目次
はじめに
この記事で取り上げる本
¥2,420 (2026/02/15 08:09時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この本をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 「学び」には最適なシリーズであり、「理解できなくても価値がある」と言えるぐらいの数学書である
- 現代数学における最重要問題の1つであり、解決が望まれる未解決問題「リーマン予想」とは一体何なのか?
- 「リーマンは『リーマン予想』を残さなかったかもしれない」という驚きのエピソードについて
「もう新作が読めない」という事実はとても残念だが、これほど素晴らしい数学書を出し続けてくれた著者には感謝しかない
自己紹介記事
あわせて読みたい
ルシルナの入り口的記事をまとめました(プロフィールやオススメの記事)
当ブログ「ルシルナ」では、本と映画の感想を書いています。そしてこの記事では、「管理者・犀川後藤のプロフィール」や「オススメの本・映画のまとめ記事」、あるいは「オススメ記事の紹介」などについてまとめました。ブログ内を周遊する参考にして下さい。
あわせて読みたい
【全作品読了・視聴済】私が「読んできた本」「観てきた映画」を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が『読んできた本』『観てきた映画』を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非本・映画選びの参考にして下さい。
どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
「数学ガール」シリーズがついに完結してしまった!『数学ガール リーマン予想』(結城浩)はまたしても、「超難問」の魅力へと読者を誘う
「数学ガール」シリーズの設定と構成、そして「理解できなくても価値がある」と思わせてくれるポイント
「数学ガール」シリーズの最終巻が出るとのことで、読書からはかなり遠ざかっていたが久々に本を読んでみた。やはりこのシリーズだけは見逃せないよなぁ。しかしホント、この「数学ガール」シリーズは「鬼ハードモード数学書」と言ってよくて、「分かりやすいし面白いけど、超難しい内容」が扱われている。そしてそんな数学書がベストセラーになっているという事実は、とても素晴らしいなと思う。
あわせて読みたい
【刺激】結城浩「数学ガール」で、ゲーデルの不完全性定理(不可能性の証明として有名)を学ぶ
『結城浩「数学ガール」シリーズは、数学の面白さを伝えながら、かなり高難度の話題へと展開していく一般向けの数学書です。その第3弾のテーマは、「ゲーデルの不完全性定理」。ヒルベルトという数学者の野望を打ち砕いた若き天才の理論を学びます
まず本作は、「小説仕立て」になっていることがかなり特徴的だと言っていいだろう。主人公の「僕」が、「ミルカさん」「テトラちゃん」「ユーリ」「リサ」といった女の子たちと関わるという、設定だけ聞くとラノベみたいな物語なのだが、そんな彼らの中心にあるのが「数学」なのである。しかも、登場人物それぞれの個性に合わせるような形で数学の説明がなされていくのだ(と言われてもまったくイメージ出来ないだろうが、読めば理解してもらえると思う)。この辺りの構成は実に見事である。
さらに「内容のレベル」も絶妙だと思う。先述した通り、本シリーズで扱われる数学はかなり難しい。私は、割と良い大学の理工学部に入学し(ただし中退)、さらに趣味で数学の本をそれなりに読んできたので、「世間一般の人と比べれば数学にはかなり親しんでいるいる」と言っていいと思う。しかしそれでも「全然歯が立たない」と感じる記述が結構あるぐらいなのだ。
いやもちろん、書かれている内容を精読し、時には自分でも手を動かして計算するなどして時間を掛ければもう少し理解できるとは思う。ただ、よくある「一般向けの数学書」のように、「数式が出てきても、目で追えば大体理解できる」みたいなレベルではまったくない。式展開が難しいものも結構出てくるし、概念的な話もかなり高度である。本シリーズの記述をスイスイ読めるのは、「大学でもかなりちゃんと数学を学びました」とか「数学オリンピックに挑戦したことがあります」みたいな人ぐらいじゃないだろうか。
あわせて読みたい
【変人】結城浩「数学ガール」から、1億円も名誉ある賞も断った天才が証明したポアンカレ予想を学ぶ
1億円の賞金が懸けられた「ポアンカレ予想」は、ペレルマンという天才数学者が解き明かしたが、1億円もフィールズ賞も断った。そんな逸話のある「ポアンカレ予想」とは一体どんな主張であり、どのように証明されたのかを結城浩『数学ガール』から学ぶ
しかし、そんな高度な内容が扱われているにも拘らず、本シリーズは「構成」がとにかくメチャクチャ上手いので、「どうにか振り落とされない」程度にはついていけるのだ(というか、「そんな気になれる」ぐらいの話ではあるのだけど)。この点には本当に驚かされてしまう。
また「数学ガール」シリーズでは、副題によって「最終到達目標」が示されている。本作で言えば「リーマン予想」であり、冒頭からずっと「最終的に『リーマン予想』を理解するための知識・概念」が順序立てて積み上げられていくというわけだ。しかも、その個々の話は「単なる準備運動」みたいな感じではなく、それぞれがとても面白い。「最終到達目標を理解するためにつまらない数学を頑張って追う」みたいなことでは全然なくて、「扱われるどの要素も面白く、そしてそれらを複合する形で最終到達目標への理解に繋げる」という構成になっているのだ。「最終到達目標」は「数学における超難問の未解決問題」であることが多く、普通の人間が理解するのはほぼ不可能だと思うのだが、それを「なんとなく輪郭ぐらいは掴めたかも」みたいに思わせてくれる作品であり、本当に素晴らしいなと思う。
さらに、「キャラクターの設定ごとのイメージ」も本書の通読に大きな役割を果たしていると言えるだろう。読んでいればすぐに分かってくると思うが、本シリーズでは「どの女性と数学談義をするか」で難易度が変わる。例えば「ミルカさん」は本作では「天才数学少女」として描かれるので(「ミルカさん」の知識は「僕」を圧倒する)、彼女が解説する数学はとても難しい。けど、「ミルカさんの数学は難しいよな」という前提で読めるので、「理解できなくても仕方ない」と思えるのである。一方、主人公の一学年下の「テトラちゃん」や主人公の従姉妹の「ユーリ」は、「僕」ほどは数学の知識レベルが高くないので、彼女たちが絡んでくるパートは「そんなに難しくないし、ここは頑張れば理解できるはずだ」と思いながら読めるのだ。なかなかこういう数学書は存在しないだろう。
あわせて読みたい
【証明】結城浩「数学ガール」とサイモン・シンから「フェルマーの最終定理」とそのドラマを学ぶ
350年以上前に一人の数学者が遺した予想であり「フェルマーの最終定理」には、1995年にワイルズによって証明されるまでの間に、これでもかというほどのドラマが詰め込まれている。サイモン・シンの著作と「数学ガール」シリーズから、その人間ドラマと数学的側面を知る
しかも本シリーズは、「『読んだ時点では理解できない』としても価値がある作品」だと私には感じられる。何故なら、「適切な順序で『手が届きそうな目標』を提示してくれる」からだ。
数学に限る話ではないが、何か新しいことを学ぼうとした時に現れる障壁の1つに、「初学者であるが故に、それが『今学ぶべき知識』なのか判断できない」みたいな問題があると思う。例えば、「包丁すら持ったことがない」みたいな料理の初心者が、いきなり「飾り切り」に挑戦するのはやはり無謀だろう。ただもちろん、初学者だからこそ「学んでいくのに最適なステップアップの仕方」が分からないわけで、「いきなり難しいことに挑戦してしまって挫折する」みたいなことも往々にしてあるように思う。
というわけで、「何かを学ぶ際」にはやはり、「『今の自分には少しだけハードルが高い課題』が常に目の前に存在し続けるような状態」であることがベストだろう。そして「数学ガール」シリーズは、まさにそのような作品だと言えると思う。どの巻も「易しい知識から始まって徐々に難しくなっていく」という構成になっているので、読みながら「ここがついていける限界だ」と感じた箇所が「今の自分には少しだけハードルが高い課題」だと考えていいだろう。そしてそこを起点にまた少しずつ歩みを進めていけばいいのである。
あわせて読みたい
【ドラマ】「フェルマーの最終定理」のドラマティックな証明物語を、飲茶氏が平易に描き出す:『哲学的…
「フェルマーの最終定理」は、問題の提示から350年以上経ってようやく証明された超難問であり、その証明の過程では様々な人間ドラマが知られている。『哲学的な何か、あと数学とか』をベースに、数学的な記述を一切せず、ドラマティックなエピソードだけに触れる
もちろん、参考書や技術書のようなものであれば「少しずつステップアップできる」みたいな構成になっていると思うが、本書のような「一般向けのエンタメ数学書」でこのような構成なのはちょっと凄いなと思う。
なので、「難しいならどうせ理解できないだろうし、読まないでおこう」と考えるのはもったいない。少なくとも、「数学を学びたい/知りたい」と思っている人には是非チャレンジしてほしい1冊である。こんなにも「知的好奇心」を喚起してくれる作品はなかなかないだろう。
「リーマン予想」とは一体何なのか?
それではここから、本書の最終到達目標である「リーマン予想」について少し触れていこうと思う。ただ何度も書いている通り、本シリーズは後半にいくにつれて難易度がどんどん上がるし、最終到達目標は超絶難しい。なので私は正直なところ、他者に説明できるほど理解できているとは言えない。しかしそれでも、書ける範囲で書いてみたいと思う。
あわせて読みたい
【逸話】天才数学者ガロアが20歳で決闘で命を落とすまでの波乱万丈。時代を先駆けた男がもし生きていた…
現代数学に不可欠な「群論」をたった1人で生み出し、20歳という若さで決闘で亡くなったガロアは、その短い生涯をどう生きたのか?『ガロア 天才数学者の生涯』から、数学に関心を抱くようになったきっかけや信じられないほどの不運が彼の人生をどう変えてしまったのか、そして「もし生きていたらどうなっていたのか」を知る
「リーマン予想」とは、その名の通り数学者リーマンが予想したもので、今も未解決のままだ(数学では一般的に、証明されると「定理」と呼ばれるようになる)。そしてリーマン予想は、数学の世界においてはかなり重要な問題とされている。ヒルベルトという数学者が1900年に「20世紀に数学が取り組むべき23の問題」の1つとして取り上げたり、あるいは、クレイ数学研究所が2000年に「21世紀に解決すべき7つの問題(ミレニアム問題)」の1つにも選んだりしているくらいだ。「ミレニアム問題」には懸賞金がかけられており、7つの内どれか1つでも証明に成功すれば100万ドルがもらえる(現時点で証明されているのは「ポアンカレ予想」のみ)。こんな風に取り上げられるほど、「数学界が証明を待ち望んでいる難問」というわけだ。
そんなリーマン予想が生まれるきっかけとなったのが、天才数学者ガウスの研究だった。ガウスはなんと15歳の時に、「自然数の中で素数はどのぐらい分布しているのか?」に関する予想を数式で示したのだ。中学生がやるような研究じゃないだろう。ガウスが導き出した数式は、「十分大きな自然数Xが与えられた時、そのX付近にはいくつぐらいの素数がありそうか」を示している。ガウスはあくまでも予想しただけでこの数式を証明したわけではないが、後に別の数学者が厳密な証明を行った。現在では「素数定理」と呼ばれている。
しかし、リーマンがリーマン予想(と後に呼ばれる考え)を発表した際にはまだ、素数定理は証明されていなかった。そしてリーマンは素数定理を証明しようと研究を行っており、その過程でリーマン予想が生まれたのだそうだ。
あわせて読みたい
【興奮】素数の謎に迫った天才数学者たちの奮闘と、数学の”聖杯”である「リーマン予想」について:『素…
古今東西の数学者を惹きつけて止まない「素数」。その規則性を見つけ出すことは非常に困難だったが、「リーマン予想」として初めてそれが示された。『素数の音楽』『リーマン博士の大予想』から、天才数学者たちが挑んできた「リーマン予想」をざっくり理解する
リーマンが素数定理を研究する際に使用した手法には、こちらも天才数学者として知られるオイラーが関係している。オイラーは「ゼータ関数」と呼ばれるものを研究しかなりの成果を挙げたのだが、オイラーは「実数の範囲内」でのみゼータ関数を調べていた。それをリーマンが「複素数の範囲」に拡張したのである。もちろん、「こうしたら素数定理の証明に役立つのではないか?」という見通しがあったからだ。
さて、リーマンが行った「複素関数としてのゼータ関数」において、特に重要なのが「零点」と呼ばれるものである。これは「ゼータ関数の解が0になるような複素数」を指す。数学においては慣習として、複素数を「s」、そしてゼータ関数を「ζ」で表すことになっているので、「ゼータ関数の解が0になるような複素数」を数式で書くと、「ζ(s)=0となるような複素数s」となり、このsが「零点」と呼ばれている。
それで、「sが『負の偶数』の場合、ζ(s)は必ず0になる」というのは容易に示せるのだそうだ。そしてこの時、「負の偶数」のことを「自明な零点」と呼ぶ。その名の通り、この零点は「自明」なので、「複素関数としてのゼータ関数」の研究においてはさほど重要な存在ではない。
あわせて読みたい
【挑戦】社会に欠かせない「暗号」はどう発展してきたか?サイモン・シンが、古代から量子暗号まで語る…
「暗号」は、ミステリやスパイの世界だけの話ではなく、インターネットなどのセキュリティで大活躍している、我々の生活に欠かせない存在だ。サイモン・シン『暗号解読』から、言語学から数学へとシフトした暗号の変遷と、「鍵配送問題」を解決した「公開鍵暗号」の仕組みを理解する
重要なのはそれ以外の零点であり、それは「非自明な零点」と呼ばれている。そして「非自明な零点が複素平面上にどのように分布しているか?」についての予想がリーマン予想なのだ。リーマンはこの点に関して、「非自明な零点はすべて、実部が1/2の直線上にある」と予想した。「実部」とは、複素数sを「a+bi」と表記した場合の「a」のことで、数学では「Re」と表記するらしい(ちなみに、虚部と呼ばれる「b」の部分は「Im」と表記するようだ)。つまり、リーマン予想を正確に表記すると以下のようになる。
ζ(s)の非自明な零点は、すべてが直線Re(s)=1/2上にある
そしてどうやら、非自明な零点が素数の分布(つまり素数定理)に関係しているようなのだ。つまり、リーマン予想が証明されれば、素数の分布に関してより正確なことが理解できるようになり、素数の正体に一歩近づけるのである。数学において「素数」というのはとにかく重要な要素で、かつ実に捉えどころのない存在でもある。リーマン予想は、そんな素数の謎に迫るための重要な問題というわけだ。
そして「そんなリーマン予想を少しずつ理解していこう」というのが本書の目標であり、何度も書いているが、本当に難しい。
あわせて読みたい
【衝撃】ABC予想の証明のために生まれたIUT理論を、提唱者・望月新一の盟友が分かりやすく語る:『宇宙…
8年のチェック期間を経て雑誌に掲載された「IUT理論(宇宙際タイヒミュラー理論)」は、数学の最重要未解決問題である「ABC予想」を証明するものとして大いに話題になった。『宇宙と宇宙をつなぐ数学』『abc予想入門』をベースに、「IUT理論」「ABC予想」について学ぶ
「リーマンはもしかしたら『リーマン予想』を発表していなかったかもしれない」という驚きのエピソード
私はリーマン予想に関する本をそれなりには読んだことがあり、本書を読む前の時点で多少なりとも知識は持っていた。のだが、本書を読んで初めて知ったエピソードがあるので紹介したいと思う。
「リーマンと言えばリーマン予想」ぐらいリーマン予想は有名なので、私は「リーマンは『数論』の研究者だったのだろう」と思っていた(「数論」とは、「数そのものを研究する分野」である)。しかし実際には「複素関数論」や「リーマン幾何学」が専門だったようで、数論に関する論文はリーマン予想についての1本だけなのだそうだ。しかもリーマン自身はこの研究を、「発表するほど成果が出た」とは考えていなかったという。だからもしかしたら、そのまま論文は書かれず、後にリーマン予想と呼ばれることになるアイデアは残らなかったかもしれないのだ。
では何故リーマンは論文を書いたのか。この謎に関わってくるのがクロネッカーという数学者である(「クロネッカーのデルタ」で有名な人物)。彼はリーマンが進めていた研究に興味を示したそうで、それ故にリーマンは、「クロネッカーが興味を示しているなら発表しようか」と考え、新学期直前の短い期間に急いで論文にまとめたのだという。
あわせて読みたい
【異端】数学の”証明”はなぜ生まれたのか?「無理数」と「無限」に恐怖した古代ギリシャ人の奮闘:『数…
学校で数学を習うと、当然のように「証明」が登場する。しかしこの「証明」、実は古代ギリシャでしか発展しなかった、数学史においては非常に”異端”の考え方なのだ。『数学の想像力 正しさの深層に何があるのか』をベースに、ギリシャ人が恐れたものの正体を知る
そんなわけで「リーマン論文」(本書では、リーマン予想が書かれた論文をそう呼んでいる)では、その主張すべてに厳密な証明が与えられているわけではないようだ。ただ、『ベルリン学士院月報』に論文は掲載されているので、「掲載するのに必要な最低限の証明はなされていた」か、「当時は今と違って論文の掲載条件が厳しくなかった」かのどちらかなんじゃないかと思う。いずれにせよ、本書『数学ガール リーマン予想』を読む限りは「余白のある論文」という扱いのようで、だからこそ本書では「リーマン論文の行間を埋めよう」と言って、リーマンが論文に載せなかった計算を行ったりもするのだ。
さて、このように「リーマン論文は発表されなかった可能性がある」わけだが、しかし、仮にそうだったとしても、後に別の数学者が同じような結論に辿り着いたかもしれない。数学の世界に限らないが、学術の世界では「同じようなタイミングで同じ発想に行き着いた」みたいなことは多く(有名なのは「微分積分」で、ニュートンとライプニックが「どちらが先に生み出したか」で争った)、リーマン予想に関しても同じことが起こったとしてもおかしくはないと思う。
しかし、「もしかしたらそうではなかったかもしれない」と思わせる記述が本書にはある。ミルカさんが、こんな風に言っているのだ。
あわせて読みたい
【対立】数学はなぜ”美しい”のか?数学は「発見」か「発明」かの議論から、その奥深さを知る:『神は数…
数学界には、「数学は神が作った派」と「数学は人間が作った派」が存在する。『神は数学者か?』をベースに、「数学は発見か、発明か」という議論を理解し、数学史においてそれぞれの認識がどのような転換点によって変わっていったのかを学ぶ
しかし、リーマンが機会を逃さずにリーマン論文を書いてくれたことは数学にとって極めて重要だった。リーマン予想を含む、ゼータ関数に関わる研究内容が遺されたからだ。
これ以上の言及はなかったので、ここからはあくまでも私の想像に過ぎないが、「リーマン予想は、辿り着くのがかなり困難な予想だった」のかもしれない。誰か別の数学者が同じ発想に行き着くとしても、それにはかなり時間を要したかもしれないし、あるいは「ガロア理論」のように、「ガロアが思いつかなければ誰も辿り着けなかったんじゃないか」みたいなレベルの予想だった可能性もあるだろう(ガロア理論はそれほど革新的だったと言われていたはず)。
さらにこんなエピソードも紹介されている。リーマンの死後半世紀ほど経った頃、リーマンが残した草稿(本書では「リーマン遺構」と呼ばれている)が見つかり、その中に「ζ(s)の第三積分表示」なるものが記載されていたそうだ。そしてそこから「リーマン・ジーゲルの公式」と呼ばれる数式が生まれ、コンピュータで零点の計算を行う際に今も使われているという。この公式は、「リーマンが遺した第三積分表示を使ってジーゲルが導き出したもの」だそうで、つまりこれは、「リーマン遺構が見つかるまでの50年間、誰もその公式に辿り着けなかった」ことを意味しているはずだ。この点を踏まえると、「リーマンが研究成果を発表しなければ、誰もリーマン予想に辿り着けなかった」という主張にもかなり説得力が生まれるのではないかと思う。
あわせて読みたい
【敗北】「もつれ」から量子論の基礎を学ぶ。それまでの科学では説明不能な「異次元の現象」とは?:『…
アインシュタインは量子力学を生涯受け入れなかったのだが、アインシュタインが批判し続けたことによって明らかになったこともある。「もつれ」の重要性もその一つだ。『宇宙は「もつれ」でできている』から量子力学の基礎を成す現象を知る。
そしてこの話はさらに広く捉えることも可能だろう。つまり、「『誰かの頭の中で生まれたものの、発表されなかった知見』が世の中を変えていたかもしれない」なんて風にも考えられるはずだ。例えば、サトシ・ナカモトがビットコインを生み出していなかったら、恐らくブロックチェーンの技術は確立されなかったように思う。そして同じようなことが、「誰かの頭の中だけに留まっているアイデア」すべてに対しても言えるはずだ。だから、「みんな、何か思いついたらとにかく発表しようぜ」と思ったりもした。
本作で扱われる、「リーマン予想」以外の興味深い数学の話題
さて、リーマン予想については大体触れたので、ここからは、本書で扱われる「リーマン予想以外の数学の話」について書いていこうと思う。
まず個人的に「なるほど、そんなこと考えたこともなかった」と感じたのが、「『複素関数の微分』は一体何を表しているのか」についての話だ。実関数の場合、「微分」は「その点における接線の傾き」と説明されるし、そのことはグラフを描くことで視覚的にも納得できる。しかし複素関数の場合はどうなるのか? 複素関数はそもそもグラフを描くのが困難で、それ故に微分を直感的に捉えるのも難しくなる。
あわせて読みたい
【究極】リサ・ランドールが「重力が超弱い理由」を解説する、超刺激的なひも理論の仮説:『ワープする…
現役の研究者であるリサ・ランドールが、自身の仮説を一般向けに分かりやすく説明する『ワープする宇宙』。一般相対性理論・量子力学の知識を深く記述しつつ「重力が超弱い理由」を説明する、ひも理論から導かれる「ワープする余剰次元」について解説する
本書ではこの点について、まずテトラちゃんの疑問からスタートし、それを受けてミルカさんが講義を行うという形で展開されていく。ミルカさんの話は「微分」「全微分」「偏微分」の違いの話へと展開し、さらにその後、「素微分可能な関数は『正則関数』と呼ばれ、正則関数は『冪級数展開表示』を持つ」という話になる。もちろんこの話はリーマン予想でも重要になるわけで、「複素関数の微分」からこういう話に展開させるのは上手いなと感じた。
また「メビウス関数」も興味深い。本書では、「ゼータ関数の逆数のディリクレ母関数」について考える流れで出てくるのだが、「こんな変わった性質を持つ関数が存在し、しかも深堀りすればするほど面白い話が出てくる」という内容でとても刺激的だった。
さらに、「数学では禁忌とされている『ゼロ割(ゼロで割り算すること)』を可能にするために数直線上に無限遠点を追加する」という発想も出てくるのだが、これも凄いなと思う。本書では「拡張された数直線」という名前で登場するのだが、ホントに「よくもまあこんなことを考えるものだよな」という感じだった。
あわせて読みたい
【始まり】宇宙ができる前が「無」なら何故「世界」が生まれた?「ビッグバンの前」は何が有った?:『…
「宇宙がビッグバンから生まれた」ことはよく知られているだろうが、では、「宇宙ができる前はどうなっていたのか」を知っているだろうか? 実は「宇宙は”無”から誕生した」と考えられているのだ。『宇宙が始まる前には何があったのか?』をベースに、ビッグバンが起こる前の「空間も時間も物理法則も存在しない無」について学ぶ
あとは、「log(-1)について考察する」という話も面白い。高校数学をちゃんとやった人からすれば「log(-1)なんてあり得ない」と感じるだろう。対数関数logは普通、カッコ内は正の数しか扱えないからだ。しかしこれを「複素数の範囲で考える」という形で拡張することによって、「なるほど、そんな風になるのか」という話が展開されるのである。
こういう話に触れていると、「数学というのは本当に不思議な学問だな」と思う。例えば、化学でも物理でも、あるいは経済学でも考古学でも何でもいいのだが、「現実に起こったこと(起こっていること)こそが常に正解」という制約が存在するはずだ。どれだけ素晴らしい理論や仮説を思いついたとしても、「現実はそうなってはいない」ことが分かればそれは「間違い」ということになってしまう。「知的好奇心」という意味では決して無駄ではないし、あるいは観測技術等の発達によって、後に「実は正しかった」となるケースもあるが、いずれにせよ「現実の挙動」が「正解か否か」の基準であることは確かだろう。学問において、これはある種「当たり前の考え」と言えると思う。
しかし数学では「現実との対応」を考える必要がない。例えば、「虚数i」は現実に存在する何とも対応しないが、しかしそれでも、数学の世界ではそれについて考えることが出来る。だからこそ数学では、「この障壁をどうにか乗り越えられないものか?」という発想から新しい概念が生まれるのだろう。このように「『現実こそが正解である』という”制約”が存在しない」という点こそが、数学研究の面白さでもあり大変さでもあるのだろうなと感じた。
あわせて読みたい
【快挙】「チバニアン」は何が凄い?「地球の磁場が逆転する」驚異の現象がこの地層を有名にした:『地…
一躍その名が知れ渡ることになった「チバニアン」だが、なぜ話題になり、どう重要なのかを知っている人は多くないだろう。「チバニアン」の申請に深く関わった著者の『地磁気逆転と「チバニアン」』から、地球で起こった過去の不可思議な現象の正体を理解する
それでは数学の話の最後に、「あー、そうだったのか!」と感じた話に触れておくことにしよう。
本書ではゼータ関数が多く登場するが、ゼータ関数についてネットで調べると、「1+2+3+……=-1/12」みたいな数式が出てくる。左辺は「すべての自然数の和」であり、そしてそれが「マイナス1/12」と等しいという主張だ。普通に考えればそんなはずはないのだが、「ゼータ関数を使うとこういう奇妙な数式が成り立つことが示せる」という話題としてよく出てくる。私も何かのタイミングでこの話を知り、「不思議なこともあるものだ」と感じていた。
しかし本書によると、「この等式を導く式変形では、ディリクレ級数表示が使える条件『Re(s)>1』を無視している」とのことで、実際には成り立たないらしい(「ディリクレ級数表示」については各自調べてほしい)。なるほど、そうだったのか。「数学には奇妙な話がわんさかある」ことを知っているから普通に受け入れていたが、まさか間違いだったとは。まあ、こうして人間は少しずつ知識を積み重ねていくのである。
あわせて読みたい
【論争】サイモン・シンが宇宙を語る。古代ギリシャからビッグバンモデルの誕生までの歴史を網羅:『宇…
古代から現代に至るまで、「宇宙」は様々な捉えられ方をしてきた。そして、新たな発見がなされる度に、「宇宙」は常識から外れた不可思議な姿を垣間見せることになる。サイモン・シン『宇宙創成』をベースに、「ビッグバンモデル」に至るまでの「宇宙観」の変遷を知る
ストーリーもとても面白い
それでは最後に、物語的な部分にも触れてこの記事を終えようと思う。
本シリーズは、『ドラえもん』や『名探偵コナン』のような「作中の登場人物が年を取らないタイプ」ではなく、ちゃんと成長していく。シリーズが始まった当初、主人公の「僕」は高校1年生だったはずだが、最終巻である本書では大学受験をし、高校を卒業する。シリーズ1巻目を発売した時点でその後の構想がどこまで固まっていたのかは分からないが、結果的に、シリーズの終結と主人公の区切りが一致するような形で展開されたというわけだ。
物語的な記述は数学談義の合間合間に挿入されるだけなのであまり多くはないが、しかしその中で、登場人物たちの様々な葛藤や関係性の変化などが描かれる。特に本書で「おぉ!」となったのが、「π/6ラジアンずつ顔を傾けて、~」の描写。本シリーズは18年にも及ぶ長い刊行ペースで、前作から数えても7年ぶりの出版なのでちゃんとは覚えていないのだが、「そうかそんな関係だったか」と驚かされてしまった。
あわせて読みたい
【神秘】脳研究者・池谷裕二が中高生向けに行った講義の書籍化。とても分かりやすく面白い:『進化しす…
「宇宙」「深海」「脳」が、人類最後のフロンティアと呼ばれている。それほど「脳」というのは、未だに分からないことだらけの不思議な器官だ。池谷裕二による中高生向けの講義を元にした『進化しすぎた脳』『単純な脳、複雑な「私」』をベースに、脳の謎を知る
それでは最後に、ミルカさんの名言に触れておくことにしよう。これは数学に限らず、「学び」と向き合うすべての人にとって刺さる言葉ではないかと思う。状況はこうだ。「僕」がテトラちゃんに「またいつでも会う機会はやってくる」と言った際、ミルカさんが「会う機会が”やってくる”だって? 違う。機会は”作る”ものだ」と反応する。そしてそれに続けて、次のように口にするのだ。
「機会は作るものだ」と彼女は繰り返す。「数学は逃げない、自分が去らない限り、数学は逃げない。自分がやめるまで、数学はできる。時がすぎるから会えなくなるのではない。自分が去ってしまうから会えなくなるのだ」
もちろんこれは、「学び」に限らず人生のあらゆる状況に当てはまるんじゃないかとも思う。なかなか良い名言ではないだろうか?
¥2,420 (2026/02/15 08:11時点 | Amazon調べ)
ポチップ
あわせて読みたい
【全作品読了済】私が読んできたノンフィクション・教養書を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が読んできたノンフィクションを様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非本選びの参考にして下さい。
最後に
内容的にはかなり難しいが、相変わらず「読んで良かった」と感じられたし、実に素晴らしい作品だったなと思う。最終巻だという事実には少し寂しさを覚えてしまうものの、これだけの作品を生み出すのは相当にハードだっただろうし、著者の結城浩には「お疲れ様でした」という気持ちの方が強い。
恐らく多くの人を「数学沼」に引きずり込んだだろう本シリーズ。完結を機に、最初から一気に読み通してみるのもいいかもしれない。
次にオススメの記事
あわせて読みたい
【奇妙】大栗博司『重力とはなにか』は、相対性理論や量子力学の説明も秀逸だが、超弦理論の話が一番面白い
『重力とはなにか』(大栗博司)は、科学に馴染みの薄い人でもチャレンジできる易しい入門書だ。相対性理論や量子力学、あるいは超弦理論など、非常に難解な分野を基本的なところから平易に説明してくれるので、「科学に興味はあるけど難しいのはちょっと……」という方にこそ読んでほしい1冊
あわせて読みたい
【あらすじ】原爆を作った人の後悔・葛藤を描く映画『オッペンハイマー』のための予習と評価(クリスト…
クリストファー・ノーラン監督作品『オッペンハイマー』は、原爆開発を主導した人物の葛藤・苦悩を複雑に描き出す作品だ。人間が持つ「多面性」を様々な方向から捉えようとする作品であり、受け取り方は人それぞれ異なるだろう。鑑賞前に知っておいた方がいい知識についてまとめたので、参考にしてほしい
あわせて読みたい
【驚嘆】「現在は森でキノコ狩り」と噂の天才”変人”数学者グリゴリー・ペレルマンの「ポアンカレ予想証…
数学界の超難問ポアンカレ予想を解決したが、100万ドルの賞金を断り、フィールズ賞(ノーベル賞級の栄誉)も辞退、現在は「森できのこ採取」と噂の天才数学者グリゴリー・ペレルマンの生涯を描く評伝『完全なる証明』。数学に関する記述はほぼなく、ソ連で生まれ育った1人の「ギフテッド」の苦悩に満ちた人生を丁寧に描き出す1冊
あわせて読みたい
【革命】観る将必読。「将棋を観ること」の本質、より面白くなる見方、そして羽生善治の凄さが満載:『…
野球なら「なんで今振らないんだ!」みたいな素人の野次が成立するのに、将棋は「指せなきゃ観てもつまらない」と思われるのは何故か。この疑問を起点に、「将棋を観ること」と「羽生善治の凄さ」に肉薄する『羽生善治と現代』は、「将棋鑑賞」をより面白くしてくれる話が満載
あわせて読みたい
【驚異】数学の「無限」は面白い。アキレスと亀の矛盾、実無限と可能無限の違い、カントールの対角線論…
日常の中で「無限」について考える機会などなかなか無いだろうが、野矢茂樹『無限論の教室』は、「無限には種類がある」と示すメチャクチャ興味深い作品だった。「実無限」と「可能無限」の違い、「可能無限」派が「カントールの対角線論法」を拒絶する理由など、面白い話題が満載の1冊
あわせて読みたい
【挑戦】相対性理論の光速度不変の原理を無視した主張『光速より速い光』は、青木薫訳だから安心だぞ
『光速より速い光』というタイトルを見て「トンデモ本」だと感じた方、安心してほしい。「光速変動理論(VSL理論)」が正しいかどうかはともかくとして、本書は実に真っ当な作品だ。「ビッグバン理論」の欠陥を「インフレーション理論」以外の理屈で補う挑戦的な仮説とは?
あわせて読みたい
【組織】意思決定もクリエイティブも「問う力」が不可欠だ。MIT教授がCEOから学んだ秘訣とは?:『問い…
組織マネジメントにおいては「問うこと」が最も重要だと、『問いこそが答えだ!』は主張する。MIT教授が多くのCEOから直接話を聞いて学んだ、「『問う環境』を実現するための『心理的安全性の確保』の重要性」とその実践の手法について、実例満載で説明する1冊
あわせて読みたい
【激変】天才・藤井聡太と将棋界について加藤一二三、渡辺明が語る。AIがもたらした変化の是非は?:『…
『天才の考え方 藤井聡太とは何者か?』は、加藤一二三・渡辺明という棋界トップランナー2人が「将棋」をテーマに縦横無尽に語り合う対談本。この記事では、「AIがもたらした変化」について触れる。「答えを教えてくれるAI」は、将棋を、そして棋士をどう変えたのか?
あわせて読みたい
【超人】NHKによる「JAXAの宇宙飛行士選抜試験」のドキュメント。門外不出の「最強の就活」:『ドキュメ…
難攻不落のJAXAと粘り強い交渉を重ね、門外不出の「最強の就活」を捉えたドキュメンタリーを書籍化した『ドキュメント宇宙飛行士選抜試験』。2021年の13年ぶりの募集も話題になったが、「欠点があってはいけない」という視点で厳しく問われる試験・面接の実情を描き出す
あわせて読みたい
【挑戦】深海に棲む”聖杯”ダイオウイカをNHKが世界初撮影。関わった者が語る奇跡のプロジェクト:『ドキ…
NHK主導で進められた、深海に棲む”聖杯”ダイオウイカの撮影プロジェクト。10年にも及ぶ過酷な挑戦を描いた『ドキュメント 深海の超巨大イカを追え!』は、ほぼ不可能と思われていたプロジェクトをスタートさせ、艱難辛苦の末に見事撮影に成功した者たちの軌跡を描き出す
あわせて読みたい
【化石】聞き馴染みのない「分子生物学」を通じて、科学という学問の本質を更科功が分かりやすく伝える…
映画『ジュラシック・パーク』を観たことがある方なら、「コハクの化石に閉じ込められた蚊の血液から恐竜の遺伝子を取り出す」という設定にワクワクしたことだろう。『化石の分子生物学』とは、まさにそのような研究を指す。科学以外の分野にも威力を発揮する知見に溢れた1冊
あわせて読みたい
【危機】災害時、「普通の人々」は冷静に、「エリート」はパニックになる。イメージを覆す災害学の知見…
地震やテロなどの大災害において、人々がどう行動するのかを研究する「災害学」。その知見が詰まった『災害ユートピア』は、ステレオタイプなイメージを一変させてくれる。有事の際には市民ではなくエリートこそが暴走する。そしてさらに、災害は様々な社会的な変化も促しもする
あわせて読みたい
【奇人】天才数学者で、自宅を持たずに世界中を放浪した変人エルデシュは、迷惑な存在でも愛され続けた…
数学史上ガウスに次いで生涯発表論文数が多い天才エルデシュをご存知だろうか?数学者としてずば抜けた才能を発揮したが、それ以上に「奇人変人」としても知られる人物だ。『放浪の天才数学者エルデシュ』で、世界中の数学者の家を泊まり歩いた異端数学者の生涯を描き出す
あわせて読みたい
【天才】『ご冗談でしょう、ファインマンさん』は、科学者のイメージが変わる逸話満載の非・科学エッセイ
「天才科学者」と言えばアインシュタインやニュートン、ホーキングが思い浮かぶだろうが、「科学者らしくないエピソード満載の天才科学者」という意味ではファインマンがずば抜けている。世界的大ベストセラー『ご冗談でしょう、ファインマンさん』は、「科学」をほぼ扱わないエッセイです
あわせて読みたい
【抽象】「思考力がない」と嘆く人に。研究者で小説家の森博嗣が語る「客観的に考える」ために大事なこ…
世の中にはあまりに「具体的な情報」が溢れているために、「客観的、抽象的な思考」をする機会が少ない。そんな時代に、いかに思考力を育てていくべきか。森博嗣が『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』を通じて伝える「情報との接し方」「頭の使い方」
あわせて読みたい
【要約】福岡伸一『生物と無生物のあいだ』は、「生命とは何か」を「動的平衡」によって定義する入門書…
「生命とは何か?」という、あまりに基本的だと感じられる問いは、実はなかなか難しい。20世紀生物学は「DNAの自己複製」が本質と考えたが、「ウイルス」の発見により再考を迫られた。福岡伸一の『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』の2著作から、「生命の本質」を知る
あわせて読みたい
【妄執】チェス史上における天才ボビー・フィッシャーを描く映画。冷戦下の米ソ対立が盤上でも:映画『…
「500年に一度の天才」などと評され、一介のチェスプレーヤーでありながら世界的な名声を獲得するに至ったアメリカ人のボビー・フィッシャー。彼の生涯を描く映画『完全なるチェックメイト』から、今でも「伝説」と語り継がれる対局と、冷戦下ゆえの激動を知る
あわせて読みたい
【危機】シードバンクを設立し世界の農業を変革した伝説の植物学者・スコウマンの生涯と作物の多様性:…
グローバル化した世界で「農業」がどんなリスクを負うのかを正しく予測し、その対策として「ジーンバンク」を設立した伝説の植物学者スコウマンの生涯を描く『地球最後の日のための種子』から、我々がいかに脆弱な世界に生きているのか、そして「世界の食」がどう守られているのかを知る
あわせて読みたい
【考察】アニメ映画『虐殺器官』は、「便利さが無関心を生む現実」をリアルに描く”無関心ではいられない…
便利すぎる世の中に生きていると、「この便利さはどのように生み出されているのか」を想像しなくなる。そしてその「無関心」は、世界を確実に悪化させてしまう。伊藤計劃の小説を原作とするアニメ映画『虐殺器官』から、「無関心という残虐さ」と「想像することの大事さ」を知る
あわせて読みたい
【本質】子どもの頃には読めない哲学書。「他人の哲学はつまらない」と語る著者が説く「問うこと」の大…
『<子ども>のための哲学』は決して、「子どもでも易しく理解できる哲学の入門書」ではない。むしろかなり難易度が高いと言っていい。著者の永井均が、子どもの頃から囚われ続けている2つの大きな疑問をベースに、「『哲学する』とはどういうことか?」を深堀りする作品
あわせて読みたい
【最新】「コロンブス到達以前のアメリカ大陸」をリアルに描く歴史書。我々も米国人も大いに誤解してい…
サイエンスライターである著者は、「コロンブス到着以前のアメリカはどんな世界だったか?」という問いに触れ、その答えが書かれた本がいつまで経っても出版されないので自分で執筆した。『1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見』には、アメリカ人も知らない歴史が満載だ
あわせて読みたい
【博覧強記】「紙の本はなくなる」説に「文化は忘却されるからこそ価値がある」と反論する世界的文学者…
世界的文学者であり、「紙の本」を偏愛するウンベルト・エーコが語る、「忘却という機能があるから書物に価値がある」という主張は実にスリリングだ。『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』での対談から、「忘却しない電子データ」のデメリットと「本」の可能性を知る
あわせて読みたい
【異端】「仏教とは?」を簡単に知りたい方へ。ブッダは「異性と目も合わせないニートになれ」と主張し…
我々が馴染み深い「仏教」は「大乗仏教」であり、創始者ゴータマ・ブッダの主張が詰まった「小乗仏教」とは似て非なるものだそうだ。『講義ライブ だから仏教は面白い!』では、そんな「小乗仏教」の主張を「異性と目も合わせないニートになれ」とシンプルに要約して説明する
あわせて読みたい
【感想】池田晶子『14歳からの哲学』で思考・自由・孤独の大事さを知る。孤独を感じることって大事だ
「元々持ってた価値観とは違う考えに触れ、それを理解したいと思う場面」でしか「考える」という行為は発動しないと著者は言う。つまり我々は普段、まったく考えていないのだ。『14歳からの哲学』をベースに、「考えること」と自由・孤独・人生との関係を知る
あわせて読みたい
【飛躍】有名哲学者は”中二病”だった?飲茶氏が易しく語る「古い常識を乗り越えるための哲学の力」:『1…
『14歳からの哲学入門』というタイトルは、「14歳向けの本」という意味ではなく、「14歳は哲学することに向いている」という示唆である。飲茶氏は「偉大な哲学者は皆”中二病”だ」と説き、特に若い人に向けて、「新しい価値観を生み出すためには哲学が重要だ」と語る
あわせて読みたい
【歴史】ベイズ推定は現代社会を豊かにするのに必須だが、実は誕生から200年間嫌われ続けた:『異端の統…
現在では、人工知能を始め、我々の生活を便利にする様々なものに使われている「ベイズ推定」だが、その基本となるアイデアが生まれてから200年近く、科学の世界では毛嫌いされてきた。『異端の統計学ベイズ』は、そんな「ベイズ推定」の歴史を紐解く大興奮の1冊だ
あわせて読みたい
【興奮】世界的大ベストセラー『サピエンス全史』要約。人類が文明を築き上げるに至った3つの革命とは?
言わずと知れた大ベストセラー『サピエンス全史』は、「何故サピエンスだけが人類の中で生き残り、他の生物が成し得なかった歴史を歩んだのか」を、「認知革命」「農業革命」「科学革命」の3つを主軸としながら解き明かす、知的興奮に満ち溢れた1冊
あわせて読みたい
【誤解】世界的大ベストセラー『ファクトフルネス』の要約。我々は「嘘の情報」を信じ込みやすい
世界の現状に関する13の質問に対して、ほとんどの人が同じ解答をする。最初の12問は不正解で、最後の1問だけ正答するのだ。世界的大ベストセラー『ファクトフルネス』から、「誤った世界の捉え方」を認識し、情報を受け取る際の「思い込み」を払拭する。「嘘の情報」に踊らされないために読んでおくべき1冊だ
あわせて読みたい
【知的】文系にオススメの、科学・数学・哲学の入門書。高橋昌一郎の「限界シリーズ」は超絶面白い:『…
例えば「科学」だけに限ってみても、「なんでもできる」わけでは決してない。「科学」に限らず、私たちが対峙する様々な事柄には「これ以上は不可能・無理」という「限界」が必ず存在する。高橋昌一郎の「限界シリーズ」から、我々が認識しておくべき「限界」を易しく学ぶ
あわせて読みたい
【感想】飲茶の超面白い東洋哲学入門書。「本書を読んでも東洋哲学は分からない」と言う著者は何を語る…
東洋哲学というのは、「最終回しか存在しない連続ドラマ」のようなものだそうだ。西洋哲学と比較にならないほど異質さと、インド哲学・中国哲学など個別の思想を恐ろしく分かりやすく描く『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』は、ページをめくる手が止まらないくらい、史上最強レベルに面白かった
あわせて読みたい
【知】内田樹が教育・政治を語る。「未来の自分」を「別人」と捉える「サル化した思考」が生む現実:『…
「朝三暮四」の故事成語を意識した「サル化」というキーワードは、現代性を映し出す「愚かさ」を象徴していると思う。内田樹『サル化する世界』から、日本の教育・政治の現状及び問題点をシンプルに把握し、現代社会を捉えるための新しい視点や価値観を学ぶ
あわせて読みたい
【天才】読書猿のおすすめ本。「いかにアイデアを生むか」の発想法を人文書に昇華させた斬新な1冊:『ア…
「独学の達人」「博覧強記の読書家」などと評される読書猿氏が、古今東西さまざまな「発想法」を1冊にまとめた『アイデア大全』は、ただのHow To本ではない。「発想法」を学問として捉え、誕生した経緯やその背景なども深堀りする、「人文書」としての一面も持つ作品だ
あわせて読みたい
【驚異】ガイア理論の提唱者が未来の地球を語る。100歳の主張とは思えない超絶刺激に満ちた内容:『ノヴ…
「地球は一種の生命体だ」という主張はかなり胡散臭い。しかし、そんな「ガイア理論」を提唱する著者は、数々の賞や学位を授与される、非常に良く知られた科学者だ。『ノヴァセン <超知能>が地球を更新する』から、AIと人類の共存に関する斬新な知見を知る
あわせて読みたい
【人生】「資本主義の限界を埋める存在としての『贈与論』」から「不合理」に気づくための生き方を知る…
「贈与論」は簡単には理解できないが、一方で、「何かを受け取ったら、与えてくれた人に返す」という「交換」の論理では対処できない現実に対峙する力ともなる。『世界は贈与でできている』から「贈与」的な見方を理解し、「受取人の想像力」を立ち上げる
あわせて読みたい
【興奮】飲茶氏が西洋哲学を語る。難解な思想が「グラップラー刃牙成分」の追加で驚異的な面白さに:『…
名前は聞いたことはあるがカントやニーチェがどんな主張をしたのかは分からないという方は多いだろう。私も無知なまったくの初心者だが、そんな人でも超絶分かりやすく超絶面白く西洋哲学を”分かった気になれる”飲茶『史上最強の哲学入門』は、入門書として最強
あわせて読みたい
【思考】「”考える”とはどういうことか」を”考える”のは難しい。だからこの1冊をガイドに”考えて”みよう…
私たちは普段、当たり前のように「考える」ことをしている。しかし、それがどんな行為で、どのように行っているのかを、きちんと捉えて説明することは難しい。「はじめて考えるときのように」は、横書き・イラスト付きの平易な文章で、「考えるという行為」の本質に迫り、上達のために必要な要素を伝える
あわせて読みたい
【驚嘆】この物語は「AIの危険性」を指摘しているのか?「完璧な予知能力」を手にした人類の過ち:『預…
完璧な未来予知を行えるロボットを開発し、地震予知のため”だけ”に使おうとしている科学者の自制を無視して、その能力が解放されてしまう世界を描くコミック『預言者ピッピ』から、「未来が分からないからこそ今を生きる価値が生まれるのではないか」などについて考える
あわせて読みたい
【問い】「学ぶとはどういうことか」が学べる1冊。勉強や研究の指針に悩む人を導いてくれる物語:『喜嶋…
学校の勉強では常に「課題」が与えられていたが、「学び」というのは本来的に「問題を見つけること」にこそ価値がある。研究者の日常を描く小説『喜嶋先生の静かな世界』から、「学びの本質」と、我々はどんな風に生きていくべきかについて考える
あわせて読みたい
【幻想】超ひも理論って何?一般相対性理論と量子力学を繋ぐかもしれないぶっ飛んだ仮説:『大栗先生の…
『大栗先生の超弦理論入門』は最先端科学である「超弦理論」を説明する1冊だが、この記事では著者の主張の1つである「空間は幻想かもしれない」という発想を主に取り上げる。「人類史上初の『適用する次元が限定される理論』」が描像する不可思議な世界とは?
あわせて読みたい
【限界】「科学とは何か?」を知るためのおすすめ本。科学が苦手な人こそ読んでほしい易しい1冊:『哲学…
「科学的に正しい」という言葉は、一体何を意味しているのだろう?科学者が「絶対に正しい」とか「100%間違っている」という言い方をしないのは何故だろう?飲茶『哲学的な何か、あと科学とか』から、「科学とはどんな営みなのか?」について考える
あわせて読みたい
【戸惑】人間の脳は摩訶不思議。意識ではコントロールできない「無意識の領域」に支配されている:『あ…
我々は決断や選択を「自分の意思」で行っていると感じるが、脳科学の研究はそれを否定している。我々に「自由意志」などない。「脳」の大部分は「意識以外のもの」に支配され、そこに「意識」はアクセスできないという驚愕の実態を『あなたの知らない脳』から学ぶ
あわせて読みたい
【快挙】「暗黒の天体」ブラックホールはなぜ直接観測できたのか?国際プロジェクトの舞台裏:『アイン…
「世界中に存在する電波望遠鏡を同期させてブラックホールを撮影する」という壮大なEHTプロジェクトの裏側を記した『アインシュタインの影』から、ブラックホール撮影の困難さや、「ノーベル賞」が絡む巨大プロジェクトにおける泥臭い人間ドラマを知る
あわせて読みたい
【快挙】「チバニアン」は何が凄い?「地球の磁場が逆転する」驚異の現象がこの地層を有名にした:『地…
一躍その名が知れ渡ることになった「チバニアン」だが、なぜ話題になり、どう重要なのかを知っている人は多くないだろう。「チバニアン」の申請に深く関わった著者の『地磁気逆転と「チバニアン」』から、地球で起こった過去の不可思議な現象の正体を理解する
あわせて読みたい
【貢献】有名な科学者は、どんな派手な失敗をしてきたか?失敗が失敗でなかったアインシュタインも登場…
どれほど偉大な科学者であっても失敗を避けることはできないが、「単なる失敗」で終わることはない。誤った考え方や主張が、プラスの効果をもたらすこともあるのだ。『偉大なる失敗』から、天才科学者の「失敗」と、その意外な「貢献」を知る
あわせて読みたい
【平易】一般相対性理論を簡単に知りたい方へ。ブラックホール・膨張宇宙・重力波と盛りだくさんの1冊:…
現役の研究者が執筆した『ブラックホール・膨張宇宙・重力波』は、アインシュタインが導き出した一般相対性理論が関わる3つのテーマについて、初心者にも分かりやすく伝える内容になっている。歴史的背景も含めて科学的知見を知りたい方にオススメの1冊
あわせて読みたい
【逸話】天才数学者ガロアが20歳で決闘で命を落とすまでの波乱万丈。時代を先駆けた男がもし生きていた…
現代数学に不可欠な「群論」をたった1人で生み出し、20歳という若さで決闘で亡くなったガロアは、その短い生涯をどう生きたのか?『ガロア 天才数学者の生涯』から、数学に関心を抱くようになったきっかけや信じられないほどの不運が彼の人生をどう変えてしまったのか、そして「もし生きていたらどうなっていたのか」を知る
あわせて読みたい
【誤解】「意味のない科学研究」にはこんな価値がある。高校生向けの講演から”科学の本質”を知る:『す…
科学研究に対して、「それは何の役に立つんですか?」と問うことは根本的に間違っている。そのことを、「携帯電話」と「東急ハンズの棚」の例を使って著者は力説する。『すごい実験』は素粒子物理学を超易しく解説する本だが、科学への関心を抱かせてもくれる
あわせて読みたい
【バトル】量子力学の歴史はこの1冊で。先駆者プランクから批判者アインシュタインまですべて描く:『量…
20世紀に生まれた量子論は、時代を彩る天才科学者たちの侃々諤々の議論から生み出された。アインシュタインは生涯量子論に反対し続けたことで知られているが、しかし彼の批判によって新たな知見も生まれた。『量子革命』から、量子論誕生の歴史を知る
あわせて読みたい
【到達】「ヒッグス粒子の発見」はなぜ大ニュースなのか?素粒子物理学の「標準模型」を易しく説明する…
「ヒッグス粒子の発見」はメディアでも大きく取り上げられたが、これが何故重要なのかを説明できる人はそう多くはないだろう。『強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く』をベースに、謎めいた「弱い力」を説明する「自発的対称性の破れ」を学ぶ
あわせて読みたい
【ドラマ】「フェルマーの最終定理」のドラマティックな証明物語を、飲茶氏が平易に描き出す:『哲学的…
「フェルマーの最終定理」は、問題の提示から350年以上経ってようやく証明された超難問であり、その証明の過程では様々な人間ドラマが知られている。『哲学的な何か、あと数学とか』をベースに、数学的な記述を一切せず、ドラマティックなエピソードだけに触れる
あわせて読みたい
【不可思議】心理学の有名な実験から、人間の”欠陥”がどう明らかになっていったかを知る:『心は実験で…
『心は実験できるか 20世紀心理学実験物語』では、20世紀に行われた心理学実験からインパクトのある10の実験を選び紹介している。心理学者でもある著者が「科学であって科学ではない」と主張する心理学という学問で、人間のどんな不可思議さがあぶり出されてきたのかを知る
あわせて読みたい
【神秘】脳研究者・池谷裕二が中高生向けに行った講義の書籍化。とても分かりやすく面白い:『進化しす…
「宇宙」「深海」「脳」が、人類最後のフロンティアと呼ばれている。それほど「脳」というのは、未だに分からないことだらけの不思議な器官だ。池谷裕二による中高生向けの講義を元にした『進化しすぎた脳』『単純な脳、複雑な「私」』をベースに、脳の謎を知る
あわせて読みたい
【論争】サイモン・シンが宇宙を語る。古代ギリシャからビッグバンモデルの誕生までの歴史を網羅:『宇…
古代から現代に至るまで、「宇宙」は様々な捉えられ方をしてきた。そして、新たな発見がなされる度に、「宇宙」は常識から外れた不可思議な姿を垣間見せることになる。サイモン・シン『宇宙創成』をベースに、「ビッグバンモデル」に至るまでの「宇宙観」の変遷を知る
あわせて読みたい
【挑戦】社会に欠かせない「暗号」はどう発展してきたか?サイモン・シンが、古代から量子暗号まで語る…
「暗号」は、ミステリやスパイの世界だけの話ではなく、インターネットなどのセキュリティで大活躍している、我々の生活に欠かせない存在だ。サイモン・シン『暗号解読』から、言語学から数学へとシフトした暗号の変遷と、「鍵配送問題」を解決した「公開鍵暗号」の仕組みを理解する
あわせて読みたい
【証明】結城浩「数学ガール」とサイモン・シンから「フェルマーの最終定理」とそのドラマを学ぶ
350年以上前に一人の数学者が遺した予想であり「フェルマーの最終定理」には、1995年にワイルズによって証明されるまでの間に、これでもかというほどのドラマが詰め込まれている。サイモン・シンの著作と「数学ガール」シリーズから、その人間ドラマと数学的側面を知る
あわせて読みたい
【衝撃】ABC予想の証明のために生まれたIUT理論を、提唱者・望月新一の盟友が分かりやすく語る:『宇宙…
8年のチェック期間を経て雑誌に掲載された「IUT理論(宇宙際タイヒミュラー理論)」は、数学の最重要未解決問題である「ABC予想」を証明するものとして大いに話題になった。『宇宙と宇宙をつなぐ数学』『abc予想入門』をベースに、「IUT理論」「ABC予想」について学ぶ
あわせて読みたい
【限界】有名な「錯覚映像」で心理学界をザワつかせた著者らが語る「人間はいかに間違えるか」:『錯覚…
私たちは、知覚や記憶を頼りに社会を生きている。しかしその「知覚」「記憶」は、本当に信頼できるのだろうか?心理学の世界に衝撃を与えた実験を考案した著者らの『錯覚の科学』から、「避けられない失敗のクセ」を理解する
あわせて読みたい
【変人】結城浩「数学ガール」から、1億円も名誉ある賞も断った天才が証明したポアンカレ予想を学ぶ
1億円の賞金が懸けられた「ポアンカレ予想」は、ペレルマンという天才数学者が解き明かしたが、1億円もフィールズ賞も断った。そんな逸話のある「ポアンカレ予想」とは一体どんな主張であり、どのように証明されたのかを結城浩『数学ガール』から学ぶ
あわせて読みたい
【興奮】結城浩「数学ガール」で、決闘で命を落とした若き天才数学者・ガロアの理論を学ぶ
高校生を中心に、数学を通じて関わり合う者たちを描く「数学ガール」シリーズ第5弾のテーマは「ガロア理論」。独力で「群論」という新たな領域を切り開きながら、先駆的すぎて同時代の数学者には理解されず、その後決闘で死亡した天才の遺した思考を追う
あわせて読みたい
【刺激】結城浩「数学ガール」で、ゲーデルの不完全性定理(不可能性の証明として有名)を学ぶ
『結城浩「数学ガール」シリーズは、数学の面白さを伝えながら、かなり高難度の話題へと展開していく一般向けの数学書です。その第3弾のテーマは、「ゲーデルの不完全性定理」。ヒルベルトという数学者の野望を打ち砕いた若き天才の理論を学びます
あわせて読みたい
【天才】科学者とは思えないほど面白い逸話ばかりのファインマンは、一体どんな業績を残したのか?:『…
数々の面白エピソードで知られるファインマンの「科学者としての業績」を初めて網羅したと言われる一般書『ファインマンさんの流儀』をベースに、その独特の研究手法がもたらした様々な分野への間接的な貢献と、「ファインマン・ダイアグラム」の衝撃を理解する
あわせて読みたい
【使命】「CRISPR-Cas9」を分かりやすく説明。ノーベル賞受賞の著者による発見物語とその使命:『CRISPR…
生物学の研究を一変させることになった遺伝子編集技術「CRISPR-Cas9」の開発者は、そんな発明をするつもりなどまったくなかった。ノーベル化学賞を受賞した著者による『CRISPR (クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見』をベースに、その発見物語を知る
あわせて読みたい
【研究】光の量子コンピュータの最前線。量子テレポーテーションを実現させた科学者の最先端の挑戦:『…
世界中がその開発にしのぎを削る「量子コンピューター」は、技術的制約がかなり高い。世界で初めて「量子テレポーテーション」の実験を成功させた研究者の著書『光の量子コンピューター』をベースに、量子コンピューター開発の現状を知る
あわせて読みたい
【異端】数学の”証明”はなぜ生まれたのか?「無理数」と「無限」に恐怖した古代ギリシャ人の奮闘:『数…
学校で数学を習うと、当然のように「証明」が登場する。しかしこの「証明」、実は古代ギリシャでしか発展しなかった、数学史においては非常に”異端”の考え方なのだ。『数学の想像力 正しさの深層に何があるのか』をベースに、ギリシャ人が恐れたものの正体を知る
あわせて読みたい
【対立】数学はなぜ”美しい”のか?数学は「発見」か「発明」かの議論から、その奥深さを知る:『神は数…
数学界には、「数学は神が作った派」と「数学は人間が作った派」が存在する。『神は数学者か?』をベースに、「数学は発見か、発明か」という議論を理解し、数学史においてそれぞれの認識がどのような転換点によって変わっていったのかを学ぶ
あわせて読みたい
【始まり】宇宙ができる前が「無」なら何故「世界」が生まれた?「ビッグバンの前」は何が有った?:『…
「宇宙がビッグバンから生まれた」ことはよく知られているだろうが、では、「宇宙ができる前はどうなっていたのか」を知っているだろうか? 実は「宇宙は”無”から誕生した」と考えられているのだ。『宇宙が始まる前には何があったのか?』をベースに、ビッグバンが起こる前の「空間も時間も物理法則も存在しない無」について学ぶ
あわせて読みたい
【謎】恐竜を絶滅させた隕石はどこから来た?暗黒物質が絡む、リサ・ランドールの驚愕の仮説:『ダーク…
「生物の絶滅」には、以前から知られていたある謎があった。そしてその謎を、未だに観測されておらず、「科学者の妄想の産物」でしかない「ダークマター(暗黒物質)」が解決するかもしれない。現役の科学者が『ダークマターと恐竜絶滅』で語る驚きの仮説。
あわせて読みたい
【未知】タコに「高度な脳」があるなんて初耳だ。人類とは違う進化を遂げた頭足類の「意識」とは?:『…
タコなどの頭足類は、無脊椎動物で唯一「脳」を進化させた。まったく違う進化を辿りながら「タコに心を感じる」という著者は、「タコは地球外生命体に最も近い存在」と書く。『タコの心身問題』から、腕にも脳があるタコの進化の歴史と、「意識のあり方」を知る。
あわせて読みたい
【天才】数学の捉え方を一変させた「シンメトリー(対称性)」と、その発見から発展に至る歴史:『シン…
「5次方程式の解の公式は存在しない」というアーベルの証明や、天才・ガロアが発展させた「群論」は、「シンメトリー(対称性)」という領域に新たな光を当てた。『シンメトリーの地図帳』をベースに、「シンメトリー」の発展と「モンスター」の発見の物語を知る
あわせて読みたい
【敗北】「もつれ」から量子論の基礎を学ぶ。それまでの科学では説明不能な「異次元の現象」とは?:『…
アインシュタインは量子力学を生涯受け入れなかったのだが、アインシュタインが批判し続けたことによって明らかになったこともある。「もつれ」の重要性もその一つだ。『宇宙は「もつれ」でできている』から量子力学の基礎を成す現象を知る。
あわせて読みたい
【興奮】素数の謎に迫った天才数学者たちの奮闘と、数学の”聖杯”である「リーマン予想」について:『素…
古今東西の数学者を惹きつけて止まない「素数」。その規則性を見つけ出すことは非常に困難だったが、「リーマン予想」として初めてそれが示された。『素数の音楽』『リーマン博士の大予想』から、天才数学者たちが挑んできた「リーマン予想」をざっくり理解する
あわせて読みたい
【究極】リサ・ランドールが「重力が超弱い理由」を解説する、超刺激的なひも理論の仮説:『ワープする…
現役の研究者であるリサ・ランドールが、自身の仮説を一般向けに分かりやすく説明する『ワープする宇宙』。一般相対性理論・量子力学の知識を深く記述しつつ「重力が超弱い理由」を説明する、ひも理論から導かれる「ワープする余剰次元」について解説する
あわせて読みたい
【情報】日本の社会問題を”祈り”で捉える。市場原理の外にあるべき”歩哨”たる裁き・教育・医療:『日本…
「霊性」というテーマは馴染みが薄いし、胡散臭ささえある。しかし『日本霊性論』では、「霊性とは、人間社会が集団を存続させるために生み出した機能」であると主張する。裁き・教育・医療の変化が鈍い真っ当な理由と、情報感度の薄れた現代人が引き起こす問題を語る
この記事を読んでくれた方にオススメのタグページ
ルシルナ
才能・センスがない【本・映画の感想】 | ルシルナ
子どもの頃は、自分が何かの才能やセンスに恵まれていることを期待していましたが、残念ながら天才ではありませんでした。昔はやはり、凄い人に嫉妬したり、誰かと比べて苦…
タグ一覧ページへのリンクも貼っておきます
ルシルナ
記事検索(カテゴリー・タグ一覧) | ルシルナ
ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
コメント