目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
「女優は泣かない」公式HP
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
今どこで観れるのか?
公式HPの劇場公開をご覧ください
この記事で伝えたいこと
とにかく何と言っても、ストーリーが非常に素敵な作品でした
設定がミニマムで、これと言った大きな展開も無いのに、強く惹きつけられてしまう作品です
この記事の3つの要点
- お互いに「撮りたくない」「撮られたくない」と感じているドキュメンタリー撮影の様子が、コメディタッチに描かれていく
- 主人公の家族の物語が絡んでくると、物語は一気にシリアスなトーンに変わる
- 「女優として生きる」という要素を組み込んだ家族の確執は、ベタと言えばベタだが、一筋縄ではいかない感じもあって良かった
メインの役を演じる蓮佛美沙子、伊藤万理華、上川周作の3人がとにかく素晴らしい、とても素敵な作品でした
自己紹介記事
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とても素敵な作品でした。正直なところ、これと言って何かが起こるような物語でもないし、舞台設定も実にミニマムです。それでも、「良い映画を観たなぁ」という感覚になれる素晴らしい作品だなと思います。
特に、メインで登場する蓮佛美沙子、伊藤万理華、上川周作が良かったよね
蓮佛美沙子のことは昔から何となく好きなんだけど、本作でも見事な存在感を出しているなって思った
映画『女優は泣かない』の内容紹介
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その撮影のために梨枝は、久々に地元・熊本に降り立った。しかし、空港には誰もいない。社長に確認すると、当初彼女に付く予定だったマネージャーは別の現場に行くことになったのだという。つまり、一人でなんとかしろというわけだ。そしてそこにやってきたのが、イダテレのディレクターを名乗る瀬野咲。梨枝が「プロデューサーとか来ないの?」と聞くと、瀬野は「予算無いんで」と返す。その後彼女は、何かある度に「予算、予算」と口にするようになる。
その「予算」の話は、宿泊場所にも影響を及ぼした。瀬野は事務所の社長から、「安藤梨花は実家に泊まる」と聞いていたそうで、そもそもホテルは押さえていない。梨枝は「自分で出すからどこかホテルへ連れて行って」と瀬野に言うが、たどり着いたのはなんとラブホテルだった。撮影地周辺に近くて安いホテルなのだそうで、瀬野はここに泊まるという。さすがにそれは無理だと思い、自力で探すことにして瀬野と別れるが、スマホの充電は切れてしまい、田舎道には人も車も無い。それでも、偶然通りかかったタクシーをどうにか止めたところ、その運転手がなんと、高校時代の同級生サルタク(猿渡拓郎)だったのだ。落ちぶれた身でもあり気まずい再会となったが、知った顔なら遠慮は要らない。梨枝はホテルに連れていってくれとサルタクに頼み、そのまま後部座席で眠りに落ちた。
しかし、着いたと言われて目を覚ますと、なんと梨枝の実家の目の前ではないか。話が違う。しかしサルタクは、梨枝が家族に会うことを単に恥ずかしがっているとでも思ったのか、梨枝を置いてそのままタクシーを走らせてしまった。
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覚悟を決めるしかない。実家に泊まる以外、他に選択肢はないのだ。
梨枝は、10年前に啖呵を切って飛び出した実家の玄関を久々にくぐった。母親が亡くなり、男手一つで3姉弟を育てた父とは、喧嘩別れしたままだ。そうやってしばし思い出に耽っていると、弟が帰ってきた。梨枝は弟に「帰ってきたこと、真希姉には黙ってて」と頼み込み、他の家族に挨拶もしないままドキュメンタリーの撮影に入る。
しかし、この撮影が大問題だった。瀬野が考えてくるプランは、いわゆる「ヤラセ」ばかりだったのだ。そのことを指摘すると瀬野は、「ドキュメンタリーにも演出は必要なんで」を繰り返す。しかし実は、ずっとバラエティ畑にいた瀬野には、ドキュメンタリーの撮り方など分からないのだ。
日々、瀬野との関係が悪化していく中、当然のことながら梨枝の帰還は姉・真希の知るところとなり、燻り続けていた家族の問題が再燃する……。
コメディな雰囲気からシリアスな展開へとガラッと変わっていく物語
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本作は、冒頭からしばらくの間、とにかくコメディタッチで物語が進んでいきます。構図はとても分かりやすくて、「『どう考えてもあり得ない指示ばかりする瀬野』に『ドキュメンタリーの経験がなく、どう振る舞うべきか分からない梨枝』が振り回されていく」という感じです。普通ならなかなか成り立たない設定でしょうが、本作の場合、「梨枝がスキャンダルで落ち目になっている」という状況がとてもよく機能していると言えます。それなりにキャリアがあり、そこそこ名の知れている女優が、「ドキュメンタリーの何たるか」を理解していないだろう若手ディレクターの指示に嫌々ながらも従うのは、「もしかしたらこの仕事が、復活のきっかけになるかもしれない」と考えているからなのです。
梨枝としてはとにかく、瀬野の指示に従うのは癪でしかありません。しかしだからと言って、落ち目の彼女には他の仕事など無いのです。だから、女優としてこれからも生きていくのであれば、多少プライドを捨ててでもこのドキュメンタリーをやりきるしかありません。これが、梨枝が置かれた状況です。
梨枝は、「女優以外に生きる道はない」みたいに考えてるしね
しんどくても、この世界で生き残れるようにどうにかするしかないってことだよなぁ
そんなわけで、冒頭からしばらくは梨枝の状況がメインで映し出されるわけですが、しばらくすると、実は瀬野も似たような状況にいることが分かってきます。彼女は元々ドラマ志望で制作会社に入社したのですが、配属されたのはバラエティでした。バラエティの仕事はどうにも向いていないとしか思えないのですが、上司にいくら相談しても、「まずは与えられた仕事で結果を出せ」と言われるばかりです。
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そんな中、安藤梨花のドキュメンタリーの話が降って湧いてきます。そこで上司は瀬野に、「このドキュメンタリーで上手くいったら、ドラマ班に俺から推薦してやる」と瀬野の前にニンジンをぶら下げることを思いつきました。上司のその言葉を信じた瀬野はこうして、「何が何でもこのドキュメンタリーで結果を残さなければならない」と考えているというわけです。このような状況に、彼女は置かれています。
つまり、どちらも割と崖っぷちにいるのです。
お互いに、「『やりたい仕事』じゃないのに、これをやらなきゃ次に進めない」って状況にいるわけだ
こういう設定を背景に、全体をコメディ的に展開させていく感じが面白いよね
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さて、そんな2人による「ドキュメンタリーの撮影」が上手くいくはずもないでしょう。そして、「これじゃダメだ」と思い始めた2人は、梨枝の家族に焦点を当てることを考え始めます。このようにして、物語の中に「家族のわだかまり」が組み込まれていくというわけです。
梨枝と家族の確執については、物語がある程度展開しないと深掘りされないので、この記事ではあまり詳しく書かないことにしますが、冒頭の方でざっくり示唆される事実には触れておくことにしましょう。梨枝は、「10年前に父親の反対を押し切って高校を中退し、そのまま女優を目指すために上京した」のであり、その時以来、どうやら家族との折り合いが悪いようです。中でも、長姉である真希との関係が最悪みたいだと示唆されていました。
そして、家族の話が絡んでくるに従って、全体のトーンが徐々にシリアスなものに変わっていくのです。それまでコメディタッチで進んでいた物語が「泣ける話」に変わっていくスライドの仕方が自然で、とても良かったなと思います。
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前半との落差が印象的だったのと、ベタだけど王道って感じの家族の物語も良かったよね
素晴らしいと感じたのが、役者がどちらのトーンの物語にも違和感なく溶け込んでいることです。1つの作品の中で、コメディとシリアスを無理なく両立させるのは結構難しいのではないかと思うのですが、メインの役を演じる蓮佛美沙子、伊藤万理華、上川周作の3人はそれぞれ、どちらの雰囲気にもとてもよく馴染んでいました。まあ、役者としては当然のことなのかもしれませんが、私には見事だと感じられたというわけです。
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シリアスなトーンになってからは、涙腺を刺激するような展開も結構多く、客席からはすすり泣くような声が上がっていたし、私も割とウルウルしてしまいました。話としては「よくある家族の物語」だと思うのですが、ただそこに「女優として生きる」という要素が加わることで、ちょっと変化球っぽい雰囲気も出ていたと思います。特に長姉との確執の根底には、まさに「梨枝が女優としての人生を全うしていること」が関係しているわけで、そんな「ちょっとだけ『ありがち』から浮き上がっている」みたいな展開もとても良かったです。
しかし「女優」に限らないけど、「表に出る仕事をしている人」は大変だなって思う
本人が大変なのは自業自得だろうから仕方ないとしても、その周囲の人も巻き込まれちゃうのがねぇ
「物語の展開」も「役者」もとても良かった
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しかし、物語の焦点が「梨枝の家族」に移ってしまったら、瀬野との関係は一体どうなるのでしょうか? ここも展開が上手い点で、「梨枝と家族の関係がさらに悪化した」という場面には実は、瀬野も関わっています。そして、最初から馬が合わなかった2人ですが、このことをきっかけに、さらに酷い状態になっていくのです。
普通に考えれば、「家族との関係」も「瀬野との関係」も”ジ・エンド”という感じで、そこからの展開など作れないように思えるでしょう。映画を観ながら私も、「ここからどんな風に展開するんだろうか」と考えていました。しかしそれ以降の物語もとても良く、ラストの展開や全体的なまとまりも含めて、物語すべてがとても素晴らしかったなと思います。
全体的にミニマムなのに惹きつけられちゃうのはやっぱり、軸となる物語が良かったからだよね
あとはとにかく、役者が素晴らしかったです。特に、主演の蓮佛美沙子が素敵でした。「活動をずっと追ってます」みたいなファンというわけではないし、なんとなく見かける度に「良いなぁ」と感じていたぐらいですが、割と昔から注目していた女優です。そして、本作での佇まいもとても素敵でした。特に本作においては、家族や瀬野に対して見せる「嫌な感じの雰囲気」が絶妙だったなと思います。嫌な感じを出しつつ、不快感を与えるようなものではないというバランスが流石でした。
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また、蓮佛美沙子とやり合う伊藤万理華もとても良かったです。テレビの世界のことなど何も知りませんが、「こういうディレクターいそうだなぁ」と思わせる「曲者感」が上手いと感じました。物語的にはとにかく、蓮佛美沙子と伊藤万理華の掛け合いが様々な場面で重要になるため、蓮佛美沙子の演技を受ける存在として良い雰囲気を醸し出せていたと思います。
あと、サルタクを演じた上川周作も素晴らしいと感じました。サルタクは、梨枝と瀬野のドキュメンタリー撮影に何故か同行することになるのですが、2人だけだったら絶対に詰んでいただろう場面で、潤滑油としての存在感を見事に発揮するのです。そのような雰囲気を上川周作が絶妙に演じていたし、さらに、単なる潤滑油というわけではない展開も後半に少しあって、その落差も素敵でした。物語を成立させる上で無くてはならない存在を見事に演じていたと思います。
役者の存在感も含め、とても素敵な作品でした。
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普段私は、褒め言葉としてこんな表現は使わないのですが、本作は「誰にでも勧めやすい、万人受けする作品」だと感じました。観て良かったなと思います。
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小学3年生のこっこは、「孤独」と「人と違うこと」を愛するちょっと変わった女の子。三つ子の美人な姉を「平凡」と呼んで馬鹿にし、「眼帯」や「クラス会の途中、不整脈で倒れること」に憧れる。西加奈子『円卓』は、そんなこっこの振る舞いを通して「当たり前」について考えさせる
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【葛藤】正論を振りかざしても、「正しさとは何か」に辿り着けない。「絶対的な正しさ」など存在しない…
「『正しさ』は人によって違う」というのは、私には「当たり前の考え」に感じられるが、この前提さえ共有できない社会に私たちは生きている。映画『由宇子の天秤』は、「誤りが含まれるならすべて間違い」という判断が当たり前になされる社会の「不寛容さ」を切り取っていく
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【感想】映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』は、「リアル」と「漫画」の境界の消失が絶妙
映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』は、「マンガ家夫婦の不倫」という設定を非常に上手く活かしながら、「何がホントで何かウソなのかはっきりしないドキドキ感」を味わわせてくれる作品だ。黒木華・柄本佑の演技も絶妙で、良い映画を観たなぁと感じました
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「福島中央テレビ開局50周年記念作品」である映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は、福島県に実在した映画館「朝日座」を舞台に、住民が抱く「希望(幻想)」が描かれる。震災・コロナによってありとあらゆるものが失われていく世の中で、私たちはどう生きるべきか
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【感想】映画『竜とそばかすの姫』が描く「あまりに批判が容易な世界」と「誰かを助けることの難しさ」
SNSの登場によって「批判が容易な社会」になったことで、批判を恐れてポジティブな言葉を口にしにくくなってしまった。そんな世の中で私は、「理想論だ」と言われても「誰かを助けたい」と発信する側の人間でいたいと、『竜とそばかすの姫』を観て改めて感じさせられた
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【中絶】望まない妊娠をした若い女性が直面する現実をリアルに描く映画。誰もが現状を知るべきだ:『17…
他の様々な要素を一切排し、「望まぬ妊娠をした少女が中絶をする」というただ1点のみに全振りした映画『17歳の瞳に映る世界』は、説明もセリフも極端に削ぎ落としたチャレンジングな作品だ。主人公2人の沈黙が、彼女たちの置かれた現実を雄弁に物語っていく。
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【日常】「何もかも虚しい」という心のスキマを「異性」や「お金」で安易に埋めてしまうのは危険だ:映…
「どこにでもいる普通の女性」が「横領」に手を染める映画『紙の月』は、「日常の積み重ねが非日常に接続している」ことを否応なしに実感させる。「主人公の女性は自分とは違う」と考えたい観客の「祈り」は通じない。「梅澤梨花の物語」は「私たちの物語」でもあるのだ
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【死】映画『湯を沸かすほどの熱い愛』に号泣。「家族とは?」を問う物語と、タイトル通りのラストが見事
「死は特別なもの」と捉えてしまうが故に「日常感」が失われ、普段の生活から「排除」されているように感じてしまうのは私だけではないはずだ。『湯を沸かすほどの熱い愛』は、「死を日常に組み込む」ことを当たり前に許容する「家族」が、「家族」の枠組みを問い直す映画である
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【生き方】人生が虚しいなら映画『人生フルーツ』を見ると良い。素敵な老夫婦の尖った人生がここにある
社会派のドキュメンタリー映画に定評のある東海テレビが、「なんでもない老夫婦の日常」を映画にした『人生フルーツ』には、特に何が起こるわけでもないのに「観て良かった」と感じさせる強さがある。見た目は「お年寄り」だが中身はまったく古臭くない”穏やかに尖った夫婦”の人生とは?
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【考察】生きづらい性格は変わらないから仮面を被るしかないし、仮面を被るとリア充だと思われる:『勝…
「リア充感」が滲み出ているのに「生きづらさ」を感じてしまう人に、私はこれまでたくさん会ってきた。見た目では「生きづらさ」は伝わらない。24年間「リアル彼氏」なし、「脳内彼氏」との妄想の中に生き続ける主人公を描く映画『勝手にふるえてろ』から「こじらせ」を知る
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【感想】映画『若おかみは小学生!』は「子どもの感情」を「大人の世界」で素直に出す構成に号泣させられる
ネット記事を読まなければ絶対に観なかっただろう映画『若おかみは小学生!』は、基本的に子ども向け作品だと思うが、大人が観てもハマる。「大人の世界」でストレートに感情を表に出す主人公の小学生の振る舞いと成長に、否応なしに感動させられる
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【矛盾】その”誹謗中傷”は真っ当か?映画『万引き家族』から、日本社会の「善悪の判断基準」を考える
どんな理由があれ、法を犯した者は罰せられるべきだと思っている。しかしそれは、善悪の判断とは関係ない。映画『万引き家族』(是枝裕和監督)から、「国民の気分」によって「善悪」が決まる社会の是非と、「善悪の判断を保留する勇気」を持つ生き方について考える
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【葛藤】子どもが抱く「家族を捨てたい気持ち」は、母親の「家族を守りたい気持ち」の終着点かもしれな…
家族のややこしさは、家族の数だけ存在する。そのややこしさを、「子どもを守るために母親が父親を殺す」という極限状況を設定することで包括的に描き出そうとする映画『ひとよ』。「暴力」と「殺人犯の子どもというレッテル」のどちらの方が耐え難いと感じるだろうか?
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パッと見の印象は「よくある学園モノ」でしかなかったので、『殺さない彼と死なない彼女』を観て驚かされた。ステレオタイプで記号的なキャラクターが、感情が無いとしか思えないロボット的な言動をする物語なのに、メチャクチャ面白かった。設定も展開も斬新で面白い
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【無知】映画『生理ちゃん』で理解した気になってはいけないが、男(私)にも苦労が伝わるコメディだ
男である私にはどうしても理解が及ばない領域ではあるが、女友達から「生理」の話を聞く機会があったり、映画『生理ちゃん』で視覚的に「生理」の辛さが示されることで、ちょっとは分かったつもりになっている。しかし男が「生理」を理解するのはやっぱり難しい
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【狂気】「当たり前の日常」は全然当たり前じゃない。記憶が喪われる中で”日常”を生きることのリアル:…
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西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』は、決して「お金」の話だけではありません。「自分が望む生き方」を実現するための「闘い方」を伝授してくれると同時に、「しなくていい失敗を回避する考え方」も提示してくれます。学校や家庭ではなかなか学べない人生訓
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お笑い芸人・髭男爵の山田ルイ53世は、“神童”と呼ばれるほど優秀だったが、“うんこ”をきっかけに6年間引きこもった。『ヒキコモリ漂流記』で彼は、ひきこもりに至ったきっかけ、ひきこもり中の心情、そしてそこからいかに脱出したのかを赤裸々に綴り、「誰にも優しい世界」を望む
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日光に限らず、ありとあらゆる「光」に肌が異常に反応してしまうため、ずっと真っ暗闇の中でしか生きられない女性が、その壮絶すぎる日常を綴った『まっくらやみで見えたもの 光アレルギーのわたしの奇妙な人生』から、それでも生きていく強さを感じ取る
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「北九州連続監禁殺人事件」という、マスコミも報道規制するほどの残虐事件。その「主犯の息子」として生きざるを得なかった男の壮絶な人生。「ザ・ノンフィクション」のプロデューサーが『人殺しの息子と呼ばれて』で改めて取り上げた「真摯な男」の生き様と覚悟
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元気で明るくて楽しそうな人ほど「傷」を抱えている。そんな人をたくさん見てきた。様々な理由から「傷」を表に出せない人がいる世の中で、『包帯クラブ』が提示する「見えない傷に包帯を巻く」という具体的な行動は、気休め以上の効果をもたらすかもしれない
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「自分の子どもなんだから、どんな風に育てたって勝手でしょ」という親の意見が正しいはずはないが、この言葉に反論することは難しい。虐待しようが生活能力が無かろうが、親は親だからだ。映画『MOTHER マザー』から、不正解しかない人生を考える
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どんな病気も治す「奇跡の水」の存在を私は信じないが、しかし何故「信じない」と言えるのか?「奇跡の水を信じる人」を軽々に非難すべきではないと私は考えているが、それは何故か?映画『星の子』から、「何かを信じること」の難しさについて知る
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「アイヌの町」として知られるアイヌコタンの住人は、「アイヌ語を勉強している」という。観光客のイメージに合わせるためだ。映画『アイヌモシリ』から、「伝統」や「文化」の継承者として生きるべきか、自らのアイデンティティを意識せず生きるべきかの葛藤を知る
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「共感」が強すぎる世の中では、自然と「想像力」が失われてしまう。そうならないようにと意識して踏ん張らなければ、他人の価値観を正しく認めることができない人間になってしまうだろう。映画『ミセス・ノイズィ』から、多様な価値観を排除しない生き方を考える
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「世間的な幸せ」を追うのではなく、自分がどうだったら「幸せ」だと感じられるのかを考えなければいけない。『神さまたちの遊ぶ庭』をベースに、他人と比較せずに「幸せ」の基準を自分の内側に持ち、その背中で子どもに「自由」を伝える生き方を学ぶ
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空気を読んで摩擦を減らす方が、集団の中では大体穏やかにいられます。この記事では、様々な理由からそんな選択をしない/できない、『私を知らないで』に登場する中学生の生き方から、厳しい現実といかにして向き合うかというスタンスを学びます
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「良い子でいなきゃいけない」と感じ、本来の自分を押し隠したまま生きているという方、いるんじゃないかと思います。私も昔はそうでした。「良い子」の呪縛から逃れることは難しいですが、「なりたい自分」をどう生きればいいかを、『わたしを見つけて』をベースに書いていきます
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人が死んでも「悲しい」と感じられない男に共感できるか?(私はメチャクチャ共感してしまう) 西川美和の『永い言い訳』をベースに、「喪失の大きさを理解できない理由」と、「誰かに必要とされる生き方」について語る
ルシルナ
どう生きるべきか・どうしたらいい【本・映画の感想】 | ルシルナ
どんな人生を歩みたいか、多くの人が考えながら生きていると思います。私は自分自身も穏やかに、そして周囲の人や社会にとっても何か貢献できたらいいなと、思っています。…
ルシルナ
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ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
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