目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:有村架純, 出演:志尊淳, 監督:森ガキ侑大, プロデュース:河村光庸
¥2,000 (2022/06/23 20:26時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
この記事で伝えたいこと
「生き延びるために必要なもの」は、人それぞれまったく違うはず
それなのに、「不要不急」という言葉で様々な事柄があっさり制約されてしまった
この記事の3つの要点
- 私は運良く、コロナ禍でも「生き延びるために必要なもの」がほとんど制約されなかった
- 手塚マキが語る、「夜の仕事が安易に糾弾される現状」
- 「分かりやすい情報」しか摂取できない現代人への危機感
志尊淳きっかけで観た映画ですが、雑多でごちゃっとした感じが逆に良かったと感じました
自己紹介記事
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映画『人と仕事』では、志尊淳・有村架純が、コロナ禍で炙り出された「『生きる糧』の違い」と「分断の現実」を直視する
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映画『人と仕事』の予告編を観た時、「どうして志尊淳と有村架純の2人が選ばれたのだろう」と感じました。ドキュメンタリー映画の聞き手としてはなかなか唐突なセレクトで、不自然に感じたからです。
けど、志尊淳が出ているから観る気になったわけで、結果的には良かったよね
「考えてる人」って意味で、志尊淳、結構好きなんだよなぁ
映画を観てその疑問は氷解しました。
元々この2人を主演にした『保育士T』という映画の撮影が予定されていたのですが、コロナ禍ということで撮影中止が決定してしまいます。そしてプロデューサーから、結果的に空き時間となってしまったこの期間を使ってドキュメンタリー映画を撮らないかと打診があったというわけです。
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そんなわけで、志尊淳・有村架純が聞き手となって、コロナ禍で苦境にあえぐ様々な人を映し出す、なかなか異色のドキュメンタリー映画が完成することになりました。
「生き延びるために必要なもの」は人によって違う
コロナ禍で改めて強く意識させられたことがあります。それが、「生き延びるために必要なもの」は人によって全然違うということです。そしてその感覚が、映画『人と仕事』によって再び強く実感させられました。
私自身は、非常に運が良かったことに、コロナ禍によるダメージはほぼ無かったと言っていいでしょう。コロナとは関係ない理由で何度か職を転々としたものの無職の期間はなく、給料は同年代と比較したら平均以下だと思いますが、別に生活できる程度にはあります。結婚していないので家庭や子育てでの苦労が増すこともなく、介護しなければならない状況でもありません。
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元々インドアの人間なので、「外に出られないこと」を苦痛に感じたりしませんし、「映画館で映画を観る」という趣味も、最初の緊急事態宣言中を除けばほぼ制約されませんでした。食べることに興味がなく、ほぼ自炊で生活していることもあり、飲食店が空いていない状況にも特に支障を感じたことはありません。自粛期間中に一番嫌だなと感ったのは、「仲の良い人と飲みに行けない」ということぐらいでした。
マジでキツイ状況にいる人はたくさんいると思うから、よくノーダメージでいられたものだって思う
そもそも私は、平時でも「生き延びること」に難しさを感じてしまう人間なので、パンデミックによってその難しさが増さなかったことは奇跡的だと感じています。本当にありがたいことです。
ただ、私のこの奇跡は、「私にとっての『生き延びるために必要なもの』が、コロナ禍で制約されなかった」というだけの話にすぎません。「生き延びるために必要なもの」が制約された人たちは、本当に大変な思いをしているだろうと思います。
ましてその「生き延びるために必要なもの」が、「世間的に受け入れられないもの」でもあるとしたらなおさらでしょう。
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テレビの報道番組などでよく目にしたのが、「緊急事態宣言中に深夜まで路上飲みをしている若者たち」の姿です。「自粛が求められている最中、『路上』という公共の場で他人の迷惑を顧みずに飲み騒いでいるなんてけしからん」というような捉え方で若者を映し出す光景をよく目にしました。
ただ、「路上飲みをすること」が彼らにとって「生き延びるために必要なもの」という可能性だってあるはずです。
そういう想像力は失いたくないっていつも意識しているつもり
どんな行為にだって、「その人なりの事情」があって然るべきだもんね
家に帰れば親から虐待を受けるのかもしれません。その日まではずっと家にいて頑張ってきたけれど、どうしても耐えきれず久しぶりに羽目を外してしまったのかもしれません。直接顔を見て話さないと打ち明けられないような悩みがあったのかもしれません。
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もしそうだとするなら、お酒を飲んで騒ぐことはともかく、路上ででたむろすることは「生き延びるために必要なもの」と考えていいのではないでしょうか。
もちろん、「自分さえ良ければ良い」という他人の迷惑を顧みない考えで飲み騒いでいる人もいるはずです。しかし、全員が全員そうだと考えるのも早計でしょう。そういう想像力を失ってはいけないと、改めて実感させられました。
「メディアが分断を生んでいる」と手塚マキが語る
映画『人と仕事』では、コロナ禍においてもリモートワークが不可能な仕事を取り上げています。保育園や介護施設などがパッと思い浮かぶでしょう。その1つとして、映画ではホストなど夜の仕事も扱われています。そして映画全体において、新宿・歌舞伎町でホストクラブなどを経営し、様々な形で表に出る機会が多い手塚マキの言葉が私には印象的に感じられました。ちなみにですが彼は、Chim↑Pomというアート集団の一員であるエリイの夫としても知られています。
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コロナ禍では、ホストクラブなどが「クラスターの温床」として槍玉に挙げられることが多くありました。しかし手塚マキによれば、それは一面的な見方に過ぎません。彼は、「ペストの時にも売春宿が悪者にされた」と、過去の歴史を振り返ります。そしてその上で、
「夜の街の問題」と言われるものは結局、「社会構造の問題」なのだ
と指摘するのです。
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「社会的に立場が弱い人間を糾弾して、なんとなくすっきりした気分になりたい」みたいなことでしかないんだよね、結局
問題は全然解決してないんだけど、「悪の原因が分かった」って思えて満足できるんだろうね、きっと
しかし「社会構造の問題」という捉え方をせず、「ホストクラブが悪い」みたいな一方的な視点でメディアが報じることがあります。そしてそれをホストクラブで働く若者たちが目にして、「開き直り」のような感覚になってしまうと言っていました。「どうせ自分たちは日陰者だから、何をしたって別にいい」という感情が芽生えるのだそうです。そしてそのことが、結果として「ホストクラブが悪い」という見方を補強してしまうことになります。
つまり、「『メディアの報じ方』が悪循環を生んでいる」というわけです。
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手塚マキは、「確かにホストクラブには『日陰者』と呼びたくなるような奴が集まっているが、それは、『ホストクラブにしか居場所がなかった』という事実の裏返しでもある」とも言っています。これはお客さんにしても同じで、「ホストクラブでお金を使うことでどうにか生き延びている人」もいるわけです。
彼は、コロナ禍で注目を集めた、星野源の『うちで踊ろう』という曲にも言及していました。別にあの盛り上がりに水を差したいなんて話ではありません。ただ、「『星野源の歌を歌って静かにステイホームできる人』なんて、世の中にほとんどいないんじゃないか」と言っていました。「『家が好きだ』なんて言える人も少数なんじゃないかのか」とも。確かにそうだろうと思います。
私のような「一人暮らしのインドア派」なら全然問題ないけどね
インドア派でも誰かと一緒に住んでいるとまた感覚が違うだろうしね
手塚マキのこのような言葉は、「生き延びるために必要なもの」が人によってまったく異なることを示していると言えるでしょう。
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もちろん、コロナ禍であるかどうかに関係なく、何らかの「依存状態」に陥ってしまっているなら、それは改善すべきだと思います。それがどれだけ「生き延びるために必要なもの」だとしても、お酒・パチンコ・ギャンブル・占いなど、何かに「依存」している状態は良くありません。しかしそうでないのなら、社会一般の感覚と合わないとしても、自分にとって「生き延びるために必要なもの」を最優先するという選択は許容されるべきだと感じます。
だって、それがなければ生き延びられないのですから。その人にとっての緊急性はとても高いわけです。
ただ、「一般的には不要で不急と思われているもの」が「不要不急」という言葉であっさりと制約される現実を私たちは目にしてきました。もちろんそれは「感染症の拡大を防ぐ」という意味で重要なことだし、無視していいわけではありません。ただあまりにも「不要不急」という言葉を安易に使いすぎていて、持つべき想像力を失っているようにも感じられるのです。
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手塚マキは、ホストクラブでクラスターが発生しやすい理由として、「ホストの1/3が寮生活であること」を挙げていました。確かに、そう説明されると納得感があるし、「夜の仕事だからクラスターが多い」のではないことも理解できます。しかし、そう主張しても、「ホストクラブの寮には何か感染が広がりやすい要因があるのではないか」と邪推されてしまうと言っていました。
「原因が分からない」とか「誰に文句を言っていいか分からない」って時に、はけ口を探したくなるんだろうなぁ
ホントは「原因を正しく捉える」ことが一番大事なのにね
映画には、風俗店で働く女性も登場するのですが、彼女は、「『普通の人』にはしないことでも、『夜の世界で働いている人』には平然と行われてしまうことがある」と語っていました。これもまた「はけ口」を求める気持ちからでしょう。結局「社会の不満」は、「構造上『下層』にいる人たち」に向けられてしまうことになるし、まさにコロナ禍でその事実が如実に炙り出されたと感じます。
「分かりやすさ」だけが優先され、頭を使わなくなった
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また手塚マキは、こんな風にも言っていました。
分かりやすい説明や状況だけが評価され、複雑でややこしい事柄は敬遠される。どんどん日本人がバカになっていっている感じがする。
本当にその通りだと感じます。映画全体の話から少し外れますが、この点について少し触れていきましょう。
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一昔前がどういう状況だったのか、きちんと覚えているわけではありませんが、やはり以前と比べて「情報の届き方・受け取られ方」が明らかに変わったと感じます。その一番の変化は恐らく「パッと見で理解できるかどうか」であるはずです。それは写真や映像だけではなく、文字情報にも及んでいると言えるでしょう。「長い文章は読めない」「見出しだけでなんとなく内容を判断する」みたいに、文字情報も「見た目の印象」で取捨選択されているように感じます。
もちろん、そういうことを全部理解した上で、このブログはアホみたいに長く書いてるわけです
読み通してくれている人がいるなら、それだけでありがたいよね
以前ネットの記事で、「現代人は、情報を離乳食ぐらいまで分かりやすく噛み砕いてあげないと理解できない」と指摘されていたのですが、本当にその通りでしょう。最近は、「Z世代はラジオを聴けない」という記事を読んで驚かされました。Youtubeなどで字幕付きの映像を目にする機会が多い一方で、耳だけで情報を取り入れる経験をほとんどしないため、ラジオを聴く力がなくなっているという説明でした。
凄い世界になりつつあるなぁ、と感じます。
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「離乳食のような情報」にしか触れていなければ当然「噛む力」は鍛えられないし、「噛む力」が鍛えられないから余計に「離乳食のような情報」にしか触れられない、という悪循環から抜け出せません。しかも、「離乳食のような情報」しか取り入れていない人も、「情報を得ている」という実感は持っているはずなので、現状を改善しようという気にはならないでしょう。つまり、そういう人がどんどん増えてしまい、結果的に世の中に蔓延する情報は「離乳食のような情報」ばかりになってしまうのです。
コロナ禍では、ワクチンに対する批判的な情報も出回りました。もちろん、「物事を批判的に捉える姿勢」は重要です。しかしそれは、「情報を適切に捉え、現実を適切に理解するための手段」であるべきでしょう。私の感覚では、ワクチンに関する情報を正しく収集し、それに基づいて判断を行っていれば、「もちろんリスクはゼロではないが、打つ価値はある」という結論に辿り着いて然るべきだと思っています。もちろん、私のこの感覚が正しくない可能性も十分にあるでしょう。しかし、個別の案件はともかく、社会全体で捉えた時には、少なくとも「コロナに感染するよりもワクチン接種の方が危険」という主張は成立し得ないと私は考えているのです。
この状況は、現代における「情報収集の難しさ」を示していると言えるでしょう。私は、「ネットで検索すればどんな情報でも出てくる」と考えています。正しいか間違っているかに関係なく、世の中にはありとあらゆる情報が存在し、そこに辿り着くための道が用意されているわけです。だから「いかに間違った道を選ばないか」が検索する上で最も重要なのですが、しかし多くの人がそんなことを意識せず、「情報が存在する」=「その情報は正しい」と受け取っているように感じてしまいます。
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「◯◯ 悪い」で検索すれば悪い情報が出るし、「◯◯ オススメ」で検索すれば良い情報が出てくるだけなのにね
「自分が信じたくない情報」は「フェイクニュース」って呼んで切り捨てるだけだからホント怖い
もしこの現状に危機感を抱いているのであれば、意識的に「分かりにくい情報」に手を伸ばしてみるしかないでしょう。多くの人がそういう振る舞いを重ねることで、改善の可能性が少しずつ高くなることを期待するしかないと思います。
映画全体の感想と、志尊淳について
元々企画されていた映画の代わりに急遽撮影されたからでしょうか、映画『人と仕事』は、全体的にまとまりのない作品だと感じました。そして、それでいいのではないかと思います。「素材集」といった雰囲気で、素材が全体としてひとまとまりになっていない気がするのですが、そのごちゃっとした感じがリアルっぽくて私は良いように感じました。
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そんなわけで、このドキュメンタリー映画は全然分かりやすくありません。特段、結論めいたものもないでしょう。そして、そういう「なんとも受け取り難い作品」が、志尊淳・有村架純のネームバリューによって、普段ドキュメンタリー映画を観ないだろう人のところにまで届き得るというのが、この作品の1つの価値かもしれないと感じるのです。
先程「分かりやすさ」について書きましたが、普通に生きていると「分かりやすい情報」しか入ってこない、そんな時代に私たちはいます。そういう中で、観たものを自分の内側で昇華せざるを得ないこの作品は「普段接するのとは異なる情報」であり、思考が促されるきっかけになるでしょう。あるいは、「世の中は複雑でややこしい」という実感を得られるとも言えると思います。そのような映画として観てみるのもいいでしょう。
また、この記事の冒頭で、「この映画を観ようと思ったきっかけは志尊淳だ」と書きましたが、それについてももう少し触れておこうと思います。
以前、『さんかく窓の外側は夜』という映画を観たのですが、私が観たのがたまたま舞台挨拶のライブビューイング付きの上映でした。そしてその時の志尊淳の言動から、「この人は『言葉の人』だ」と感じたのです。
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私は人間のことを「言葉の人」か否かという視点で捉えます。これはざっくりと、「自分の頭で考え、自分の言葉で言語化してアウトプットできる人」ぐらいのイメージです。
「言語化してアウトプットする」ところまでは無理でも、「頭の中で自分なりに考えてそうだ」って感じられればOKなんだけど
それまで志尊淳という俳優にそこまで関心を抱いたことはなかったのですが、舞台挨拶の際に、「この人はちゃんと自分の考えを持っているし、それを的確に言語化できる人なんだ」と感じて、そこから興味を抱くようになりました。
恐らく、志尊淳が出ているのでなければ、映画『人と仕事』を観ようとは思わなかったでしょう。「志尊淳というフィルターを通した時、どんな世界が映るのか」という点に興味があったので観たわけですが、やはり彼は、「俳優・志尊淳という自身の立ち位置を的確に理解しつつ、悩みや迷いを抱えながら、自分にできることを模索する」という姿勢でこの撮影に臨んでいることが分かり、一層好感が持てました。
この記事を書いている時点で彼は27歳だそうで、39歳の私からすれば十分若者です。詳しいことは知りませんが、若い世代に人気があるはずでしょう。こういう人が、無理のない範囲で「自分が今気になっている問題」として様々な社会の現状を取り上げてくれると、若い世代にも何かが伝わるのではないかと思います。志尊淳には、そんな役割を期待したくなってしまいました。
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出演:有村架純, 出演:志尊淳, 監督:森ガキ侑大, プロデュース:河村光庸
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最後に
映画を観て感じたことは、最近様々な場面で思うことと同じで、「若い人はちゃんとしている」ということです。私より上の世代なんかより全然色んなことを考えていると思うし、ちゃんと言葉にしようとしています。テレビのニュースなどでは、視聴者が年配の世代だということもあるでしょう、どうしても「若者に苦言を呈す」みたいな内容が多くなりがちですが、苦言を呈されるべきは上の世代の方だろうと感じることが多いです。
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そりゃあ、こんな時代に生きていたら考えずにはいられないでしょう。コロナ禍だけではなく、下の世代であればあるほど「生まれた時から状況はずっと悪化し続けている」はずですから。これからもますます状況は厳しくなっていくと思いますが、上の世代のアホみたいな意見なんかすべて無視して、自分たちがどうにか生き延びることを優先して下さい。自分なりの「正しさ」をベースに、なんとか社会と上手く折り合いをつけてほしいと思うばかりです。
映画の中で「緊急事態宣言中でほとんど人通りのない渋谷」を志尊淳が歩く場面があるのですが、そこで「ホンモノの志尊淳」に遭遇した看護学生が驚く場面がありました。そりゃあ、突然志尊淳が目の前に現れたら驚くよなぁ。
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