目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
出演:デヴ・パテル, 出演:アーミー・ハマー, 出演:ナザニン・ボニアディ, 出演:アヌパム・カー, 出演:ジェイソン・アイザックス, 出演:ティルダ・コブハム=ハーヴェイ, 監督:アンソニー・マラス, Writer:アンソニー・マラス, Writer:ジョン・コリー
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ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
この記事で伝えたいこと
命がけで誰かを助けるべき状況に直面した際、逃げずにいられるか?
この恐怖の中で、あるべき理想的な判断をすることは困難だろうと感じました
この記事の3つの要点
- 私が抱く「どうせなら誰かを助けて死にたい」という浅はかな考え
- 彼らと同じ状況に立たされた時、同じ行動が取れるだろうか?
- 勇敢な行動を取った者が称賛されすぎるのは良いことばかりではない
「自分が助かるために逃げたスタッフ」も正しい判断をしたと私は思っています
自己紹介記事
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「誰かのために死ねるなら良い」と思っていた
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私は昔から今に至るまでずっと、「生きていたい」という気力があまりありません。本当に死を目の前にした時に自分がどういう感覚を抱くのか、それはまだまだ分かりませんが、現時点では、「まあ別にいつ死んでもいいか」ぐらいに感じています。
そして、そんな風に思っているからこそ、「どうせなら誰かのために死ねたらいい」と考えることもよくあります。私より別の誰かが生き残る方が全体の利益に適うこともあるでしょう。また、どうせ自分の命にさほど真剣さを抱けないのであれば、ただ死んでいくのではなく、誰かを守ったり助けたりすることで死ぬというのは悪くないんじゃないか、などとそれなりには真剣に考えていたりします。
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逆に、私を助けたことで別の誰かが亡くなったりしたら、耐えられないよなぁ
ならあんたも、死んでまで誰かを助けるとか止めようね
その感覚は、今も決してゼロになったわけではありません。しかしこの映画を観て、「自分には、命を賭して誰かを守るなんてことはできないかもなぁ」とも感じました。
物凄く怖かった。
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この映画は、臨場感がもの凄いです。私は当然「自分は今、映画を観ているだけだ」と理解していましたが、それでも、映像からとんでもない恐怖を何度も感じ、映画館の座席から飛び上がってしまうこともありました。
フィクションの映画を観ているだけの自分が、これほど恐怖を感じるのです。実際の現場は、どれほどの恐怖だったでしょうか。
自分だったら、同じように行動できるだろうか?
この映画は、ホテルで起こった実際のテロ事件をモデルにしています。突然、銃を持った集団がホテルに大挙し、理由も分からず相手の主張も理解できないまま、ただ無残に殺されていくのです。
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宿泊客が惨劇に見舞われている時、ホテルのスタッフには「逃げる」という選択肢が用意されていました。スタッフしか知らない従業員用通路を通れば今なら安全に逃げられる、と示唆されるのです。
もちろん、そこで「逃げること」を選択したスタッフもいるし、私は、彼らは正解だと思っています。あの場面で逃げたスタッフが、間違いだったはずがありません。自分の命を賭けてまで絶対にやらなければならないことなど、世の中には存在しないでしょう。リーダー格の人物が「逃げても恥ではない」と言いますが、まさにその通りです。
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そして、「逃げる」という選択肢を与えられたにも関わらず、残ってお客様を救うと決断したスタッフもいます。あの恐怖の中、そんな決断ができたことは称賛に値するでしょう。
もちろん、残ったスタッフの行動がすべて良い結果をもたらしたのかどうか、それは分かりません。結果として状況を悪化させてしまう場面もあったでしょう。しかしそれらは、すべてが終わった後で無関係の人間がとやかく言うことに過ぎません。あの混乱と恐怖の中で、すべてにおいて正しい行動など取れるはずもないでしょう。いずれにしても悪いのはすべてテロ集団です。
「逃げる」という決断をしたすべての人は正解であり、残って人命を救う行動をしたすべての人は称賛されるべきだと思います。
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「金持ちの外国人」を助けるために命を張れるか?
さて、この映画を観て、私がどうしても考えてしまったことがあります。それは、「命を賭けて“金持ちの外国人”を助けられるだろうか?」ということです。
こういう差別的に捉えられるだろうことは書くべきではないのかもしれませんが、私は、彼らホテルスタッフの凄さを伝えるために、敢えてこういう書き方をしたいと思います。
事件が起こったのは、インドで100年以上の伝統を持つ格式のあるホテルで、政治家やセレブ御用達です。一方、そんなホテルで働いているのは、バラック小屋が密集したような町で暮らす、決して裕福などとは言えないインドの貧しい人々です。
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その立場には、圧倒的な違いがあると言えるでしょう。
映画の中でそこまで具体的に描かれはしませんが、そういうVIPたちから理不尽な要求や受け入れがたいクレームを受けることもあったでしょう。相手が金持ちであるかどうかは、人間を判断する上で重要ではないとはいえ、普段から接するお客様がVIPであるが故に、そういう人たちにマイナスのイメージを抱いてしまうこともあるだろうと思います。
そしてもちろん、当然ですが、相手が金持ちかどうかに関係なく、何よりも大事なのは自分の命です。家族や親友など、自分の命を賭けてでも助けたいと思える存在は誰にでもいると思いますが、それが”金持ちの外国人”だとしても、家族や親友などと同じように判断できるでしょうか?
人を属性で判断したくはないって常に思ってるけど、「自分の命がかかってる」ってなるとやっぱりちょっと判断が変わっちゃうかな
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もちろん、こんなことを言わずとも、彼らホテルスタッフの行動の素晴らしさは称賛されるべきだし、「金持ちの外国人を命がけで助けたなんて凄いね」と言われたところで彼らも嬉しくないだろうことは理解しています。でもやはり、どうしてもこの点には触れたかったのです。
自分にはきっと同じことはできないだろうなぁ、と思ってしまったし、そんな私自身と比較して、あなた方はとてつもないことをしたんだ、ということを主張しておきたいと思います。
映画『ホテル・ムンバイ』の内容紹介
2008年11月26日に、インド・ムンバイにある「タージマハルホテル」でテロ事件が起こった。映画は、バラック小屋に住みながらホテルのスタッフとして家族を養うアルジュンの視点をメインに、テロ事件が起こった日の、いつもと同じく穏やかに始まった朝から描かれる。
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この日アルジュンは走っていた。遅刻しそうだったのだ。通勤途中で革靴を無くしてしまった彼は、服装チェックの際に料理長のオベロイからはじかれそうになるが、身重の妻がいるので働かせてほしいと懇願し、予備の靴を借りてなんとかフロアに出ることが許された。
この日チェックイン予定なのは、アメリカ人建築家夫婦と、気難しそうな実業家。デヴィッド・ザーラ夫妻は赤ちゃん連れで、ベビーシッターのサリーと共にスイートルームへと向かう。実業家のワシリーはレストランへと向かい、この後行われるパーティーに備えて電話で美女を予約中だ。
いつもと変わらない一日のはずだった。
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ホテルでスタッフが慌ただしく動いている頃、テロ集団は船でムンバイへとたどり着き、CTS駅、カフェ・リロパル、タージマハルホテルなど、ムンバイの目立つ場所へと散っていく。まずは駅で無差別に銃を乱射し、その後カフェとホテルに襲撃を仕掛ける計画だ。
ホテルにやってきた武装した男たちは、なんの要求も説明もせず、スタッフや宿泊客をライフルで撃ち続けた。彼らは、遠く離れた場所にいるリーダーの指示に従いながら、客室にまで入り込んで殺戮を繰り返していく。
レストランでディナー中だった者たちを、6階のチェンバーズラウンジへと避難させた料理長は、ここでしばらく待っていればやがて救助が来るはずだと宿泊客たちをなだめようとする。
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しかし事態はそう簡単ではない。地元警察には、テロに対応できる能力はない。テロに対抗できる特殊部隊は、1300キロ離れたニューデリーに拠点があり、到着まで相当時間が掛かる。その間にも、無残に人が殺されていく。
デヴィッドやワシリーは、それぞれの思惑を持って行動し、ホテルのスタッフたちも、極限状況の中、究極の決断を迫られる……。
映画『ホテル・ムンバイ』の感想
冒頭でも触れましたが、とにかく「怖い」という感覚に何度も見舞われました。それぐらい、映像の臨場感がとてつもないのです。それでも、あの場にいた者たちが感じた恐怖の何千分の一かでしかないでしょうが、彼らがどれほどの恐怖の中、誰かを助けるために奮闘したのかというその一端を感じられる作品です。
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ホントに、下手なホラー映画なんかより全然怖いと思う
映画は実話を元にしており、実際のニュース映像もふんだんに盛り込まれています。生存者の証言を元にした描写がほとんどなのでしょうが、場面によっては、これは実際起こったことだろうか、と感じるシーンもありました(その状況を見聞きした生存者はいないのではないか、と感じる場面ということです)。
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受付係が電話をしているシーンもその一つです。この場面は、映画の中で一番と言っていいほど印象的な場面でした。具体的には書きませんが、ああいう場面ではそう行動するしかないか、と感じざるを得ないもので、非常に勇敢だったと思いますが、「勇敢」と表現していいのか悩む気持ちもあります。個人的には、この描写はどうかフィクションであってほしい、と感じました。
映画で使用される実際のニュース映像を観ていて、ちょっと信じがたいと思うものがありました。本当に、実際にこんな報道が行われていたのかと疑ってしまいます(実際のニュース映像だから、そのような報道があったことは間違いないのですが)。
それは、「チェンバーズラウンジから多数の宿泊客が脱出しています」という報道です。当たり前ですが、報道された内容は、テロ集団でも見ることができます。そして実際に、その報道を知ったテロ集団がチェンバーズラウンジに向かう場面が描かれます。この報道が当時のインドでどう受け取られたのかは分かりませんが、あり得ないと私は感じました。
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出演:デヴ・パテル, 出演:アーミー・ハマー, 出演:ナザニン・ボニアディ, 出演:アヌパム・カー, 出演:ジェイソン・アイザックス, 出演:ティルダ・コブハム=ハーヴェイ, Writer:アンソニー・マラス, Writer:ジョン・コリー, 監督:アンソニー・マラス
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事件発生から21ヶ月後、タージマハルホテルは再度オープンを果たします。当時のホテルスタッフの奮闘に感謝している世界中の人々が、その再開を待って大勢訪れたそうです。
このテロ事件の被害者の半数は、自らの意思で残ったスタッフでした。彼らの勇気は称賛に値しますし、素晴らしいことですが、同時に、彼らが評価されすぎることによって、「命をなげうってでも他人を助けるべきだ」という感覚が強くなってしまうのも怖い、と感じています。
だからこそ、彼らの奮闘は讃えつつ、私は、自分の命を大切にする行動も同じように認めてあげたいとも思いました。
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映画『マイスモールランド』はフィクションではあるが、「日本に住む難民の厳しい現実」をリアルに描き出す作品だ。『東京クルド』『牛久』などのドキュメンタリー映画を観て「知識」としては知っていた「現実」が、当事者にどれほどの苦しみを与えるのか想像させられた
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テレビ東京の上出遼平が作る、“異次元のグルメ番組”である「ハイパーハードボイルドグルメリポート」の書籍化。映像からも異様さが伝わる「激ヤバ地」に赴き、そこに住む者と同じモノを食べるという狂気が凄まじい。私がテレビで見た「ケニアのゴミ山の少年」の話は衝撃的だった
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生物学の研究を一変させることになった遺伝子編集技術「CRISPR-Cas9」の開発者は、そんな発明をするつもりなどまったくなかった。ノーベル化学賞を受賞した著者による『CRISPR (クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見』をベースに、その発見物語を知る
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「優しいかどうか」が重要な要素として語られる場面が多いと感じるが、私は「優しさ」そのものにはさしたる意味はないと考えている。映画『心の傷を癒すということ 劇場版』から、「献身」と「優しさ」の違いと、誰かに寄り添うために必要な「弱さ」を理解する
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一昔前、我々は「正しい情報を欲していた」はずだ。しかしいつの間にか世の中は変わった。「欲しい情報を正しいと思う」ようになったのだ。この激変は、トランプ元大統領の台頭で一層明確になった。『ニューヨーク・タイムズを守った男』から、情報の受け取り方を問う
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ルシルナ
どう生きるべきか・どうしたらいい【本・映画の感想】 | ルシルナ
どんな人生を歩みたいか、多くの人が考えながら生きていると思います。私は自分自身も穏やかに、そして周囲の人や社会にとっても何か貢献できたらいいなと、思っています。…
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