目次
はじめに
この記事で取り上げる本
著:ヴィンスバイザー, 翻訳:藤崎 百合
¥2,508 (2021/06/15 07:01時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この本をガイドにしながら記事を書いていきます
この記事の3つの要点
- 世界中の美しいビーチは、もう見られなくなってしまう?
- 私たちの日常は「砂」で溢れている
- コンクリートは、地球温暖化の大きな要因である
まさか地球でこんな問題が進行しているとは……と衝撃を受ける内容
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しかしそんな環境への意識が高まっている現代でさえ、ほとんどの人に知られていない資源の減少がある。それが「砂」だ。
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このような状況からして、遅かれ早かれ砂不足になることは避けられない。実際、すでに起こりつつある。カリフォルニア州の環境保護局は2012年の報告書において、砂と砂利については今後50年間で必要量の三分の一程度しか州は入手できないだろうと警鐘を鳴らした。英国では、陸地での砂採掘に圧力がかかっているため、徐々に海砂の採掘へと転じており、今では必要量のおよそ五分の一が海底の砂でまかなわれている。だが、これらの砂の供給はあと五十年しか続かないと予測されている。ベトナムの建設省は2017年に、このままでは十五年未満で国内の砂を完全に使い果たすことになると警告している
砂? と思うだろう。私も、本書を読み始めた時はそう感じた。砂なんか、そこら中にあるだろう、と。
そこでまず、「砂」に関する認識を統一しよう。
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砂というのは厳密に定義されており、
直径が0.0625ミリメートルから2ミリメートルまでの、ばらばらの粒状になっている硬い物質
であれば、素材がなんであれ「砂」と呼ばれるのだそうだ。もちろん、私たちが普通にイメージするのは、岩や石が砕けたものだろう。しかしそれだけではない。
多くの砂浜には生物由来の砂もある。貝殻やサンゴや海の生き物の骨が砕けて粉々になったものだ。ピンク色や極端に真っ白な砂浜があるのはそのためだ。(不思議な色をしたたくさんの砂浜のなかでも特に珍しいのが、ハワイが誇るカウアイ島のグラスビーチだろう。砂の大部分が、長らく侵食されてきた色とりどりのガラスの無数のかけらなのだ)
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ガラスも、規定の範囲の大きさのものであれば「砂」なのである。
「使える砂は限られている」という事実と、砂浜を維持するための「養浜」という衝撃
さて、そうなるとますます、「砂はあちこちにあるだろう」ということになる。それこそ、砂漠に行けば山ほどある。しかし本書で取り上げられるのは「産業用途で使える砂」である。そして残念ながら、砂漠の砂は産業用途には向かないのだ。
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ほとんどの場合、砂漠の砂が産業用途に使われることはない。建設に用いるには、砂漠の砂粒のほとんどは丸すぎる。
だったら砂浜の砂はどうなんだ、と思うだろう。砂浜の砂は産業用途に使える。しかし、だからこそ問題が起こっている。というのも、世界的な砂の需要に応えるために、世界中の砂浜で砂が盗まれているからだ。
砂浜に鍵をかけておくことはできないから、盗まれ放題である。裁判所に訴えても、なかなか現実的には解決しない。悪徳業者の無許可の採掘のために、世界中の砂浜が今危機に瀕しているのだ。
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しかし実は、砂浜の危機というのは、違法採掘だけではない。むしろ、今から話す事実の方がより衝撃的かもしれない。
「リゾート地」や「ビーチ」といった単語からイメージされる砂浜というのは、基本的に「人工物」である。ハワイもマイアミも、あの美しい砂浜は、観光客を呼び込むために人の手で作られているのだ。そういう砂浜は基本的に、どこかから持ってきた砂をただ敷き詰めているだけである。当然、波や風によって砂は持ち去られ、普通にしていれば砂浜は維持できない。
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ではどうするのか?
「養浜」を行うのだ。
言わば砂浜の継ぎ足しである養浜は、すでに一大産業となっている。アメリカではここ数十年で七十億ドルを費やして、全国的に何百キロもの砂浜を人工的に再建しており、その費用の大部分が税金でまかなわれている
砂浜が人工物で、「養浜」しなければ維持できない、という話はまったく知らなかったので、非常に驚かされた。しかもこの「養浜」、当然だが、定期的に行わなければならない。砂浜というのは、大金を掛けても数年しかもたないのだ。また、世界的な砂不足で供給が難しくなる上、砂浜の砂は盗まれてしまう。
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我々が生きている間に、世界中の美しい砂浜はどんどん失われてしまうのかもしれない。
「砂」が足りなくなるのは、我々が「砂」を使いすぎているから
砂浜が無くなるかどうかは、一部の人の関心しか惹かないかもしれないが、砂不足は全人類に関わる問題だ。そもそも不思議ではないだろうか。なぜ産業用の砂がこれほど足りなくなっているのか、と。しかし、次の文章を読めば納得せざるを得ないだろう。
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空気と水を別とすれば、砂は私たちが最も利用している天然資源である。人間が消費する砂と砂利の量は、推定で毎年500億トン近くにのぼるという。
空気と水を除いて、我々が最も使っている天然資源が砂。そうだとするなら確かに、急激に無くなっても仕方ない。
しかし、「砂」なんか、使っているだろうか?
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あなたは起きてから部屋の明かりをつけただろうが、その光の源であるガラス球は溶かした砂からつくられている。よろよろと入った洗面所では、砂を原料とする磁器製の洗面ボウルの上で歯を磨いたと思うが、そのとき流した水は近隣の浄水場で砂を通して濾過されたものだ。使った歯磨き粉には含水ケイ酸が含まれていただろう。これも砂の一種で、刺激の少ない研磨剤として、歯のプラークや着色汚れを除去するのに役に立つ。
あなたの下着が適切な位置に留まっているのは、シリコーンと呼ばれる人工的な化合物でつくられた伸縮素材のおかげだが、このシリコーンの原料もやはり砂である。(中略)
こうして着替えて身支度を整えたあなたが職場へと車を走らせたその道路は、コンクリートやアスファルトで舗装されている。職場では、コンピューターの画面も、コンピューターを動かすチップも、インターネットに接続する光ファイバーケーブルも、すべてが砂からできている。作成した文書を印刷する用紙は、プリンターのインクの吸収をよくするために、砂をベースとした薄い層でコーティングされているだろう。貼って剥がせる付箋に使われている粘着剤さえも、砂からつくられている
この文章を読んで、非常に驚いた。「砂」と聞くと砂漠や砂浜しか思い浮かべられないが、実は、現代文明を維持するために不可欠な存在なのだ。この引用文を踏まえると、「砂」と関わらない日は一日もないだろう。
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まず我々は、この事実を認識しなければならない。地球温暖化もプラスチックごみも化石燃料も大事だが、「砂」の減少も我々の生活に致命傷を与えるものだと気づく必要がある。
「コンクリート」が有する「便利さ」と「特殊さ」
しかし、現代文明を支えるもので「砂」無しでは作れないものといえば、やはりコンクリートだろう。本書には、別の本からの引用としてこんな風に書かれている。
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ロバート・クーランドは著作『コンクリート・プラネット』にこう書いている。「コンクリートという素材は、地球上のすべての人に対して、一人あたり四十トン存在していることになる。そして毎年、一人あたりのその量に、一トンずつ加算されているのだ」
ネットで調べてみたところ、「40坪程度の木造の家の重さは40トンぐらい」という情報が出てきた。40坪というのは、約80畳だそうだ。なかなか広い。そして、一人あたりそれぐらいの重さのコンクリートが、地球上には存在するということだ。
なかなか凄まじい。
しかもコンクリートという素材は、たかだか100年前には存在しなかった。いかに人類が、もの凄いスピードでコンクリートを生み出してきたかが分かるだろう。
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なぜそれほどまでに人類はコンクリートに頼るようになったのか。そこには、コンクリートが持つ驚異の特徴がある。
コンクリートの形をとった砂がなくては、都市がこれほどの速さで成長することは不可能だ。コンクリートは超自然的なまでに安価かつ扱いが容易な建材であり、比較的頑丈で衛生的な住居を非常に多くの人のために迅速につくることを可能とする。コンクリートは強靭で、何万トンにも相当する人や家具、水などの重量に耐えられる。燃えることもなければシロアリがつくこともない。そして驚くほど取り扱いが容易だ。
実に素晴らしい素材である。ありとあらゆるものがコンクリートで作られているのも頷ける。
しかしコンクリートという素材は、実は最初からその性能が広く認められていたわけではない。レンガ職人たちが職を失うことを恐れ、「コンクリートの安全性は保証されていない」と反対し続けたからだ。
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そんなコンクリートが一気に広まるきっかけがあった。1906年のサンフランシスコ大地震だ。この地震では、鉄筋コンクリート造の建造物も倒壊したのだが、ある鉄筋コンクリート造の倉庫が無傷で残ったことが大きく取り上げられ、一躍その真価に注目が集まることになった。
本書には他にも、コンクリートがどれだけ優れた素材であるのかが具体的に記されている。人類は、その歴史の過程で火や言語など様々なものを手に入れてきただろうが、「コンクリート」というのもまた、人類を大きく飛躍させるものであったことは間違いないだろうと思う。
便利な「コンクリート」が抱える致命的な欠点
しかしコンクリートには、致命的な欠点がある。長くもたないのだ。
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バーツラフ・シュミルの推定によると、これから数十年のうちに、全世界で粗雑な製造のコンクリート1,000億トン―ビルや道路、橋、ダム、ありとあらゆるもの―を交換する必要が生じるという
先程、1人あたり40トンのコンクリートがあると書いた。世界の人口を50億人だとすると、世界中に存在するコンクリートは2,000億トンとなる。つまり、その半分を交換しなければならない、ということだ。
これはなかなか恐ろしい状況ではないだろうか?
ここには「粗雑な製造のコンクリート」と書かれている。だったら発展途上国の問題なのでは? と思うかもしれない。しかしそんな楽観はできない。
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アメリカの高速道路の五分の一と都市部の道路の三分の一は「粗悪」な状態にあり、アメリカの運転手に課される追加修繕費と運用費は1,210億ドル相当にのぼるという。連邦高速道路局によると、アメリカの橋の四分の一近くは、構造面で欠陥があるか、機能面で旧式に過ぎるという
コンクリートでできているものは他にも、トンネルやダムなどが挙げられる。どれも、生活に不可欠なものだ。現代文明は、これらコンクリートによる構造物に支えられている。それらをすべて取り替えることなど、できるのだろうか? ただでさえ砂が足りなくなっているというのに?
コンクリートが長持ちしないのは、亀裂に対して脆弱だからだ。そこで、亀裂が発生した時に自己修復する機能を持つコンクリートが研究されているという。しかし、まだまだ実用化には至っていないし、この技術が開発されたところで、古いコンクリートをどうにかしなければならない現実が変わるわけでもない。
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さらにコンクリートというのは、地球温暖化を促進させるものだ。コンクリートの製造のために熱が必要で、コンクリート自身も熱を溜め込む。さらに、コンクリートで作られた道路の上で走る車が排気ガスを出すのだ。
なんと、全世界で排出される二酸化炭素の5%~10%は、セメントの製造工程で生み出されるという。この排出量は、石炭火力発電所、自動車についで3番目である。化石燃料の使用を止め、車をすべて電気自動車に変えても、コンクリートの使用を止めなければ地球温暖化は抑えられないかもしれない、ということだ。
我々人類の前途は多難である、と改めて理解できる現実だ。
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著:ヴィンスバイザー, 翻訳:藤崎 百合
¥2,508 (2022/02/03 23:14時点 | Amazon調べ)
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結局のところ、長期的な解決策は一つしかない。人間が砂の使用量をへらすことに取り組まねばならないということだ。もっと言うと、人間は”あらゆるもの”の使用量を減らすことに取り組まねばならない
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アフガニスタンを追われた家族4人が、ヨーロッパまで5600kmの逃避行を3台のスマホで撮影した映画『ミッドナイト・トラベラー』は、「『難民の厳しい現実』を切り取った作品」ではない。「家族アルバム」のような「笑顔溢れる日々」が難民にもあるのだと想像させてくれる
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タイトルを伏せられた覆面本「文庫X」としても話題になった『殺人犯はそこにいる』。「北関東で起こったある事件の取材」が、「私たちが生きる社会の根底を揺るがす信じがたい事実」を焙り出すことになった衝撃の展開。まさか「司法が真犯人を野放しにする」なんてことが実際に起こるとは。大げさではなく、全国民必読の1冊だと思う
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手作りの舟に乗り、銛1本で巨大なクジラを仕留める生活を続けるインドネシアのラマレラ村。そこに住む人々を映し出した映画『くじらびと LAMAFA』は、私たちが普段感じられない種類の「豊かさ」を描き出す。「どう生きるか」を改めて考えさせられる作品だ
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「どこにでもいる普通の女性」が「横領」に手を染める映画『紙の月』は、「日常の積み重ねが非日常に接続している」ことを否応なしに実感させる。「主人公の女性は自分とは違う」と考えたい観客の「祈り」は通じない。「梅澤梨花の物語」は「私たちの物語」でもあるのだ
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Chim↑Pomというアーティストについてさして詳しいことを知らずに観に行った、森美術館の「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」に、思考をドバドバと刺激されまくったので、Chim↑Pomが特集された「美術手帖」も慌てて買い、Chim↑Pomについてメッチャ考えてみた
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デンプン・砂糖・ニコチンなどは、地球上で非常に稀少な元素である「炭素」から作られる「炭素化合物」だ。そんな「炭素化合物」がどんな影響を与えたかという観点から世界の歴史を描く『「元素の王者」が歴史を動かす』は、学校の授業とはまったく違う視点で「歴史」を捉える
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便利すぎる世の中に生きていると、「この便利さはどのように生み出されているのか」を想像しなくなる。そしてその「無関心」は、世界を確実に悪化させてしまう。伊藤計劃の小説を原作とするアニメ映画『虐殺器官』から、「無関心という残虐さ」と「想像することの大事さ」を知る
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【最新】「コロンブス到達以前のアメリカ大陸」をリアルに描く歴史書。我々も米国人も大いに誤解してい…
サイエンスライターである著者は、「コロンブス到着以前のアメリカはどんな世界だったか?」という問いに触れ、その答えが書かれた本がいつまで経っても出版されないので自分で執筆した。『1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見』には、アメリカ人も知らない歴史が満載だ
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言わずと知れた大ベストセラー『サピエンス全史』は、「何故サピエンスだけが人類の中で生き残り、他の生物が成し得なかった歴史を歩んだのか」を、「認知革命」「農業革命」「科学革命」の3つを主軸としながら解き明かす、知的興奮に満ち溢れた1冊
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つい数十年前まで、飛行機は「死の乗り物」だったが、天才気象学者・藤田哲也のお陰で世界の空は安全になった。今では、自動車よりも飛行機の方が死亡事故の少ない乗り物なのだ。『Mr.トルネード 藤田哲也 世界の空を救った男』から、その激動の研究人生を知る
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「遺伝子組み換え作物が危険かどうか」以上に注目すべきは、「モンサント社の除草剤を摂取して大丈夫か」である。種子を独占的に販売し、農家を借金まみれにし、世界中の作物の多様性を失わせようとしている現状を、映画「モンサントの不自然な食べもの」から知る
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