子どもの頃から現在までで4000冊以上の本を読んできましたが、本格的に読書を始めたのは20代前半からです。読む習慣をつけたり、どう本を選んでどう感想を文章にするのかについては試行錯誤してきました。また、15年近く書店員として働き、公私において本と深く関わってきたつもりです。本や書店、あるいは読書などについて、自身の経験を踏まえながら書いていきます。
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【知的】「BLって何？」という初心者に魅力を伝える「腐男子」の「BLの想像力と創造力」講座：『ボクたちのBL論』（サンキュータツオ、春日太一）
「BLは知的遊戯である」という主張には「は？」と感じてしまうでしょうが、本書『ボクたちのBL論』を読めばその印象は変わるかもしれません。「余白の発見と補完」を通じて、「ありとあらゆる2者の間の関係性を解釈する」という創造性は、現実世界にどのような影響を与えているのか -
【自由】詩人が語る詩の読み方。「作者の言いたいこと」は無視。「分からないけど格好いい」で十分：『今を生きるための現代詩』（渡邊十絲子）
私は学生時代ずっと国語の授業が嫌いでしたが、それは「作品の解釈には正解がある」という決めつけが受け入れ難かったからです。詩人・渡邊十絲子の『今を生きるための現代詩』を読むと、詩に限らずどんな作品も、「解釈など不要」「分からなければ分からないままでいい」と思えるようになる -
【博覧強記】「紙の本はなくなる」説に「文化は忘却されるからこそ価値がある」と反論する世界的文学者：『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』（ウンベルト・エーコ）
世界的文学者であり、「紙の本」を偏愛するウンベルト・エーコが語る、「忘却という機能があるから書物に価値がある」という主張は実にスリリングだ。『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』での対談から、「忘却しない電子データ」のデメリットと「本」の可能性を知る -
【爆発】どうしても人目が気になる自意識過剰者2人、せきしろと又吉直樹のエッセイに爆笑＆共感：『蕎麦湯が来ない』（せきしろ、又吉直樹）
「コンビニのコピー機で並べない」せきしろ氏と、「フラッシュモブでの告白に恐怖する」又吉直樹氏が、おのれの「自意識過剰さ」を「可笑しさ」に変えるエッセイ『蕎麦湯が来ない』は、同じように「考えすぎてしまう人」には共感の嵐だと思います -
【狂気】稀少本を収集・売買する「愛すべき変人コレクター」の世界と、インターネットによる激変：『ブックセラーズ』
広大な本の世界を狩人のように渉猟し、お気に入りの本を異常なまでに偏愛する者たちを描き出す映画『ブックセラーズ』。実在の稀少本コレクターたちが、本への愛を語り、新たな価値を見出し、次世代を教育し、インターネットの脅威にどう立ち向かっているのかを知る -
【正義】マイノリティはどう生き、どう扱われるべきかを描く映画。「ルールを守る」だけが正解か？：『パブリック』
社会的弱者が闘争の末に権利を勝ち取ってきた歴史を知った上で私は、闘わずとも権利が認められるべきだと思っている。そして、そういう社会でない以上、「正義のためにルールを破るしかない」状況もある。映画『パブリック』から、ルールと正義のバランスを考える
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