目次
はじめに
この記事で取り上げる本
著:マリオ リヴィオ, 翻訳:千葉 敏生
¥1,144 (2021/11/12 06:19時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この本をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 「既存の科学を揺さぶるような失敗」だからこそ、偉大な貢献をもたらすことにも繋がる
- ダーウィン、ケルヴィン、ホイルなど、有名な天才が登場する
- アインシュタインの「失敗」は、その華麗な復活劇も含めて非常に有名
「結果的に誤りだと判明した研究にも意味がある」と理解しておくことは、科学研究を捉える上で重要だ
自己紹介記事
あわせて読みたい
ルシルナの入り口的記事をまとめました(プロフィールやオススメの記事)
当ブログ「ルシルナ」では、本と映画の感想を書いています。そしてこの記事では、「管理者・犀川後藤のプロフィール」や「オススメの本・映画のまとめ記事」、あるいは「オススメ記事の紹介」などについてまとめました。ブログ内を周遊する参考にして下さい。
あわせて読みたい
【全作品読了・視聴済】私が「読んできた本」「観てきた映画」を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が『読んできた本』『観てきた映画』を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非本・映画選びの参考にして下さい。
どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
あわせて読みたい
Kindle本出版しました!『天才・アインシュタインの生涯・功績をベースに、簡単過ぎない面白科学雑学を…
Kindleで本を出版しました。タイトルは、『天才・アインシュタインの生涯・功績をベースに、簡単過ぎない面白科学雑学を分かりやすく書いた本:相対性理論も宇宙論も量子論も』です。科学や科学者に関する、文系の人でも読んでもらえる作品に仕上げました。そんな自著について紹介をしています。
『偉大なる失敗』は、科学の進展に貢献した「偉大なる失敗」の歴史を紐解く1冊
本書『偉大なる失敗』は「単なる失敗」を扱った作品ではない
あわせて読みたい
【知的】「BLって何?」という初心者に魅力を伝える「腐男子」の「BLの想像力と創造力」講座:『ボクた…
「BLは知的遊戯である」という主張には「は?」と感じてしまうでしょうが、本書『ボクたちのBL論』を読めばその印象は変わるかもしれません。「余白の発見と補完」を通じて、「ありとあらゆる2者の間の関係性を解釈する」という創造性は、現実世界にどのような影響を与えているのか
「失敗は発明の母」など、「失敗」というのは「決して悪いだけのものではない」とされることも多いが、やはりその響きは決して良いものではないだろう。何か装飾語が付随しなければやはり、「失敗」という言葉にはマイナスのイメージがついてまわるはずだ。
だからこそ本書のタイトルは「”偉大なる”失敗」となっている。本書は、科学の世界で非常によく知られている「失敗」を取り上げながら、「実はその失敗が何かプラスの貢献をもたらしている」と明らかにする作品だ。
あわせて読みたい
【神秘】脳研究者・池谷裕二が中高生向けに行った講義の書籍化。とても分かりやすく面白い:『進化しす…
「宇宙」「深海」「脳」が、人類最後のフロンティアと呼ばれている。それほど「脳」というのは、未だに分からないことだらけの不思議な器官だ。池谷裕二による中高生向けの講義を元にした『進化しすぎた脳』『単純な脳、複雑な「私」』をベースに、脳の謎を知る
本書の冒頭には、こんなことが書かれている。
本書のテーマは重大な科学的過ちだ。私のいう「科学的過ち」とは特に、科学の理論や構想全体を台無しにしかねないような、または少なくとも原理的に科学の進歩を遅らせかねないような、深刻な考え方の誤りを意味している
つまり、本書で扱われている失敗は、「壮大な主張だが誤りだと判明したもの」というわけだ。既存の考え方を覆したり、ある方向への考え方を抑制してしまう影響力を持ちうるような理論を提唱したが、実際にそれは間違いであることが判明するのである。
あわせて読みたい
【おすすめ】「天才」を描くのは難しい。そんな無謀な挑戦を成し遂げた天才・野崎まどの『know』はヤバい
「物語で『天才』を描くこと」は非常に難しい。「理解できない」と「理解できる」を絶妙なバランスで成り立たせる必要があるからだ。そんな難題を高いレベルでクリアしている野崎まど『know』は、異次元の小説である。世界を一変させた天才を描き、「天才が見ている世界」を垣間見せてくれる
しかしそういう「失敗」だからこそ、それは単なる失敗では終わらない。主張そのものは誤りでしかないが、その科学者がそのような主張を行ったことには意味があった、というようなニュアンスで捉えていいだろう。
それはある意味では間接的な貢献とも言える。例えば、ある科学者は間違った説を生涯唱え続けたが、そのお陰で結果的に科学界での議論を活発化させ、正しい理解に結びつくことに繋がった。あるいは、ある科学者の主張に初歩的なミスを発見した人物は、「本人がそのミスに気づかない内に、自分たちの理論をまとめて発表できるようにしよう」と考え、世紀の大発見を導いたのである。
大体の失敗は「単なる失敗」で終わってしまうだろう。しかし本書で取り上げられる科学者は、歴史的にも名を残す人物ばかりであり、その功績が高く評価されているからこそ、「失敗」さえも影響力を持つことになる。本書は、科学的な知見を紹介する内容の本だが、「偉大な科学者の偉大な失敗」を知ることで、失敗を恐れずに前進する勇気をもらえる人もいるのではないかと思う。
あわせて読みたい
【化石】聞き馴染みのない「分子生物学」を通じて、科学という学問の本質を更科功が分かりやすく伝える…
映画『ジュラシック・パーク』を観たことがある方なら、「コハクの化石に閉じ込められた蚊の血液から恐竜の遺伝子を取り出す」という設定にワクワクしたことだろう。『化石の分子生物学』とは、まさにそのような研究を指す。科学以外の分野にも威力を発揮する知見に溢れた1冊
本書で取り上げられる科学者と、彼らの「失敗」がどんな分野で起こったのかを下にまとめておこう
- ダーウィン 進化論
- ケルヴィン 地球の年齢
- ポーリング DNAのらせん構造
- ホイル 定常宇宙論
- アインシュタイン 宇宙定数
この中で、トップクラスに有名なのはやはりアインシュタインだろう。そして宇宙定数に関する「アインシュタインの失敗」もまた有名で科学史においては非常によく知られている。この顛末を知ると、名前が有名というだけではなく、やはりアインシュタインは科学者として別格なのだなぁと感じさせられるはずだ。
あわせて読みたい
【知的】文系にオススメの、科学・数学・哲学の入門書。高橋昌一郎の「限界シリーズ」は超絶面白い:『…
例えば「科学」だけに限ってみても、「なんでもできる」わけでは決してない。「科学」に限らず、私たちが対峙する様々な事柄には「これ以上は不可能・無理」という「限界」が必ず存在する。高橋昌一郎の「限界シリーズ」から、我々が認識しておくべき「限界」を易しく学ぶ
各科学者ごとに1章が割かれており、前半で「彼らがどんな偉大な功績を残したか」が、そして後半で「彼らの失敗」が語られる。それではここから、それぞれの科学者の失敗を見ていこう。
ダーウィン:進化論
あわせて読みたい
【始まり】宇宙ができる前が「無」なら何故「世界」が生まれた?「ビッグバンの前」は何が有った?:『…
「宇宙がビッグバンから生まれた」ことはよく知られているだろうが、では、「宇宙ができる前はどうなっていたのか」を知っているだろうか? 実は「宇宙は”無”から誕生した」と考えられているのだ。『宇宙が始まる前には何があったのか?』をベースに、ビッグバンが起こる前の「空間も時間も物理法則も存在しない無」について学ぶ
本書で説明される「ダーウィンの失敗」は、少し説明しづらい。まずはざっくりと、「ダーウィンの失敗」がどのような効果をもたらしたのか書くと、
ダーウィンが自らの「失敗」に気づかなかったお陰で「進化論」という類まれな理論が生まれた
ということになる。では詳細を見ていこう。
あわせて読みたい
【究極】リサ・ランドールが「重力が超弱い理由」を解説する、超刺激的なひも理論の仮説:『ワープする…
現役の研究者であるリサ・ランドールが、自身の仮説を一般向けに分かりやすく説明する『ワープする宇宙』。一般相対性理論・量子力学の知識を深く記述しつつ「重力が超弱い理由」を説明する、ひも理論から導かれる「ワープする余剰次元」について解説する
ダーウィンの進化論の「核心」は、「自然選択」にある。「生存に有利な個体が生き残る」という「自然選択」の原理によって生命の進化が説明できる、というわけだ。ある個体に何か突然変異が起こり、それがその種全体の生存に有利なものである場合、その突然変異がしばらくして集団に浸透する。このようなメカニズムを明らかにしたのがダーウィンなのである。
この業績は当然素晴らしいものだが、しかし、ダーウィンが進化論を提唱した時代においては、ダーウィンの主張は成り立たないはずだった。何故なら、「メンデルの遺伝の法則」がまだ存在していなかったからだ。
というのも、メンデルが主張するような遺伝の仕組みでなければ、ダーウィンの「自然選択」は起こらないのである。
あわせて読みたい
【天才】科学者とは思えないほど面白い逸話ばかりのファインマンは、一体どんな業績を残したのか?:『…
数々の面白エピソードで知られるファインマンの「科学者としての業績」を初めて網羅したと言われる一般書『ファインマンさんの流儀』をベースに、その独特の研究手法がもたらした様々な分野への間接的な貢献と、「ファインマン・ダイアグラム」の衝撃を理解する
ダーウィンが生きていた時代に知られていたのは「融合遺伝」という仕組みだ。これは、ペンキを混ぜ合わせるようなものだとイメージすればいい。ダーウィンの時代には、遺伝を司るものは「液体」のようなものであり、それら液体が混ぜ合わさることで遺伝が起こると考えられていた。白と黒のペンキを混ぜれば灰色になるが、灰色の状態から白と黒に分離することはない。このように、一度融合してしまうと再び分かれることがない遺伝の仕組みを「融合遺伝」と呼ぶ。
そしてこの「融合遺伝」では、「自然選択」は起こらないことが分かっている。
「自然選択」が起こるのは、トランプをシャッフルするような仕組みである「メンデルの遺伝の法則」だ。トランプはどれだけ混ぜ合わせても、トランプ同士が融合して分離できない状態にはならない。同じように、遺伝を司る、「液体」ではないなんらかの物質(メンデルの時代には「DNA」の存在は知られていなかった)が、トランプをシャッフルするようにして混ざり合い遺伝が起こる、と考えるのがメンデルの遺伝の法則である。
あわせて読みたい
【興奮】素数の謎に迫った天才数学者たちの奮闘と、数学の”聖杯”である「リーマン予想」について:『素…
古今東西の数学者を惹きつけて止まない「素数」。その規則性を見つけ出すことは非常に困難だったが、「リーマン予想」として初めてそれが示された。『素数の音楽』『リーマン博士の大予想』から、天才数学者たちが挑んできた「リーマン予想」をざっくり理解する
そしてこのメンデルの遺伝の仕組みであれば「自然選択」が起こるというわけだ。
つまりダーウィンは、「進化の核心は自然選択である」という革命的な主張を行ったのだが、ダーウィンが生きていた当時の遺伝に関する常識に照らせば、この主張は誤りだったということになるのである。
しかしダーウィンは、「融合遺伝では自然選択は起こらない」ということに気づかなかった。このことを本書では「失敗」と呼んでいる。しかしそのお陰で、「進化論」という見事な理論が生まれることになった、というわけだ。
著者は進化論についてこんな風に書いている。
あわせて読みたい
【組織】意思決定もクリエイティブも「問う力」が不可欠だ。MIT教授がCEOから学んだ秘訣とは?:『問い…
組織マネジメントにおいては「問うこと」が最も重要だと、『問いこそが答えだ!』は主張する。MIT教授が多くのCEOから直接話を聞いて学んだ、「『問う環境』を実現するための『心理的安全性の確保』の重要性」とその実践の手法について、実例満載で説明する1冊
ダーウィンが遺伝学の初歩的な事実を誤解していたことを考えれば、彼の理論の大部分が正しかったことは、まさに驚きとしか言いようがない
まさにその通りだろう。これもまた、天才性が為せる業だろうか。
ケルヴィン:地球の年齢
ケルヴィンも非常に有名な科学者である。科学では「絶対温度」を示す「K」という単位を非常によく目にするが、これはケルヴィンの名前から取られている。本書にも、ケルヴィンは伝記作家が絶賛するほどの偉大な成果を数々生み出し、人格的にも優れていたと書かれている。
あわせて読みたい
【幻想】超ひも理論って何?一般相対性理論と量子力学を繋ぐかもしれないぶっ飛んだ仮説:『大栗先生の…
『大栗先生の超弦理論入門』は最先端科学である「超弦理論」を説明する1冊だが、この記事では著者の主張の1つである「空間は幻想かもしれない」という発想を主に取り上げる。「人類史上初の『適用する次元が限定される理論』」が描像する不可思議な世界とは?
しかし残念ながら、
最終的に科学界でのケルヴィンの名声が地に堕ちた
晩年のケルヴィンは、現代物理学の足手まといのような人物と称されるようになった
と言われてしまうようになる。一体どんなミスをしたというのだろうか?
あわせて読みたい
【バトル】量子力学の歴史はこの1冊で。先駆者プランクから批判者アインシュタインまですべて描く:『量…
20世紀に生まれた量子論は、時代を彩る天才科学者たちの侃々諤々の議論から生み出された。アインシュタインは生涯量子論に反対し続けたことで知られているが、しかし彼の批判によって新たな知見も生まれた。『量子革命』から、量子論誕生の歴史を知る
ケルヴィン最大の失敗は、「地球の年齢の推定」に関係している。ケルヴィンは科学的な知見を総動員して緻密な計算を行い、地球の年齢の推定値を算出したのだ。
彼が導き出した結論は、「約1億歳」である。つまり地球が誕生してから1億年しか経っていないと推定したのだ。現在では46億年と知られているので、大間違いも良いところだろう。
あわせて読みたい
【天才】映画『Winny』(松本優作監督)で知った、金子勇の凄さと著作権法侵害事件の真相(ビットコイン…
稀代の天才プログラマー・金子勇が著作権法違反で逮捕・起訴された実話を描き出す映画『Winny』は、「警察の凄まじい横暴」「不用意な天才と、テック系知識に明るい弁護士のタッグ」「Winnyが明らかにしたとんでもない真実」など、見どころは多い。「金子勇=サトシ・ナカモト」説についても触れる
何故これほどまでに盛大な間違いを犯してしまったのか。その理由は、「地球の熱伝導が一様だと仮定したこと」にある。
現在では、「地球内部のマントルが対流している」ことが知られている。大陸移動説(プレートテクトニクス理論)という、「大陸は少しずつ移動している」という話を聞いたことがある人もいるだろうが、これも「マントルの対流」によって起こっているのだ。
そしてケルヴィンの時代にも、「マントルが対流しているとすれば、地球の熱伝導が一様にはならない」と理解されていた。ケルヴィンの弟子は何度もそのことを指摘したそうだが、ケルヴィンは聞き入れなかったという。
あわせて読みたい
【誤解】「意味のない科学研究」にはこんな価値がある。高校生向けの講演から”科学の本質”を知る:『す…
科学研究に対して、「それは何の役に立つんですか?」と問うことは根本的に間違っている。そのことを、「携帯電話」と「東急ハンズの棚」の例を使って著者は力説する。『すごい実験』は素粒子物理学を超易しく解説する本だが、科学への関心を抱かせてもくれる
というのも当時は、マントルが対流していることを示す証拠は存在しなかったのである。教え子も確信があったわけではなく、可能性を指摘しただけに過ぎない。そこでケルヴィンは、マントルは対流していない、だから熱伝導は一様だ、と考え地球の年齢を推定したのだ。
ケルヴィンの推定は、当時の地質学者などから批判されてしまう。ダーウィンも、「自然選択によって生物が進化したとするなら1億年は短い」と批判したそうだ。ケルヴィンのこの研究は、結果として彼の晩節を汚すことになってしまった。
しかし著者は、ケルヴィンの研究をこんな風に評価している。
あわせて読みたい
【異端】数学の”証明”はなぜ生まれたのか?「無理数」と「無限」に恐怖した古代ギリシャ人の奮闘:『数…
学校で数学を習うと、当然のように「証明」が登場する。しかしこの「証明」、実は古代ギリシャでしか発展しなかった、数学史においては非常に”異端”の考え方なのだ。『数学の想像力 正しさの深層に何があるのか』をベースに、ギリシャ人が恐れたものの正体を知る
ケルヴィンの地球の年齢の計算が誤りだったのは事実だが、私はそれでも彼の計算は実に見事だと思っている。ケルヴィンは、地質年代学をあいまいな憶測から、物理法則に基づくれっきとした科学へと変えたのだ
この指摘には、聖書が関係している。
ケルヴィンが科学的な見地から地球の年齢を算出するまで、地球の年齢に関する議論は聖書を元に行われていたのである。我々からすれば驚くような話だが、当時の聖職者たちは真剣だったのだろう。そして、教会の権力が強い時代にあっては、「地球の年齢の推定は科学の領域ではない」と考えても仕方ないだろうと思う。
しかし結果的に誤りだったケルヴィンによる研究は、「地球の年齢は科学で扱える領域である」という認識をもたらしたと言える。この転換をもたらしたことは大きく評価されるべきではないか、というのが著者の理解なのだ。
あわせて読みたい
【快挙】「チバニアン」は何が凄い?「地球の磁場が逆転する」驚異の現象がこの地層を有名にした:『地…
一躍その名が知れ渡ることになった「チバニアン」だが、なぜ話題になり、どう重要なのかを知っている人は多くないだろう。「チバニアン」の申請に深く関わった著者の『地磁気逆転と「チバニアン」』から、地球で起こった過去の不可思議な現象の正体を理解する
ポーリング:DNAのらせん構造
本書の中で、一般への認知度が最も低いのではないかと感じるのが、このポーリングだ。私も本書を読むまで、この科学者の名前は聞いたことがなかったと思う。
あわせて読みたい
【未知】タコに「高度な脳」があるなんて初耳だ。人類とは違う進化を遂げた頭足類の「意識」とは?:『…
タコなどの頭足類は、無脊椎動物で唯一「脳」を進化させた。まったく違う進化を辿りながら「タコに心を感じる」という著者は、「タコは地球外生命体に最も近い存在」と書く。『タコの心身問題』から、腕にも脳があるタコの進化の歴史と、「意識のあり方」を知る。
もちろん彼は、偉大な功績を残した科学者である。ポーリングは、「細胞内のタンパク質がポリペプチドというアミノ酸の鎖からできている」と主張し、後に「αヘリックス」と呼ばれるようになるその正確な構造を発見した。その分野に詳しくない私にはこれがどれほどの業績なのか実感できないが、著者は、
生物学とは基本的に、進化の理論に裏打ちされた分子科学なのだということに初めて気づいた科学者のひとりだった
と評している。
あわせて読みたい
【天才】数学の捉え方を一変させた「シンメトリー(対称性)」と、その発見から発展に至る歴史:『シン…
「5次方程式の解の公式は存在しない」というアーベルの証明や、天才・ガロアが発展させた「群論」は、「シンメトリー(対称性)」という領域に新たな光を当てた。『シンメトリーの地図帳』をベースに、「シンメトリー」の発展と「モンスター」の発見の物語を知る
当時のポーリングに対する評価は非常に高く、科学者の間で、「ポーリングが興味を持つ前に必死で研究しろ」と言われるほどだったという。つまり、自分の研究分野にポーリングが興味を持ったらあっさりと追い抜かれるから、ポーリングが興味を持つ前に結果を出せ、ということだ。その見識に対する信頼がとても高かった科学者だと言えるだろう。
だからこそ、ポーリングが「DNAの構造を発見した」と主張した時、誰もが先を越されたと感じた。ポーリングが興味を持ってしまったのだ。その研究結果は正しいに違いない、と誰もが考えた。
しかし、ポーリングが発表した「DNAの構造」は、信じられないぐらいお粗末なものだった。「DNA」というのは「核酸」、つまり「酸」の一種なのだが、ポーリングが示した構造は、とても「酸」と呼べるような代物ではなかったのである。「酸」ではないものが「DNAの構造」であるなどということはあり得ない。
あわせて読みたい
【要約】福岡伸一『生物と無生物のあいだ』は、「生命とは何か」を「動的平衡」によって定義する入門書…
「生命とは何か?」という、あまりに基本的だと感じられる問いは、実はなかなか難しい。20世紀生物学は「DNAの自己複製」が本質と考えたが、「ウイルス」の発見により再考を迫られた。福岡伸一の『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』の2著作から、「生命の本質」を知る
科学界にその名が轟いていたポーリングは、化学の基礎中の基礎の部分でミスを犯していたのだ。
しかし、このポーリングの発表は、ある意味でプラスの効果をもたらした。DNA構造の発見者として知られるワトソンとクリックを急かすことになったのだ。
彼らは、「ポーリングが、自分の初歩的なミスに気づいて修正する前に、一刻も早く成果を発表しよう」と考えた。そしてそれによって、世紀の大発見へと繋がっていくのである。
本書で取り上げられている事例の中で、このポーリングの失敗だけは、それがもたらしたプラスの貢献が個人にしか波及しなかったと言っていい。他の事例は、その失敗が結果として科学界全体に貢献した、という話なのだが、ポーリングの失敗は、ワトソンとクリックにしかプラスにならなかったと言っていいだろう。もちろんこれは、ポーリングが初歩的なミスをしなければ、彼自身がDNAの構造を発見していただろう、という考えを前提にした意見である。
あわせて読みたい
【使命】「CRISPR-Cas9」を分かりやすく説明。ノーベル賞受賞の著者による発見物語とその使命:『CRISPR…
生物学の研究を一変させることになった遺伝子編集技術「CRISPR-Cas9」の開発者は、そんな発明をするつもりなどまったくなかった。ノーベル化学賞を受賞した著者による『CRISPR (クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見』をベースに、その発見物語を知る
ポーリングとしてはなかなかやりきれなかっただろう。
ホイル:定常宇宙論
ホイルという科学者は、「ビッグバン」の命名者として知られている。しかし彼は「ビッグバン理論」の支持者ではなかった。「宇宙が爆発(ビッグバン)なんかで始まったわけがないだろう」と揶揄する意味で使った言葉が広まった、とするのが定説だ。そして、「ビッグバン理論」と最後まで争った宇宙論の主導者として、彼は大きな失敗を犯すことになる。
その話の前にまず、ホイルが科学者としてどれほどの功績を残したのかを書いておこう。彼は、「元素表に載っている様々な元素がどのようにして作り出されたのか」という当時の大難問に長年挑み、そのすべてを明らかにするという大研究を成し遂げた人物なのである。
あわせて読みたい
【新視点】世界の歴史を「化学」で語る?デンプン・砂糖・ニコチンなどの「炭素化合物」が人類を動かし…
デンプン・砂糖・ニコチンなどは、地球上で非常に稀少な元素である「炭素」から作られる「炭素化合物」だ。そんな「炭素化合物」がどんな影響を与えたかという観点から世界の歴史を描く『「元素の王者」が歴史を動かす』は、学校の授業とはまったく違う視点で「歴史」を捉える
「ビッグバン理論」はその過激さゆえになかなか認められなかった理論だが、早い段階から、「ビッグバンが起こったとすれば、軽い元素が誕生した理由は説明できる」ことが分かっていた。我々が生きている宇宙では、最も軽い元素である水素だけで、全元素の90%を占めるという極端な比率になっているのだが、ビッグバン理論はそのような偏った存在比率になる理由を明らかにすることができたのである。
しかし「ビッグバン理論」では、重い元素がどのように生まれたのかを説明することができなかった。そしてそれを明らかにしたのがホイルなのだ。ホイルは、恒星内部で元素が作られ、それらが超新星爆発によって宇宙全体に拡散したと主張した。さらに、後に「人間原理」と呼ばれるようになるアクロバティックな理屈を用いてある予言をし、元素合成の最後の難問を解き明かしてもいる。
またホイルは、元素合成に限らず、天体核物理学の分野において多大なる成果を生み出した人物であり、著名な科学者の中でも群を抜いて業績を残していると言っていいだろう。
あわせて読みたい
【始まり】宇宙ができる前が「無」なら何故「世界」が生まれた?「ビッグバンの前」は何が有った?:『…
「宇宙がビッグバンから生まれた」ことはよく知られているだろうが、では、「宇宙ができる前はどうなっていたのか」を知っているだろうか? 実は「宇宙は”無”から誕生した」と考えられているのだ。『宇宙が始まる前には何があったのか?』をベースに、ビッグバンが起こる前の「空間も時間も物理法則も存在しない無」について学ぶ
さてそんな人物の「失敗」として本書で取り上げられているのが、「ビッグバン理論」の対抗馬として長く人気を集めた「定常宇宙論」である。これは、「宇宙は、過去から現在、そして未来に至るまで変化せず、常に同じ状態で存在し続けている」という考え方だ。「ビッグバン」によって宇宙が始まったことを知っている我々からすれば奇妙な主張に感じられるが、観測による証拠がほとんどなかった当時は広く支持されていた。著者も、
定常宇宙論のアイデアそのものは、提唱された当時は抜群のアイデアだったと思っている
と書いている。
あわせて読みたい
【傑物】フランスに最も愛された政治家シモーヌ・ヴェイユの、強制収容所から国連までの凄絶な歩み:映…
「フランスに最も愛された政治家」と評されるシモーヌ・ヴェイユ。映画『シモーヌ』は、そんな彼女が強制収容所を生き延び、後に旧弊な社会を変革したその凄まじい功績を描き出す作品だ。「強制収容所からの生還が失敗に思える」とさえ感じたという戦後のフランスの中で、彼女はいかに革新的な歩みを続けたのか
「ビッグバン理論」と「定常宇宙論」はどちらも、観測による証明がなかなか困難な理論であり、はっきりと決着がつくのに時間が掛かった。当初は、「宇宙は変化のない静的なものであってほしい」と考える科学者が多かったことから「定常宇宙論」が人気を博していたが、徐々に「ビッグバン」の証拠が積み上がり、少しずつではあるが「ビッグバン理論」の方が優勢になっていく。
そして最終的に、「宇宙背景放射」と呼ばれるものが観測されたことで、「ビッグバン理論」の正しさが立証された。「ビッグバン理論」がその存在を予測していた「宇宙背景放射」を、「定常宇宙論」では説明できないからだ。
しかしこのように「決定的な証拠」が見つかった後でさえホイルは、「ビッグバン理論」を認めなかったそうだ。ホイルは、死ぬまで「ビッグバン理論」を毛嫌いしていたことで知られている。
こんな風に、明らかに誤りだと分かってからも「定常宇宙論」に固辞し続けたことを著者は「失敗」と呼んでいるのだが、しかしホイルによる「ビッグバン理論批判」が無意味だったわけでは決してない。
あわせて読みたい
【圧巻】150年前に気球で科学と天気予報の歴史を変えた挑戦者を描く映画『イントゥ・ザ・スカイ』
「天気予報」が「占い」と同等に扱われていた1860年代に、気球を使って気象の歴史を切り開いた者たちがいた。映画『イントゥ・ザ・スカイ』は、酸素ボンベ無しで高度1万1000m以上まで辿り着いた科学者と気球操縦士の物語であり、「常識を乗り越える冒険」の素晴らしさを教えてくれる
ホイルの理論は、たとえ結局は間違いだとわかったものであっても、常に刺激的であり、間違いなく分野全体を盛り上げ、新しい説の生まれる引き金になった
ライバルが存在するからお互いを高め合うことができるのと同じように、対抗する理論があり、両陣営が議論を尽くすことで物事は発展していくのだ。「ビッグバン理論」にしても、ホイルら「定常宇宙論」を主張する者からの攻撃によって洗練された。また論争が起こることで科学全体の注目を集めることにもなり、それによってさらに議論が活発になっていくというわけだ。
科学史の中でも、この「ビッグバン理論」と「定常宇宙論」の論争はかなり激しいものだったと思うが、そのような論争のもう一方の仕掛け人として、ホイルは重大な役割を果たした、というわけである。
アインシュタイン:宇宙定数
「アインシュタインの失敗」の話は非常に有名で、様々な本で紹介されることが多い。このブログでもすでにそれについて触れている記事があるので、詳しい話はそちらを読んでほしい。
あわせて読みたい
【論争】サイモン・シンが宇宙を語る。古代ギリシャからビッグバンモデルの誕生までの歴史を網羅:『宇…
古代から現代に至るまで、「宇宙」は様々な捉えられ方をしてきた。そして、新たな発見がなされる度に、「宇宙」は常識から外れた不可思議な姿を垣間見せることになる。サイモン・シン『宇宙創成』をベースに、「ビッグバンモデル」に至るまでの「宇宙観」の変遷を知る
あわせて読みたい
【始まり】宇宙ができる前が「無」なら何故「世界」が生まれた?「ビッグバンの前」は何が有った?:『…
「宇宙がビッグバンから生まれた」ことはよく知られているだろうが、では、「宇宙ができる前はどうなっていたのか」を知っているだろうか? 実は「宇宙は”無”から誕生した」と考えられているのだ。『宇宙が始まる前には何があったのか?』をベースに、ビッグバンが起こる前の「空間も時間も物理法則も存在しない無」について学ぶ
概要をざっと書くと、
静的な宇宙を望んでいたアインシュタインは、自ら導き出した方程式に「宇宙項」と呼ばれる小細工を組み込んだが、後にそれを撤回した。しかしその「宇宙項」は、現在「宇宙定数」という名前で復活している
となる。
実はここには「2つの失敗」が含まれている。1つは、「方程式に宇宙項を加えたこと」だ。そしてさらにもう1つは、「方程式から宇宙項を取り去ったこと」である。
あわせて読みたい
【衝撃】ABC予想の証明のために生まれたIUT理論を、提唱者・望月新一の盟友が分かりやすく語る:『宇宙…
8年のチェック期間を経て雑誌に掲載された「IUT理論(宇宙際タイヒミュラー理論)」は、数学の最重要未解決問題である「ABC予想」を証明するものとして大いに話題になった。『宇宙と宇宙をつなぐ数学』『abc予想入門』をベースに、「IUT理論」「ABC予想」について学ぶ
「アインシュタインが宇宙項を取り去ったことが誤りだったかもしれない」と判明したのは、アインシュタインの死後のことである。亡くなってからもなお、現代科学に影響を及ぼし続けているという意味で、アインシュタインの凄まじさが理解できる。
さて、上に挙げた記事の中で、「おそらくこのエピソードはガモフという科学者の創作だろうと考えられている」と書いた。そして、「ガモフの創作だろうと考え、調査を行った」のが、本書の著者である。少しその点に触れてこの記事を終えようと思う。
あわせて読みたい
【奇妙】大栗博司『重力とはなにか』は、相対性理論や量子力学の説明も秀逸だが、超弦理論の話が一番面白い
『重力とはなにか』(大栗博司)は、科学に馴染みの薄い人でもチャレンジできる易しい入門書だ。相対性理論や量子力学、あるいは超弦理論など、非常に難解な分野を基本的なところから平易に説明してくれるので、「科学に興味はあるけど難しいのはちょっと……」という方にこそ読んでほしい1冊
「アインシュタインが方程式に宇宙項を加えたこと」に関しては、撤回した後で「我が人生最大の過ち」と言ったとするエピソードが広く知られている。しかしこれは、ガモフという科学者の著作の中にしか出てこない。だから元々、「ガモフの創作だろう」と考える者もいた。ガモフというのはイタズラ好きで、そういうことをしそうな人物だったのだ。
そこで本書の著者は、「その発言をしたとされる時期に、アインシュタインはガモフと仲が良かったのか」について調べることにした。この発言はガモフの著作の中にしかない。つまり普通に考えれば、「ガモフにだけその発言をした」ということになる。これは、ガモフと仲が良くなければ考えにくいことだ。
そして著者は、様々な資料を渉猟し、「その時期、アインシュタインとガモフは大して仲が良くなかったはずだ」と結論した。これは決して、「ガモフの創作説」を裏付ける証拠ではないが、その可能性が高まったと考えていいだろう。
あわせて読みたい
【驚嘆】「現在は森でキノコ狩り」と噂の天才”変人”数学者グリゴリー・ペレルマンの「ポアンカレ予想証…
数学界の超難問ポアンカレ予想を解決したが、100万ドルの賞金を断り、フィールズ賞(ノーベル賞級の栄誉)も辞退、現在は「森できのこ採取」と噂の天才数学者グリゴリー・ペレルマンの生涯を描く評伝『完全なる証明』。数学に関する記述はほぼなく、ソ連で生まれ育った1人の「ギフテッド」の苦悩に満ちた人生を丁寧に描き出す1冊
著:マリオ リヴィオ, 翻訳:千葉 敏生
¥1,144 (2022/01/29 21:05時点 | Amazon調べ)
ポチップ
あわせて読みたい
【全作品読了済】私が読んできたノンフィクション・教養書を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が読んできたノンフィクションを様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非本選びの参考にして下さい。
最後に
この記事で少しは、一流の科学者は「失敗」さえも一流だということが理解していただけただろうか。
少し現実的な話を書くが、現在日本の科学研究は「すぐに結果が出る、あるいはすぐに実用化できる研究」ばかりに予算が下りる状況になっているという話を耳にすることがある。もちろん、それはそれで大事だが、「やってみても、どんな結果が出てくるかさっぱり分からないし、意味のある結果は導き出せないかもしれない研究」だって、同じくらい重要なはずだ。
あわせて読みたい
【誤解】「意味のない科学研究」にはこんな価値がある。高校生向けの講演から”科学の本質”を知る:『す…
科学研究に対して、「それは何の役に立つんですか?」と問うことは根本的に間違っている。そのことを、「携帯電話」と「東急ハンズの棚」の例を使って著者は力説する。『すごい実験』は素粒子物理学を超易しく解説する本だが、科学への関心を抱かせてもくれる
日本はノーベル賞を受賞する科学者が多いが、彼らの多くはいわゆる「基礎研究」と呼ばれる、実用的ではない分野での研究を行っている。結果として後に役立つ何かに転用されることはあっても、研究している時点ではそれが何になるのかさっぱり分からないようなものが多かったということだ。
「基礎研究」への予算が絞られていけば、日本の科学研究のレベルはどんどんと衰退していってしまうだろう。
あわせて読みたい
【限界】「科学とは何か?」を知るためのおすすめ本。科学が苦手な人こそ読んでほしい易しい1冊:『哲学…
「科学的に正しい」という言葉は、一体何を意味しているのだろう?科学者が「絶対に正しい」とか「100%間違っている」という言い方をしないのは何故だろう?飲茶『哲学的な何か、あと科学とか』から、「科学とはどんな営みなのか?」について考える
だからこそ、「科学における『失敗』がいかに重要か」を知り、科学研究を正しく評価できる社会になってほしいとも思う。
あわせて読みたい
Kindle本出版しました!『天才・アインシュタインの生涯・功績をベースに、簡単過ぎない面白科学雑学を…
Kindleで本を出版しました。タイトルは、『天才・アインシュタインの生涯・功績をベースに、簡単過ぎない面白科学雑学を分かりやすく書いた本:相対性理論も宇宙論も量子論も』です。科学や科学者に関する、文系の人でも読んでもらえる作品に仕上げました。そんな自著について紹介をしています。
次にオススメの記事
あわせて読みたい
【奇妙】大栗博司『重力とはなにか』は、相対性理論や量子力学の説明も秀逸だが、超弦理論の話が一番面白い
『重力とはなにか』(大栗博司)は、科学に馴染みの薄い人でもチャレンジできる易しい入門書だ。相対性理論や量子力学、あるいは超弦理論など、非常に難解な分野を基本的なところから平易に説明してくれるので、「科学に興味はあるけど難しいのはちょっと……」という方にこそ読んでほしい1冊
あわせて読みたい
【天才】映画『Winny』(松本優作監督)で知った、金子勇の凄さと著作権法侵害事件の真相(ビットコイン…
稀代の天才プログラマー・金子勇が著作権法違反で逮捕・起訴された実話を描き出す映画『Winny』は、「警察の凄まじい横暴」「不用意な天才と、テック系知識に明るい弁護士のタッグ」「Winnyが明らかにしたとんでもない真実」など、見どころは多い。「金子勇=サトシ・ナカモト」説についても触れる
あわせて読みたい
【知的】「BLって何?」という初心者に魅力を伝える「腐男子」の「BLの想像力と創造力」講座:『ボクた…
「BLは知的遊戯である」という主張には「は?」と感じてしまうでしょうが、本書『ボクたちのBL論』を読めばその印象は変わるかもしれません。「余白の発見と補完」を通じて、「ありとあらゆる2者の間の関係性を解釈する」という創造性は、現実世界にどのような影響を与えているのか
あわせて読みたい
【傑物】フランスに最も愛された政治家シモーヌ・ヴェイユの、強制収容所から国連までの凄絶な歩み:映…
「フランスに最も愛された政治家」と評されるシモーヌ・ヴェイユ。映画『シモーヌ』は、そんな彼女が強制収容所を生き延び、後に旧弊な社会を変革したその凄まじい功績を描き出す作品だ。「強制収容所からの生還が失敗に思える」とさえ感じたという戦後のフランスの中で、彼女はいかに革新的な歩みを続けたのか
あわせて読みたい
【偉業】「卓球王国・中国」実現のため、周恩来が頭を下げて請うた天才・荻村伊智朗の信じがたい努力と…
「20世紀を代表するスポーツ選手」というアンケートで、その当時大活躍していた中田英寿よりも高順位だった荻村伊智朗を知っているだろうか?選手としてだけでなく、指導者としてもとんでもない功績を残した彼の生涯を描く『ピンポンさん』から、ノーベル平和賞級の活躍を知る
あわせて読みたい
【挑戦】手足の指を失いながら、今なお挑戦し続ける世界的クライマー山野井泰史の”現在”を描く映画:『…
世界的クライマーとして知られる山野井泰史。手足の指を10本も失いながら、未だに世界のトップをひた走る男の「伝説的偉業」と「現在」を映し出すドキュメンタリー映画『人生クライマー』には、小学生の頃から山のことしか考えてこなかった男のヤバい人生が凝縮されている
あわせて読みたい
【圧巻】150年前に気球で科学と天気予報の歴史を変えた挑戦者を描く映画『イントゥ・ザ・スカイ』
「天気予報」が「占い」と同等に扱われていた1860年代に、気球を使って気象の歴史を切り開いた者たちがいた。映画『イントゥ・ザ・スカイ』は、酸素ボンベ無しで高度1万1000m以上まで辿り着いた科学者と気球操縦士の物語であり、「常識を乗り越える冒険」の素晴らしさを教えてくれる
あわせて読みたい
【組織】意思決定もクリエイティブも「問う力」が不可欠だ。MIT教授がCEOから学んだ秘訣とは?:『問い…
組織マネジメントにおいては「問うこと」が最も重要だと、『問いこそが答えだ!』は主張する。MIT教授が多くのCEOから直接話を聞いて学んだ、「『問う環境』を実現するための『心理的安全性の確保』の重要性」とその実践の手法について、実例満載で説明する1冊
あわせて読みたい
【証言】ナチスドイツでヒトラーに次ぐナンバー2だったゲッベルス。その秘書だった女性が歴史を語る映画…
ナチスドイツナンバー2だった宣伝大臣ゲッベルス。その秘書だったブルンヒルデ・ポムゼルが103歳の時にカメラの前で当時を語った映画『ゲッベルスと私』には、「愚かなことをしたが、避け難かった」という彼女の悔恨と教訓が含まれている。私たちは彼女の言葉を真摯に受け止めなければならない
あわせて読みたい
【化石】聞き馴染みのない「分子生物学」を通じて、科学という学問の本質を更科功が分かりやすく伝える…
映画『ジュラシック・パーク』を観たことがある方なら、「コハクの化石に閉じ込められた蚊の血液から恐竜の遺伝子を取り出す」という設定にワクワクしたことだろう。『化石の分子生物学』とは、まさにそのような研究を指す。科学以外の分野にも威力を発揮する知見に溢れた1冊
あわせて読みたい
【おすすめ】「天才」を描くのは難しい。そんな無謀な挑戦を成し遂げた天才・野崎まどの『know』はヤバい
「物語で『天才』を描くこと」は非常に難しい。「理解できない」と「理解できる」を絶妙なバランスで成り立たせる必要があるからだ。そんな難題を高いレベルでクリアしている野崎まど『know』は、異次元の小説である。世界を一変させた天才を描き、「天才が見ている世界」を垣間見せてくれる
あわせて読みたい
【奇人】天才数学者で、自宅を持たずに世界中を放浪した変人エルデシュは、迷惑な存在でも愛され続けた…
数学史上ガウスに次いで生涯発表論文数が多い天才エルデシュをご存知だろうか?数学者としてずば抜けた才能を発揮したが、それ以上に「奇人変人」としても知られる人物だ。『放浪の天才数学者エルデシュ』で、世界中の数学者の家を泊まり歩いた異端数学者の生涯を描き出す
あわせて読みたい
【天才】『ご冗談でしょう、ファインマンさん』は、科学者のイメージが変わる逸話満載の非・科学エッセイ
「天才科学者」と言えばアインシュタインやニュートン、ホーキングが思い浮かぶだろうが、「科学者らしくないエピソード満載の天才科学者」という意味ではファインマンがずば抜けている。世界的大ベストセラー『ご冗談でしょう、ファインマンさん』は、「科学」をほぼ扱わないエッセイです
あわせて読みたい
【驚愕】キューバ危機の裏側を描くスパイ映画『クーリエ』。核戦争を回避させた民間人の衝撃の実話:『…
核戦争ギリギリまで進んだ「キューバ危機」。その陰で、世界を救った民間人がいたことをご存知だろうか?実話を元にした映画『クーリエ:最高機密の運び屋』は、ごく普通のセールスマンでありながら、ソ連の膨大な機密情報を盗み出した男の信じがたい奮闘を描き出す
あわせて読みたい
【驚愕】これ以上の”サバイバル映画”は存在するか?火星にたった一人残された男の生存術と救出劇:『オ…
1人で火星に取り残された男のサバイバルと救出劇を、現実的な科学技術の範囲で描き出す驚異の映画『オデッセイ』。不可能を可能にするアイデアと勇気、自分や他人を信じ抜く気持ち、そして極限の状況でより困難な道を進む決断をする者たちの、想像を絶するドラマに胸打たれる
あわせて読みたい
【妄執】チェス史上における天才ボビー・フィッシャーを描く映画。冷戦下の米ソ対立が盤上でも:映画『…
「500年に一度の天才」などと評され、一介のチェスプレーヤーでありながら世界的な名声を獲得するに至ったアメリカ人のボビー・フィッシャー。彼の生涯を描く映画『完全なるチェックメイト』から、今でも「伝説」と語り継がれる対局と、冷戦下ゆえの激動を知る
あわせて読みたい
【驚異】信念を貫く勇敢さを、「銃を持たずに戦場に立つ」という形で示した実在の兵士の凄まじさ:映画…
第二次世界大戦で最も過酷な戦場の1つと言われた「前田高地(ハクソー・リッジ)」を、銃を持たずに駆け回り信じがたい功績を残した衛生兵がいた。実在の人物をモデルにした映画『ハクソー・リッジ』から、「戦争の悲惨さ」だけでなく、「信念を貫くことの大事さ」を学ぶ
あわせて読みたい
【実話】映画『イミテーションゲーム』が描くエニグマ解読のドラマと悲劇、天才チューリングの不遇の死
映画『イミテーションゲーム』が描く衝撃の実話。「解読不可能」とまで言われた最強の暗号機エニグマを打ち破ったのはなんと、コンピューターの基本原理を生み出した天才数学者アラン・チューリングだった。暗号解読を実現させた驚きのプロセスと、1400万人以上を救ったとされながら偏見により自殺した不遇の人生を知る
あわせて読みたい
【飛躍】有名哲学者は”中二病”だった?飲茶氏が易しく語る「古い常識を乗り越えるための哲学の力」:『1…
『14歳からの哲学入門』というタイトルは、「14歳向けの本」という意味ではなく、「14歳は哲学することに向いている」という示唆である。飲茶氏は「偉大な哲学者は皆”中二病”だ」と説き、特に若い人に向けて、「新しい価値観を生み出すためには哲学が重要だ」と語る
あわせて読みたい
【歴史】ベイズ推定は現代社会を豊かにするのに必須だが、実は誕生から200年間嫌われ続けた:『異端の統…
現在では、人工知能を始め、我々の生活を便利にする様々なものに使われている「ベイズ推定」だが、その基本となるアイデアが生まれてから200年近く、科学の世界では毛嫌いされてきた。『異端の統計学ベイズ』は、そんな「ベイズ推定」の歴史を紐解く大興奮の1冊だ
あわせて読みたい
【知的】文系にオススメの、科学・数学・哲学の入門書。高橋昌一郎の「限界シリーズ」は超絶面白い:『…
例えば「科学」だけに限ってみても、「なんでもできる」わけでは決してない。「科学」に限らず、私たちが対峙する様々な事柄には「これ以上は不可能・無理」という「限界」が必ず存在する。高橋昌一郎の「限界シリーズ」から、我々が認識しておくべき「限界」を易しく学ぶ
あわせて読みたい
【貢献】飛行機を「安全な乗り物」に決定づけたMr.トルネードこと天才気象学者・藤田哲也の生涯:『Mr….
つい数十年前まで、飛行機は「死の乗り物」だったが、天才気象学者・藤田哲也のお陰で世界の空は安全になった。今では、自動車よりも飛行機の方が死亡事故の少ない乗り物なのだ。『Mr.トルネード 藤田哲也 世界の空を救った男』から、その激動の研究人生を知る
あわせて読みたい
【驚異】ガイア理論の提唱者が未来の地球を語る。100歳の主張とは思えない超絶刺激に満ちた内容:『ノヴ…
「地球は一種の生命体だ」という主張はかなり胡散臭い。しかし、そんな「ガイア理論」を提唱する著者は、数々の賞や学位を授与される、非常に良く知られた科学者だ。『ノヴァセン <超知能>が地球を更新する』から、AIと人類の共存に関する斬新な知見を知る
あわせて読みたい
【告発】アメリカに”監視”される社会を暴露したスノーデンの苦悩と決断を映し出す映画:『スノーデン』…
NSA(アメリカ国家安全保障局)の最高機密にまでアクセスできたエドワード・スノーデンは、その機密情報を持ち出し内部告発を行った。「アメリカは世界中の通信を傍受している」と。『シチズンフォー』と『スノーデン』の2作品から、彼の告発内容とその葛藤を知る
あわせて読みたい
【逸脱】「人生良いことない」と感じるのは、「どう生きたら幸せか」を考えていないからでは?:『独立…
「常識的な捉え方」から逸脱し、世の中をまったく異なる視点から見る坂口恭平は、「より生きやすい社会にしたい」という強い思いから走り続ける。「どう生きたいか」から人生を考え直すスタンスと、「やりたいことをやるべきじゃない理由」を『独立国家のつくりかた』から学ぶ
あわせて読みたい
【問い】「学ぶとはどういうことか」が学べる1冊。勉強や研究の指針に悩む人を導いてくれる物語:『喜嶋…
学校の勉強では常に「課題」が与えられていたが、「学び」というのは本来的に「問題を見つけること」にこそ価値がある。研究者の日常を描く小説『喜嶋先生の静かな世界』から、「学びの本質」と、我々はどんな風に生きていくべきかについて考える
あわせて読みたい
【幻想】超ひも理論って何?一般相対性理論と量子力学を繋ぐかもしれないぶっ飛んだ仮説:『大栗先生の…
『大栗先生の超弦理論入門』は最先端科学である「超弦理論」を説明する1冊だが、この記事では著者の主張の1つである「空間は幻想かもしれない」という発想を主に取り上げる。「人類史上初の『適用する次元が限定される理論』」が描像する不可思議な世界とは?
あわせて読みたい
【限界】「科学とは何か?」を知るためのおすすめ本。科学が苦手な人こそ読んでほしい易しい1冊:『哲学…
「科学的に正しい」という言葉は、一体何を意味しているのだろう?科学者が「絶対に正しい」とか「100%間違っている」という言い方をしないのは何故だろう?飲茶『哲学的な何か、あと科学とか』から、「科学とはどんな営みなのか?」について考える
あわせて読みたい
【快挙】「暗黒の天体」ブラックホールはなぜ直接観測できたのか?国際プロジェクトの舞台裏:『アイン…
「世界中に存在する電波望遠鏡を同期させてブラックホールを撮影する」という壮大なEHTプロジェクトの裏側を記した『アインシュタインの影』から、ブラックホール撮影の困難さや、「ノーベル賞」が絡む巨大プロジェクトにおける泥臭い人間ドラマを知る
あわせて読みたい
【快挙】「チバニアン」は何が凄い?「地球の磁場が逆転する」驚異の現象がこの地層を有名にした:『地…
一躍その名が知れ渡ることになった「チバニアン」だが、なぜ話題になり、どう重要なのかを知っている人は多くないだろう。「チバニアン」の申請に深く関わった著者の『地磁気逆転と「チバニアン」』から、地球で起こった過去の不可思議な現象の正体を理解する
あわせて読みたい
【平易】一般相対性理論を簡単に知りたい方へ。ブラックホール・膨張宇宙・重力波と盛りだくさんの1冊:…
現役の研究者が執筆した『ブラックホール・膨張宇宙・重力波』は、アインシュタインが導き出した一般相対性理論が関わる3つのテーマについて、初心者にも分かりやすく伝える内容になっている。歴史的背景も含めて科学的知見を知りたい方にオススメの1冊
あわせて読みたい
【誤解】「意味のない科学研究」にはこんな価値がある。高校生向けの講演から”科学の本質”を知る:『す…
科学研究に対して、「それは何の役に立つんですか?」と問うことは根本的に間違っている。そのことを、「携帯電話」と「東急ハンズの棚」の例を使って著者は力説する。『すごい実験』は素粒子物理学を超易しく解説する本だが、科学への関心を抱かせてもくれる
あわせて読みたい
【バトル】量子力学の歴史はこの1冊で。先駆者プランクから批判者アインシュタインまですべて描く:『量…
20世紀に生まれた量子論は、時代を彩る天才科学者たちの侃々諤々の議論から生み出された。アインシュタインは生涯量子論に反対し続けたことで知られているが、しかし彼の批判によって新たな知見も生まれた。『量子革命』から、量子論誕生の歴史を知る
あわせて読みたい
【到達】「ヒッグス粒子の発見」はなぜ大ニュースなのか?素粒子物理学の「標準模型」を易しく説明する…
「ヒッグス粒子の発見」はメディアでも大きく取り上げられたが、これが何故重要なのかを説明できる人はそう多くはないだろう。『強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く』をベースに、謎めいた「弱い力」を説明する「自発的対称性の破れ」を学ぶ
あわせて読みたい
【不可思議】心理学の有名な実験から、人間の”欠陥”がどう明らかになっていったかを知る:『心は実験で…
『心は実験できるか 20世紀心理学実験物語』では、20世紀に行われた心理学実験からインパクトのある10の実験を選び紹介している。心理学者でもある著者が「科学であって科学ではない」と主張する心理学という学問で、人間のどんな不可思議さがあぶり出されてきたのかを知る
あわせて読みたい
【論争】サイモン・シンが宇宙を語る。古代ギリシャからビッグバンモデルの誕生までの歴史を網羅:『宇…
古代から現代に至るまで、「宇宙」は様々な捉えられ方をしてきた。そして、新たな発見がなされる度に、「宇宙」は常識から外れた不可思議な姿を垣間見せることになる。サイモン・シン『宇宙創成』をベースに、「ビッグバンモデル」に至るまでの「宇宙観」の変遷を知る
あわせて読みたい
【天才】科学者とは思えないほど面白い逸話ばかりのファインマンは、一体どんな業績を残したのか?:『…
数々の面白エピソードで知られるファインマンの「科学者としての業績」を初めて網羅したと言われる一般書『ファインマンさんの流儀』をベースに、その独特の研究手法がもたらした様々な分野への間接的な貢献と、「ファインマン・ダイアグラム」の衝撃を理解する
あわせて読みたい
【始まり】宇宙ができる前が「無」なら何故「世界」が生まれた?「ビッグバンの前」は何が有った?:『…
「宇宙がビッグバンから生まれた」ことはよく知られているだろうが、では、「宇宙ができる前はどうなっていたのか」を知っているだろうか? 実は「宇宙は”無”から誕生した」と考えられているのだ。『宇宙が始まる前には何があったのか?』をベースに、ビッグバンが起こる前の「空間も時間も物理法則も存在しない無」について学ぶ
あわせて読みたい
【謎】恐竜を絶滅させた隕石はどこから来た?暗黒物質が絡む、リサ・ランドールの驚愕の仮説:『ダーク…
「生物の絶滅」には、以前から知られていたある謎があった。そしてその謎を、未だに観測されておらず、「科学者の妄想の産物」でしかない「ダークマター(暗黒物質)」が解決するかもしれない。現役の科学者が『ダークマターと恐竜絶滅』で語る驚きの仮説。
あわせて読みたい
【驚異】プロジェクトマネジメントの奇跡。ハリウッドの制作費以下で火星に到達したインドの偉業:映画…
実は、「一発で火星に探査機を送り込んだ国」はインドだけだ。アメリカもロシアも何度も失敗している。しかもインドの宇宙開発予算は大国と比べて圧倒的に低い。なぜインドは偉業を成し遂げられたのか?映画『ミッション・マンガル』からプロジェクトマネジメントを学ぶ
あわせて読みたい
【敗北】「もつれ」から量子論の基礎を学ぶ。それまでの科学では説明不能な「異次元の現象」とは?:『…
アインシュタインは量子力学を生涯受け入れなかったのだが、アインシュタインが批判し続けたことによって明らかになったこともある。「もつれ」の重要性もその一つだ。『宇宙は「もつれ」でできている』から量子力学の基礎を成す現象を知る。
あわせて読みたい
【到達】「ヒッグス粒子の発見」はなぜ大ニュースなのか?素粒子物理学の「標準模型」を易しく説明する…
「ヒッグス粒子の発見」はメディアでも大きく取り上げられたが、これが何故重要なのかを説明できる人はそう多くはないだろう。『強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く』をベースに、謎めいた「弱い力」を説明する「自発的対称性の破れ」を学ぶ
あわせて読みたい
【究極】リサ・ランドールが「重力が超弱い理由」を解説する、超刺激的なひも理論の仮説:『ワープする…
現役の研究者であるリサ・ランドールが、自身の仮説を一般向けに分かりやすく説明する『ワープする宇宙』。一般相対性理論・量子力学の知識を深く記述しつつ「重力が超弱い理由」を説明する、ひも理論から導かれる「ワープする余剰次元」について解説する
あわせて読みたい
【異端】子育ては「期待しない」「普通から外れさせる」が大事。”劇薬”のような父親の教育論:『オーマ…
どんな親でも、子どもを幸せにしてあげたい、と考えるでしょう。しかしそのために、過保護になりすぎてしまっている、ということもあるかもしれません。『オーマイ・ゴッドファーザー』をベースに、子どもを豊かに、力強く生きさせるための”劇薬”を学ぶ
あわせて読みたい
【奇跡】ビッグデータに”直感”を組み込んで活用。メジャーリーグを変えたデータ分析家の奮闘:『アスト…
「半世紀で最悪の野球チーム」と呼ばれたアストロズは、ビッグデータの分析によって優勝を果たす。その偉業は、野球のド素人によって行われた。『アストロボール』をベースに、「ビッグデータ」に「人間の直感」を組み込むという革命について学ぶ
あわせて読みたい
【衝撃】壮絶な戦争映画。最愛の娘を「産んで後悔している」と呟く母らは、正義のために戦場に留まる:…
こんな映画、二度と存在し得ないのではないかと感じるほど衝撃を受けた『娘は戦場で生まれた』。母であり革命家でもあるジャーナリストは、爆撃の続くシリアの街を記録し続け、同じ街で娘を産み育てた。「知らなかった」で済ませていい現実じゃない。
あわせて読みたい
【勇敢】日本を救った吉田昌郎と、福島第一原発事故に死を賭して立ち向かった者たちの極限を知る:『死…
日本は、死を覚悟して福島第一原発に残った「Fukushima50」に救われた。東京を含めた東日本が壊滅してもおかしくなかった大災害において、現場の人間が何を考えどう行動したのかを、『死の淵を見た男』をベースに書く。全日本人必読の書
あわせて読みたい
【実話】仕事のやりがいは、「頑張るスタッフ」「人を大切にする経営者」「健全な商売」が生んでいる:…
メガネファストファッションブランド「オンデーズ」の社長・田中修治が経験した、波乱万丈な経営再生物語『破天荒フェニックス』をベースに、「仕事の目的」を見失わず、関わるすべての人に存在価値を感じさせる「働く現場」の作り方
この記事を読んでくれた方にオススメのタグページ
ルシルナ
才能・センスがない【本・映画の感想】 | ルシルナ
子どもの頃は、自分が何かの才能やセンスに恵まれていることを期待していましたが、残念ながら天才ではありませんでした。昔はやはり、凄い人に嫉妬したり、誰かと比べて苦…
タグ一覧ページへのリンクも貼っておきます
ルシルナ
記事検索(カテゴリー・タグ一覧) | ルシルナ
ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
コメント