目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
この映画をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 私はある番組の中でマツコ・デラックスが言及するまで彼女の存在を知らず、どうして今ではあまり語られないのかがとても不思議に感じられる
- メイクや髪型などのセルフプロデュースに関する様々な裏話
- 「山口小夜子」をアップデートし続けた人生と、「表現」に魅了され続けた生涯
モデルの松島花を迎えて行われた「山口小夜子再現プロジェクト」も実に印象的だった
自己紹介記事
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どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
記事中の引用は、映画館で取ったメモを参考にしているので、正確なものではありません
日本人初のパリコレトップモデル山口小夜子は何が凄かったのか?映画『氷の花火 山口小夜子』が迫るその素顔
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なにせ、日本人初のパリコレトップモデルである。1960年代に活躍した人だ。彼女以前にも「日本人パリコレモデル」は存在したようだが、山口小夜子の存在感は圧倒的だったのだと思う。その後のモデルたちが辿る道を切り開いた人物だと言っていいだろう。
そしてだからこそ私は、山口小夜子の名前をあまり耳にすることがない現状に驚かされてしまう。私は先程も書いた通り、本作『氷の花火 山口小夜子』を観る以前には、マツコ・デラックスが語っていたことぐらいしか彼女について知らなかった。しかし映画を観て、その凄さが多少は実感できたつもりだ。そしてだからこそ、「今でも、世間で広く名前が知られる人物であってもおかしくない」という感覚を抱かされたのである。
もちろん私が知らないだけで、山口小夜子の名前は今もあちこちで飛び交っているのかもしれない。ただ、「私のようなファッションに無知な人間」にも広く知られていてもおかしくないようにも思えるのだ。これは単に、私の過大評価に過ぎないのだろうか? 確かに、本作によれば「晩年は『アングラな芸術活動』をメインに行っていた」そうで、そのため「メディアが触れにくい存在」になってしまっていた可能性もあるのかもしれない。
一方、本作に出演しているフォトグラファーの下村一喜は、ある時期の山口小夜子について、「ファッション界は彼女を蔑ろにしていたように思う」みたいな発言をしていた。彼がどのような状況を指してそんな発言をしたのかはっきりとは分からなかったが、「その偉大な功績とは裏腹に、『もう終わった人』みたいな扱いを受けていた」みたいなことなのかもしれない。ちなみにこの下村一喜は『マツコ会議』にも出演していたし、その時にもマツコ・デラックスと山口小夜子の話をしていた記憶がある。
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いずれにしても、その圧倒的な存在感により一時代を築いたことは確かだろうし、仮に世間に広く知られていないとしても、彼女のDNAのようなものは、今も多くのモデルに引き継がれているのではないかと思う。
本作の設定と、山口小夜子の凄まじい評価
本作の監督である松本貴子は、駆け出しディレクターの頃に山口小夜子の取材を担当したことがあるのだそうだ。そしてそれがきっかけで、個人的にも関わりを持つようになっていった。本作は、そんな松本貴子が、2007年に亡くなってから7年間未開封だった山口小夜子の遺品を開ける場面から始まる。遺品は、山口小夜子を大切に思う人たちによって大事に管理されていたのだが、松本貴子が無理を承知で「遺品に深呼吸させてあげたいんです」とお願いし実現したのだという。
遺品の開封は、山口小夜子の母校・杉野学園で、彼女の後輩に当たる生徒たちの手を借りて行われた。そしてそこから、個々の遺品にゆかりのある人物を訪ねインタビューを行うことで、「様々な人の記憶の中にある『山口小夜子』」を引っ張り出そうとするのが本作である。
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私がとても驚かされたのは、山口小夜子がかなり若くして世界に認められたということだ。覚えている限りでは、確か19歳の時にモデル事務所に所属、その後ザンドラ・ローズというデザイナーに認められ彼女のショーに出るようになった。そして1973年、23歳で資生堂と専属契約を結んだ時にはもう、世界のトップモデルになっていたというのだ。
当時、日本人はおろかアジア人のモデルが欧米のランウェイを歩くことさえほとんどなかった時代である。当然、アジア人に対する差別的な見方もあったはずだ。そんな中、モデルを始めてたった数年で世界のトップに立っていたというのである。
作中では、山本寛斎が当時のことについて語っていた。山口小夜子はパリコレに出れば、15ぐらいのオファーが集まったそうだ。これは当時としては最高レベルのオファー数だったという。さらに、当時コレクションの最後はウエディングドレスと決まっていたのだが、ほとんどのコレクションで山口小夜子がウエディングドレスを着たのだそうだ。一度のショーで30~40名のモデルが出演するのだが、当然、ウエディングドレスを着られるのは1人だけ。その栄誉を、あらゆるコレクションで山口小夜子がかっさらっていったというのである。「アジア人モデル」としてではなく、「モデル」として凄まじく評価されていたというわけだ。1973年には、ニューズウィーク誌が「世界の4人のトップモデル」に山口小夜子を選出している。
とにかく、凄まじい評価だったというわけだ。
山口小夜子の「セルフプロデュース能力」
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山口小夜子と言えば恐らく、多くの人が「切れ長の目」をイメージするのではないかと思う。ネットで検索してみても、切れ長の目が印象的な姿ばかりが出てくる。しかし、作中で多くの人が話していて印象的だったのだが、「山口小夜子の目は、大きくて丸かった」というのだ。先述した下村一喜は、後に憧れの山口小夜子を撮影する機会に恵まれたそうだが、彼はこんな風に語っていた。
「これから撮ります」となるとスッと目を細めるんです。自分でクリエイションしていたんですね。
資生堂に所属していたメイクアップアーティストと共に作り上げたという「小夜子メイク」もまた、切れ長の目を強調するものであり、彼女は生涯そのスタイルを貫いたのである。
また、山口小夜子と言えば「おかっぱ」も印象的だが、これについても、山口小夜子の同級生がこんな話を披露していた。彼女は山口小夜子と共にモデルにスカウトされ、揃って雑誌の撮影を経験したことがあるという。実質的にはこれが、山口小夜子のモデルとしての初めての活動と言えるが、校則が厳しかったこともあり、その後一度モデルを辞めている。それはともかく、何にせよその同級生は、「山口小夜子が初めてモデルとしてカメラの前に立った時に一緒にいた」というわけだ。
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そして彼女は、「その時に初めておかっぱ姿を目にした」と話していた。それまで長く一緒にいたが、おかっぱ頭を目にしたことなどなかったというのである。つまり髪型についても早くからセルフプロデュースを行い、そのスタイルを最後まで貫いたというわけだ。
身長は170cm弱と、モデルとしては決して背が高い方ではなかったが、作中では多くの人が、「どんな服でも着こなす」「欧米人のモデルと並んでも背が高く見えた」と語っていた。実際の身長を補って余りある何かがあったということなのだろう。また休みの日に映画などを大量に観てもいたという。「歩き方や立ち居振る舞いなど、様々なインスピレーションを創作物から得ていたのだろう」とある人物が語っていた。
作中では、山口小夜子がかつて受けたインタビュー映像もいくつか使われているのだが、その中で彼女がこんな風に話している場面がある。
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自分を空にする、自我を捨てると、服が自然とどこかへ連れて行ってくれるんです。こう動けばいい、ああしたらいいと、服が教えてくれる。
これがモデルとしてのベースとなるスタンスなのだろうし、「自我を捨てたからこそトップモデルになれた」みたいな言い方も出来るのかもしれない。また彼女は、杉野学園で洋裁を習っていたこともあり、「自らモノ作りに携わりたい」というタイプの人でもあったそうだ。そのため、デザイナーに対して様々なアイデアを出したりもしていたという。着る服にこだわり、着てしまえば服に委ねる。そんなスタンスが彼女を高みへと連れて行ったのだろうと思う。
山口小夜子はまた、「身体」に対する興味を強く持っていたそうだ。そのため次第に、舞踏や演劇などの「身体を使う芸術」の方面へと軸足を移していくことになる。
この点に関しても、山本寛斎が自身の経験を話していた。彼は山口小夜子と20年間も共に歩んできたのだそうだ。しかしある時喧嘩みたいな状況になり、その際、「お前がやろうとしている世界は、今まで僕とやっていたこととは真逆だから、洗脳されるなよ」と言ったという。この「お前がやろうとしている世界」というのが舞踏・演劇などを指しており、「これがほぼ別れの言葉みたいになった」と話していた。
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しかし、しばらくしてから山口小夜子の身体表現を目にする機会があり、「こんなレベルに達していたのか」と驚愕したのだそうだ。やはり「努力の人」なのだろう。本作中では、「メーキャップの革命児」と紹介されたモロッコ在住のセルジュ・ルタンスもまた、山口小夜子の凄まじい表現力を絶賛していた。その身体性によって、否応なしに多くの人を惹き付けてしまう存在だったのだろう。
「山口小夜子」をアップデートし続けた人生、そして「山口小夜子」を再現するプロジェクト
映画を観ながら私は、山口小夜子の見た目が若い頃からほぼ変わらないことに驚いていた。本作では、45歳のときにパリコレに復帰した際の映像も流れたが、私には20代の頃とほとんど変わらないように見えたのである。髪型やメイクを「世間がイメージする山口小夜子像」に統一しているからという理由もあるだろうが、当然、努力によって若さを維持してもいたはずだ。
さて、「世間がイメージする山口小夜子」に関して、映画に登場したある舞踏家が興味深い話をしていた。山口小夜子は時々、自分の話をする際に「小夜子さんはね」という言い方をしていたというのだ。これについてその舞踏家は、「『世間がイメージする山口小夜子』と『私』は別の存在であり、『私』は『世間がイメージする山口小夜子』を壊さずに維持していくことが努めである」という意識を常に持っていたのだろう、みたいに話していた。そして、そのような気持ちは持ちつつも、「身体表現を行いたい」という自らの欲求を抑え込むことはせず、「世間がイメージする山口小夜子」から離れることになろうとも、「舞踏・演劇」や「斬新な朗読劇」などに注力するようになっていったというわけだ。
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彼女は「自分の琴線に触れた人と何かやりたい」という感覚が強かったようで、有名無名に拘らず、「ピンと来た人」にコラボレーションを持ちかけては、様々な「表現」に携わっていた。彼女が惹かれる存在の多くが、いわゆる「アングラ」と呼ばれる場所にいた人たちであり、それもあって特に晩年は、世間の中心的なところから外れていくような生き方になっていったのだと思う。
作中に登場するある人物が、意外な場所で山口小夜子と遭遇して驚いたという話をしていた。横浜かどこかにあったとても小さな劇場でやっていたアングラな演劇を観に来ていたというのだ。その人物曰く、演劇自体はとてもつまらなかったそうなのだが、それはともかく、あらゆるとこから自分の「表現」に繋がる何かを得ようとしていた山口小夜子の姿は実に印象的だったそうだ。
映画のラストでは、「永遠の小夜子プロジェクト」と銘打たれた「有志による撮影会」の様子が映し出された。もちろん、山口小夜子は既に亡くなっているので、彼女を撮影することなど出来ない。そこで、モデルの松島花にオファーし、「小夜子メイク」を共に作り上げた資生堂のメイクアップアーティスト、資生堂のポスターを観て山口小夜子のファンになったデザイナーの丸山敬太、そしてフォトグラファーの下村一喜が協力して、「生前の山口小夜子を再現する」というプロジェクトに取り組んだのである。
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松島花は山口小夜子と面識はないと話していたが、メイクや洋服で山口小夜子に近づけた彼女の姿に、現場にいた者たちからは思わず歓声が上がり、中には涙する者もいた。確かに素人目に観ても、まるで目の前に山口小夜子がいるかのような完成度だったと思う。
とにかく、山口小夜子がまだ深く愛されていることが伝わる、とても印象深い映画だった。
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最後に
映画の最後で、松本貴子がかつて山口小夜子から聞いたという言葉が紹介されていた。
美しいことは、苦しいこと。
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山口小夜子がこの言葉にどんな意味を込めていたのか、それは分からない。しかし、インタビューの中で「モデルの仕事は孤独なんです」と語っていた通り、様々な点で苦労の多い人生だったのだろうと思う。「今なお多くの謎に包まれている」と評されるそんな彼女の人生の一端が本作からは垣間見える感じがあり、私のように特段ファッションに興味のない人間でも楽しめる作品だった。
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「マルタン・マルジェラ」というデザイナーもそのブランドのことも私は知らなかったが、そんなファッション音痴でも興味深く観ることができた映画『マルジェラが語る”マルタン・マルジェラ”』は、生涯顔出しせずにトップに上り詰めた天才の来歴と現在地が語られる
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「福島中央テレビ開局50周年記念作品」である映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は、福島県に実在した映画館「朝日座」を舞台に、住民が抱く「希望(幻想)」が描かれる。震災・コロナによってありとあらゆるものが失われていく世の中で、私たちはどう生きるべきか
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現代では当たり前の「電子音楽」。その黎明期には、既存の音楽界から排除されていた女性が多く活躍した。1978年、パリに住む1人の女性が「電子音楽」の革命の扉をまさに開こうとしている、その1日を追う映画『ショック・ド・フューチャー』が描き出す「創作の熱狂」
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「無声映画」から始まった映画業界で、音楽の重要性はいかに認識されたのか?『JAWS』の印象的な音楽を生み出した天才は、映画音楽に何をもたらしたのか?様々な映画の実際の映像を組み込みながら、「映画音楽」の世界を深堀りする映画『すばらしき映画音楽たち』で、異才たちの「創作」に触れる
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私は学生時代ずっと国語の授業が嫌いでしたが、それは「作品の解釈には正解がある」という決めつけが受け入れ難かったからです。しかし、詩人・渡邊十絲子の『今を生きるための現代詩』を読んで、詩に限らずどんな作品も、「解釈など不要」「理解できなければ分からないままでいい」と思えるようになりました
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世界的文学者であり、「紙の本」を偏愛するウンベルト・エーコが語る、「忘却という機能があるから書物に価値がある」という主張は実にスリリングだ。『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』での対談から、「忘却しない電子データ」のデメリットと「本」の可能性を知る
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「独学の達人」「博覧強記の読書家」などと評される読書猿氏が、古今東西さまざまな「発想法」を1冊にまとめた『アイデア大全』は、ただのHow To本ではない。「発想法」を学問として捉え、誕生した経緯やその背景なども深堀りする、「人文書」としての一面も持つ作品だ
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【創作】クリエイターになりたい人は必読。ジブリに見習い入社した川上量生が語るコンテンツの本質:『…
ドワンゴの会長職に就きながら、ジブリに「見習い」として入社した川上量生が、様々なクリエイターの仕事に触れ、色んな質問をぶつけることで、「コンテンツとは何か」を考える『コンテンツの秘密』から、「創作」という営みの本質や、「クリエイター」の理屈を学ぶ
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【あらすじ】天才とは「分かりやすい才能」ではない。前進するのに躊躇する暗闇で直進できる勇気のこと…
ピアノのコンクールを舞台に描く『蜜蜂と遠雷』は、「天才とは何か?」と問いかける。既存の「枠組み」をいとも簡単に越えていく者こそが「天才」だと私は思うが、「枠組み」を安易に設定することの是非についても刃を突きつける作品だ。小説と映画の感想を一緒に書く
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広大な本の世界を狩人のように渉猟し、お気に入りの本を異常なまでに偏愛する者たちを描き出す映画『ブックセラーズ』。実在の稀少本コレクターたちが、本への愛を語り、新たな価値を見出し、次世代を教育し、インターネットの脅威にどう立ち向かっているのかを知る
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男性以上に危険で高度な技術を要するのに、男性優位な映画業界で低く評価されたままの女性スタントたちを描く映画『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』。女性スタントの圧倒的な努力・技術と、その奮闘の歴史を知る。
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自由に生きられず、どうしたらいいのか悩む人も多くいるでしょう。『自由をつくる 自在に生きる』では、「自由」のためには「支配に気づくこと」が何より大事であり、さらに「自由」とは「不自由なもの」だと説きます。どう生きるかを考える指針となる一冊。
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大前提として、表現には「技術」が必要だ。しかし、「技術」だけでは乗り越えられない部分も当然ある。それを「あいつはセンスが良いから」という言葉に逃げずに、向き合ってぶつかっていくための心得とは何か。『作詞少女』をベースに「表現することの本質」を探る
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子どもの頃は、自分が何かの才能やセンスに恵まれていることを期待していましたが、残念ながら天才ではありませんでした。昔はやはり、凄い人に嫉妬したり、誰かと比べて苦…
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