どんな人生を歩みたいか、多くの人が考えながら生きていると思います。私は自分自身も穏やかに、そして周囲の人や社会にとっても何か貢献できたらいいなと、思っています。色んな人の本を読み、様々な人生について知ることで、どう生きるべきかについてこれまで思い巡らせてきたつもりです。そんな多様な生き方について、4000冊以上の本を読み、500本以上の映画を見て考えたことをベースに書いていきます。
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生きる気力がない・つまらない・働きたくない【本・映画の感想】
【丁寧】筒井康隆『敵』を吉田大八が映画化!死を見定めた老紳士が囚われた狂気的日常を描く(主演:長塚京三、瀧内公美、河合優実)
映画『敵』(吉田大八監督)は、原作が筒井康隆だけのことはあり、物語はとにかく意味不明だった。しかしそれでも「面白い」と感じさせるのだから凄いものだと思う。前半では「イケオジのスローライフ」が丁寧に描かれ、そこから次第に、「元大学教授が狂気に飲み込まれていく様」が淡々と、しかし濃密に描かれていく -
コンプレックス・ネガティブ・自己嫌悪【本・映画の感想】
【あらすじ】のん(能年玲奈)が実に素敵な映画『私にふさわしいホテル』が描く文壇の変な世界(監督:堤幸彦、原作:柚木麻子、主演:のん、田中圭、滝藤賢一、田中みな実)
「こんな奴いないだろ」というような人物を絶妙な雰囲気で演じるのん(能年玲奈)の存在感がとにかく素敵な映画『私にふさわしいホテル』では、小説家・編集者がワチャワチャする「文壇」の世界が描かれる。無名の新人と大御所がハチャメチャなバトルを繰り広げるストーリーに、様々な「皮肉」が散りばめられた、なかなか痛快な物語 -
人生うまくいかない・生きづらい【本・映画の感想】
【実話】特殊詐欺被害者が警察より先に犯人を追い詰める映画『市民捜査官ドッキ』は他人事じゃない
映画『市民捜査官ドッキ』は、実際に起こった詐欺事件を基にした映画なのですが、とても実話とは思えない驚きの状況が描かれます。なにせ、「警察に見放された詐欺被害者が、自ら詐欺グループの拠点を探し当てる」のです。テーマはシリアスですが、全体的にはコメディタッチで展開される作品で、とにかく楽しく見られるでしょう -
社会の知見を広げる【本・映画の感想】
【人権】フランスの民主主義は死んではいないか?映画『暴力をめぐる対話』が問う「権力の行使」の是非
映画『暴力をめぐる対話』は、「『黄色いベスト運動』のデモの映像を観ながら『警察による暴力』について討論を行う者たちを映し出す映画」である。「デモの映像」と「討論の様子」だけというシンプル過ぎる作品で、その上内容はかなり高度でついていくのが難しいのだが、「民主主義とは何か?」について考えさせる、実に有意義なやり取りだなと思う -
社会の知見を広げる【本・映画の感想】
【信念】アフガニスタンに中村哲あり。映画『荒野に希望の灯をともす』が描く規格外の功績、生き方
映画『荒野に希望の灯をともす』は、アフガニスタンの支援に生涯を捧げ、個人で実現するなど不可能だと思われた用水路建設によって砂漠を緑地化してしまった中村哲を追うドキュメンタリー映画だ。2019年に凶弾に倒れるまで最前線で人々を先導し続けてきたその圧倒的な存在感に、「彼なき世界で何をすべきか」と考えさせられる -
社会の知見を広げる【本・映画の感想】
【権力】コンクラーベをリアルに描く映画『教皇選挙』は、ミステリ的にも秀逸で面白い超社会派物語(監督:エドワード・ベルガー、主演:レイフ・ファインズ)
映画『教皇選挙』は、「カトリックの教皇を選ぶコンクラーベ」という、一般的な日本人にはまず馴染みのないテーマながら劇場が満員になるほどで、まずそのことに驚かされた。本質的には「権力争い」なのだが、そこに「神に仕える者」という宗教ならではの要素が組み込まれることによって特異で狂気的な状況が生み出されている




