目次
はじめに
この記事で取り上げる映画
¥500 (2025/12/28 20:24時点 | Amazon調べ)
ポチップ
この映画をガイドにしながら記事を書いていくようだよ
この記事で伝えたいこと
「過去にタイムスリップして未来を変える」系の物語として新機軸であり、実に面白い
こんなよくある設定をベースに、よくもまあこれほど魅力的な物語を生み出せるものだなと思う
この記事の3つの要点
- 主人公は、タイムスリップをし終えた後でさえ、当初は「未来を変えるために行動しよう」などとは考えていなかった
- 「ある時点で夫婦関係は絶望的に破綻していた」という設定が物語をさらに面白くしている
- 着地のさせ方が難しい物語だと思うのだが、その点も絶妙で、個人的にはとても好きな終わらせ方だった
この記事を読んでもどんな物語なのか想像もつかないでしょうが、とても魅力的で面白い映画です
自己紹介記事
あわせて読みたい
ルシルナの入り口的記事をまとめました(プロフィールやオススメの記事)
当ブログ「ルシルナ」では、本と映画の感想を書いています。そしてこの記事では、「管理者・犀川後藤のプロフィール」や「オススメの本・映画のまとめ記事」、あるいは「オススメ記事の紹介」などについてまとめました。ブログ内を周遊する参考にして下さい。
あわせて読みたい
【全作品読了・視聴済】私が「読んできた本」「観てきた映画」を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が『読んできた本』『観てきた映画』を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非本・映画選びの参考にして下さい。
どんな人間がこの記事を書いているのかは、上の自己紹介記事をご覧ください
坂元裕二脚本の映画『ファーストキス 1ST KISS』は、「過去に戻って未来を変える」というよくある物語を実に魅力的に描き出す作品だ
一風変わった設定により、「過去に戻って未来を変える」系の物語として異色作に仕上がっている
あわせて読みたい
【失恋】ひたすらカオスに展開する映画『エターナル・サンシャイン』は、最後まで観ると面白い!(主演…
映画『エターナル・サンシャイン』は、冒頭からしばらくの間、とにかくまったく意味不明で、「何がどうなっているのか全然分からない!」と思いながら観ていました。しかし、映像がカオスになるにつれて状況の理解は進み始め、最終的には「よくもまあこんな素っ頓狂なストーリーを理解できる物語に落とし込んだな」と感心させられました
ホント、よく出来た物語だったなと思います。さすが坂元裕二脚本作という感じです。「過去にタイムスリップして未来を変える」なんてストーリーは世の中に溢れかえっているわけですが、本作『ファーストキス 1ST KISS』はかなり新機軸というか、大分変わった設定・構成の物語で、実に面白い作品でした。
坂元裕二脚本のドラマはあんまり観てないんだけど、映画はちょいちょい観る機会があって、毎回ホント凄いなって思う
さて、「過去に戻って未来を変える」系の物語というのは一般的に、大きく2つのパターンに分けられるように思います。1つは、「『手違いで過去に介入してしまったせいで、このままでは未来がおかしなことになる』という状況に対して、元の状態に戻すために奮闘する」というもの。そしてもう1つが、「現在にいる時点で『変えたい過去』があり、その改変を目的として過去へ行き奮闘する」です。大体どちらかに分類されそうな気がするのですが、本作はそのどちらでもありません。
あわせて読みたい
【あらすじ】映画『四畳半タイムマシンブルース』超面白い!森見登美彦も上田誠も超天才だな!
ヨーロッパ企画の演劇『サマータイムマシン・ブルース』の物語を、森見登美彦の『四畳半神話大系』の世界観で描いたアニメ映画『四畳半タイムマシンブルース』は、控えめに言って最高だった。ミニマム過ぎる設定・物語を突き詰め、さらにキャラクターが魅力的だと、これほど面白くなるのかというお手本のような傑作
本作の物語は、「理由も分からず、突然過去へとタイムスリップしてしまう」というところから始まります。主人公の1人である硯カンナは偶然、過去のある時点へと戻る手段を手に入れました。それが15年前の2009年8月1日で、彼女と夫が出会った日です。15年後からやってきた硯カンナは、旧姓の高畑カンナとはまだ知り合っていない硯駈(すずり・かける)と”再会”したのでした。
文字で説明しようとするとどうしてもややこしくなるけどね
さて、最初の「タイムスリップ」から戻ってきた硯カンナは、この時点ではまだ「未来を変えるために行動を起こそう」などとは考えていません。まあそりゃあそうでしょう。彼女は、訳もわからずたまたま「タイムスリップ」に巻き込まれただけなのです。さらに「タイムスリップ」と言ったって、彼女が行けるのは「2009年8月1日」という特定の1日のみ。さらに、詳しい状況には触れませんが、カンナは8月1日の20時頃までしかその世界にいられません(いられないわけではないのですが)。そんな短い時間じゃ、「何かしよう」なんて発想になったりはもしないでしょう。というかそもそも、彼女が過去に戻った時間帯(彼女がやってくるのは、毎回8月1日の昼ぐらいです)はまだ、高畑カンナと硯駈は出会ってもいないわけで、普通は「そんな硯駈と関わったって何の意味もない」みたいに考えるんじゃないかと思います。
あわせて読みたい
【天才】映画『リバー、流れないでよ』は、ヨーロッパ企画・上田誠によるタイムループの新発明だ
ヨーロッパ企画の上田誠が生み出した、タイムループものの新機軸映画『リバー、流れないでよ』は、「同じ2分間が繰り返される」という斬新すぎる物語。その設定だけ聞くと、「どう物語を展開させるんだ?」と感じるかもしれないが、あらゆる「制約」を押しのけて、とんでもない傑作に仕上がっている
で、その後硯カンナは「過去を変えるための行動」を取るのですが、まさに絶妙なきっかけが用意されていて、見事だなと感じました(一応、そのきっかけには触れないでおくことにしましょう)。観客としては、「なるほど、そういう状況であれば『過去を変えるための行動』に踏み出そうと考えるだろう」みたいに感じられるし、よく出来てるなと思います。
明らかにフィクション的な設定でも、細部でちゃんとリアリティを保とうとするのは凄く良いなって思う
「最悪の夫婦関係」から「ファーストキス」に至るまでの実に絶妙な展開
また、本作の設定で興味深いと感じたのが、「タイムスリップした時点で、硯夫妻の関係は破綻していた」という点です。そもそも、「物語が始まった時点で硯駈は既に亡くなっている」のですが、2人は駈が亡くなる少し前に離婚届を出そうとしていたぐらい、夫婦としての関係が綻んでいました。そしてこの設定も、本作を面白くする要素になっていると言えるでしょう。
あわせて読みたい
【あらすじ】家族ってめんどくさい……。それでも、あとから後悔せずに生きるために、今どう生きるか:小…
人が死んでも「悲しい」と感じられない男に共感できるか?(私はメチャクチャ共感してしまう) 西川美和の『永い言い訳』をベースに、「喪失の大きさを理解できない理由」と、「誰かに必要とされる生き方」について語る
本作『ファーストキス 1ST KISS』では、割と早い段階で「夫婦関係が悪化していく過程」がダイジェストで描かれます。冒頭のシーンは「駈が命を落とす瞬間」の描写なのですが、実はその時点で夫婦関係は破綻していたため、カンナは夫の死に対して複雑な感情を抱いていました。もちろん「悲しい」という気持ちはあるわけですが、夫はその死の状況から世間的には大きく称賛されていて、だからマスコミから「悲嘆に暮れる妻」みたいな姿が求められもします(いや、求められている気がするだけですが)。そして、世間が思うほどには、夫の死に対して強く感情が動かなかったのです。
「事情を知らない人からステレオタイプ的に見られる」なんて、不愉快でしかないよなぁ
そんなわけで、最初のタイムスリップで若い頃の夫に“再会した”カンナは、駈とやり取りした後すぐに逃げてしまいました。ついこの間まで、同じ家に住んでいながら会話も交わさないような関係だったのに、そんな夫と同じ顔をした人が自分に優しく振る舞ってくる状況に強烈な違和感を覚えてしまったのだと思います。
あわせて読みたい
【奇妙】映画『鯨の骨』は、主演のあのちゃんが絶妙な存在感を醸し出す、斬新な設定の「推し活」物語
映画『鯨の骨』は、主演を務めたあのちゃんの存在感がとても魅力的な作品でした。「AR動画のカリスマ的存在」である主人公を演じたあのちゃんは、役の設定が絶妙だったこともありますが、演技がとても上手く見え、また作品全体の、「『推し活』をある意味で振り切って描き出す感じ」もとても皮肉的で良かったです
そもそもカンナは「動物も人間も嫌い」みたいなことを言っていたし(人間を嫌いになったのは夫の死後だろうと思いますが)、「もう一度夫に会いたい」みたいな気持ちも別に持っていなかったでしょう。関係が悪化していたのだから当然と言えば当然ですが、カンナにとって夫は「かなりどうでもいい存在」になっていたのだと思います。
しかしホント、好き同士で結婚してるはずなのに、そういう関係になっちゃうのは残酷よね
恋愛と結婚は違うって話なんだろうけど、だったら「恋愛から結婚」ってルートにしなきゃいいのにって思っちゃう
そして本作では、そんな「最悪」と言っていい状態から、「『15年後の未来から来た硯カンナ』と『高畑カンナと出会う直前の硯駈』の関係性」が様々に変わっていく感じが凄く面白かったです。どんな風に変わっていくのかについて具体的には触れませんが、客観的に捉えれば「かなり捻じ曲がった形に変化していく」わけで、まさに本作の特殊な設定ならではだなと感じます。もちろんそれは、「(未来の)夫が死なずに済む可能性をあれこれ模索した」というプロセスがあるからこそ説得力が生まれる展開なわけで、ホント、「よく出来てるなぁ」という感じでした。
あわせて読みたい
【感想】どんな話かわからない?難しい?ジブリ映画『君たちはどう生きるか』の考察・解説は必要?(監…
宮崎駿最新作であるジブリ映画『君たちはどう生きるか』は、宮崎アニメらしいファンタジックな要素を全開に詰め込みつつ、「生と死」「創造」についても考えさせる作品だ。さらに、「自分の頭の中から生み出されたものこそ『正解』」という、創造物と向き合う際の姿勢についても問うているように思う
そして最終的に、物語は「もうそういう形にしか行き着かないよね」という展開になり、そしてそのような流れの延長として、タイトルにあるような「ファーストキス」に辿り着くというわけです。「なるほどなぁ」という感じでした。
エンタメ作品としてシンプルに面白いんだけど、その上で、随所に「上手いなぁ」って感じるポイントがあるって感じ
さて、本作のような物語は「どう着地させるか」がかなり難しい気がするのですが、本作はこの点に関しても非常によく出来ていたなと思います。全体の展開を踏まえれば「そうなるしかないよな」という結末だと言えるのですが、決してそれだけではなく、「なるほど、そう来ましたか!」と感じさせる着地でもあり、個人的には結構好きな終わらせ方でした。
あわせて読みたい
【感想】映画『すずめの戸締まり』(新海誠)は、東日本大震災後を生きる私達に「逃げ道」をくれる(松…
新海誠監督の『すずめの戸締まり』は、古代神話的な設定を現代のラブコメに組み込みながら、あまりに辛い現実を生きる人々に微かな「逃げ道」を指し示してくれる作品だと思う。テーマ自体は重いが、恋愛やコメディ要素とのバランスがとても良く、ロードムービー的な展開もとても魅力的
それで、本作を観て感じたのが、これは別に「結婚」に限る話ではありませんが、「『1周目』のことを知った上で『2周目』を生きる」ってのは凄くいいよなぁ、ということです。特に、「1周目が失敗」だと分かっているならなおさらでしょう。まあ実際にはそんなこと不可能なわけで、考えるだけ無駄な話ではあるのですが、「こんな風に出来たら最高では?」と思わずにはいられませんでした。
未来ではもしかしたら、「AIが『1周目』をリアルにシミュレーションする」なんてサービスが出てくるかもしれないけどね
「仮想空間でその『1周目』を圧縮して体験する」みたいな機能もあれば、サービスとしては成立し得るかも
¥500 (2025/12/29 06:26時点 | Amazon調べ)
ポチップ
あわせて読みたい
【全作品視聴済】私が観てきた映画(フィクション)を色んな切り口で分類しました
この記事では、「今まで私が観てきた映画(フィクション)を様々に分類した記事」を一覧にしてまとめました。私が面白いと感じた作品だけをリストアップしていますので、是非映画選びの参考にして下さい。
最後に
あわせて読みたい
【感動】円井わん主演映画『MONDAYS』は、タイムループものの物語を革新する衝撃的に面白い作品だった
タイムループという古びた設定と、ほぼオフィスのみという舞台設定を駆使した、想像を遥かに超えて面白かった映画『MONDAYS』は、テンポよく進むドタバタコメディでありながら、同時に、思いがけず「感動」をも呼び起こす、竹林亮のフィクション初監督作品
この記事ではざっくり物語の展開に触れましたが、しかし、本作を観ていない人には「2009年8月1日の行動によって、2024年に死んでしまう予定の人を救おうとする」なんて展開はなかなか想像出来ないんじゃないかと思います。これも上手いなと感じたポイントです。そして、そんな「普通なら不可能だろうミッション」に何度も挑戦する硯カンナの姿や、うんざりするほど繰り返される「初めまして」のやり取りなども絶妙で、とにかく、全体的にストーリーテリングが抜群に上手かったなと思います。
さらに言えば、こういう物語の場合、特殊な設定である「タイムスリップ」という要素が強く浮き上がりそうなものですが、本作の場合はそうはならず、「作品が有するメッセージ性」みたいなものがくっきりと浮かび上がる感じがあって、その辺りもさすがだなという感じでした。
あわせて読みたい
Kindle本出版しました!「それってホントに『コミュ力』が高いって言えるの?」と疑問を感じている方に…
私は、「コミュ力が高い人」に関するよくある主張に、どうも違和感を覚えてしまうことが多くあります。そしてその一番大きな理由が、「『コミュ力が高い人』って、ただ『想像力がない』だけではないか?」と感じてしまう点にあると言っていいでしょう。出版したKindle本は、「ネガティブには見えないネガティブな人」(隠れネガティブ)を取り上げながら、「『コミュ力』って何だっけ?」と考え直してもらえる内容に仕上げたつもりです。
次にオススメの記事
あわせて読みたい
【変貌】狂気が炸裂する映画『秘顔―ひがん―』は、パク・ジヒョンが魅せる3つの顔に圧倒させられた(主演…
映画『秘顔―ひがん―』では、「リアルな存在として成立させるのは困難」に思える主人公の1人であるミジュを、「別人レベルに変貌する」という凄まじい演技で成立させたパク・ジヒョンの存在感に圧倒させられた。全編に渡り「狂気」が炸裂するイカれた作品なのだが、そんな物語がギリギリ成立しているのは彼女のお陰である
あわせて読みたい
【狂気】好きだけど詳しくはない『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序・破・Q』『シン・エヴァンゲリオン劇場…
2025年から26年に掛けての「月1エヴァ」という企画を1つの区切りとして、それまでに何度か観てきた新劇場版『序』『破』『Q』『シン・エヴァンゲリオン』などの感想についてまとめてみることにした。同時代にリアルタイムでこれほど弩級の物語に触れられたことはあまりに僥倖だし、本当に素晴らしい体験だったなと思う
あわせて読みたい
【驚異】映画『RRR』『バーフバリ』は「観るエナジードリンク」だ!これ程の作品にはなかなか出会えないぞ
2022年に劇場公開されるや、そのあまりの面白さから爆発的人気を博し、現在に至るまでロングラン上映が続いている『RRR』と、同監督作の『バーフバリ』は、大げさではなく「全人類にオススメ」と言える超絶的な傑作だ。まだ観ていない人がいるなら、是非観てほしい!
あわせて読みたい
【あらすじ】驚きの設定で「死と生」、そして「未練」を描く映画『片思い世界』は実に素敵だった(監督…
広瀬すず・杉咲花・清原果耶という超豪華俳優が主演を務める映画『片思い世界』は、是非、何も知らないまま観て下さい。この記事ではネタバレをせずに作品について語っていますが、それすらも読まずにまっさらな状態で鑑賞することをオススメします。「そうであってほしい」と感じてしまうような世界が“リアル”に描かれていました
あわせて読みたい
【あらすじ】映画『夏目アラタの結婚』は黒島結菜が演じた品川真珠の歯並びが凄い(でもかわいい)(監…
映画『夏目アラタの結婚』は、まずとにかく、黒島結菜が演じた主人公・品川真珠のビジュアルが凄まじかった。原作者が「譲れない」と言ったという「ガタガタの汚い歯」の再現が凄まじく、これだけで制作陣の本気度が伝わるくらい。ストーリー展開も見事で、もう1人の主人公が最終的に思いがけない実感に行き着く流れも興味深い
あわせて読みたい
【失恋】ひたすらカオスに展開する映画『エターナル・サンシャイン』は、最後まで観ると面白い!(主演…
映画『エターナル・サンシャイン』は、冒頭からしばらくの間、とにかくまったく意味不明で、「何がどうなっているのか全然分からない!」と思いながら観ていました。しかし、映像がカオスになるにつれて状況の理解は進み始め、最終的には「よくもまあこんな素っ頓狂なストーリーを理解できる物語に落とし込んだな」と感心させられました
あわせて読みたい
【豪快】これまで観た中でもトップクラスに衝撃的だった映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(…
私は、シリーズ最新作『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』と、そのメイキングが中心のドキュメンタリー映画しか観ていませんが、あらゆる要素に圧倒される素晴らしい鑑賞体験でした。アクションシーンの凄まじさはもちろん、個人的には、杉本ちさとと深川まひろのダルダルな会話がとても好きで、混ざりたいなとさえ思います
あわせて読みたい
【異例】東映京都撮影所が全面協力!自主制作の時代劇映画『侍タイムスリッパー』は第2の『カメ止め』だ…
映画『侍タイムスリッパー』は、「自主制作映画なのに時代劇」「撮影スタッフ10人なのに東映京都撮影所全面協力」「助監督役が実際の助監督も務めている」など、中身以外でも話題に事欠かない作品ですが、何もよりも物語が実に面白い!「幕末の侍が現代にタイムスリップ」というよくある設定からこれほど面白い物語が生まれるとは
あわせて読みたい
【宣伝】アポロ計画での月面着陸映像は本当か?映画『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』のリアル
「月面着陸映像はニセモノだ」という陰謀論を逆手にとってリアリティのある物語を生み出した映画『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』は、「ベトナム戦争で疲弊し、事故続きのNASAが不人気だった」という現実を背景に「歴史のif」を描き出す。「確かにそれぐらいのことはするかもしれない」というリアリティをコメディタッチで展開させる
あわせて読みたい
【常識】群青いろ制作『彼女はなぜ、猿を逃したか?』は、凄まじく奇妙で、実に魅力的な映画だった(主…
映画『彼女はなぜ、猿を逃したか?』(群青いろ制作)は、「絶妙に奇妙な展開」と「爽快感のあるラスト」の対比が魅力的な作品。主なテーマとして扱われている「週刊誌報道からのネットの炎上」よりも、私は「週刊誌記者が無意識に抱いている思い込み」の方に興味があったし、それを受け流す女子高生の受け答えがとても素敵だった
あわせて読みたい
【衝撃】広末涼子映画デビュー作『20世紀ノスタルジア』は、「広末が異常にカワイイ」だけじゃない作品
広末涼子の映画デビュー・初主演作として知られる『20世紀ノスタルジア』は、まず何よりも「広末涼子の可愛さ」に圧倒される作品だ。しかし、決してそれだけではない。初めは「奇妙な設定」ぐらいにしか思っていなかった「宇宙人に憑依されている」という要素が、物語全体を実に上手くまとめている映画だと感じた
あわせて読みたい
【映画】ウォン・カーウァイ4Kレストア版の衝撃!『恋する惑星』『天使の涙』は特にオススメ!
『恋する惑星』『天使の涙』で一躍その名を世界に知らしめた巨匠ウォン・カーウァイ作品の4Kレストア版5作品を劇場で一気見した。そして、監督の存在さえまったく知らずに観た『恋する惑星』に圧倒され、『天使の涙』に惹きつけられ、その世界観に驚かされたのである。1990年代の映画だが、現在でも通用する凄まじい魅力を放つ作品だ
あわせて読みたい
【あらすじ】映画『レザボア・ドッグス』(タランティーノ監督)はとにかく驚異的に脚本が面白い!
クエンティン・タランティーノ初の長編監督作『レザボア・ドッグス』は、のけぞるほど面白い映画だった。低予算という制約を逆手に取った「会話劇」の構成・展開があまりにも絶妙で、舞台がほぼ固定されているにも拘らずストーリーが面白すぎる。天才はやはり、デビュー作から天才だったのだなと実感させられた
あわせて読みたい
【感想】映画『ローマの休日』はアン王女を演じるオードリー・ヘプバーンの美しさが際立つ名作
オードリー・ヘプバーン主演映画『ローマの休日』には驚かされた。現代の視点で観ても十分に通用する作品だからだ。まさに「不朽の名作」と言っていいだろう。シンプルな設定と王道の展開、そしてオードリー・ヘプバーンの時代を超える美しさが相まって、普通ならまずあり得ない見事なコラボレーションが見事に実現している
あわせて読みたい
【映画】ストップモーションアニメ『マルセル 靴をはいた小さな貝』はシンプルでコミカルで面白い!
靴を履いた体長2.5センチの貝をコマ撮りで撮影したストップモーション映画『マルセル 靴をはいた小さな貝』は、フェイクドキュメンタリーの手法で描き出すリアリティ満載の作品だ。謎の生き物が人間用の住居で工夫を凝らしながら生活する日常を舞台にした、感情揺さぶる展開が素晴らしい
あわせて読みたい
【魅力】モンゴル映画『セールス・ガールの考現学』は、人生どうでもいい無気力女子の激変が面白い!
なかなか馴染みのないモンゴル映画ですが、『セールス・ガールの考現学』はメチャクチャ面白かったです!設定もキャラクターも物語の展開もとても変わっていて、日常を描き出す物語にも拘らず、「先の展開がまったく読めない」とも思わされました。主人公の「成長に至る過程」が見応えのある映画です
あわせて読みたい
【あらすじ】映画『四畳半タイムマシンブルース』超面白い!森見登美彦も上田誠も超天才だな!
ヨーロッパ企画の演劇『サマータイムマシン・ブルース』の物語を、森見登美彦の『四畳半神話大系』の世界観で描いたアニメ映画『四畳半タイムマシンブルース』は、控えめに言って最高だった。ミニマム過ぎる設定・物語を突き詰め、さらにキャラクターが魅力的だと、これほど面白くなるのかというお手本のような傑作
あわせて読みたい
【感想】どんな話かわからない?難しい?ジブリ映画『君たちはどう生きるか』の考察・解説は必要?(監…
宮崎駿最新作であるジブリ映画『君たちはどう生きるか』は、宮崎アニメらしいファンタジックな要素を全開に詰め込みつつ、「生と死」「創造」についても考えさせる作品だ。さらに、「自分の頭の中から生み出されたものこそ『正解』」という、創造物と向き合う際の姿勢についても問うているように思う
あわせて読みたい
【感想】映画『すずめの戸締まり』(新海誠)は、東日本大震災後を生きる私達に「逃げ道」をくれる(松…
新海誠監督の『すずめの戸締まり』は、古代神話的な設定を現代のラブコメに組み込みながら、あまりに辛い現実を生きる人々に微かな「逃げ道」を指し示してくれる作品だと思う。テーマ自体は重いが、恋愛やコメディ要素とのバランスがとても良く、ロードムービー的な展開もとても魅力的
あわせて読みたい
【天才】映画『リバー、流れないでよ』は、ヨーロッパ企画・上田誠によるタイムループの新発明だ
ヨーロッパ企画の上田誠が生み出した、タイムループものの新機軸映画『リバー、流れないでよ』は、「同じ2分間が繰り返される」という斬新すぎる物語。その設定だけ聞くと、「どう物語を展開させるんだ?」と感じるかもしれないが、あらゆる「制約」を押しのけて、とんでもない傑作に仕上がっている
あわせて読みたい
【感動】円井わん主演映画『MONDAYS』は、タイムループものの物語を革新する衝撃的に面白い作品だった
タイムループという古びた設定と、ほぼオフィスのみという舞台設定を駆使した、想像を遥かに超えて面白かった映画『MONDAYS』は、テンポよく進むドタバタコメディでありながら、同時に、思いがけず「感動」をも呼び起こす、竹林亮のフィクション初監督作品
あわせて読みたい
【感想】映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』は、「リアル」と「漫画」の境界の消失が絶妙
映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』は、「マンガ家夫婦の不倫」という設定を非常に上手く活かしながら、「何がホントで何かウソなのかはっきりしないドキドキ感」を味わわせてくれる作品だ。黒木華・柄本佑の演技も絶妙で、良い映画を観たなぁと感じました
あわせて読みたい
【感想】映画『竜とそばかすの姫』が描く「あまりに批判が容易な世界」と「誰かを助けることの難しさ」
SNSの登場によって「批判が容易な社会」になったことで、批判を恐れてポジティブな言葉を口にしにくくなってしまった。そんな世の中で私は、「理想論だ」と言われても「誰かを助けたい」と発信する側の人間でいたいと、『竜とそばかすの姫』を観て改めて感じさせられた
あわせて読みたい
【世界観】映画『夜は短し歩けよ乙女』の”黒髪の乙女”は素敵だなぁ。ニヤニヤが止まらない素晴らしいアニメ
森見登美彦の原作も大好きな映画『夜は短し歩けよ乙女』は、「リアル」と「ファンタジー」の境界を絶妙に漂う世界観がとても好き。「黒髪の乙女」は、こんな人がいたら好きになっちゃうよなぁ、と感じる存在です。ずっとニヤニヤしながら観ていた、とても大好きな映画
あわせて読みたい
【考察】生きづらい性格は変わらないから仮面を被るしかないし、仮面を被るとリア充だと思われる:『勝…
「リア充感」が滲み出ているのに「生きづらさ」を感じてしまう人に、私はこれまでたくさん会ってきた。見た目では「生きづらさ」は伝わらない。24年間「リアル彼氏」なし、「脳内彼氏」との妄想の中に生き続ける主人公を描く映画『勝手にふるえてろ』から「こじらせ」を知る
あわせて読みたい
【無知】映画『生理ちゃん』で理解した気になってはいけないが、男(私)にも苦労が伝わるコメディだ
男である私にはどうしても理解が及ばない領域ではあるが、女友達から「生理」の話を聞く機会があったり、映画『生理ちゃん』で視覚的に「生理」の辛さが示されることで、ちょっとは分かったつもりになっている。しかし男が「生理」を理解するのはやっぱり難しい
あわせて読みたい
【レッテル】コミュニケーションで大事なのは、肩書や立場を外して、相手を”その人”として見ることだ:…
私は、それがポジティブなものであれ、「レッテル」で見られることは嫌いです。主人公の1人、障害を持つ大富豪もまたそんなタイプ。傍若無人な元犯罪者デルとの出会いでフィリップが変わっていく『THE UPSIDE 最強のふたり』からコミュニケーションを学ぶ
あわせて読みたい
【映画】『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 劇場版』で号泣し続けた私はTVアニメを観ていない
TVアニメは観ていない、というかその存在さえ知らず、物語や登場人物の設定も何も知らないまま観に行った映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 劇場版』に、私は大号泣した。「悪意のない物語」は基本的に好きではないが、この作品は驚くほど私に突き刺さった
あわせて読みたい
【難しい】映画『鳩の撃退法』をネタバレ全開で考察。よくわからない物語を超詳細に徹底解説していく
とても難しくわかりにくい映画『鳩の撃退法』についての考察をまとめていたら、1万7000字を超えてしまった。「東京編で起こったことはすべて事実」「富山編はすべてフィクションかもしれない」という前提に立ち、「津田伸一がこの小説を書いた動機」まで掘り下げて、実際に何が起こっていたのかを解説する(ちなみに、「実話」ではないよ)
あわせて読みたい
【解説】「小説のお約束」を悉く無視する『鳩の撃退法』を読む者は、「読者の椅子」を下りるしかない
佐藤正午『鳩の撃退法』は、小説家である主人公・津田が、”事実”をベースに、起こったかどうか分からない事柄を作家的想像力で埋める物語であり、「小説のお約束を逸脱しています」というアナウンスが作品内部から発せられるが故に、読者は「読者の椅子」を下りざるを得ない
あわせて読みたい
【解説】テネットの回転ドアの正体を分かりやすく考察。「時間逆行」ではなく「物質・反物質反転」装置…
クリストファー・ノーラン監督の映画『TENET/テネット』は、「陽電子」「反物質」など量子力学の知見が満載です。この記事では、映画の内容そのものではなく、時間反転装置として登場する「回転ドア」をメインにしつつ、時間逆行の仕組みなど映画全体の設定について科学的にわかりやすく解説していきます
あわせて読みたい
【感想】人間関係って難しい。友達・恋人・家族になるよりも「あなた」のまま関わることに価値がある:…
誰かとの関係性には大抵、「友達」「恋人」「家族」のような名前がついてしまうし、そうなればその名前に縛られてしまいます。「名前がつかない関係性の奇跡」と「誰かを想う強い気持ちの表し方」について、『君の膵臓をたべたい』をベースに書いていきます
ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
苦しい・しんどい【本・映画の感想】 | ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
生きていると、しんどい・悲しいと感じることも多いでしょう。私も、世の中の「当たり前」に馴染めなかったり、みんなが普通にできることが上手くやれずに苦しい思いをする…
ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
記事検索(カテゴリー・タグ一覧) | ルシルナ | 映画と本の感想ブログ
ルシルナは、4000冊以上の本と500本以上の映画をベースに、生き方や教養について書いていきます。ルシルナでは36個のタグを用意しており、興味・関心から記事を選びやすく…
コメント