【あらすじ】原作未読のまま観た映画『モンテ・クリスト伯』は予想を超えるほど面白い復讐劇

目次

はじめに

この記事で取り上げる映画

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この映画をガイドにしながら記事を書いていきます

この記事の3つの要点

  • エドモン・ダンテスは、幸せの絶頂から自分を引きずり下ろした3人に復讐を誓う
  • 前半の展開からはとても想像できないほどまったく別次元の物語として展開される後半の復讐劇
  • 復讐劇の背後で蠢く様々な人間関係も実に興味深い

正直全然期待せずに観たのだが、驚きの面白さで、観て良かったなと思う

自己紹介記事

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どんな話かまったく知らずに観た3時間の超大作映画『モンテ・クリスト伯』は、ぶっ飛ぶほど面白い復讐物語である

これはメチャクチャ面白い映画だった。正直全然期待しておらず、というか、観るかどうかさえ迷っていたぐらいの作品なのだが、これは観て良かったなぁ。3時間、あっという間だった。まさかこんなに面白いとは。

もちろん、原作が有名な古典作品だということぐらいは知っているが、読んだことはないし、どんなストーリーなのかも知らなかった。昔は小説をよく読んでいたが、その時でさえ古典作品には苦手意識があって、だから大体の古典に触れたことはない。そんなわけで、『モンテ・クリスト伯』がまさかこんなどエンタメだとは驚きだった。原作は何巻も続く長い物語のようで、映画化に際してどれぐらいストーリーを削ったのかはよく分からないが、とにかく映画はムチャクチャ面白かったなと思う。

映画『モンテ・クリスト伯』の内容紹介

時は1815年。フランスの皇帝だったナポレオンはその時流刑地であるエルバ島におり、また本国では、彼の支持者を根絶するために無慈悲な逮捕や処刑が行われていた。そんな時代が物語の舞台である。

ある日のこと、エルバ島近くのコルス岬で商船ファラオン号が難破した(と私は理解したのだが、もしかしたら難破したのは近くにいた別の船だったかもしれない)。そして、海上を漂っていた女性を救うために海に飛び込んだのが航海士のエドモン・ダンテスである。彼は無事に女性を救い出した。しかしその後、ダングラールという胸糞悪い船長から「勝手なことをするな」と叱責され、マルセイユに着くまで船倉にいろと命じられてしまう。

寄港後に解放されたエドモンは、アンジェルと名乗る謎の女性としばし再会し、そして別れを告げる。それから、雇い主であるエルモに呼び出された。同じ部屋に船長のダングラールもいて、彼が命令を無視したエドモンの行動を非難し続けている。そして船長は「彼とはもうやっていけない」と訴え、エルモが「では望みを叶えてあげよう」と口にする。そしてそのままダングラールを解雇し、エドモンを船長に指名したのだ。こうして彼は、思いがけず出世を果たすことになった。

さらに、船長への昇格を機に地元の有力者の娘メルセデスとの結婚も決まる。まさに人生の絶頂と言っていいだろう。しかし、まさにその結婚式の最中、王室検事ヴィルフォールの命によりエドモンは逮捕され連れ去られてしまう。その容疑はなんと「ナポレオン直筆の手紙を所持していたこと」である。もちろん、エドモンにはまったく身に覚えのない話だった。しかし検事は、船員2人(その内の1人はダングラールである)から証言が得られたと言ってエドモンの訴えに耳を貸しはしない。

こうして彼は、そのまま投獄させられてしまった。彼自身が知っていたかどうかは分からないが、エドモンがいたのは孤島に浮かぶ監獄・イフ城塞である。そしてここに閉じ込められてから4年が経過した。壁はよじ登れるような高さではないし、建物から出られたとしても周りは海に囲まれている。脱獄など、どう考えても不可能な状況だ。

そんなある日のこと、彼のいる牢獄の石壁が突如崩れ、見知らぬ男が顔を覗かせた。どうやら隣の牢獄の囚人のようだ。司祭だというファリアによれば、彼は牢獄と牢獄の間の空間を掘り進んでここまでやってきたという。同じように壁を掘り進めば、いつかは外に出られるはず。そう主張する男の計画に、エドモンも乗ることにした。

こうして2人は、いつ終わるとも知れない掘削作業を延々と続ける。そんな中、ファリアが「ここから出られたら何がしたいか?」と聞く。そしてそんな他愛もない話題から、唐突にテンプル騎士団の話が始まるのだ。まさかこの話が、その後のエドモンの運命を大きく変えることになるとは……。

ぶっ飛んだ復讐計画がとにかくメチャクチャ面白い

さて、先に書いた内容紹介は、ざっくり物語の中盤ぐらいまでの展開で、そして後半に入ると「エドモンによる復讐劇」がスタートすることになる。この後半部分が本作のメインパートだと言っていいだろう。どういう事情からそんな展開になるのか触れたいところではあるが、前半と後半のあまりのトーンの違いに驚いてほしいし、「何がどうしてそうなったんだ!?」みたいに感じてもらう方がより楽しめると思うので、詳しい流れには触れないでおこうと思う。

ともかく、エドモンは復讐を決意した。その対象は3人。彼を逮捕した検事ヴィルフォール、彼を陥れた元船長ダングラール、そして彼の失脚に加担し愛するメルセデスまでをも奪ったフェルナンである。この3人は、エドモンがどうにか世俗へとカムバックを果たした時にはかなり高い地位の存在になっており、普通のやり方ではとてもじゃないが復讐など果たせないという状況だった

さらに、エドモンは「殺すんじゃ生ぬるい」とも考えている。これは、復讐計画の実行に当たって彼が見つけてきた、とある事情を抱えた仲間(この点に関しても詳細は伏せておこう)に対して口にしたものだ。確かに、ただ「殺す」だけならどうにでもなるかもしれない。しかしエドモンは、そんなことでは復讐にならないと考えている。ラストで「死者は英雄となり、罪は赦される」とエドモンが言っていたが、つまり「殺すこと」は彼にとって意味のある行為ではないのだ。そのためエドモンは代わりに、「相手が大事にしているものを根こそぎ奪い取ろう」と考えることにしたのである。

そしてそのための計画が実に面白かった。

彼らは慎重に計画を練り、入念な準備・練習(そう、練習までしているのだ)を重ねてから本番を迎えている。3人の現状を調べ上げた上で、あらゆる要素を組み込みながら大胆な心理戦を仕掛けていくのだ。まるでチェスか将棋の対局のようで、エドモンは常に「こちらがこう動けば、相手はきっとこう反応する」というように先読みをしている。エドモンは自分から積極的に仕掛けていくというよりは、相手の動きを制御して張った罠へと追い詰めていくみたいなやり方をしていくのだ。

しかもその「罠」というのは、「ある屋敷で唐突に怪談話をする」とか「『これでもっと儲けられる』と感じさせる状況を作り出す」など、非常に絶妙である。エドモンらが実際にどのように彼らを追い詰めていくのか、その詳細は是非本編を観てほしいが、とにかくストーリー的にはこの点が最も面白いだろうと思う。私も、復讐劇が始まってからずっと、「えっ? ここからどうするわけ?」という感じだった。

そしてその上で、「復讐劇の背後で展開される人間関係」もまた興味深い。分かりやすいところで言えば、やはりエドモンとメルセデスの関係が挙げられるだろう。メルセデスは、復讐の対象者の1人であるフェルナンと結婚していることもあり、2人は当然顔を合わせることになる。この2人の関係性がどう展開していくのかは、かなり興味深いんじゃないかと思う。

また本作には、エデという謎の女性が登場する。彼女の素性は最後の最後で明かされる構成のため、エデはずっと「謎の存在」として出続けるのだが、彼女の葛藤もまた面白いなと思う。復讐の一環としてある人物に近づくのだが、そのことがややこしさを引き連れてしまうのだ。こちらも観ながら、どんな風に着地するのか気になってしまうのではないかと思う。

映画『モンテ・クリスト伯』のその他感想

印象的なシーンは色々あったのだが、個人的に一番好きだなと感じたのは「今伝えられた」というセリフが出てくる場面だ(ただ、かなりラストに近いシーンなので、詳細については伏せる)。もちろん、「きっとそういう展開になるだろうな」と想定できるようなシーンだったが、それでも「いや、良いねぇ」と感じさせられた。

さて、この点に関連させて書くと、原作が古典作品なので仕方ないが、「概ね想像通りの展開になる」という点に物足りなさを感じる人がいるかもしれないなとは思う。最近のエンタメであれば、「観客・読者の想像を良い具合に外してくる」みたいな作品が多いんじゃないかと思うが、やはり古典作品にそういう要素を望むのはなかなか難しいだろう。だから「もっと裏切りのある展開が望ましい」みたいに感じる人がいてもおかしくはない。とはいえ、「古典作品を映像化している」という事実込みで鑑賞する作品でもあると思うので、その辺りは適度に補正をかけながら観るのが良いだろう。

あと本作は、とにかく映像が凄い。「凄い」というのは、身も蓋も無い言い方をすれば「金がかかってそう」という意味だ。

船のシーンはもしかしたらCGなのかもしれないが、シーンによっては実際に海に船を浮かべて撮ってる場面もあるんじゃないかと思う。また「豪華絢爛」と言っていいだろう美術の数々は圧倒的だ。室内のシーンはセットが多いのかもしれないが、外観はたぶん実在する建物を使わせてもらってるんじゃないだろうか。何にしても、「ムチャクチャ金かかってるだろうなぁ」と感じさせる映像には驚かされてしまった。

また、謎の女性エデを演じた女優(アナマリア・ヴァルトロメイというらしい)は、私が観る映画にはホントよく出てくる。昔観た『あのこと』はメチャクチャ印象的な作品だったし、『タンゴのあとで』では実在した人物をかなり体当たりで演じていた。調べてみると、どうやら映画『ミッキー17』にも出ているようだ(どの役だったか思い出せないが)。本作においてエデは結構重要な役どころなので、アナマリア・ヴァルトロメイの存在感もまた本作の面白さに一役買っていると思う。

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最後に

想定よりも遥かに面白い作品だったし、3時間もあったとは思えないぐらいあっという間に観終えてしまったという印象だ。もちろん、「濃密な鑑賞体験だった」という感覚も同時にあって、とにかくメチャクチャ大満足だった。3時間超えの映画と言えば『国宝』だし、『モンテ・クリスト伯』と『国宝』どっちを観たらいいか聞かれれば迷わず『国宝』と答えるが、『モンテ・クリスト伯』も負けじと面白いどエンタメ作品で、非常にオススメである。

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