目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
監督:山中瑶子, Writer:山中瑶子, 出演:河合優実, 出演:金子大地, 出演:寛一郎
¥500 (2025/02/21 23:14時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
この記事で伝えたいこと
河合優実の存在感がとにかく圧倒的で、そのことに驚かされてしまった
本作監督の山中瑶子がきっかけで役者を目指すことに決めたというエピソードにも驚かされる
この記事の3つの要点
- 河合優実以外には適した役者を思いつけないぐらい、河合優実ありきで成立した映画
- 何にも囚われていないかのように生きているようで、実際には全然「自由」には見えない主人公のカナが放つ曰く言い難い雰囲気が絶妙
- ヒトにもモノにも興味が持てないのだろうカナは、何故周囲の人間から慕われているのだろうか?
「カナという空虚」を137分間映し続ける作品で、その異様さに惹きつけられてしまった
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どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
映画『ナミビアの砂漠』は何と言っても、主演の河合優実がとにかく凄まじかった!とても自由だが、どこにも居場所がない主人公カナを実に魅力的に演じている
映画『ナミビアの砂漠』は、河合優実だからこそ成立した作品
本作を観たのは完全に、「河合優実が主演だから」です。それ以外の理由はありません。
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だから彼女が出てる作品はなんやかんや観ちゃうんだよなぁ
で、本作を観ながら私は、「もし女優・河合優実がいなかったら、この映画の主演を務められる人はいたのだろうか?」と考えていました。河合優実が出演している他の作品でも彼女の凄さとハマり度みたいなものを感じてはきましたが、本作では「まさに河合優実にしか無理なんじゃないか」と思わせるようなハマり方をしていたように私には見えたのです。
さて、「もし女優・河合優実がいなかったら」というのは、割とリアリティのある話だったりします。というのも、「河合優実が役者を目指すきっかけ」こそ、本作監督である山中瑶子が初監督した映画『あみこ』だったからです。『あみこ』を観た高校生の河合優実は衝撃を受け、その後監督に「いつか出演させて下さい」と直談判のような手紙を渡した上で役者の道へと進んでいったそうで、彼女のこのエピソードは結構知られているのではないかと思います。
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このエピソードって数年前の話のはずだから、「河合優実がいかに超スピードで役者の階段を駆け上がったか」も分かるよね
つまり、山中瑶子がいなければ女優・河合優実は存在しなかったかもしれないというわけです。そんな関係性を持つ2人が約束を果たすかのようにタッグを組み、さらに、「まさに河合優実にしか成立させられないような映画」を作ったのだから、「もし女優・河合優実がいなかったら」という表現を本作『ナミビアの砂漠』に対して使うのは、とてもしっくり来ると私は思っています。
そんなわけで、とにかく「河合優実が圧巻だった」としか言いようがないのですが、とはいえ、「河合優実の何が凄かったのか?」を捉えるのはなかなか難しいでしょう。少なくとも私は、それを上手く言語化出来ていません。ただ、これを「凄さ」と言っていいのかはよく分からないのですが、映画冒頭を観ながら考えさせられたことがあります。
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本作は、主人公カナ(河合優実)が友人イチカ(新谷ゆづみ)と喫茶店で喋るシーンから始まるのですが、そのシーンを観ながら私は、「もしも新谷ゆづみがカナを演じていたらどうなるだろうか?」と考えていました。そして私にはどうにも、「それはちょっとしっくり来ない」と感じられてしまうのです。
カナはほとんど喋らないのに、映し出される情報から「カナの性格」が分かってくるところがいいなって思う
私の中で、新谷ゆづみは「見た目の可愛さがぱきっとしすぎている」ので(私のこの感覚が上手く伝わるのかはよく分かりませんが)、「容姿から伝わる情報が多い」という印象が強くなります。要するに、「『こういう可愛さの人は、大体こんな感じの人だよな』みたいなイメージがかなり固定されてしまう」という意味です。私は、日常生活においてはそんな風に「見た目で人を判断する」なんてことをしないように意識しているつもりですが、映像作品の場合はやはり、そういう要素を無視することは出来ません。
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そのため、そんな新谷ゆづみがカナを演じると、「カナが繰り出す様々な奇行」の解釈の幅が狭くなるような印象があります。例えば分かりやすく言うと、「異性の気を惹くために変な振る舞いをしている」みたいな受け取られ方にどうしたってなってしまうでしょう。そして、そういう印象を与えることは、本作にとってあまり良い状態とは言えない気がするのです。
一方で河合優実は、どう表現するのが正解なのかよく分かりませんが、「ちょうどいい絶妙な可愛さ」を有しているという印象があります。つまり、「容姿から伝わる情報が多くはない」という意味です。そのため、カナの様々な奇行の受け取り方の幅も広がると言えるでしょう。
カナは比較的、「自分でもどうしてそんな振る舞いをしてしまうのか分からない」みたいな雰囲気を発しています。だから観客も同じように、つまり「カナがどうしてそんな振る舞いをしているのか分からない」という風に受け取れる方が良いはずです。そして河合優実の容姿は、そう受け取るのに絶妙な雰囲気を醸し出していると感じました。もちろん容姿だけでそうなっているはずもなく、優れた演技力があるからこそだとは理解していますが、それはそれとして、やはり「見た目の絶妙さ」みたいなものも関係しているんじゃないかと思います。
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自分で書いててホント、この辺りの話は表現が難しいなって思う
そもそも今の時代、「容姿への言及」が良いこととされてないだろうし、余計に難しいよね
さて、私の中で、似たような感覚を抱かされる女優がいます。岸井ゆきのです。彼女は、映画『神は見返りを求める』で「イケてるYouTuber」を演じたかと思えば、映画『ケイコ 目を澄ませて』では、顔をボコボコに殴られるボクサーの役を演じていました。この両方を成立させられる女優はなかなかいないように思うし、そういう意味で岸井ゆきのと河合優実には近いものを感じます。本作『ナミビアの砂漠』でも、年齢さえ合えば「カナ役に岸井ゆきの」という配役はピッタリだったかもしれませんが、他の女優となると、私にはちょっと思いつけません。
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そんなわけで、とにかく本作は「河合優実ありきで成立した映画」だと感じさせられました。
カナは果たして「自由」なのだろうか?
河合優実が演じるカナは、実に捉えがたい存在です。凄く窮屈そうでありながらとてつもなく自由にも見えるし、すべてを諦めている雰囲気を醸し出しながら凄く楽観的にも見える、みたいな感じでしょうか。とにかく「普通」という枠には収まり切らない雰囲気があって、単純にその点だけを捉えれば、「誰もが『こんな風でありたい』と感じてしまうような存在」と言えるかもしれません。
もちろんこれは、ある意味で「『若い女性』という属性ありきで成立している生き方」でもあるんだけどね
だからこそ、「これがずっと続くことはない」わけだし、そういう意味で「憧れない」って人も多いだろうなと思う
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「社会の中で生きていく」というのはやはり、「『自分らしさ』みたいなものを押し殺して、『ハマるべき穴にぴったり収まるピース』になれるか」みたいな闘いだったりもするでしょう。カナは脱毛サロンで働いているのですが、職場にいる時のカナがまさにそんな雰囲気を醸し出しています。脱毛サロンでの彼女は「カナ」という一個の人間ではなく、「脱毛サロンを成り立たせるためのパーツの1つ」みたいに見えました。そしてそういう感覚は比較的、私を含めた多くの人が割と当たり前に抱えているものではないかと思います。
ただカナは、職場を一歩離れた後は、「パーツ」だったことなんてすっかり忘れて飛び回るのです。彼女は親友や恋人、浮気相手など色んな人と関わりながら日々を過ごすわけですが、カナにはそういう「他者との関係性」みたいなものがほとんど意味をなさないようで、相手が誰であっても「自分と、その人」みたいなフラットな関わり方をしていました。まるでアメーバみたいに形が定まらず、何にも囚われないで自由に動き回っている感じです。そんなカナは、「社会性」に分類されるだろうものをすべてぶん投げた状態で生き延びている感じがあって、そんな雰囲気に羨ましさを感じてしまう人もいるんじゃないかと思います。
「自由でいいなぁ」と。
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確かに、カナのことを最もシンプルに表現すると「自由な人」って感じになるだろうね
ただ、「カナが本当の意味で自由なのか」については、ちょっと何とも言えません。これは、「自由」という言葉の捉え方の話と考えてもらえばいいでしょう。「何もしなくていい」みたいに受け取る人もいると思いますが、基本的には「やりたいことがやれる」みたいな意味で捉える方が自然でしょう。もう少し言えば、「『目指したい場所』があって、そこに抵抗も障害もないまま向かうことが出来る」という状態を「自由」と呼ぶことが多い気がします。ただカナには、「やりたいこと」も「目指したい場所」も特に無いはずです。それは果たして「自由」でしょうか? あるいはそういうものがなかったとしても、「何にも囚われずにその場にいられること」を「自由」と思えるならそれでもいいのですが、そう解釈したとしても私には、カナは「自由」には見えませんでした。例えば、彼女はある場面で、
日本はこれから、少子化と貧困で終わるので、今後の目標は「生存」です。
と口にするのですが、そんなセリフも、彼女の「不自由さ」を示していると解釈できるのではないかと思います。
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本作の感想をざっくり読んでると、やっぱり多くの人がこのセリフに刺さってるんだなって感じる
ただ、これは「自由」の話からズレるかもしれませんが、カナがあるシーンで口にした「『思ってること』と『やってること』が違う人は怖い」っていうセリフは、何となくですが、カナの本質を衝くものな気がしました。
カナは思ったことを口にするし、それは恋人や浮気相手といる時に顕著です。そしてそんな振る舞いが「自由な感じ」に見えるのですが、カナからすれば単に「それ以外のやり方があるなんて信じられない」というだけなのかもしれません。カナには「『思ってること』と『やってること』が違う」みたいな振る舞いは”出来ない”というわけです。そんな風に考えると、カナは「自由」なのではなく「そういう振る舞いしか出来ない」だけであり、それはある種の「不自由」とさえ言えるのかもしれないと思いました。
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こんな風に考えると、カナの見え方がちょっと変わるんじゃないかなって思う
「そうせざるを得ないからそうしてる」んだとしたら、それはそれで辛い生き方って感じするしね
カナはきっと、ヒトにもモノにも興味が持てないんだと思う
『ナミビアの砂漠』というタイトルにどんな意味が込められているのかちゃんと理解できているわけではありませんが、少なくとも「砂漠」は「不毛な地」みたいな意味で使われているのだろうし、本作の場合は、「カナにとっての人間関係」を示唆しているように思います。彼女の「誰であっても不毛な関係しか築けない」みたいな雰囲気や、あるいは「この街がそうさせるんだ」みたいな投げやりが印象的な作品で、そういうままならなさみたいなものが「砂漠」という言葉に込められている気がしました。
また、もっと直接的には、「カナが暇つぶしに観ているYouTube動画」として「ナミビアの砂漠」が登場します。砂漠に置かれた定点カメラの映像が淡々と流れるチャンネルで、カナは「牛が水を飲んでいる様子」なんかをぼーっと眺めていたりするのです。彼女がどうしてそんな動画を観ているのかはっきりと示されることはありませんが、私は「物事にあまりにも関心が持てないから」ではないかと理解しています。「世間の話題」や「インフルエンサーの発信」みたいなものにあまりにも興味が無さすぎて、だから、そういうものとは対極にある「ナミビアの砂漠」の動画を観ているのではないでしょうか。実際カナはある場面で、「映画なんか観てどーすんだよー」みたいなことを口にしていました(それを「映画」の中で言わせるのも面白いですよね)。
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ネットニュースで見たけど、河合優実は本作のタイトルを初めて聞いた時、「お客さん入らなくていいのかな」って思ったらしいよね
ホント、「河合優実主演」じゃなかったら、私のアンテナには引っかからなかったかもしれない
カナの振る舞いを見ていると、「ヒトにもモノにも興味が持てないんだろうなぁ」という印象が強まっていくのではないかと思います。そして、それが如実に現れているのが冒頭の喫茶店のシーンです。イチカは学生時代からの友人のようで、恐らく「親友」と言っていいような関係なのでしょう。そして彼女はカナに、「同級生が自殺した」「死ぬ前日に久々に電話が来て話をした」みたいな、ちょっと重めの話をし始めます。普通なら真剣に話を聞く場面でしょう。しかしカナは、イチカの話そっちのけで、すぐ後ろの席で繰り広げられている「ノーパンしゃぶしゃぶ」の会話に気を取られています。だから全然イチカの話を聞いていないし、恐らく「イチカ」という個人にもさほど興味がないのだと思います。
他の場面でも、「執着」と呼べるような状態にカナが陥っている様子はありませんでした。付き合っている相手にも、食べ物にも、もちろん仕事にも、たぶん興味がないのでしょう。好きな理由もないし、嫌いな理由もない。別に「やさぐれている」みたいなことではなく、それがカナにとって最も「フラット」な状態で、自然なのだと思います。
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そういう雰囲気を「ヒトやモノに興味がない」と表現したんだけど、その捉え方が正しいのかはよく分からないよね
ホント、カナについては「ちょっとでも分かった」みたいな気分になることさえ凄く難しい
その一方で、カナは周りの人たちから凄く好かれています。いや、「好かれている」と表現するとちょっとズレるかもしれません。「必要な存在だと認識されている」と書くと、もう少し正確さが増すでしょうか。そして恐らく皆、カナの「剥き出しな感じ」に惹かれているのだと思います。誰もが「社会のパーツ」として収まれるように頑張っていて、それは「『剥き出しな感じ』を出さない生き方」と言っていいでしょうが、カナにはそんな雰囲気がまるでありません。だから誰もが、「自分には真似出来ないなぁ」みたいな気分でカナに惹きつけられ、関わりたくなってしまうのだと思います。カナと恋愛関係にあるハヤシとホンダは特に、他の人よりも一層強くそのような感覚を抱いているはずですが、それ以外の人たちも「何らかの形でカナの『引力』に引きつけられている」と言っていいでしょう。
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カナは社会から浮いていて、さらに他人に興味を抱いていないのですが、しかしだからこそ多くの人を惹きつけており、それ故に社会に留まれているというわけです。そんな奇妙で矛盾したような生き方に、観客も惹かれてしまうのではないかと思います。
そして何度でも繰り返すけど、そんな雰囲気を絶妙に醸し出す演技をしていた河合優実が凄かったよね
こんな形容し難い雰囲気、監督はどう伝えて、河合優実はどう理解して演じたんだろうなって思う
「カナには居場所があるのか?」という、ある種の自己矛盾的な問いについて
さて、そんなカナには「居場所」があると言えるでしょうか? この問いはある意味で、「自己矛盾的」でもあります。というのもカナの場合、「社会から浮いていること」にこそアイデンティティの核が存在するはずだからです。となれば、「落ち着けるような居場所が存在すること」は「カナのアイデンティティを揺るがす要素」と捉えるべきだし、つまり、「カナには居場所がない」と考えるのが自然だと思います。
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ただ、「カナは今の自分のままでいたいと考えているのか?」については検討の余地があるでしょう。つまり、「『社会から浮いているが、それ故に社会に留まれている』というアイデンティティを、カナ自身は必要としているのか」ということです。彼女の場合、「そんな風に生きていくしかなかった」みたいなところがあると思うので、私の理解では「手放しても生きていけるならいつでも手放す」ぐらいに考えているのではないかと思っています。そして実際に、そんなアイデンティティを手放せば、カナはきっとすぐに居場所を見つけられるはずです。
ただ一方で、「そんなカナを想像するのはやはり難しい」という感覚もあります。カナには、「自分を愛してくれる人に対してさえ、暴力的でいじわるにしか振る舞えない」みたいなところがあって、そして、「そうではないカナ」はなかなかイメージ出来ないのです。もちろんこれは、単に「作中で映し出されるカナに惹かれているいち観客の感想」でしかありません。つまり、「カナにはそうであってほしい」みたいな気持ちが私の中にはあるし、恐らく本作を観た多くの人がそんな風に感じるんじゃないかということです。そしてだとすれば、カナの周りにいる人も同じように感じているはずだし、そうであればやはり、カナが今とは違う生き方を選択するのは難しいでしょう。
カナがそういう生き方を本心から望んで選択してるなら全然それでいいんだけどね
でも、そうは見えないから「変わってほしい」って感じるんだけど、でも「変わってほしくない」とも思っちゃうんだよなぁ
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本作は、「本来的にはカナの『居場所』になれるはずの恋人ホンダと、浮気相手ハヤシ」との関わりがメインで、そしてここまで書いてきたことから想定できるでしょうが、どちらもカナの「居場所」にはなれずに振り回されてしまいます。一応、それが「物語のメインの軸」と言えると思いますが、ただそこにもストーリーと呼べるほどのストーリーはありません。137分間ずっと、「カナを押し留めることが出来ない」という現実を映し続ける作品で、それはまるで「『空虚の穴』が広がっていく」みたいな感じではないかと思います。そんな「何も描かないことによって作品を成立させる」みたいな雰囲気の映画で、そのことにも驚かされました。
あと驚いたと言えば、唐田えりかが出てきます。別に彼女に対してどういう印象もありませんが、シンプルに「久々に観たな」という意味でビックリしました。さらに、本作の公開直後に映画『極悪女王』が配信になり、唐田えりかの演技が絶賛されていたので、それもまた絶妙なタイミングだなと思います。
監督:山中瑶子, Writer:山中瑶子, 出演:河合優実, 出演:金子大地, 出演:寛一郎
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最後に
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色々書きましたが、結局言いたいことは1つ、「河合優実が凄かった」だけです。デビューしてからそれほど年月が経っているとは思えないのですが、「アイドル的人気」とは違う形でこれほどのスピードで快進撃を飛ばす役者は、ここ最近ではパッと浮かびません。これからも彼女の動向には注目してしまうだろうなと思います。
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