目次
はじめに
この記事で取り上げる本
著:榎本憲男
¥857 (2021/05/21 06:46時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この本をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 拭えない閉塞感は、GoogleやSNSが「自由意志」を奪っているからなのか?
- 「自由意思」が奪われた社会で生きることは不幸なのか?
- 「不幸になる自由」とは何か?
「よくある警察小説」だと思ったら大間違いですよ
自己紹介記事
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おそらく私たちは、非常に恵まれた時代に生きているはずだ。日本においてもかなり格差が広がっているとはいえ、多くの人は、「明日死ぬかもしれない危険」や「明日食べるものがない貧困」などからは解放されているだろうし、お金を掛けずに楽しめる娯楽も溢れている。
様々な事情を抱えた、辛い境遇に置かれた人も世の中にたくさんいることは理解した上で、それでも、一昔前と比べれば、社会全体としては恵まれた環境が整備されている、と言っていいだろう。
ただ、同時に、圧倒的なつまらなさを感じている人も多いのではないかと思う。私もその一人だ。別に差し迫った問題に直面しているわけではないし、趣味もないではない。友人も多くはないがいるし、コロナウイルスが収束すればそれなりに人間関係も復活していくだろう。客観的に見れば、平均的か平均よりちょっと下にいる、まあどこにでもいるような平凡な人間だ。
自分が感じるつまらなさは、自分が平凡なせいだろうか、と考えることも当然ある。自分にもっと何か才能がある、あるいは、才能はなくても何かにのめり込む、みたいなことでもあれば、つまらなさは解消されるだろうか、と。
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しかし、本当にそうだろうか?
我々は「自由意志を奪われた世界」に生きている
でもね、真行寺さん、自由なんてものはもうないと僕は思ってるんですよ。自由を守るって言うけれど、自由はどこかに行って消えちゃったんです。GoogleやFacebookやTwitterやクレジットカードやメールやカーナビでネットにつながれ、科学のメスで切り刻まれ、僕らはもう情報のレベルにまで解体されちゃってる
あぁ、なるほど、確かにその通りかもしれない、と感じる。
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「自由に生きる」という言葉に対して、どういうイメージを持つだろうか?様々なイメージがあるだろうが、非常に大雑把に言えば、「やりたいことがやれる」ということになるだろう(私は、「やりたくないことをやらなくて済む」ことの方により強く自由を感じるが、一旦その話は脇に置こう)。
しかしでは、その「やりたいこと」に、私たちはどのようにたどり着いているだろうか。そう考えた時、感じるだろう。私たちは結局、GoogleやFacebookやTwitterなどを通じて、自分の「やりたいこと」にアクセスしているのだ、と。
もちろん、そうではないケースは容易に想定できる。特に子供時代はそうだろう。親からさせられていた習い事から興味を持ったとか、学校の教科書を読んで文豪の作品に興味を持つなんてこともあるはずだ。しかし大人になってインターネットへのアクセスが当たり前になればなるほど、そういう機会は減っていく。
インターネットを通じて「やりたいこと」にアクセスして何が悪いのかと思うだろう。いや、悪いと言いたいわけではまったくない。全然悪くはない。しかし果たして、その選択に「自由意志」が介在していると言えるのか、という問題を提起したいだけだ。
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Googleの検索窓に打ち込んだキーワードは収集されている。そしてそれによって、「あなたはきっとこんなことに興味がおありでしょうね?」と広告が表示される。あるいは、SNSが発達したことによって私たちは、「誰かに見せるための自分」を当たり前に生きるようになっていく。
さて、これらの行動は果たして、「自由意志」によるものだと言えるだろうか?
ジャンクフードを食って、満員電車で通勤し、広告に踊らされ、予算と売上を気に病み、テレビのバラエティ番組が語る薄っぺらい道徳になんの考えもなしに怒ったりうなずいたりしながら、次の休暇の旅行を楽しみに生きている会社員って、家畜じゃないんですか
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そして結局のところ、「自由意志」が社会から失われてしまったことが、私たちが否応なしに感じる「閉塞感」と関係しているのではないか、と思うのだ。もちろん、インターネットが世界を席巻する以前だって閉塞感を抱く人はいただろうし、テレビや様々な広告が人々の生活を左右させてきたことだろう。しかし、そういう時代と今とでは、何かが決定的に違うように感じてしまう。
以前であれば、テレビや広告に「踊らされている」という視点を持つことは、そこまで難しくなかったのではないかと思う。これは、「自分が檻の中にいることを自覚できて、その檻の外に自らの意思で出ることができる」ということであり、ここに私は「自由意志」を感じる。
しかし今の時代は、「自分が檻の中にいることも自覚できない」し、だからこそ「自分の意思で檻の外に出られもしない」という世の中ではないかと感じるのだ。これは決定的に違う社会だと言えるだろう。
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「『自由意志』を手放すべきではない」と断言できるのか?
ここまでで、私たちが否応なしに感じてしまう「閉塞感」そのものと、その正体が「自由意志の喪失」であることについて触れた。しかし、こう感じる人もいるはずだ。
「閉塞感はともかくとして、自由意志を失った社会に生きることって不幸なわけ?」
やさしく管理された畜舎で餌を与えられ、惰眠を貪りながら家畜として生きることが、過酷な自然環境の中で餌を求めてさすらいながら生きる人より不幸だってどうして言えるんです
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なるほどな、と思う。確かに、この問いに答えることは難しい。特に、デジタルネイティブと呼ばれる、生まれながらにしてインターネットが当たり前に存在していた世代には、「不幸だ」なんて感覚はないかもしれない(私は1983年生まれで、子供の頃は携帯電話もまだそこまで広く普及していなかったという世代の人間である)。
確かに、「自由」を追求することは、危険や過酷さも伴う。本当の意味で「やりたいことをやる」を実現するためには、茨の道を進まなければならないことも多いだろう。それよりは、ある程度管理された環境の中で、ほどよく「やりたいことをやる」という人生の方に惹かれる人は当然いるだろうし、確かに私自身の中にもそれに同意したくなる気持ちはある。
もう自由なんてものはない。それでも自由って言葉だけは残っていて、真行寺さんみたいな人がそこにロマンを感じて、自由を守るんだって言う。言うとなんだか自由になった気持ちがするだけなんです
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なんとなく「自由」という言葉には甘い響きがあって、私も確かにそれがあると思うだけで少し浮き立つような気分になる。しかし、社会にはもはや「自由」なんて存在しないんだ、と諦めてしまう方が、本質的な意味で「自由」に近づける可能性があるのではないか。少なくとも今の社会はそう変化してしまっているのではないか。そんな風にも感じさせられる。
「不幸になる自由を手放すな」という実に印象的なセリフ
しかし本書には、非常に印象的な次のセリフが登場する。
不幸になる自由を手放すなって
私は、この言葉を支持したいと強く感じた。
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どういう意味かなんとなく分かるだろうか? この説明のために、以前何かの本で読んだ、あるチェスプレイヤーの話をしようと思う。
その人物は非常に強いチェスプレイヤーだったのだが、どんな相手とも「ハンデ戦」しか行わなかったという。チェスの場合のハンデの付け方を詳しく知らないが、将棋と同じであれば、強い側がいくつか駒を落として(使わずに)対局する、ということだ。
このチェスプレイヤーは何故「ハンデ戦」しかしなかったのか。そこにはこんな理由がある。ハンデを相手に与えて勝てば、もちろんそれは凄いことだ。一方、ハンデを相手に与えて負けた場合はどうか。この場合、「ハンデがあったから負けたんだ。ハンデ無しだったらたぶん負けてないよ」と言い張れる。勝っても負けてもこのチェスプレイヤーの面目は保たれる、というわけである。
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この状況はまさに、「不幸になる自由を手放している例」と言えるだろう。チェスの対局そのものの勝ち負けは決まるのだが、自分の面目が立たなくなるという状況には決してならないからだ。
つまり、「不幸になる自由を手放すこと」を理解するためには、このチェスプレイヤーの行為をどう感じるかを考えればいいということになる。
どうだろうか? 私自身は、このチェスプレイヤーのようなやり方はしたくない、と思う。ちょっとダサいなと感じるし、正しくない気がしてしまう。同じような感覚を持つ人は割といるのではないかと思う。
「自由意志」が甘やかに奪われた世界では、不幸になる可能性は低いと言っていい。それは悪いことではないように思えるが、しかし上述した通り、「不幸になる自由」を手放しているということにもなる。
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果たしてそれでいいのだろうか?
という問いかけまでで、この本書も記事も終わらざるを得ない。私たちが直面している現実はまだまだ歴史が浅いし、変動的でもある。
変化の渦中にいる我々が、この総体の掴めないあやふやな状況を客観的に捉え、さらにそこから脱するための道標を見つけ出すことは非常に難しい。我々はきっと、長い年月が経ってから、過去を振り返った時に、あの時ああしていれば良かったと気づくのだろう。
しかし、そういう問いかけを常に自分の内側に抱えながら生きていくことは非常に重要だと感じる。私たちの世代は今まさに囚われている檻の外には出られないのだとしても、檻の外のことを志向し続けなければ未来へと繋がっていかないと思うからだ。
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榎本憲男『巡査長 真行寺弘道』の内容紹介
真行寺弘道は、警視庁捜査一課という、殺人事件などを扱う花形の部署にいる。しかし、53歳にして一番下の巡査長という階級に留まっている、非常に特異な存在だ。捜査一課にいるのだから能力が低いわけではない。彼には彼の信念があり、敢えて巡査長のままでいるのだ。
真行寺は先日、奇妙な事件に関わることとなった。それは、事件と呼んでいいのかもよく分からないものだ。ある老人ホームで<お孫さん>という介護ロボットを導入した。そのロボットが突然老人たちを罵倒するような言葉を発するようになり、その暴言に驚いた高齢女性がショック死してしまったのだ。殺人事件の可能性も捨てきれないということで捜査が始まるのだが、IT方面の知識がかなり必要な案件でなかなか進まない。
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真行寺の趣味はオーディオであり、休日に真空管を買おうと秋葉原に行くと、店頭で気になる若者に出会った。彼は若いながらもアンプを自作し、それでデジタルの音楽を聞くというのだ。話がはずみ、黒木と名乗った男の家まで行くことになった。そこで黒木が、自分はハッカーだと名乗ったので、真行寺は刑事であることは伏せ、推理小説を書いているという体で、老人ホームの事件の相談に乗ってもらうことにした。
その捜査が一段落した頃、新たな事件が発生する。尾関という議員がホテルで変死したのだ。デリヘルの女が部屋にいたことが分かり、毒物も発見されたため、殺人事件として捜査が始まるのだが、真行寺はこの事件に、ただの殺人事件ではない壮大な構図を感じるようになり……。
榎本憲男『巡査長 真行寺弘道』の感想
非常に面白い作品なのだが、一つだけ先に注意をしておくと、本書を「よくある警察小説」だと思って読まない方がいい。
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それなりにたくさん本を読んできて、警察小説ももちろん読んでいるが、いわゆる「警察小説のセオリー」的なものはほとんど無視している。「足で稼いで捜査」とか「証拠を積み上げて犯人を追い詰める」といった作品ではまったくない。なんなら、黒木というハッカーと組んで、違法な捜査をバリバリ繰り返す、相当な異色作だと言っていい。
ある意味で本書は、警察小説の姿を借りた思想小説のようなものだと言っていいかもしれない。「思想」という言葉を使ったが、別に難解なわけではない。作品としては、エンタメの範疇にきちんと収まっている。
しかし、取り上げられるテーマや、ここでは触れられないが作品の核となる「巨大なもの」も含め、「私たちが生きている現実社会を活写しながら、その背景的な部分に思考で踏み込んでいく」というような内容なのだ。よくある警察小説を求めて読むと失敗するだろうが、知的興奮に満ちた非常に面白い作品だ。
本書では「巨大なもの」が描かれるのだが、実際は描かれない。変な表現だが、その通りなのだ。本書では、真行寺と黒木が様々な行動を取ることで、「巨大なもの」の存在が示唆される。そして、おそらくそれは実在するだろう、というところまで話は展開する。
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ここまでくれば、普通の物語であれば、「じゃあその『巨大なもの』とどう闘うか?」という話になるだろう。しかし、本書はそういう展開にならない。ならない代わりに、「私たちには自由意志なんてもうないんだ」「でも、不幸になる自由を手放すべきではないだろう」というような、二人の哲学的なやり取りが展開されていく。
「巨大なもの」は、あまりにも巨大すぎて、闘って対処できるような対象ではない。それはきっと、誰でも理解できると思う。そして本書では、「そういうものとは闘わない」という、物語としてのセオリーさえも無視して、思想のやり取りが繰り広げられるのだ。なかなかこんな警察小説は存在しないだろう。
この作品で示唆される「巨大なもの」に対して、私自身は直感的には大反対だ。しかし、残念ながら、代案は浮かばない。究極の二者択一を迫られた場合に、しぶしぶ一方を選ぶというような消極さで、私はこの「巨大なもの」を受け入れるしかないのだろうと感じている。
私たちがどんな未来を生きることになるのか、について思い巡らす上でも、この作品は一つの方向性を示すことになるのではないかと思う。
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最後に
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【激変】天才・藤井聡太と将棋界について加藤一二三、渡辺明が語る。AIがもたらした変化の是非は?:『…
『天才の考え方 藤井聡太とは何者か?』は、加藤一二三・渡辺明という棋界トップランナー2人が「将棋」をテーマに縦横無尽に語り合う対談本。この記事では、「AIがもたらした変化」について触れる。「答えを教えてくれるAI」は、将棋を、そして棋士をどう変えたのか?
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【特異】「カメラの存在」というドキュメンタリーの大前提を覆す映画『GUNDA/グンダ』の斬新さ
映画『GUNDA/グンダ』は、「カメラの存在」「撮影者の意図」を介在させずにドキュメンタリーとして成立させた、非常に異端的な作品だと私は感じた。ドキュメンタリーの「デュシャンの『泉』」と呼んでもいいのではないか。「家畜」を被写体に据えたという点も非常に絶妙
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「ヤクの毛」を使ったファッションブランド「SHOKAY」を立ち上げ、チベットの遊牧民と中国・崇明島に住む女性の貧困問題を解決した2人の若き社会起業家の奮闘を描く『世界を変えるオシゴト』は、「仕事の意義」や「『お金』だけではない人生の豊かさ」について考えさせてくれる
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映画『ONODA 一万夜を越えて』を観るまで、小野田寛郎という人間に対して違和感を覚えていた。「戦争は終わっていない」という現実を生き続けたことが不自然に思えたのだ。しかし映画を観て、彼の生き方・決断は、私たちと大きく変わりはしないと実感できた
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【衝撃】権力の濫用、政治腐敗を描く映画『コレクティブ』は他人事じゃない。「国家の嘘」を監視せよ
火災で一命を取り留め入院していた患者が次々に死亡した原因が「表示の10倍に薄められた消毒液」だと暴き、国家の腐敗を追及した『ガゼタ』誌の奮闘を描く映画『コレクティブ 国家の嘘』は、「権力の監視」が機能しなくなった国家の成れの果てが映し出される衝撃作だ
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「どこにでもいる普通の女性」が「横領」に手を染める映画『紙の月』は、「日常の積み重ねが非日常に接続している」ことを否応なしに実感させる。「主人公の女性は自分とは違う」と考えたい観客の「祈り」は通じない。「梅澤梨花の物語」は「私たちの物語」でもあるのだ
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戦後の沖縄で、魚売りのおばぁが起こした「サンマ裁判」は、様々な人が絡む大きな流れを生み出し、最終的に沖縄返還のきっかけともなった。そんな「サンマ裁判」を描く映画『サンマデモクラシー』から、民主主義のあり方と、今も沖縄に残り続ける問題について考える
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【感想】映画『野火』は、戦争の”虚しさ”をリアルに映し出す、後世に受け継がれるべき作品だ
「戦争の悲惨さ」は様々な形で描かれ、受け継がれてきたが、「戦争の虚しさ」を知る機会はなかなかない。映画『野火』は、第二次世界大戦中のフィリピンを舞台に、「敵が存在しない戦場で”人間の形”を保つ困難さ」を描き出す、「虚しさ」だけで構成された作品だ
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Chim↑Pomというアーティストについてさして詳しいことを知らずに観に行った、森美術館の「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」に、思考をドバドバと刺激されまくったので、Chim↑Pomが特集された「美術手帖」も慌てて買い、Chim↑Pomについてメッチャ考えてみた
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【異端】「仏教とは?」を簡単に知りたい方へ。ブッダは「異性と目も合わせないニートになれ」と主張し…
我々が馴染み深い「仏教」は「大乗仏教」であり、創始者ゴータマ・ブッダの主張が詰まった「小乗仏教」とは似て非なるものだそうだ。『講義ライブ だから仏教は面白い!』では、そんな「小乗仏教」の主張を「異性と目も合わせないニートになれ」とシンプルに要約して説明する
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どんな理由があれ、法を犯した者は罰せられるべきだと思っている。しかしそれは、善悪の判断とは関係ない。映画『万引き家族』(是枝裕和監督)から、「国民の気分」によって「善悪」が決まる社会の是非と、「善悪の判断を保留する勇気」を持つ生き方について考える
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たった30年前の韓国で、これほど恐ろしい出来事が起こっていたとは。「正義の実現」のために苛烈な「スパイ狩り」を行う秘密警察の横暴をきっかけに民主化運動が激化し、独裁政権が打倒された史実を描く『1987、ある闘いの真実』から、「正義」について考える
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【誤解】世界的大ベストセラー『ファクトフルネス』の要約。我々は「嘘の情報」を信じ込みやすい
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『衆議院議員・小川淳也が小選挙区で平井卓也と争う選挙戦を捉えた映画『香川1区』は、政治家とは思えない「誠実さ」を放つ”異端の議員”が、理想とする民主主義の実現のために徒手空拳で闘う様を描く。選挙のドキュメンタリー映画でこれほど号泣するとは自分でも信じられない
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「朝三暮四」の故事成語を意識した「サル化」というキーワードは、現代性を映し出す「愚かさ」を象徴していると思う。内田樹『サル化する世界』から、日本の教育・政治の現状及び問題点をシンプルに把握し、現代社会を捉えるための新しい視点や価値観を学ぶ
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【人生】「資本主義の限界を埋める存在としての『贈与論』」から「不合理」に気づくための生き方を知る…
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【権利】衝撃のドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』は、「異質さを排除する社会」と「生きる権利」を問う
「ヤクザ」が排除された現在でも、「ヤクザが担ってきた機能」が不要になるわけじゃない。ではそれを、公権力が代替するのだろうか?実際の組事務所(東組清勇会)にカメラを持ち込むドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』が映し出す川口和秀・松山尚人・河野裕之の姿から、「基本的人権」のあり方について考えさせられた
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西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』は、決して「お金」の話だけではありません。「自分が望む生き方」を実現するための「闘い方」を伝授してくれると同時に、「しなくていい失敗を回避する考え方」も提示してくれます。学校や家庭ではなかなか学べない人生訓
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【限界】「科学とは何か?」を知るためのおすすめ本。科学が苦手な人こそ読んでほしい易しい1冊:『哲学…
「科学的に正しい」という言葉は、一体何を意味しているのだろう?科学者が「絶対に正しい」とか「100%間違っている」という言い方をしないのは何故だろう?飲茶『哲学的な何か、あと科学とか』から、「科学とはどんな営みなのか?」について考える
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我々は決断や選択を「自分の意思」で行っていると感じるが、脳科学の研究はそれを否定している。我々に「自由意志」などない。「脳」の大部分は「意識以外のもの」に支配され、そこに「意識」はアクセスできないという驚愕の実態を『あなたの知らない脳』から学ぶ
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私個人は、「ビジョンの達成」のためなら「ソフトな独裁」を許容する。しかし今の日本は、そもそも「ビジョン」などなく、「ソフトな独裁状態」だけが続いていると感じた。映画『新聞記者』をベースに、私たちがどれだけ絶望的な国に生きているのかを理解する
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【解説】「小説のお約束」を悉く無視する『鳩の撃退法』を読む者は、「読者の椅子」を下りるしかない
佐藤正午『鳩の撃退法』は、小説家である主人公・津田が、”事実”をベースに、起こったかどうか分からない事柄を作家的想像力で埋める物語であり、「小説のお約束を逸脱しています」というアナウンスが作品内部から発せられるが故に、読者は「読者の椅子」を下りざるを得ない
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小説家の想像力は無限だ。まさか、「人類はいかに言語を獲得したか?」という仮説を小説で読めるとは。『Ank: a mirroring ape』をベースに、コミュニケーションに拠らない言語獲得の過程と、「ヒト」が「ホモ・サピエンス」しか存在しない理由を知る
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「半世紀で最悪の野球チーム」と呼ばれたアストロズは、ビッグデータの分析によって優勝を果たす。その偉業は、野球のド素人によって行われた。『アストロボール』をベースに、「ビッグデータ」に「人間の直感」を組み込むという革命について学ぶ
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不安・絶望・虚しい【本・映画の感想】 | ルシルナ
将来が不安だったり、目の前の現実に絶望したり、自分の置かれた状況に虚しさを感じてしまうことがあるでしょう。私も、気分が落ち込んで眠れないと感じたり、色んなことを…
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