目次
はじめに
著:田中修治
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この記事で伝えたいこと
「メガネ屋が売っているものはメガネではない」という気づきと、やる気のある人間の動かし方
この小説が、実話を基にしているなんて、とてもじゃないけど信じられません……
この記事の3つの要点
- どれだけ経営が厳しくても給料は守る
- 真っ当ではない商売は先陣を切って止める
- 自分がしている仕事はどんな価値を届けているのだろうか?
他人事として読んでる分には楽しいけれど、これ、渦中にいたら、超絶大変だっただろうなぁ……
この記事で取り上げる本
「破天荒フェニックス」(田中修治/幻冬舎)
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田中修治『破天荒フェニックス』は壮絶に面白い小説だった!メガネチェーン「オンデーズ」の実話を元にした破天荒すぎる経営物語
「こんな経営者の下でなら頑張れる」と思わせてくれるオンデーズ社長・田中修治
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本の内容には後で触れますが、「ページをめくる手が止まらない」がまったく比喩ではないほど一気読みさせられた作品です。
それは、「これが本当に事実なの?」と疑いたくなるようなドラマティックな展開によるものなのですが、それだけではなく、本書の主人公である田中修治(「オンデーズ」というメガネファストファッションブランドの社長)が徹底的に従業員を大切にする経営をしたからでもあります。
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田中修治は最初、従業員からの印象が最悪だった
田中修治は、「オンデーズ」を買収し経営者となるのですが、最初から期待されていたわけではありませんでした。というか、メチャクチャ信頼されていませんでした。
社長が最初、オンデーズにやってきた時、正直、私たちみんな終わったって思ったんですよ。ああ、もうウチの会社はダメなんだなぁって。他の仕事探さなきゃなぁって……
この「……」の後には実に良い言葉が続くんですが、とにかく従業員の誰も期待していませんでした。まあそれは仕方ないと言えるかもしれません。「オンデーズ」を買収した当時、田中修治は30歳。茶髪に破れたジーンズを履く、小さなデザイン企画会社の若手IT社長に過ぎなかったのですから。
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「終わった……」って気持ちになるのもしょうがないですよね
そんな田中修治は、従業員に賭けていた
後で触れるのですが、田中修治は “かなり危険な賭け”に手を出すような気持ちで「オンデーズ」を買収しています。また、そもそもメガネ販売の経験もない素人です。だから、従業員に頑張ってもらうしかないことは明白でした。
彼が「オンデーズ」を買収する決め手になった要素の一つとして、「オンデーズ」の店舗には活き活きと働いているスタッフがたくさんいたことを挙げています。財務状況は壊滅的な会社でしたが、人は死んでない。だからまだやれる、と判断したわけです。
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彼は社長に就任するや、「オンデーズ」の全店舗を回り、従業員と酒を飲むことを続けました。
でも従業員からは、「遊び人社長が会社の金で豪遊してる」って思われてたらしい。人望ゼロだねぇ(笑)
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とにかく会社を建て直すには、スタッフに不満を吐き出させるしかありません。まずは現場からということを徹底したのです。
どれだけ危機的状況でも、給料だけは守り抜いた
本書を読めば分かりますが、「オンデーズ」は常に金策に駆けずり回らなければならない会社でした。あと10日で1千万円必要、月末までに3億円必要、みたいな危機的状況が何度も何度も訪れます。しかしその度に「不死鳥(フェニックス)」のごとく蘇り、なんとか会社を維持していきます。その展開が凄まじくて非常にスリリングなのです。
母親が相続した財産を売却して作り出した数億円も突っ込んだらしい……
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しかし、そんな凄まじい財務状況にも限らず、給料だけは守り続けました。
コストカットの大前提に、従業員の解雇や賃金カットを置いたら絶対にダメだ。そんなことをしたら、立ち直れるものも立ち直れなくなる
(東日本大震災後の危機的状況において)とにかく取引先への支払いは、できる限り、一円でも多く待ってもらうようにお願いしよう。そしてまずは従業員の給与が最低三ヶ月は遅延なく支払える状態を確保する。オンデーズがこの危機を乗り越える為には、社員皆んなの力に頼るしかないし、こういう社会が不安定な状態でも、きちんと給与が支払われる状態を維持し続けることは、俺たち経営陣の一番大きな責任だから
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以前、百田尚樹の「海賊とよばれた男」を読んだことがあります。
著:百田尚樹
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出光興産の創業者をモデルにした小説ですが、この中でも、「どれだけ苦しくても従業員を解雇しない」と決断する場面が出てきました。
私は、会社の経営などしたことありませんが、給料や雇用を守ることは本当に大変だと思います。理想だけ口にしても、実行に移せなければ意味がありませんが、田中修治は自分や会社がどれだけ苦しくても従業員の給料だけは守り続けました。この点は「オンデーズ」の再生にとって非常に大きな要素だったと思います。
色んな事情があるだろうから「給料・雇用を守れないことが悪い」とは思わないけどね
そう、「給料・雇用を守れるところが素晴らしい」という評価をすべきだよね
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「信頼して人に任せる」というスタンスで経営を続けた
印象的だったこんな場面があります。「オンデーズ」の広告宣伝部長の職に就いていた高橋という男が、社長に直談判に来るのです。高橋は前職がバイヤーで、商品のことがやりたくて「オンデーズ」に入ってきました。そしてそんな自分の目から見て、今の商品部はまったくダメだ、在庫予測も発注管理も何もできていない、社長、私に商品部を任せてくださいよ、と訴えます。
そこで田中修治はこう反応しました。
いいよ。じゃあ今から高橋さんが商品部の部長ね。早速、仕事にとりかかって下さい。
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なかなか凄いですよね。高橋が、「幹部会にかけたりとかそういうのはいいんですか?」と聞くと、
何で? 社長の俺が、今ここで良いって言ってるんだから、良いんですよ。そんな悠長なこと言ってる時間なんてないんですから、もう今この場で部長に任命しますよ。すぐに商品部部長の名刺を作って好きに動いてください
と返します。
もちろん人に任せるばかりではありませんし、なんならスタッフの意思を押し切って無理やり自分のアイデアを実行させたりもします。しかし彼は、ほとんどの場面で人に丸投げするのです。
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「丸投げ」というのは悪い風にも聞こえるでしょうが、「どうなっても文句は言わないから好きにして」という意味での「丸投げ」なので、スタッフとしてはむしろ動きやすいでしょう。田中修治は、自分があらゆることに「素人」であることを理解しているからこそ、余計な口を出しません。
何よりも凄いのが、「オンデーズ」の会計の一切を任されている奥野良孝とのやり取りです。会計に関しても奥野氏に完全に一任している田中修治は、ある時彼に、
人に下駄を預けた以上は、滑ろうが跳ねようが文句は言わないよ
と言う場面があります。
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先程も例を挙げたように、「オンデーズ」は短期間で大金を用意しなければならない修羅場に何度も陥ります。奥野氏がほんの僅かな判断ミスをしただけで、会社は簡単に傾いてしまったことでしょう。そうなれば田中修治は、恐らく莫大な借金を背負うことになります。
しかしそれでも彼は、奥野氏にあれこれ口を出しません。やれることをやれるだけやってくれと、「丸投げ」するのです。
こういう環境でこそ実力を発揮できるという人も世の中にたくさんいるのではないかと思います。私は、「目標を設定し、目標を達成したかどうかで評価される」という仕組みが非常に苦手で、そういう環境下だと「何もしたくない……」と感じてしまいます。
私のような天の邪鬼もいるでしょうし、そうした中に非凡な才覚を発揮する人物もいるだろうなぁ、と思っています。
気分的に、「目標を達成するために働いている」って意識になっちゃって、本質的なことを見失いそうになります
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とはいえ、会計を任されていた奥野良孝は大変苦労しました
田中修治のやり方は、スタッフのやる気を大いに引き出したかもしれませんが、奥野氏だけは本当に可哀相だなと感じました。色んな場面で彼は、
さすがにきついですね……毎日会社の帰りにホームに立つと電車に飛び込みたくなる……
しかし、辛いですね……。資金繰りは本当に辛い……。毎日、胃の中に砂袋を詰められてるような感じですよ
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と感情を吐露します。本書を読む限り、奥野氏はとにかく会計のプロフェッショナルという感じがしますが、そんな彼でも、頭を抱え、絶望し、すべてを投げ捨てたくなるような、そんな状況に何度も追い込まれてしまいます。
ただし奥野氏は、田中修治と共に「オンデーズ」に関わったことを後悔していないと語ります。
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私は昔から苦労をするのが、嫌いじゃない性格なんですよ。それに時々失敗する人間の方が私は好きです。何でもソツなくこなして抜け目なく世渡りしている人間は、どうしてもイマイチ好きになれない。少しおっちょこちょいで、何を始めるのか予測不能。破天荒なくらいの方が人間らしくていいじゃないですか。味がある。だから私は社長を嫌いになれない
こんな特異で有能な人物がいたからこその成功だとも言えるでしょう。本当に田中修治は、やる気のある人間に上手く働いてもらうことに長けている人だなと感じます。
あと、「時々失敗する人間の方が好き」ってのも分かる
確かに。何事も上手くやってる人って、なんとなくどっかでズルしてる気がしちゃう(偏見)
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この「自腹を止めさせる」「他のメガネも許可」って伏線が、メッチャ良いエピソードに繋がるんだよなぁ
本書は泣きポイント多いけど、ここもうるっとくるよね
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また、「オンデーズ」に限らず当時のメガネ業界には、お客様に不誠実な「後出しジャンケン」的な販売スタイルが当然の商習慣として存在していました。メガネを売るならこのやり方は手放せない、このやり方を無くしたら売上は激減する、と感じてしまうもので、田中修治がここにメスを切り込もうとすると、特に古参スタッフが猛反対しました。
しかし、最終的に田中修治は、大きな反対を押し切って「後出しジャンケン」を止める決断をするのです。
彼が強硬な反対に屈せずに自分の意思を押し通せたのには、あるきっかけがありました。
東日本大震災の避難所でのとある経験によって視野が開けた
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東日本大震災が起こった際、田中修治は「オンデーズ」のメガネを避難所で無償配布することを決めます。そこで彼は、人生観を一変させるような経験をします。
避難所で出会ったおばあちゃんとどんなやり取りがあったのか、それは是非読んでほしいのですが、その経験から彼はこう結論します。
オンデーズがお客様に本当に売らなければいけないのは、安いメガネでもお洒落なメガネでもなく「メガネをかけて見えるようになった素晴らしい世界」だったのだ。
これは非常に重要な気づきだと言えるでしょう。彼はそれまで、自分が売っているのは「メガネ」だと思っていました。しかし避難所での経験から、自分が本当に売っているもの、売るべきものがはっきりと認識できたのです。この気づきを彼は他のスタッフにも伝え、「オンデーズ」という会社の核を明確にしていくことになります。
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会社の経営、あるいは組織の運営には、それぞれトップの思惑があるでしょう。しかし本書を読んで強く感じるのは、「結局は人だよなぁ」ということです。どんな集団であれ、その集団を構成する「人」こそが核であり、そのことをどれだけ強く認識できるかで、集団としての強さは大きく変わってくるよな、ということを改めて実感させられました。
田中修治『破天荒フェニックス』の内容紹介
ここで改めて本の内容を紹介します。
著:田中修治
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田中修治は元々、創業者の乱雑な経営のせいで破産寸前だった「オンデーズ」の売却先を探す案件に関わっていた。しかし誰も手を上げない。そこで田中修治は、自分で買うことを検討し始める。
しかし、奥野氏は猛反対する。奥野氏は、「穂積銀行」(本書では、実在する社名が少し改変されて登場する)に入社するが業界に嫌気が差し、小さな投資コンサルティング会社に転職したばかりで、田中修治の相談を受けていた。
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奥野氏の言い分は明快だった。「オンデーズ」は絶対に倒産する、と。そう、「オンデーズ」は、100人いたら100人ともが太鼓判を押して倒産すると言い切るような会社だったのだ。「オンデーズ」は当時、年間の売上が20億円だったのに対し、銀行からの短期借入金が14億円もあった。この状況を奥野氏は、「2トントラックに1.4トンの砂利が載っているようなもの」と表現した。そんな会社、買ったところですぐ潰れる、と。
しかし田中修治には考えがあった。従業員が活き活きしていただけではなく、メガネ業界にはまだ圧倒的なNo.1が存在しないことも有利に働くと考えていた。さらに、こうも言っている。
それに俺自身も、三十歳を迎えるにあたって、経営者として、この辺でひと勝負かけたいという気持ちも強くあるんだよね。でも俺みたいに、会社も小さくて資金も信用もない若い経営者が、大きなチャンスを掴む為には、皆んなが嫌がるような案件、ちょうどこのオンデーズみたいな、燃え盛る火の中に自ら進んで手を突っ込んでいくようなことでもしないと、なかなかそんなチャンスは掴めないでしょう?
そんな風にして彼は、無鉄砲とも思える「オンデーズ」の買収に踏み切り、そこに奥野氏を引き込んだ。
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財務状況が悪いことは理解していたが、彼らは当初の予想以上に大きな苦戦を強いられることとなる。何故なら、銀行が一切金を貸してくれなかったからだ。
理由は、「オンデーズ」のバランスシートが、誰も見たことがないゾンビのような代物になっていたためだ。創業者が借金をしまくり、しかも粉飾まがいの決算が行われていた。奥野氏はその膿を綺麗に出し切ったのだが、それによってバランスシートは歪になってしまう。前例主義の銀行の担当者は、かつて一度も見たことがないようなバランスシートを目にして、即座に融資を諦めてしまうのだ。
しかし、「オンデーズ」のバランスシートがゾンビなのは創業者のせいだ。田中修治は着実に成果を積み上げ、店舗からの売上も増えている。しかし銀行は、そういう実体を見ようとはしない。あくまでもバランスシートだけを見て、一切金を貸さないと決めるのだ。
つまり田中修治は、銀行から金を借りられない状況で、多額の短期借入金を抱えた会社を経営しなければならなくなったのだ。
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田中修治はある時、「これほどまで投資家に相手にされないこの会社はダメなんだろうか」と奥野氏に弱音を吐く。それに対して奥野氏は、このように猛反論する。
そんなことないです! 私は前職で沢山の再生案件を手掛けてきましたが、今のオンデーズみたいな会社は一つもありませんでした。全く利益の出てない完全にマイナスの状態から、一円も融資を受けず、返済は続け、さらに四年半で店舗数も倍にして利益も出して、こんな再生案件見たことがない。もし私が担当者なら絶対に『積極投資可』の判断を出しています! 専門家が言うんだから間違いないですよ!
このセリフからだけでも、「オンデーズ」が辿ってきた道がいかに異常なものだったか理解できるだろう。
そんな無謀なチャレンジを、地獄ギリギリの縁を歩き続けながらどうにか乗り切った、7年間に及ぶ奮闘を”小説”に仕立てた作品である。
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田中修治『破天荒フェニックス』の感想
ページをめくる手が止まらない、実話ベースの凄まじい物語
冒頭でも書きましたが、本当に、読むのをどこで中断すればいいのか悩むほど、先が気になって気になって仕方ない作品でした。最初から最後までピンチの連続、全ページクライマックス、というような作品で、「あとちょっと読んでから寝よう」「あとちょっと読んでから風呂に入ろう」みたいに何度思ったことか、という感じです。
たくさん本を読んできましたが、ここまで読む手を止められない本はかなり稀です
しかもこれが、実話ベースだというのが驚きです。まあ、どこまで本当にあった話なのか確認のしようはありませんが、「まったく起こらなかった架空のエピソードが描かれている」とはちょっと考えにくいので、個人が特定されないような改変をした上で、本当にあったことが描かれているのだろう、と私は理解しています。
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読者は、「オンデーズ」が成功していることを知っているのでら、「こんなムチャチャな状態から立ち直れるんだ」という驚きと共に読めます。しかし渦中にいた田中修治や奥野氏は、会社が上手く行く保証などまったく無かったわけですから、本当に息が詰まるような数年間を過ごしただろうな、と感じます。
エンタメ小説として面白く読めばいいんですが、ふと気づくと、「こんな現実を実際にサバイブした人がいるんだよなぁ」としみじみしてしまいます。
オンデーズ」のモットーは、「倒れる時は前向きに」なんだって
まあ確かに、莫大な借金があるのに常にチャレンジしてるよね
「銀行の無能さ」にはちょっと驚かされてしまった
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他に本書を読んでいて驚くことは、銀行の無能さです。銀行と企業のバトルは、小説やドラマなどで大反響を巻き起こした「半沢直樹」などが浮かびますが、本当にハチャメチャな世界なんだなと実感します。
今の銀行は昔とはまた変わっているかもしれませんし、今銀行で働いてる人からすれば「昔のイメージで判断しないで!」と感じるのかもしれないですが、それにしても「酷いなぁ」と感じる場面が本書には多々ありました。
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銀行員が、理解しようと努力した上で諦めたのであれば仕方ないかもしれないと思います。しかし、そういうわけでもありません。
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しかし、それを銀行の担当者に伝えても、「シンガポールの話は聞きたくない」の一点張りです。どうせシンガポールのキャッシュフローなんて理解できないのだから、日本の話だけしてくれ、というのです。理解しようなんて気持ちはまったく感じられないでしょう。
「オンデーズ」という会社全体で見れば、業界内外で注目を集めるような快進撃を飛ばしているにも拘わらず、銀行員は自分の知識で理解可能な国内の事情にしか目を向けようとしません。こんな態度を取られたら、心折れるよなぁ、と感じてしまいました。
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読み始めたら止まらなくなるので、一気読みできる環境を整えてから読むことをオススメします。
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ピアノのコンクールを舞台に描く『蜜蜂と遠雷』は、「天才とは何か?」と問いかける。既存の「枠組み」をいとも簡単に越えていく者こそが「天才」だと私は思うが、「枠組み」を安易に設定することの是非についても刃を突きつける作品だ。小説と映画の感想を一緒に書く
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【絶望】光過敏症の女性の、真っ暗な部屋で光という光をすべて遮断しなければ生きられない壮絶な日常:…
日光に限らず、ありとあらゆる「光」に肌が異常に反応してしまうため、ずっと真っ暗闇の中でしか生きられない女性が、その壮絶すぎる日常を綴った『まっくらやみで見えたもの 光アレルギーのわたしの奇妙な人生』から、それでも生きていく強さを感じ取る
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【史実】太平洋戦争末期に原爆を落としたアメリカは、なぜ終戦後比較的穏やかな占領政策を取ったか?:…
『八月十五日に吹く風』は小説だが、史実を基にした作品だ。本作では、「終戦直前に原爆を落としながら、なぜ比較的平穏な占領政策を行ったか?」の疑問が解き明かされる。『源氏物語』との出会いで日本を愛するようになった「ロナルド・リーン(仮名)」の知られざる奮闘を知る
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【逸脱】「人生良いことない」と感じるのは、「どう生きたら幸せか」を考えていないからでは?:『独立…
「常識的な捉え方」から逸脱し、世の中をまったく異なる視点から見る坂口恭平は、「より生きやすい社会にしたい」という強い思いから走り続ける。「どう生きたいか」から人生を考え直すスタンスと、「やりたいことをやるべきじゃない理由」を『独立国家のつくりかた』から学ぶ
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【絶望】「人生上手くいかない」と感じる時、彼を思い出してほしい。壮絶な過去を背負って生きる彼を:…
「北九州連続監禁殺人事件」という、マスコミも報道規制するほどの残虐事件。その「主犯の息子」として生きざるを得なかった男の壮絶な人生。「ザ・ノンフィクション」のプロデューサーが『人殺しの息子と呼ばれて』で改めて取り上げた「真摯な男」の生き様と覚悟
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【観察者】劣等感や嫉妬は簡単に振り払えない。就活に苦しむ若者の姿から学ぶ、他人と比べない覚悟:『…
朝井リョウの小説で、映画化もされた『何者』は、「就活」をテーマにしながら、生き方やSNSとの関わり方などについても考えさせる作品だ。拓人の、「全力でやって失敗したら恥ずかしい」という感覚から生まれる言動に、共感してしまう人も多いはず
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【思考】「働くとは?」と悩んだら読みたい本。安易な結論を提示しないからこそちゃんと向き合える:『…
「これが答えだ」と安易に結論を出す自己啓発本が多い中で、山田ズーニー『おとなの進路教室』は「著者が寄り添って共に悩んでくれる」という稀有な本だ。決して分かりやすいわけではないからこそ読む価値があると言える、「これからの人生」を考えるための1冊
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【快挙】「暗黒の天体」ブラックホールはなぜ直接観測できたのか?国際プロジェクトの舞台裏:『アイン…
「世界中に存在する電波望遠鏡を同期させてブラックホールを撮影する」という壮大なEHTプロジェクトの裏側を記した『アインシュタインの影』から、ブラックホール撮影の困難さや、「ノーベル賞」が絡む巨大プロジェクトにおける泥臭い人間ドラマを知る
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【貢献】有名な科学者は、どんな派手な失敗をしてきたか?失敗が失敗でなかったアインシュタインも登場…
どれほど偉大な科学者であっても失敗を避けることはできないが、「単なる失敗」で終わることはない。誤った考え方や主張が、プラスの効果をもたらすこともあるのだ。『偉大なる失敗』から、天才科学者の「失敗」と、その意外な「貢献」を知る
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【鋭い】「俳優・堺雅人」のエピソードを綴るエッセイ。考える俳優の視点と言葉はとても面白い:『文・…
ドラマ『半沢直樹』で一躍脚光を浴びた堺雅人のエッセイ『文・堺雅人』は、「ファン向けの作品」に留まらない。言語化する力が高く、日常の中の些細な事柄を丁寧に掬い上げ、言葉との格闘を繰り広げる俳優の文章は、力強く自立しながらもゆるりと入り込んでくる
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【貢献】働く上で大切にしたいことは結局「人」。海士町(離島)で持続可能な社会を目指す若者の挑戦:…
過疎地域を「日本の未来の課題の最前線」と捉え、島根県の離島である「海士町」に移住した2人の若者の『僕たちは島で、未来を見ることにした』から、「これからの未来をどう生きたいか」で仕事を捉える思考と、「持続可能な社会」の実現のためのチャレンジを知る
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【ドラマ】「フェルマーの最終定理」のドラマティックな証明物語を、飲茶氏が平易に描き出す:『哲学的…
「フェルマーの最終定理」は、問題の提示から350年以上経ってようやく証明された超難問であり、その証明の過程では様々な人間ドラマが知られている。『哲学的な何か、あと数学とか』をベースに、数学的な記述を一切せず、ドラマティックなエピソードだけに触れる
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【証明】結城浩「数学ガール」とサイモン・シンから「フェルマーの最終定理」とそのドラマを学ぶ
350年以上前に一人の数学者が遺した予想であり「フェルマーの最終定理」には、1995年にワイルズによって証明されるまでの間に、これでもかというほどのドラマが詰め込まれている。サイモン・シンの著作と「数学ガール」シリーズから、その人間ドラマと数学的側面を知る
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【天才】諦めない人は何が違う?「努力を努力だと思わない」という才能こそが、未来への道を開く:映画…
どれだけ「天賦の才能」に恵まれていても「努力できる才能」が無ければどこにも辿り着けない。そして「努力できる才能」さえあれば、仮に絶望の淵に立たされることになっても、立ち上がる勇気に変えられる。映画『マイ・バッハ』で知る衝撃の実話
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【情熱】常識を疑え。人間の”狂気”こそが、想像し得ない偉業を成し遂げるための原動力だ:映画『博士と…
世界最高峰の辞書である『オックスフォード英語大辞典』は、「学位を持たない独学者」と「殺人犯」のタッグが生みだした。出会うはずのない2人の「狂人」が邂逅したことで成し遂げられた偉業と、「狂気」からしか「偉業」が生まれない現実を、映画『博士と狂人』から学ぶ
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【驚異】プロジェクトマネジメントの奇跡。ハリウッドの制作費以下で火星に到達したインドの偉業:映画…
実は、「一発で火星に探査機を送り込んだ国」はインドだけだ。アメリカもロシアも何度も失敗している。しかもインドの宇宙開発予算は大国と比べて圧倒的に低い。なぜインドは偉業を成し遂げられたのか?映画『ミッション・マンガル』からプロジェクトマネジメントを学ぶ
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日本は、死を覚悟して福島第一原発に残った「Fukushima50」に救われた。東京を含めた東日本が壊滅してもおかしくなかった大災害において、現場の人間が何を考えどう行動したのかを、『死の淵を見た男』をベースに書く。全日本人必読の書
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経済・企業・マーケティング【本・映画の感想】 | ルシルナ
私自身にはビジネスセンスや起業経験などはありませんが、興味があって、経済や企業の様々な事例についての本を読むようにしています。専門的な踏み込んだ描写ができるわけ…
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