目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
この記事で伝えたいこと
森見登美彦作品の「現実感の無さ」を、絵のタッチで絶妙に表現していると思う
あり得そうであり得ない、という難しいバランスを見事に描き出している
この記事の3つの要点
- シンプルな線で一部が誇張されたキャラクターと、場面ごとにまるで異なる背景の描き方
- この絵のタッチを知ってしまうと、これ以外のタッチでは森見登美彦作品に合わない気がしてしまう
- 「黒髪の乙女」には惹かれてしまうなぁ
物語らしい物語はないのに、ずっと観ていられる魅力がある、不思議な作品です
自己紹介記事
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とても素敵な映画でした。
元々、森見登美彦の作品が好きで読んでいましたし、その中でも『夜は短し歩けよ乙女』は別格で好きな作品です。概ね、小説が映像化されると「ちょっと違うかなぁ」と思うことが多いのですが、この作品は、森見登美彦作品の良さを凝縮しながら、アニメ映画として別で自立した作品になっている感じがしました。原作のある作品の見事な映像化と言えるのではないかと思います。
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ポチップ
現実感の無さを、絵のタッチで絶妙に表現する
森見登美彦作品の最大の魅力はやはり、「現実感の無さ」だと思います。「ファンタジー」というほど現実から外れている世界観ではなく、基本的には「京都」という土地を舞台にしながら、現実にはあり得ない「妖しい情景」を自然と立ち上げて行くのです。舞台が「京都」だというのも絶妙だと感じます。森見登美彦が描き出す「妖しさ」が、紙一重で実在してもおかしくないのではないかと感じさせる歴史と風格を持つ街だからです。
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京都以外が舞台だったら、「リアル感」が浮遊しすぎて「ファンタジー色」が強くなっちゃう気がする
「ぎりぎりファンタジーに足を踏み入れていない」っていう最大の要素が「京都」って感じするよね
もし森見登美彦の作品を実写で映像化するとしたら、どうしても「リアルさ」と「ファンタジー」のバランスが難しくなってしまうだろうと思います。「現実感の無さ」こそ最大の魅力なのに、実在の人間が演じてしまえば、それは大きな「現実感」として機能してしまうからです。
だからこそ、「アニメ」という手法は非常に適切だったと感じます。
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さらに、この映画の「絵のタッチ」も、「現実感の無さ」を強調するのに絶妙だったと感じました。絵やイラストについての知識・センスは皆無ですが、私なりに感じたことを書いてみましょう。
全体的に、非常にシンプルな線で描かれていて、だからこそ、過度に強調されている部分が非常に目立つと感じます。人物は特に、その強調されている部分に自然と目がいき、それがキャラクターの特徴を際立たせているのでしょう。誇張がない登場人物は「モブ」として注目する必要がないとすぐに判断できますし、誇張されている人物はその誇張によって「変人であること」が協調されるわけです。森見登美彦作品には、まさに「変人」と呼ぶしかない様々なキャラクターが登場しますが、絵全体のタッチでそれを一発で伝えている感じがしました。
この「キャラクターの変さ」も、実写でやるにはハードルの高い作品だよね
「現実にはいないけど、森見登美彦の世界には馴染む」みたいな雰囲気が大事だからね
一方で、人物以外の描写は、描き方にかなりのバリエーションがあると感じました。古本市では、本の背表紙をリアルに描いてみせますが、川沿いに咲く桜をアートのように描く場面もあるのです。背景の描き方を変えることで、場面ごとの重要性やシリアスさなどが見てすぐに伝わる感じがして、それもとても良い効果だと感じました。
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またこの作品には「回想シーン」が結構出てくるのですが、それがまた独特のタッチで展開されるのです。定期的に場面転換をし、緩急をつけるという意味で、とても良かったと思います。
森見登美彦作品には正直、物語らしい物語がありません。これは別に貶しているのではなく、それなのに面白く読ませる作品に仕上がっていることにいつも驚かされます。ただ、物語らしい物語がないということは、物語の展開によって緩急をつけられない、ということでもあるわけです。だから、「ストーリー」ではなく「絵」そのものによって緩急を生み出しているのではないかと感じました。
また、このような特徴的な絵のスタイルは、作品そのものを大きく規定する要素にもなっているとも言えるでしょう。
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以前何かで、カミュの『異邦人』の冒頭を『ママンが死んだ。』と訳したことについて、「こう訳されてみると、もはやそれ以外の訳が適切に思えなくなる」みたいな記述を目にした記憶があります。あるいは、日本では『星の王子さま』として知られる有名な作品は、フランス語の原題を忠実に翻訳すると『小さな王子さま』となるが、『星の王子さま』というタイトルにしたからこそここまで親しまれたのだ、という話も聞いたことがあります。
著:カミュ, 翻訳:窪田啓作
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ポチップ
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ポチップ
『星の王子さま』はともかく、「ママンが死んだ。」はなかなか攻めた訳だと思う
『異邦人』以外で「ママン」なんて呼称、見ることないしね
同じように、森見登美彦作品がこの映画のようなタッチで映像化されたことで、もはやこれ以外のやり方が適切でだとは感じられない気もします。それぐらい、作品に合った絶妙なタッチだったと思いました。
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映画『夜は短し歩けよ乙女』の内容紹介
ポチップ
内容紹介の前に1つだけ。原作と映画で大きく異なる点を紹介しようと思います。
原作は、4つの短編が収録された連作短編集で、それぞれ「春」「夏」「秋」「冬」の出来事として描かれますが、映画では、原作に登場する様々なエピソードをつなぎ合わせて、なんと「一夜の出来事」であるように再構成されるのです。主人公のもどかしさと共に時間がゆったり進むような原作の雰囲気も良かったですが、「一夜の出来事」として圧縮したことでスピード感のある物語に生まれ変わった映画もまた素敵だと感じました。
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それでは内容を紹介していこう。
物語の主要な登場人物は、「先輩」と「黒髪の乙女」の2人。
「先輩」は、1年前に知り合った後輩「黒髪の乙女」に魂を鷲掴みにされてしまった。大変好きになってしまったのだ。そこで彼はずっと「ナカメ作戦」を実行している。それは「『なるべく』『彼女の』『目に留まる』作戦」の略であり、様々な場面でさも偶然出くわしたかのように遭遇する作戦を繰り返してきた。
友人の学園祭事務局長に「外堀ばかり埋めてるんじゃない」と言われ、友人のパンツ総番長からも「想いを伝えるべきだ」と促されるのだが、それでも「先輩」はひたすら外堀を埋めるだけの日々を過ごしている。
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「先輩」と「黒髪の乙女」が共に招待されたある結婚式の夜、二次会こそは「黒髪の乙女」の隣に座るのだと「先輩」は決意していた。しかしなんと「黒髪の乙女」は二次会に参加せず、先斗町で酒を所望してうろうろする。バーで春画コレクターに胸を触られて「おともだちパンチ」を繰り出し、お知り合いになった「樋口君」「羽貫さん」と先斗町で飲み歩き、幻の酒として語られる「偽電気ブラン」に思いを馳せる、そんな夜を過ごしていた。
フラフラ飲み歩いていると、いつしかその酒豪ぶりが認められてしまい、3階建ての電車に乗って現れるという「李白さん」との飲み比べ対決を打診されてしまう。まことに変な夜である。
一方「先輩」は、見事に「黒髪の乙女」を見失った。パンツを奪われ、鯉を飼っていたオジサンに絡まれながら、ようやく「黒髪の乙女」を見つけるも、どこにいても場の主役になってしまう彼女の傍では、ただの脇役として佇んでいる他ない。
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なんとか彼女の目に留まろうと、古本市や学園祭で奮闘するが……。
映画『夜は短し歩けよ乙女』の感想
原作を読んだ時にも感じましたが、とにかく私は「黒髪の乙女」が大好きです。もし本当にこういう女性が現実にいたら、好きになっちゃうだろうなぁと思います。
なんとなく「黒髪の乙女」の雰囲気を説明してみましょう。興味を抱いたことにグッと視線を向け、しかし決して視野が狭いわけではなく、変転する状況にすぐに馴染める。1人で行動することに寂しさを感じず、しかし誰とでもすぐに仲良くなれ、特別なことをしているわけではないのに自然と場の中心に躍り出てしまう。自分に向けられた関心に無頓着で、けれど他人に冷たいわけではなく、自分なりの関心を向けている。常識が行動を制約することはなく、どんな振る舞いをするにも躊躇を感じず、強い意思や決意を持っているわけではないのに普通ではない状況を軽々と乗り越えてしまう。
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といった感じでしょうか。なかなかの人物でしょう。
性別関係なく、なかなか現実にはいなさそうな存在ではありますが、ホントにこんな人がいたらいいなぁと感じてしまいました。
こういうことを言うと、「男の妄想」とか言われちゃうんだけどね
でもこの広い世界、1人ぐらいいてもいいんじゃない、「黒髪の乙女」みたいな人もさ
「先輩」「黒髪の乙女」以外にも魅力的な人たちが多く、とにかくそういう「変人」たちを愛でていると、ずっと飽きずにその世界にいられてしまうような、そんな強い引力を感じさせられます。森見登美彦が生み出す、現実感のまるでない世界に入り込んで、そこで暮らしていきたいなぁとまで感じてしまいました。
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物語は、最初から最後まで奇妙奇天烈な展開を見せるのですが、「現実感」を喪失させる絵のタッチや、明らかに現実離れした登場人物たちによって、すぐさま「異世界」へと引きずり込まれ、「奇妙奇天烈さ」に違和感を覚えません。一応「京都」という現実の世界を舞台にしているのに、登場人物の誰もが目の前の「奇妙奇天烈さ」に疑問を抱かないこともあって、かなり早い段階で「そういうものなんだなー」という感覚になってしまうでしょう。
まさにそのような点も、森見登美彦の小説世界を見事に映像に落とし込んでいると感じました。
また、「先輩」の脳内が可視化される部分も非常に面白いです。特にラストの、「理性」と「本能」のバトルは見応えがありました。とにかく「先輩」は常に「葛藤」を抱えているわけですが、その「葛藤」がグルグルと絡まって身動きが取れなくなってしまう様を視覚化してくれるのが面白いと思います。
観ている間、ずっとニタニタしていたと思うし、久々に心が浮き立つような作品に出会えました。観て良かったと思います。
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ポチップ
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最後に
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僕はアニメや映画に詳しくないのですが、『夜は短し歩けよ乙女』の湯浅政明監督は、その世界ではかなり有名な方のようです。最近では、『映像研には手を出すな!』を手掛けたそうで、こちらも高く評価されています。
しかしホント、面白かったなぁ。
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【驚異】映画『RRR』『バーフバリ』は「観るエナジードリンク」だ!これ程の作品にはなかなか出会えないぞ
2022年に劇場公開されるや、そのあまりの面白さから爆発的人気を博し、現在に至るまでロングラン上映が続いている『RRR』と、同監督作の『バーフバリ』は、大げさではなく「全人類にオススメ」と言える超絶的な傑作だ。まだ観ていない人がいるなら、是非観てほしい!
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【共感】「恋愛したくない」という社会をリアルに描く売野機子の漫画『ルポルタージュ』が示す未来像
売野機子のマンガ『ルポルタージュ』は、「恋愛を飛ばして結婚すること」が当たり前の世界が描かれる。私はこの感覚に凄く共感できてしまった。「恋愛」「結婚」に対して、「世間の『当たり前』に馴染めない感覚」を持つ私が考える、「恋愛」「結婚」が有する可能性
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【あらすじ】映画『夕方のおともだち』は、「私はこう」という宣言からしか始まらない関係性の”純度”を描く
「こんな田舎にはもったいないほどのドM」と評された男が主人公の映画『夕方のおともだち』は、SM嬢と真性ドMの関わりを通じて、「宣言から始まる関係」の難しさを描き出す。「普通の世界」に息苦しさを感じ、どうしても馴染めないと思っている人に刺さるだろう作品
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【感想】映画『君が世界のはじまり』は、「伝わらない」「分かったフリをしたくない」の感情が濃密
「キラキラした青春学園モノ」かと思っていた映画『君が世界のはじまり』は、「そこはかとない鬱屈」に覆われた、とても私好みの映画だった。自分の決断だけではどうにもならない「現実」を前に、様々な葛藤渦巻く若者たちの「諦念」を丁寧に描き出す素晴らしい物語
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【驚嘆】「現在は森でキノコ狩り」と噂の天才”変人”数学者グリゴリー・ペレルマンの「ポアンカレ予想証…
数学界の超難問ポアンカレ予想を解決したが、100万ドルの賞金を断り、フィールズ賞(ノーベル賞級の栄誉)も辞退、現在は「森できのこ採取」と噂の天才数学者グリゴリー・ペレルマンの生涯を描く評伝『完全なる証明』。数学に関する記述はほぼなく、ソ連で生まれ育った1人の「ギフテッド」の苦悩に満ちた人生を丁寧に描き出す1冊
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おげれつたなか『エスケープジャーニー』のあらすじ紹介とレビュー。とにかく、「BLでしか描けない関係性」が素晴らしかった。友達なら完璧だったのに、「恋人」ではまったく上手く行かなくなってしまった直人と太一の葛藤を通じて、「進んでも行き止まり」である関係にどう向き合うか考えさせられる
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【感想】映画『窓辺にて』(今泉力哉監督)の稲垣吾郎の役に超共感。「好きとは何か」が分からない人へ
映画『窓辺にて』(今泉力哉監督)は、稲垣吾郎演じる主人公・市川茂巳が素晴らしかった。一般的には、彼の葛藤はまったく共感されないし、私もそのことは理解している。ただ私は、とにかく市川茂巳にもの凄く共感してしまった。「誰かを好きになること」に迷うすべての人に観てほしい
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【幸福】「死の克服」は「生の充実」となり得るか?映画『HUMAN LOST 人間失格』が描く超管理社会
アニメ映画『HUMAN LOST 人間失格』では、「死の克服」と「管理社会」が分かちがたく結びついた世界が描かれる。私たちは既に「緩やかな管理社会」を生きているが、この映画ほどの管理社会を果たして許容できるだろうか?そしてあなたは、「死」を克服したいと願うだろうか?
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【あらすじ】ムロツヨシ主演映画『神は見返りを求める』の、”善意”が”悪意”に豹変するリアルが凄まじい
ムロツヨシ演じる田母神が「お人好し」から「復讐の権化」に豹変する映画『神は見返りを求める』。「こういう状況は、実際に世界中で起こっているだろう」と感じさせるリアリティが見事な作品だった。「善意」があっさりと踏みにじられる世界を、私たちは受け容れるべきだろうか?
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【感想】湯浅政明監督アニメ映画『犬王』は、実在した能楽師を”異形”として描くスペクタクル平家物語
観るつもりなし、期待値ゼロ、事前情報ほぼ皆無の状態で観た映画『犬王』(湯浅政明監督)はあまりにも凄まじく、私はこんなとんでもない傑作を見逃すところだったのかと驚愕させられた。原作の古川日出男が紡ぐ狂気の世界観に、リアルな「ライブ感」が加わった、素晴らしすぎる「音楽映画」
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二村ヒトシ『すべてはモテるためである』は、タイトルも装丁も、どう見ても「モテ本」にしか感じられないだろうが、よくある「モテるためのマニュアル」が書かれた本ではまったくない。「行動」を促すのではなく「思考」が刺激される、「コミュニケーション」と「居場所」について語る1冊
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「500年に一度の天才」などと評され、一介のチェスプレーヤーでありながら世界的な名声を獲得するに至ったアメリカ人のボビー・フィッシャー。彼の生涯を描く映画『完全なるチェックメイト』から、今でも「伝説」と語り継がれる対局と、冷戦下ゆえの激動を知る
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ゴジラ作品にも特撮映画にもほとんど触れてこなかったが、庵野秀明作品というだけで観に行った『シン・ゴジラ』はとんでもなく面白かった。「ゴジラ」の存在以外のありとあらゆるものを圧倒的なリアリティで描き出す。「本当にゴジラがいたらどうなるのか?」という”現実”の描写がとにかく素晴らしかった
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「リア充感」が滲み出ているのに「生きづらさ」を感じてしまう人に、私はこれまでたくさん会ってきた。見た目では「生きづらさ」は伝わらない。24年間「リアル彼氏」なし、「脳内彼氏」との妄想の中に生き続ける主人公を描く映画『勝手にふるえてろ』から「こじらせ」を知る
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専門学校の卒業制作として濱口竜介が撮った映画『親密さ』は、2時間10分の劇中劇を組み込んだ意欲作。「映像」でありながら「言葉の力」が前面に押し出される作品で、映画や劇中劇の随所で放たれる「言葉」に圧倒される。4時間と非常に長いが、観て良かった
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私は「腐男子」というわけでは決してないのですが、周りにいる腐女子の方に教えを請いながら、多少BL作品に触れたことがあります。その中でもダントツに素晴らしかったのが、水城せとな『窮鼠はチーズの夢を見る』です。その映画と原作の感想、そして私なりの考察について書いていきます
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このブログは、本と映画をベースに考えたことを綴っていますが、ここでは記事の中で取り上げた映画(フィクション)についてまとめています。
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