目次
はじめに
この記事で取り上げる本
著:二村ヒトシ
¥661 (2022/09/24 20:28時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この記事で伝えたいこと
「あなたがモテないのは『キモチワルい』からだ」というシンプルな捉え方
「恋愛もセックスもコミュニケーションである」というスタンスも分かりやすい
この記事の3つの要点
- 「既にモテている男」にも、「男の考えを理解したい女性」も読んでほしい1冊
- 「なぜモテたいのか?」「どうモテたいのか?」という問いに、あなたはどう答えるか?
- 「一人でいても淋しくない場所」を持っているだろうか?
「モテ」を起点に、「コミュニケーション」や「生き方」を深く思考していく、含蓄に満ちた作品
自己紹介記事
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『すべてはモテるためである』というタイトルやその装丁、また著者の二村ヒトシがAV監督であるという点などから、本書はいわゆる「モテ本」のように見えてしまうだろうと思います。しかし、そう捉えるのは大きな間違いです。確かに本書は、「モテるためにはどうすべきか?」という問いを起点に展開される作品ではあるのですが、一般的に多くの人がイメージする「モテ本」とはまったく違う内容だと思った方がいいでしょう。
普通の「モテ本」だったら、そもそも手に取らないもんね
でもこの本、どうして読もうって思ったのか、忘れちゃったなぁ
まずはその辺りの話から始めていこうと思います。
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「どう行動すべきか」ではなく「どう考えるべきか」を教えてくれる作品
私は、一般的な「モテ本」を読んだことがないので、あくまでイメージに過ぎませんが、よくある「モテ本」はたぶん「行動」を教えてくれるのだと思います。いわゆる「マニュアル」ですね。服装や髪型、声の掛け方から話題の選び方、女性のタイプ別のアプローチの仕方など、「こういう風に行動すれば上手くいく」というようなことがきっと書かれているのだと思っています。
しかし本書は、それらとは真逆の作品だと言っていいでしょう。というのも、本書を最後まで読んでも、読者は「具体的に何をしたらいいか」が全然分からないはずだからです。確かに、後半に進むにつれて具体的なアドバイスも増えていくわけですが、全体を通してみた場合、「具体的にこのように行動すべき」という主張が非常に少ない作品だと言えます。
この本は、「あなたの日々の習慣だとか着てる服などの、こんな点がキモチワルイ!」とか「近年、女性たちはこんな男をキモチワルイと感じる傾向にあるようだ!」とういった事例をならべる本ではありません。
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デビュー作で、よくもまあこんな「需要があるかどうか分からない本」が出せたものだなって思う
そんな構成にしている理由は明確です。普通に考えて、「あなた」も「あなたにとってのモテの理想」も「あなたが好きになってしまった女性」も、全部違います。それなのに、「こういう風に行動したら上手くいきますよ」なんていう雑なアドバイスで問題が解消されるはずがない、と著者は考えているのです。とても真っ当な判断だと言えるでしょう。
また、普通の「モテ本」とは一線を画すだろう考え方がもう1つあります。それは、著者のこんな言葉に集約されていると言っていいでしょう。
なぜAV監督が、セックスの本じゃなくモテのための本を書くのか。
それは「エロいセックスをするためには、コミュニケーションの能力が必要不可欠」だと、つくづく思うからです。
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本書には「どんな風にセックスをしたらいいか」という話も出てはくるのですが、それを著者は「良いコミュニケーションの帰結」として描きます。そう、著者は、恋愛からセックスまでをすべて「コミュニケーション」と捉えているわけです。「いや、そんなこと当然分かってるわよ」と感じる方もいるかもしれません。しかし、もしあなたが一般的な「モテ本」に手を伸ばすような人であれば、正しく理解しているとは言えないでしょう。何故なら、先程書いた通り、「あなた」も「あなたにとってのモテの理想」も「あなたが好きになってしまった女性」も同じではないからです。自分と相手の状況に合わせて随時コミュニケーションを変えていくことが重要なのですから、「こんな風に行動したら上手くいく」なんていうアドバイスで太刀打ちできるわけがありません。
「行動を教える」方が、具体的で分かりやすいし、需要があるってのも理解はできるけどね
でも、何も考えずに、ただ教わった「行動」だけを繰り返すのって、結局お互いにとってマイナスでしかないよなぁ
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そしてだからこそ、「考える力」が必要になるというわけです。とにかく本書は、「行動」ではなく「思考」を促す内容であり、その点がよくある「モテ本」とはまったく異なると言っていいでしょう。
今この文章を読んでくれている方が、どういう経緯でこの記事にたどり着いたか分かりませんが、まずはこの辺りのことを理解した上で、この記事や本書を読んでもらえるといいのではないかと思っています。
女性も是非読んでください。そして男の皆さん、慢心にはご注意ください
そんなわけで本書は、「今モテていない男」だけではなく、「十分モテている男」が読んでも面白いでしょう。というのも、コミュニケーションが上手く取れているとしても、それを支える「自身の思考」に自覚的でない場合もあるはずだからです。恋愛に限らない話ですが、今の自分のコミュニケーションを成り立たせているものが何なのかを理解する上で、本書は役に立つのではないかと思います。
自然にコミュニケーションが取れる人にも、「なるほど」って感じるポイントあるんじゃないかって思うよね
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また著者は、本書を女性にも読んでほしいと考えています。
だからこの本は男性だけでなく【男心を理解したい女性】にも読んでもらいたい。そして、できれば「土俵に乗りたいんだけど乗れないでいる、初心者の男」のことも排除しないで、まあ生理的にキモかったらしょうがないんだけど、その点はこっちも努力するんで、ちょっとでもキモくないと思えたら女性の側も「あ、そういう人たちがいるんだ」と思ってもらえると嬉しいです。
確かに、「男のことを理解したい女性」にも、本書はピッタリかもしれません。恋愛やセックスに悩む男の内面をグサグサ突き刺してくる本書は、女性の側から見れば、「男の内面を垣間見れる作品」だと言えるでしょう。
著者は、『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』という、女性向けの作品も出版しています。男の私の感想など何の説得力もありませんが、私は、「女性の内面が垣間見れる作品」として非常に面白く読みました。AV監督という職業柄もあるのでしょうか、著者は男女どちらの視点も巧みに持ち合わせていると感じます。だからこそ、『すべてはモテるためである』においても、「男に向けた作品が、女性にどう読まれるか」という観点が盛り込まれているのだと思いました。
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女性からしたら、「AV監督が書いた本なんて」って先入観はどうしても拭えないだろうけど
さて、内容に詳しく触れていく前に、もう1つ書いておきたいことがあります。まずは次の引用文を読んでみてください。
これまでに、いろんなタイプの「キモチワルい=モテない奴」にそれぞれ処方箋を出したわけですが、それでも、まだピンと来ていない、ひとつもオレのことじゃないじゃないか、はやく「オレのモテない理由」を教えてオレをモテるようにしてくれ、と思っている、あなた。
「オレは『自分がある』し、何が好きか自分の言葉で言えるし、自意識過剰になるほどヘマじゃないぜ」って、あなた。
あなたが、いちばん臆病でバカな男です。バカ中のバカ。
本書の中で著者は、「こういう奴は、こういうところがキモチワルい、だからこんな風に考えなさい」というアドバイスを色々書いていくわけですが、その挙げ句に、このように読者に突きつけるのです。正直私は、この文章にグサッときてしまいました。
というのも、まさに私は、「まだピンと来ていない、ひとつもオレのことじゃないじゃないか」と感じていたからです。お恥ずかしい限り。
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心の中覗いてるんかい、って思うぐらい、ドンピシャのタイミングだったよね
たぶん、同じように感じた人は他にもたくさんいるだろうなぁ
私は、このブログの記事の中でもよく書いていますが、普段関わる友人のほとんどが年下の女性で、10歳以上の年齢差がある人たちと割とフラットな関係を築けていると自分では思っています。これは別に「モテ」とかではなく、単に「女性と話す方がラク」というだけのことなのですが、20代の頃から女性と関わることの方が圧倒的に多かったこともあって、「自分は『キモチワルい』とはそこまで思われていないだろう」という意識が心のどこかにあったのです。
そんなわけで、著者のこの言及にはグサッと来てしまいました。本書では随所に「謙虚であれ」というアドバイスが登場するのですが、「慢心してはいけないな」と改めて実感させられた箇所でもあります。
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「いやいや、誰だってモテたいって思ってるだろうし、モテてるってのはああいうことでしょ」みたいに考えた方、立ち読みでも何でもいいので、本書冒頭を読んでみてください。そこには著者が考える、先の2つの問いに対する答えが羅列されていて、それだけで5ページぐらい使っています。とにかくこれを読むと、「モテている状態」「モテたいと思う動機」には様々なものがあるということが改めて実感できるでしょう。
ホント、よくもまあこんなに思いつくもんだよって感じだよね
著者のこの「想像力」が、本書を面白く、ためになるものにしてるなって感じする
漫然と「モテたい」と考えているだけでは、目指すべき状態も、どうしてそうなりたのかの動機も、まったく明確ではないということになります。だからこそ、「どういう状態であれば『自分はモテている』と感じられるのか」「どうしてその『モテている』という状態にたどり着きたいのか」について、他人にもハッキリ説明できるぐらいまで明確に言語化することが大事なのです。
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さてその上で著者は、「どうしてあなたはモテないのか?」という話をしていきます。これについては、著者がシンプルすぎるほどシンプルな定義をしているので抜き出してみましょう。
あなたが彼女にモテないのは、あなたが「彼女にとってキモチワルい人」だからである。
「キモチワルい理由」は色々あるけど、とりあえず「モテない理由」は「キモチワルい」からだ、と著者は断言するわけです。これはとにかく分かりやすい説明ではないかと思います。
「プラスがあるからモテる」のではなくて、「マイナスがないから土俵には上がれてる」って発想だよね
こう考えると、スタートラインに立ちやすくなるなって思う
つまり、モテている人というのは「キモチワルくない人」だというわけです。モテている人は、生まれつき持っていた何か、あるいは後天的に身に着けた振る舞いなどによって、自分を「キモチワルくない人」に見せていると著者は主張します。そして、残念ながらモテていない人たちは、「キモチワルい」という段階で既に土俵に上がる資格を失っている、と著者は断言するのです。
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まずはこういう理解に辿り着くことが重要だという主張は、とても納得感があると思いました。
さらに、このような話を踏まえた上で著者は、「なぜモテたいのか」という理由について、恐らくすべての男に共通するだろう究極的な答えを導き出しています。
あなたや僕が、女性に「モテたい」と思うのは(あるいは「やりたい」と思うのは)どう考えても、ただ単に性欲のせいだけじゃ、ないですよね。
きっと人間は、他人から「あなたは、そんなにキモチワルくないよ」って、保証してほしいんです。「やらせてくれ」とか「僕と、つきあってくれ」って他人に言うのは、そういうことです。
「女性と友だちになりたい」っていうのも、究極的には似たような感覚だよね
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これも、絶妙に分かりやすい表現だと感じました。恋愛やセックスでは結局、「私にとって、あなたは『キモチワルくない人』だよ」という許容を求めているのだと考えると、これからの振る舞いが変わるのではないかと思います。とにかく、相手に「キモチワルい」と受け取られないためのコミュニケーションこそが、恋愛やセックスの本質だというわけです。
本書が「思考」を促す本だという点が、少しは伝わったでしょうか?
まさか「モテ」の話から「居場所」の話が展開されるとは
ここまでで、「恋愛やセックスは、相手から『キモチワルい』と思われないためのコミュニケーションである」という著者の主張を確認してきたわけですが、さらにその後、「あなたには『居場所』があるか?」という問いが展開されます。
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本書の中でこの「居場所」に関する話が一番素晴らしいと私は感じました。
恋愛の話から、こんな風に思考が展開されていくってのが驚きだったなぁ
そして、結局その「居場所」こそ、他者とのコミュニケーションに一番重要だって話になっていくしね
「居場所」についての著者の主張が分かりやすく書かれている文章をまずは抜き出してみましょう。
【あなたの居場所】というのは、チンケな同類がうじゃうじゃ群れてるところじゃなくて、【あなたが、一人っきりでいても淋しくない場所】っていうことです。
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コミュニケーションの話をしているのに、「一人でいても淋しくない場所」なんていう話が出てくるのは変だと感じる方もいるかもしれません。しかし、次のような文章を読むと、また印象が変わるでしょう。
どんな答えでも、いいんです。「これこれこういうものを好きな男がモテる」という話じゃなくて、「自分が『なにが好きなのか』をよく知っていて、その理由も認識している男の方がモテやすい」ってことを言いたいんです。
仕事の職種だとか収入額とかじゃなくて、「あなたは『どんなことが好き』なのか」ってことこそが、「あなたとは何者か」ということなんです。
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「なにが好きかを自分でわかってるか」ということは、おおげさに言うと「あなたには、ちゃんと自分で選んだ【自分の居場所】があるか」ってことです。
いかがでしょうか? これはつまり、「どんな言動をしたとしても、『コミュニケーション』に依存してしまう奴は上手くいかない」という主張なのです。「自分で選んだ、一人でいても淋しくない居場所がある」=「精神的に自立している」ということであり、「だからこそ他者から『キモチワルい』と思われない」という意味でもあります。
この「居場所」の話、当たり前っちゃあ当たり前のことを言ってるんだけど、「モテ」の流れで出てくると新鮮だよね
「モテたい!」と思っている人が一番考えなさそうなことだからね
この「居場所」の話は、私が他者に関心を抱く時に最も意識するポイントでもあります。私は男女問わず、「何かに囚われているように感じられる人」が好きです。それは、趣味的なことに熱中している人でもいいですし、考えても仕方がないような悩みを頭の中でグルグルさせている人でも構いません。また、その「何か」が私の趣味趣向と一致している必要もないわけです。まさにそれは、著者がいう「『居場所』を持っている人」だと言えるでしょう。
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私みたいな男も、多少は女性から需要ありそうな気はしてるんだけどなぁ
付き合いのある女性からそんなふうに言われたこともあるしね
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まあ、私はちょっと特殊な人間なのであまり参考にならないと思いますが、著者の「『居場所』を持つことが大事」という主張は、次のような理由からも非常に重要だと感じます。
べつにそんなたいそうな「自分」を持たなくても、いいんです。無理して「特別な」ことを好きにならなきゃ「自分を持ってる」ことにならないってわけじゃない。
心から好きになれることなら、それは平凡なことでいい。それよりも「自意識過剰にならないこと」のほうが大切です。
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コミュニケーションにおいては当然、「相手からどう見られているか」という視点をゼロにするわけにはいかないのですが、しかしそれが強すぎると「自意識過剰」になってしまいます。だからこそ、「自分がきちんと精神的に自立できているのか」が重要になるわけです。相手からの見られ方に右往左往するのではなく、「自分はここに『居場所』がある」とまずは明確に意識できるようにし、その上で、他者とどう関わっていくのかを考えた方が良いのではないか、と著者は提案しています。
さらに、この「居場所」の話は、相手と「対話」(言葉のやり取り)をする上でも非常に重要だと言えるでしょう。
対話とは、相手の言っていることばを「まずは、聴く。けれど【判断】しない、決め付けない」こと。それから「自分の肚を見せる」ことです。
「対話できる」ということが、つまり「相手と同じ土俵に乗れる」ということなんです。
他者とのコミュニケーションにおいて、この点を障害だと感じることは多いよね
「その土俵には乗りたくないなぁ」って感じることが多いからなぁ
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コミュニケーションにおいては、「相手と同じ土俵に乗ること」がとても重要になります。それが「対話できる」という状態であり、さらに、「対話」が成り立つためには「自分の肚を見せること」も大事だというわけです。
そして、「自分の肚」を見せるためには、当たり前ですが「自分の肚」が存在していなければなりません。そしてそれは、まさに「居場所」を持つことによって成立するというわけです。自分の言葉で何かを語るためには、「一人でいても淋しくない『居場所』」を持っていなければならないことは想像に難くないでしょう。これもまた当たり前のことではありますが、改めてこのように指摘されると、ハッとさせられるだろうと思います。
本書執筆時点で、著者は「モテていなかった」
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この『すべてはモテるためである』という作品は、「単行本」「1度目の文庫化」「2度目の文庫化(本書)」という形で、これまで3度出版されてきました。そして本書には、それまでにはなかった「第5章」が追加されています。
そこに書かれている内容は、なかなか興味深いものでした。なんと著者は、「単行本」を執筆した時点では「モテていなかった」というのです。
原稿を書いていたときはモテてはいなかった。もともと【自分がモテているから自分が「できていること」を人におすそわけする】ために書いたのではなく、自分がモテていないからモテるようになるために「するべきこと」を書いたのだった。書くために考えて、多くの人に読んでもらって、やっと身についたんだと思う。
モテてない時にこの本を出版するのって、勇気要るだろうね
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この点もまた、「よくこんな本が出版できたものだよなぁ」と感じさせるポイントでした。「モテている人の本」なら説得力がありますが、「今はまだモテているわけではない人の本」を出したのですから、編集者の英断と言うしかありません。
そしてその後、実際にモテるようになったわけですが、その経験を踏まえた上で、「大人であること」についてこんな風にも書いています。
それを認めて「愛することによって自分が変わるのを、恐れない」のが、つまり「大人になる」ということじゃないだろうか。
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大人だということは「もう、そんなに長い時間は残ってないんだから、なるべく他人を幸せにしよう」と考えることだ。
このような主張はもはや、「生き方本」の部類に入ると言えるでしょう。「モテ」を入り口にする本ではありますが、最終的には「いかに生きるべきか」の話が展開されるわけで、なかなか類を見ない作品だと感じました。社会学者の上野千鶴子が解説を書いていたり、哲学者の國分功一郎との対談が載っていたりと、AV監督が書いた本とは思えない構成になっており、読む前と読み終わった後では印象が大きく変わる作品とも言えるかもしれません。
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著:二村ヒトシ
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とりあえず、男は是非読んでみてください。手に取る動機は別に「モテるため」でも構いません。読めば色んなことを考えさせられる、含蓄に満ちた作品だと思います。
また、「男はこんなことを考えているのか」という参考になるかもしれないという意味で、女性にもオススメしたい一冊です。恋愛のステージに上手く上がれない男を好きになってしまった女性には、特に響くかもしれません。
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【共感】「恋愛したくない」という社会をリアルに描く売野機子の漫画『ルポルタージュ』が示す未来像
売野機子のマンガ『ルポルタージュ』は、「恋愛を飛ばして結婚すること」が当たり前の世界が描かれる。私はこの感覚に凄く共感できてしまった。「恋愛」「結婚」に対して、「世間の『当たり前』に馴染めない感覚」を持つ私が考える、「恋愛」「結婚」が有する可能性
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【誠実】戸田真琴は「言葉の人」だ。コンプレックスだらけの人生を「思考」と「行動」で突き進んだ記録…
戸田真琴のエッセイ第2弾『人を心から愛したことがないのだと気づいてしまっても』は、デビュー作以上に「誰かのために言葉を紡ぐ」という決意が溢れた1冊だ。AV女優という自身のあり方を客観的に踏まえた上で、「届くべき言葉がきちんと届く」ために、彼女は身を削ってでも生きる
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【感想】映画『君が世界のはじまり』は、「伝わらない」「分かったフリをしたくない」の感情が濃密
「キラキラした青春学園モノ」かと思っていた映画『君が世界のはじまり』は、「そこはかとない鬱屈」に覆われた、とても私好みの映画だった。自分の決断だけではどうにもならない「現実」を前に、様々な葛藤渦巻く若者たちの「諦念」を丁寧に描き出す素晴らしい物語
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【感想】おげれつたなか『エスケープジャーニー』は、BLでしか描けない”行き止まりの関係”が絶妙
おげれつたなか『エスケープジャーニー』のあらすじ紹介とレビュー。とにかく、「BLでしか描けない関係性」が素晴らしかった。友達なら完璧だったのに、「恋人」ではまったく上手く行かなくなってしまった直人と太一の葛藤を通じて、「進んでも行き止まり」である関係にどう向き合うか考えさせられる
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【違和感】平田オリザ『わかりあえないことから』は「コミュニケーション苦手」問題を新たな視点で捉え…
「コミュニケーションが苦手」なのは、テクニックの問題ではない!?『わかりあえないことから』は、学校でのコミュニケーション教育に携わる演劇人・平田オリザが抱いた違和感を起点に、「コミュニケーション教育」が抱える問題と、私たち日本人が進むべき道を示す1冊
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【感想】映画『窓辺にて』(今泉力哉監督)の稲垣吾郎の役に超共感。「好きとは何か」が分からない人へ
映画『窓辺にて』(今泉力哉監督)は、稲垣吾郎演じる主人公・市川茂巳が素晴らしかった。一般的には、彼の葛藤はまったく共感されないし、私もそのことは理解している。ただ私は、とにかく市川茂巳にもの凄く共感してしまった。「誰かを好きになること」に迷うすべての人に観てほしい
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【未知】「占い」が占い以外の効果を有するように、UFOなど「信じたいものを信じる」行為の機能を知れる…
「占い」に「見透かされたから仕方なく話す」という効用があるように、「『未知のもの』を信じる行為」には「『否定されたという状態』に絶対に達しない」という利点が存在する。映画『虚空門GATE』は、UFOを入り口に「『未知のもの』を信じる行為」そのものを切り取る
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【思考】森博嗣のおすすめエッセイ。「どう生きるかべきか」「生き方が分からない」と悩む人に勧めたい…
エッセイも多数出版している説家・森博嗣が、読者からの悩み相談を受けて執筆した『自分探しと楽しさについて』は、生きていく上で囚われてしまう漠然とした悩みを解消する力を持っている。どう生きるべきか悩んでしまう若者に特に読んでもらいたい1冊
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【扇動】人生うまくいかないと感じる時に読みたい瀧本哲史の本。「未来をどう生きる?」と問われる1冊:…
瀧本哲史は非常に優れたアジテーターであり、『2020年6月30日にまたここで会おう』もまさにそんな1冊。「少数のカリスマ」ではなく「多数の『小さなリーダー』」によって社会が変革されるべきだ、誰にだってやれることはある、と若者を焚きつける、熱量満載の作品
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「0円で何もしない」をコンセプトに始まった「レンタルなんもしない人」という活動は、それまで見えにくかった様々な価値観を炙り出した見事な社会実験だと思う。『<レンタルなんもしない人>というサービスをはじめます。』で本人が語る、お金・仕事・人間関係の新たな捉え方
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小学5年生から統合失調症を患い、社会の中でもがき苦しみながら生きる卯月妙子のコミックエッセイ『人間仮免中』はとんでもない衝撃作。周りにいる人とのぶっ飛んだ人間関係や、歩道橋から飛び降り自殺未遂を図り顔面がぐちゃぐちゃになって以降の壮絶な日々も赤裸々に描く
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小学3年生のこっこは、「孤独」と「人と違うこと」を愛するちょっと変わった女の子。三つ子の美人な姉を「平凡」と呼んで馬鹿にし、「眼帯」や「クラス会の途中、不整脈で倒れること」に憧れる。西加奈子『円卓』は、そんなこっこの振る舞いを通して「当たり前」について考えさせる
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私は「見て分かること」に”しか”反応できない世界に日々苛立ちを覚えている。そういう社会だからこそ、映画『流浪の月』で描かれる文と更紗の関係も「気持ち悪い」と断罪されるのだ。私はむしろ、どうしようもなく文と更紗の関係を「羨ましい」と感じてしまう。
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SNSの登場によって「批判が容易な社会」になったことで、批判を恐れてポジティブな言葉を口にしにくくなってしまった。そんな世の中で私は、「理想論だ」と言われても「誰かを助けたい」と発信する側の人間でいたいと、『竜とそばかすの姫』を観て改めて感じさせられた
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ともすれば「エロ本」としか思えない浅野いにおの原作マンガを、その空気感も含めて忠実に映像化した映画『うみべの女の子』。本作が一体何を伝えたかったのかを、必死に考察し全力で解説する。中学生がセックスから関係性をスタートさせることで、友達でも恋人でもない「名前の付かない関係性」となり、行き止まってしまう感じがリアル
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厳しい受験戦争、壮絶な格差社会、残忍ないじめ……中国の社会問題をこれでもかと詰め込み、重苦しさもありながら「ボーイ・ミーツ・ガール」の爽やかさも融合されている映画『少年の君』。辛い境遇の中で、「すべてが最悪な選択肢」と向き合う少年少女の姿に心打たれる
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専門学校の卒業制作として濱口竜介が撮った映画『親密さ』は、2時間10分の劇中劇を組み込んだ意欲作。「映像」でありながら「言葉の力」が前面に押し出される作品で、映画や劇中劇の随所で放たれる「言葉」に圧倒される。4時間と非常に長いが、観て良かった
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将来が不安だったり、目の前の現実に絶望したり、自分の置かれた状況に虚しさを感じてしまうことがあるでしょう。私も、気分が落ち込んで眠れないと感じたり、色んなことを…
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ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
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