目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
監督:堤 幸彦, Writer:徳永友一, 出演:柳楽 優弥, 出演:黒島 結菜, 出演:中川 大志, 出演:丸山 礼, 出演:立川 志らく, 出演:福士 誠治, 出演:今野 浩喜, 出演:佐藤 二朗, 出演:市村 正親
ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
この記事で伝えたいこと
兎にも角にも、黒島結菜のビジュアルが凄すぎてびっくりさせられました
ただ、そんな飛び道具みたいなインパクトだけの作品というわけではありません
この記事の3つの要点
- 「死刑囚と獄中結婚する」という、普通にはあり得ない展開を比較的自然に見せているのがまずとても上手い
- 作中で扱われる「ある法律」の話が実に興味深く、その間隙をついた展開もとてもよく出来ている
- 夏目アラタが行き着いてしまったある感覚には、色々と深く考えさせられてしまった
ちょっと推している黒島結菜を見に行っただけのつもりでしたが、思いがけず素敵な作品に出会えてラッキーでした
自己紹介記事
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まあ、「期待値が低かったから良く感じられた」って部分もあるとは思うけど
面白いと感じたポイントを挙げてみると、「『死刑囚と結婚する』という冒頭の展開の違和感の少なさ」や「『法廷劇』としての魅力」なんかが良かったなと思います。さらに、超特急ではありますが「恋愛」も描かれるわけで、かなり色々詰め込んでいると言えるでしょう。
ただ同時に、「インパクト大のビジュアルや展開で観客を惹きつけてはいるけど、こんな物語を一体どう閉じるんだ?」とも感じていました。そしてその点に関しては、「法律の間隙をついた意外な展開」から始まるラストまでの流れがとても良かったです。また、マンガ原作なので「突拍子もない展開」も多いのですが、役者の演技などによって「かなりリアルに寄っている」感じもするので、そういう意味で「ただのエンタメ作品」というだけではない雰囲気に仕上がっている気もしました。
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黒島結菜の歯がとにかく凄い
本作ではまず何にせよ、「メチャクチャ歯が汚い黒島結菜のビジュアル」のインパクトが凄まじかったです。メインの、しかも「黒島結菜」を起用した役のビジュアルをここまで“汚く”見せるのは英断だなと思うし、それが作品のクオリティを上げているとも感じました。
黒島結菜の役は「ヒロイン」と言っていいだろうけど、それをあのビジュアルで存在させるのは凄いよね
それだけでもう、「みんなこの作品に賭けてるんだな」ってことが伝わってくる感じがあって、それも良かった
さて、まずはどうでもいい話から始めましょう。私は本作を観る前にネット記事で、「『真珠の歯の再現』があまりに見事だったので、原作者が映画化をOKした」みたいな内容の記事を目にした気がします。そして、本作の主人公の名前が「品川真珠」だと知らなかったこともあり、「歯に真珠を埋め込んだキャラクターなのか?」と勘違いしていたのです。全然違いましたね。
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まあそんな話はいいのですが、原作者が大絶賛するほどの「歯」は、汚いだけではなくめちゃくちゃガタガタもしていて、「女性の歯」どころか「人間の歯」としても許容しがたい雰囲気を放っていました。そしてそれでいて、実に変な言い方だと自覚しているのですが、「そんな”汚い歯”が、黒島結菜には似合っている」みたいにも感じたのです。ただ、この点には少し説明が必要でしょう。
例えばですが、品川真珠の役を芦田愛菜や上白石萌歌みたいな人が演じるとしましょう。あくまでもイメージにすぎないのですが、彼女たちは「作品の中でクリーンな役柄を演じることが多い」ような印象を私は持っています。そしてそんな役者がこの「汚い歯」で出てきたら、「拒絶反応」「嫌悪感」の方が強く出すぎてしまう気がしました。一方、黒島結菜にはなんとなく「『クリーンな役柄』みたいな印象が強くはない役者」というイメージがあって、それ故に、とんでもなく「汚い歯」で登場しても拒絶感が強くはならなかったような気がします。
まあでもこれは、観客それぞれが持つ「黒島結菜へのイメージ」次第か
そもそも、「黒島結菜の大ファン」みたいな人はより強く拒絶感を抱いちゃうかもだしね
個人的にはとにかく、品川真珠に黒島結菜という配役は絶妙だったなという感じです。そしてその上で、黒島結菜からは「ナチュラルに『狂気』を放っている」みたいな雰囲気が感じられて、演技とは思えないそのあり様にも驚かされました。黒島結菜が品川真珠として放つ「狂気」が絶妙だったからこそ、「汚い歯」も馴染んで見えたのだと思います。
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ただ、「馴染んで見えた」と書いてはみたものの、やはり最後まで「強烈な違和感」は消えません。面会室や法廷で話している(歯が見えている)時はまだいいのですが、そうではない時(詳しくは書きませんが、そうではない状況も存在します)の違和感はちょっと凄まじく、観ていてザワザワさせられました。「見ちゃいけないものを見ている感じ」とでも言えばいいでしょうか。そんな「怖いもの見たさ」を感じさせる雰囲気も、観客を惹きつける要素になっているのかもしれません。
特に「一世一代的な状況」が映像化される場面は、違和感凄かったよね
着てる服(ネタバレにならないよう、ボカシて書いています)と「汚い歯」のミスマッチ感はヤバい
そんなわけで、原作者が「絶対に譲れない」と主張したらしい「品川真珠の汚い歯」については、こだわって大正解だったと言えるでしょう。公式HPによると、この特注のマウスピースを作るだけで5ヶ月も掛かったそうです。マウスピースを付けているとはちょっと信じられないような自然さで、ある種の「アート作品」みたいに言ってもいいかもしれません。
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映画『夏目アラタの結婚』の内容紹介
児童相談所で働いている夏目アラタはある日、業務の中で関わっている児童から思いがけない話を聞かされる。なんと、死刑囚と文通しているというのだ。その死刑囚は今控訴審を待っている身で、まだ刑は確定していないものの、その死刑囚に少年の父親が殺されたとされている。そして、現在に至るまで、今も首だけが発見されていないというのだ。
しかし少年は、どうしてそんな話を夏目アラタにしたのか。実は彼は、本名を書くと被害者の息子とバレるかもしれないと考えたのだろう、手近にあった名刺から夏目アラタの名前を勝手に拝借して手紙を送っていたのだ。手紙のやり取りは順調に続き、なんと「実際に会って話そう」という話にまでなっている。しかし、少年が会いに行くわけにはいかない。そこでアラタに、拘置所まで会いに行ってくれないかと頼んだというわけだ。
アラタが面会を申し込んだのは品川真珠。3年半前に逮捕された殺人犯だ。自宅で死体を解体している最中に捕まった彼女は、その時ピエロの格好をしていたため、世間では「品川ピエロ」の名前で知られている。3人を殺害し死体をバラバラにして捨てた容疑で起訴され、一審では完全黙秘を貫いたまま死刑判決を受けていた。実は、彼女の家で採取された血痕からは身元不明のDNAも検出されているのだが、裁判までに身元が明らかにならなかったこともあり、4件目と目される事件では起訴されていない。アラタが会おうとしているのは、そんな殺人鬼なのだ。
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面接室でアラタは、扉を開けて入室する品川真珠を見ている。逮捕時の彼女は「太ったピエロ」という見た目だったが、当然ピエロの格好をしているわけもなく、さらにすっきりと痩せてもいた。そして彼女は、夏目アラタを見るや、「なんかイメージと違った」と口にしてそのまま帰ろうとしたのである。
アラタは、彼女を引き止めなければならないと感じた。もちろん、「父親の首の在り処を聞き出す」という少年との約束も頭を過ぎったが、それ以上に彼女への関心が勝ったのだ。なんにせよ「ここ数年で最も有名な殺人鬼」であることは確かだし、さらに、逮捕時とはまるで違う姿にも惹きつけられた。そのため彼は、立ち去ろうとする真珠に「俺と結婚しよう!」と叫んだのだ。もちろん、彼女の気を惹くためのその場しのぎのでまかせのつもりだった。こうしてどうにか、真珠とやり取りを続けられたのである。
首の在り処は聞き出せなかったが、面会するという目的は果たした。とりあえず一段落ついたと考えていたアラタの元に、ある日真珠の私選弁護人だという人物がやってきた。宮前光一と名乗ったその弁護士は、「真珠が夏目アラタという男と結婚する」という話を聞きつけ、その本気度を探りにやってきたのだ。
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普通に考えれば、その弁護士の行動は異常でしかないのだろうが、そこには理由があった。真珠は、逮捕されてから一貫して黙秘を貫いており、弁護人である宮前にさえ事件の話をまったくしていない。にも拘らず、どうもアラタにだけは心を開いているようなのだ。宮前は実は、国選弁護士として真珠の担当をしていた時から彼女の「無実」を信じており、それを証明するためなら何でもするつもりでいるのである。
そんな宮前の介入もあり、アラタは本当に真珠と獄中結婚することになったのだ。
もちろんアラタは、本来の目的を忘れてはいない。「真珠から信頼を得て、首の在り処を聞き出そう」と考えていたのだ。しかし真珠は思いのほか手強かった。そしてその事実こそが疑惑を生むのである。
アラタは真珠のざっくりした過去を知っていた。母親から虐待に遭っており、学校にはまともに通えなかったのだ。また、後に看護学校に入学するのだが、途中で退学している。普通に考えれば、学力的にはかなり劣っていると見るべきだろう。にも拘らず真珠は、アラタを試すように丁々発止のやり取りを続けるのだ。
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そしてその違和感は、宮前から聞いた話によってさらに補強されることになった。真珠は8歳の時に知能テストを受けており、そのスコアは同世代の平均よりも低い70だったのだが、逮捕後に改めて行われたまったく同じテストでは、108という高いスコアを記録したのである。スコアが10くらい上下することは普通らしいが、30以上変動することはまずあり得ないという。となれば、8歳から逮捕までの間に何か大きな出来事が起こったと考えるべきだろう。しかし、宮前もまだそれが何なのか分かっていないようだ。
そんなわけで夏目アラタは、夫として面会や裁判の傍聴に出向いては、彼女が語る様々な話に耳を傾け続けるのだが……。
絶妙な形でスタートする冒頭と、展開が上手い物語
本作ではまず、「死刑囚と結婚する」という、普通にはあり得ないだろう状況に至る過程が上手く出来ていると言えるでしょう。作中でも説明されますが、「獄中結婚」を選ぶのは普通、記者のような人が多いようです。品川真珠の場合はまだ控訴審を待つ身なので誰でも面会出来ますが、「確定死刑囚」という立場になってしまうと、親族など限られた人以外は面会が許されなくなります。そのため、「確定死刑囚になってからも面会を継続したい」と希望する人(やはり記者が多くなるでしょう)が獄中結婚を選択するというわけです。
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ただ記者だって、「他の人と婚姻関係を結べなくなる」わけで、凄いことするなって感じだよね
「そうしてでも知りたい」みたいな欲求が強いんだろうなぁ
しかし夏目アラタは記者ではありません。また、彼は結婚した理由について「少年の父親の首の在り処を聞き出すため」みたいな説明をするわけですが、私は正直、これは「他人を納得させやすい理由」に過ぎないと感じました。恐らくですが、夏目アラタは品川真珠という人間に”曰く言い難い興味”を抱き、彼女との繋がりを保つために結婚したのだと思います。
ただそれにしたって、最初に「死刑囚・品川真珠の面会に行く」という一歩がなければ始まりません。そして普通の人は、死刑囚の面会に行ったりはしないでしょう。作中には「死刑囚と面会することを趣味にする人物」も出てくるわけですが、それは相当特殊な例だと思います。だから物語を動かす上では、この「死刑囚と面会する」という部分が1つ大きなハードルになるわけです。
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そして本作ではその点を、「夏目アラタの名前を勝手に借りて死刑囚と文通している少年」を登場させることで解決しています。これは実に絶妙な設定だなと感じました。もしも、「品川真珠との面会」が夏目アラタの個人的な動機から始まっていたら、本作の物語は成立していないように思います。最初の面会の段取りが完全に「他者の動機・希望」で始まっているからこそ、凄くリアルに感じられたのでしょう。
まあ、「死刑囚と文通している少年」の存在はリアリティが薄いっちゃ薄いけどね
さらに、本作では「冒頭で『イカれたピエロ』のビジュアルを出しておいてから、面会室で様変わりした姿を見せる」という流れになっていて、品川真珠という人物の落差が凄く伝わる構成で良かったなと思います。もしも本作を、「黒島結菜が出演している」という情報を知らずに鑑賞出来たとしたら、そのギャップにはより驚かされたはずです。
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本作ではこのように、冒頭からトップスピードで観客の興味を惹きつける展開になっていて、さすがマンガ原作という感じがしました。全体の構成としては、まずはこの点が良かったなと思います。
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さて、その「事件の真相」が明らかになっていく展開には、もちろん、夏目アラタや宮前光一の奮闘が欠かせなかったわけですが、決してそれだけではありません。さらに、法廷での品川真珠の証言も重要になっていくのです(まあ当然の話ではあるのですが)。前述した「死刑囚と面会することを趣味にする人物」が控訴審を傍聴しながら、「もし控訴審も裁判員裁判だったら、品川ピエロの勝ちだったでしょうね」みたいなことを口にする場面があるのですが、そう感じさせるほど彼女の振る舞いは見事でした。彼女の証言内容や話し方は傍聴席に座る者たちを惹きつけ、さらに同情心を誘うようものだったのです。ここでの黒島結菜の演技は特に素晴らしかったなと思います。
そして「二転三転」と表現すると少し印象がズレるのですが、夏目アラタらの調査と品川真珠の証言によって「なるほどそういうことだったのか!」と感じさせる描写が随所に出てくるのも面白いポイントだと言えるでしょう。さらに、エンタメ作品とはいえ、法廷シーンはそれなりに現実に近い形で描写されているだろうし、だからこそ、「この状況を、法律はどのように裁くのだろうか?」という意味でも惹きつけられました。
これも現実にはなかなかあり得ない状況だろうけど、「法律がどう判断するか?」を考えるのは面白いよね
裁判ってそもそも、「何らかの結論を出さなきゃいけない」から大変だなって思う
さて、本作に関係する「法律」の話で個人的に驚かされたのが、この記事の冒頭で少し触れた「法律の間隙をついた意外な展開」に関係するものです。具体的には触れませんが、「夏目アラタがある人物を問い詰めて『ない』という返答を引き出したことに関係している」とだけ書いておくことにしましょう。
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私は法律に詳しいわけではありませんが、この点に関しては確かに、論理的に考えて「ないだろうな」と私も思います。そしてその上で、その「間隙」を絶妙な形でついて「ちょっとあり得ない状況」を現出させる展開はとても斬新でした。私は、小説や映画などでそれなりにミステリ作品に触れているつもりですが、本作のような展開は見たことがないし、よくこんなこと思いついたものだなという感じです。
法律の世界ではよく知られてた話だったかもしれないけどね
そういう全然違う世界の話を、フィクションを通じて知れるのもまた面白い
さてそんなわけで、後半のストーリー展開も面白かったわけですが、興味深かったのはそれだけではありません。ラスト付近で夏目アラタが「そのことを真珠が教えてくれた」と語る場面があるのですが、それに絡む話も印象的だったなと思います。この点についてもこの記事では具体的には触れないので、何を言っているのか伝わらないとは思いますが、個人的には「これは実に難しい問題だ」と感じました。
夏目アラタは「今まで自分がしてきたこと」に疑問を抱くようになります。そしてその疑問が彼の内側を少しずつ侵していき、次第に耐えられなくなってしまったのです。確かに、そんな風に考えてしまう気持ちも分からないではありません。
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ただやはり私は、「夏目アラタは自分に誇りを持っていい」と感じます。というのも、どんな状況であれ「無関心こそが最大の悪」であることがほとんどだと思うからです。どういう形でどんな「関心」を向けようが、「無関心」よりはマシでしょう。いやもちろん、「関心を持たれたくない」みたいに感じる状況もあるわけですが、少なくとも夏目アラタが思い悩んでいる状況はそうではないはずです。
「異性として関心を向けられるのは嫌」みたいなパターンもあるからね
まあでもそういうのは、本作で描かれている話と比べれば全然マシって感じではある
犯罪的なことでなければ、その「関心」にどんな根っこがあろうと、「無関心」より酷いなんてことはまずないでしょう。だから、「アラタには誇りを抱いていてほしい」と感じてしまいます。しかしそれはそれとして、「葛藤してしまうこと」も理解できるので難しいなぁという感じです。そんなわけで、「夏目アラタが品川真珠と出会ったことは正解だったのか」みたいな点についても考えさせられるんじゃないかと思います。
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さて最後に。私は原作マンガを読んでいないのですが、本作を観ながら「だいぶ削ってるんだろうなぁ」と思っていました。特にそれを強く感じたのが、夏目アラタの先輩である桃山香の描写です。彼女は1度だけ真珠と話をするのですが、正直この場面は、映画全体の中でちょっと浮いている気がしました。恐らく、原作ではもっと意味のある描写だったのではないかと思います。とはいえ、「端折り過ぎててよく分からない」みたいな感覚にはならなかったので、上手くまとめているのでしょう。映画を観てから原作を読んでみるのも面白いかもしれません。
そんなわけで、実に面白い作品でした。
監督:堤 幸彦, Writer:徳永友一, 出演:柳楽 優弥, 出演:黒島 結菜, 出演:中川 大志, 出演:丸山 礼, 出演:立川 志らく, 出演:福士 誠治, 出演:今野 浩喜, 出演:佐藤 二朗, 出演:市村 正親
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最後に
最後にいくつか、どうでもいい話に触れて終わろうと思います。
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まず、本作に限る話ではありませんが、邦画を観ていてよく感じるのが「喫煙シーンが結構増えてきた」ということです。以前、「映画『風立ちぬ』に喫煙シーンが何度か出てくることに対し、『日本禁煙学会』がクレームをつけた」と話題になったことがあります。なのでそれ以降、特に邦画を観る際には喫煙シーンを意識するようになったのですが、最近では結構普通に出てくる感じです。少し前は何となく、「特段の必然性がない限り、敢えて喫煙シーンは入れない」みたいな印象を持っていましたが、最近では「タバコを吸うこと」に大きな意味があるとは思えない場面でもタバコが出てくる気がします。
個人的には、「人を殺すゲームをプレイすると、人を殺すことに抵抗がなくなる」みたいな主張と同じで、「なんだそのクレーム」って感じだけど
世の中には「他者を批判することでしか自分の正しさを主張出来ない人」ってのがいるんだなって思うよね
あとエンドロールを見ていて、「アラタ視点カメラ」のところに「柳楽優弥」と書かれているのも気になりました。「アラタ視点カメラ」というのは恐らく、その名の通り「アラタ目線で撮るカメラ」なのでしょう。そして、当然そこには夏目アラタを演じた柳楽優弥は映らないわけで、そのカメラを柳楽優弥が担当する必然性はまったくありません。きっと柳楽優弥自身が望んだのだとは思いますが、つまり「本作では『夏目アラタ目線の映像』はすべて柳楽優弥が撮っている」ということなのだと思います。「アラタ視点カメラ」という表記もエンドロールではなかなか見かけないし、それを俳優自身が担当しているというのも結構特殊な感じがして、凄く気になりました。
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というわけで、黒島結菜を見るだけのつもりだったのに、思いがけず面白い作品で得した気分です。黒島結菜も柳楽優弥もさすがの演技力で、さらに何度も書いていますが、黒島結菜が演じた品川真珠のビジュアルがとにかく衝撃的でした。冒頭の「太ったピエロ」も、3時間の特殊メイクを受けて黒島結菜自身が演じているそうです。絶対に彼女がやる必要はなかったと思いますが。なかなかよく出来たエンタメ作品なので、機会があれば観てみてください。
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ルシルナ
孤独・寂しい・友達【本・映画の感想】 | ルシルナ
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ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
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