痛みを伴う笑い」の審議をすると発表するなど、テレビを取り巻く環境は大きく変わった。本書で指摘されているような「テレビの過激さ」を実感することはなかなかないかもしれない。
一方で、そういう過激さが存在し得る場として「YouTube」をイメージする方もいるだろう。YouTubeにしても不適切なアカウントはいわゆる「BAN」されるなど決して自由なわけではないが、「地上波ではできないことをYouTubeでやる」という発想はまだまだあるだろうし、であれば、テレビ以上の過激さがまだ残っていると言えるだろう。
本書では「テレビは『権威』を持つか否か」が検証された。今の時代においては、「YouTubeは『権威』を持つか否か」も検証されるべきだろう。「テレビなんてどうせ見ないし」ではなく、「YouTubeに置き換えたらどうだろうか?」という視点で本書を読むと、また違った捉え方になるだろうと思う。
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実験は2年以上の期間を設けて慎重に準備された
本書には、実験がどのように準備されたのかという詳細も記述されている。そしてそれを読むと、本当に慎重に計画されたのだと実感できるだろう。
実験の条件を同一にするために、参加者の扱いまで細かく定められていた。一例を挙げよう。参加者はタクシーでテレビ局まで向かうのだが、その際、運転手はラジオのボリュームを上げるよう指示されている。これは、参加者が運転手に話しかけないようにするためだ。被験者が運転手に話しかけたか否かで実験結果に影響が出てしまう可能性を排除するためにこのような手順が取られている。
細部に渡ってこだわっていると実感できるエピソードだろう。「このような条件を整えれば、正確で客観的なデータが得られる」という状況を様々な点で実現するために、専門家の監修の下で配慮が行われているのである。
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また、「実際のクイズ番組」という雰囲気を作り出すために、演出家や脚本家にもちゃんと入ってもらっている。これも、「テレビが『権威』を持つか」を実証するための重要な要素だ。「これはテレビ番組なんだ」と被験者に認識してもらうことで、「テレビじゃなければやらないが、テレビだったらやってしまう」という行動が生まれうる。その検証のために「リアルなテレビ感」は重要だ。
さらに、本書では様々な場面で触れられる話だが、この実験に際しては「参加者たちの心のケア」が最優先された。それが最も顕著に現れるのが「すぐにネタバラシをする」という点だ。
心理学の実験という観点から考えると、「テレビ番組ではなく心理学の実験だった」という事実をすぐには明かさず、その後しばらく経ってからの参加者たちの心の動きなどを調査することでより多くの知見を得ることができるだろう。しかし今回そうはしなかった。得られるかもしれない「実験後のデータ」をすべて捨て、参加者たちの心のケアを優先することにしたのである。
確かに、実験上のこととはいえ、「目の前の人が死んでしまうかもしれない」という恐怖と闘わなければならない状況はとても苦痛を与えるだろう。今回の実験では、全体の19%の人が途中で電気ショックを与えるのを止めたが、その内、まったく葛藤せずにかなり早い段階で止めることができたのはたった1人だったという。残りの人は、最終的には最大電圧の電気ショックを与えるところまで行かなかったものの、悩みながらかなりの電圧まで進んでしまうし、その間様々な葛藤と闘うことになる。
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本書では、参加者たちがどのような反応を示したのかが詳細に描かれるが、参加者によって行動は様々であり、ひと括りにはできない。心の負担は目には見えないだけに、そのケアを最優先にするという方針は重要だっただろう。
また本書では、様々な<変種実験>についても記述される。81%という数字は<基本実験>のものであり、その<基本実験>から僅かに条件を変えた複数の実験を計画し行っている。これは、「テレビが持つ『権威』の本質がどこにあるのか」を見極めるためのものだ。
その詳細は本書を読んでほしいが、条件をほんの少し変えた<変種実験>では服従率が下がることが多かったという。変えた条件以外はすべて同一の設定で行われるので、その変更点こそが「テレビの権威」に関わっているのだと分かる。このようにして「テレビが持つ力」の本質を明らかにしていく。
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この実験から理解できることは、服従して残虐な行為を行ってしまうのは「人間の弱さ」が原因ではない、ということだ。この点も本書で繰り返し記述される。そしてこれは決して、テレビやYouTubeに限らない。それが何であれ、その人が「権威」だと感じる存在に命じられれば誰もが残虐な行為を行ってしまうのだし、それは人間の本質的な振る舞いだということだ。
決して他人事ではないのである。
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この実験の最終的な目的は、「テレビに『権威』はあるのか」を確認することであり、81%という数字が「テレビに『権威』はある」という事実を明確に示していると言える。
もちろんこれは時代によって変わるだろう。今の時代、同じ実験を行っても、81%という数字までいかないかもしれない。一昔前よりも「テレビ」が持つ力は薄れていると感じるからだ。若い人の中には「家にテレビがない」という人もいるようだし、「YouTube」や「地上波ではない番組」ばかり見ているという人も多いだろう。
何に「権威」を感じるかは、時代によって、人によって変わる。だから、「テレビは見ないから関係ない」というスタンスで済ませていい話ではない。
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本書では「テレビ」が「権威」として扱われるので、この記事でも「テレビ」を中心に触れているが、皆さんはそれぞれ、「自分が『権威』を感じる対象」をイメージしながら読んでほしい。
私はありがたいことに、ある事情で全国放送を含むテレビ番組に何度も取り上げていただいた経験がある。ある地方都市に住んでいた際には、地元のテレビ番組にかなり出演させていただけた。
そしてその時によく感じたのは、「番組を成立させるための一要員として存在しなければならない」という感覚だ。
私はもともと「権威」的なもの全般が好きではなく、人生の様々な場面で先輩・上司・組織にかなり歯向かって生きてきた。大人になって少し落ち着いたが、「強い者に従う」という状況はやはり未だに好きではない。
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だから、それがテレビだろうが何だろうが、自分の意に染まないことはやるまいと決めている。しかし、自分が許容できる範囲内においては、「制作側が求めることをやるべきだ」という発想はやはり生まれるものだ。本書にもこんな文章がある。
被験者たちの心の中には、参加すると決めた時点ですでに「自分で決心したからには、言われたことをしっかりやりとげなければならない」という気持ちが芽生えていた。
つまり、「番組を成立させるために自分が成すべきことをしなければならない」という感覚になってしまう、というわけだ。
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最後に、この実験に深く関わった者として、一言。人は自分で思っているほど強くはない。「自分は自由意志で行動していて、やすやすと権威に従ったりしない」、そう思い込んでいればいるほど、私たちは権威に操られやすく、服従しやすい存在になるのである。
「服従」と聞くと日常的なものには感じられないかもしれないが、「好きな人に言われたら借金をしてでもお金を貸してしまう」とか「毒親に支配されている」なども「服従」と言えるし、もっと言えば「アイドルとファンの関係」みたいなものもある種の「服従」と捉えてもいいかもしれない。そして、「この人・組織の言っていることは無視できない」という存在に何か命じられた場合、服従によって人間はどこまでも残虐になれてしまう。
その事実を理解しておくことは非常に重要だ。
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自分が何に「権威」を感じるのか、そして、その「権威」から何か命じられたら自分はどういう行動を取ってしまうのか、本書を読んで是非想像してほしいと思う。
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NHK主導で進められた、深海に棲む”聖杯”ダイオウイカの撮影プロジェクト。10年にも及ぶ過酷な挑戦を描いた『ドキュメント 深海の超巨大イカを追え!』は、ほぼ不可能と思われていたプロジェクトをスタートさせ、艱難辛苦の末に見事撮影に成功した者たちの軌跡を描き出す
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私は学生時代ずっと国語の授業が嫌いでしたが、それは「作品の解釈には正解がある」という決めつけが受け入れ難かったからです。しかし、詩人・渡邊十絲子の『今を生きるための現代詩』を読んで、詩に限らずどんな作品も、「解釈など不要」「理解できなければ分からないままでいい」と思えるようになりました
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「ホロコーストが起こったか否か」が、なんとイギリスの裁判で争われたことがある。その衝撃の実話を元にした『否定と肯定』では、「真実とは何か?」「情報をどう信じるべきか?」が問われる。「フェイクニュース」という言葉が当たり前に使われる世界に生きているからこそ知っておくべき事実
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我々が馴染み深い「仏教」は「大乗仏教」であり、創始者ゴータマ・ブッダの主張が詰まった「小乗仏教」とは似て非なるものだそうだ。『講義ライブ だから仏教は面白い!』では、そんな「小乗仏教」の主張を「異性と目も合わせないニートになれ」とシンプルに要約して説明する
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どんな理由があれ、法を犯した者は罰せられるべきだと思っている。しかしそれは、善悪の判断とは関係ない。映画『万引き家族』(是枝裕和監督)から、「国民の気分」によって「善悪」が決まる社会の是非と、「善悪の判断を保留する勇気」を持つ生き方について考える
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例えば「科学」だけに限ってみても、「なんでもできる」わけでは決してない。「科学」に限らず、私たちが対峙する様々な事柄には「これ以上は不可能・無理」という「限界」が必ず存在する。高橋昌一郎の「限界シリーズ」から、我々が認識しておくべき「限界」を易しく学ぶ
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「生理は語ることすらタブー」という、21世紀とは思えない偏見が残るインドで、灰や汚れた布を使って経血を処理する妻のために「安価な生理用ナプキン」の開発に挑んだ実在の人物をモデルにした映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』から、「どう生きたいか」を考える
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「爆弾事件の被害を最小限に食い止めた英雄」が、メディアの勇み足のせいで「爆弾事件の犯人」と報じられてしまった実話を元にした映画『リチャード・ジュエル』から、「他人を公然と批判する行為」の是非と、「再発防止という名の正義」のあり方について考える
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